Skip to main content

Japan

「働き方改革ワークショップ」開催レポート(1/4)

2018年1月23日、様々な企業の総務・人事担当者が集い、自社の働き方改革における課題を共有し、解決策のアイデアを発想する場「働き方改革ワークショップ」が、富士通マーケティングのコラボレーションラウンジにて開催されました。

働き方改革が声高に叫ばれる一方で、「上手く進まない」「どこから手をつければよいのか分からない」とはよく聞かれる言葉です。そんな担当者ならではの悩みを共有し、課題解決に向けての“気づき”を発見するのが、このワークショップです。グループワークでは、参加者の活発なディスカッションが繰り広げられ、様々なアイデアが発想されました。

働き方改革ワークショップ 開催概要

第1部  インプットセッション  働き方改革を取り巻く環境
           ―株式会社富士通ラーニングメディア―
1-1  働き方改革とは
1-2  働き方改革に関わる環境
1-3  会社組織をどうデザインすべきか
1-4  働き方改革事例紹介  ―株式会社富士通マーケティング―

第2章  グループディスカッション
2-1  ワールドカフェ  働き方改革推進における困りごとは何か
2-2  グループライティング
ワールドカフェの結果を共有し、困りごとを1つ確定(ブレインライティング)
解決策のアイデアを発想(ブレインライティング)
最も良いと思われるアイデアをグループで選抜、タイトルをつける
2-3  ピッチ(発表)
各グループ、アイデアのタイトル、アピールポイントなどを発表

第3部  働き方改革ソリューションのご紹介  ―株式会社富士通マーケティング―

ファシリテータ

平井 亜紀 氏 平井 亜紀
株式会社富士通ラーニングメディア
共創人財育成サービス部 部長



30年以上に渡り人材育成に従事。メインフレームの時代から今に至るまで、仕事・組織・マネジメント・技術動向の大きな変化の波を人材育成の視点から見つめ続け、また自らも体験。「学びと笑顔は人生を豊かにする」が信条

アイスブレーク  似顔絵を描く

インプットセッション、グループディスカッションへと続くワークショップが始まる前に、今回は参加者の気持ちを解きほぐすためのアイスブレークが行われました。それは、参加者同士が似顔絵を描きあうというもの。似顔絵ができたら、相手に渡して相互に自己紹介をします。ファシリテータの平井氏からは「似顔絵を描くためには、相手の顔をしっかり見ることになります。これが、お互いの信頼関係を結ぶきっかけになります。また、アイデアを発想するのは右脳。絵を描くことは、右脳を刺激することになります」とアイスブレークの目的について説明がありました。自己紹介では、各所で自然と笑いが起き、参加者同士が打ち解けた雰囲気の中で「たくさん話す」環境ができあがりました。


第1部  インプットセッション  働き方改革を取り巻く環境

参加者の緊張感がほぐれたところで、まず最初はインプットセッションです。平井氏より、働き方改革を取り巻く環境や、働き方改革を推進する上で押さえておかなければいけない日本の労働状況について、様々なデータを交えた解説が行われました。

1-1  働き方改革とは

日本経済再生に向けた最大のチャレンジは、働き方改革

平井氏
働き方改革が、現在これほどまでに叫ばれるようになった由来は、2015年9月に政府が打ち出した、いわゆる「新・三本の矢(強い経済、子育て支援、社会保障の強化)」にあります。2016年6月の「一億総活躍プラン」策定を経て、2017年3月には長時間労働是正、同一労働 同一賃金に力点が置かれた「働き方改革実行計画」が策定されました。その後、リンダ グラットン氏の著書である「LIFE SHIFT」が日本で大変な旋風を巻き起こし、その中で述べられた「人生100年時代」へ注目が集まり、同年9月には「人生100年時代構想会議」も発足しています。政府は、日本経済再生に向けた最大のチャレンジは働き方改革であると位置づけ、企業文化や風土も含めて変えようとする働き方改革こそが労働生産性を改善するための最良の手段であると方針を打ち出しています。長時間労働是正、同一労働 同一賃金のみならず、テレワーク・複業・兼業など柔軟な働き方の推進や、子育て・介護と仕事の両立、高齢者の雇用促進などに対する様々な施策や法整備と、政府が積極的に取り組んでいるため、多くの企業が改革に動き出しているのが日本の現状です。

1-2  働き方改革に関わる環境

深刻な少子高齢化と2025年問題を抱えた日本。人生100年時代の課題は

平井氏
なぜ今、働き方改革なのか?その背景にあるのは、深刻な少子高齢化と2025年問題です。
生産年齢人口、つまり15歳~64歳の働くことのできる人の人口は、少子化の影響を受け、2017年には60%を割り込み、このままでいけば2060年には50.9%にまで減少します。2060年の日本の総人口は8670人まで減少すると推定されており、さらに生産年齢人口の割合が低下するのですから、問題は深刻です。(図1参照)

図1:少子高齢化の状況

図1:少子高齢化の状況


そして、団塊の世代が後期高齢者になる2025年頃に一気に高齢化が進み(これが2025年問題)、高齢化率(65歳以上の人口割合)は、2060年には39.9%にまで達し、2.5人に1人が65歳以上の高齢者になります。働く人の人口は確実に減り、今のままの働き方では日本経済が破綻の道を歩むとまで言われています。

一方で、日本の高齢者は若返っているというデータがあります。1992年と2002年の各年代の歩行速度を比較すると、男女ともに、10年間で歩行速度は速くなり、2002年の75歳は10年前の64歳の歩行速度。単純に言えば、10年間で11歳も若返っているということになります。昨今、健康寿命という言葉が「貢献寿命」という言葉に変わってきています。経済産業省でも「貢献寿命」という言い方が使われるようになり、歳をとっても社会の役に立ちたい、貢献したいと願うシニアが増えてきていることを「貢献寿命」という言葉が表していると言えるでしょう。

このように、若返った高齢者にも働く機会を与えて、日本経済を支える労働力を確保していこうというのが、政府の「人生100年時代構想会議」の重要なテーマです。東京大学 高齢社会総合研究機構 特任教授 秋山 弘子氏は、人生100年時代の課題として「高齢者個人の人生設計」「社会インフラの超高齢化社会対応」「高齢化社会対応の産業を基幹産業化」の3つを挙げています。

年々増加する生涯未婚率。働くことに対する考え方や価値観も変化する。

平井氏
50歳までに一度も結婚したことがない、生涯未婚率が年々増加しています。2015年は男性が23.37%、女性が14.06%で、20年後の2035年には独身者が5割近くに、独居家庭が4割近くになるという推計も現実になりつつあります(図2参照)。

図2:年々増加する生涯未婚率

図2:年々増加する生涯未婚率


ちなみに、生涯未婚率を職業別で見てみると、例えば営業・販売職の女性の生涯未婚率は約35%。情報処理技術者や医師など専門的スキルを要する仕事に従事する女性の生涯未婚率はさらに高い傾向があります。女性の社会進出がどんどん増え、それに伴って未婚率も高まっているということだと思います。また、年収別の生涯未婚率は、男性と女性ではまったく逆の傾向。男性は年収が高ければ高くなるほど生涯未婚率が低くなるのに対し、女性は年収が高いと生涯未婚率も高くなります。(図3参照)

図3:職業別・年収別生涯未婚率

図3:職業別・年収別生涯未婚率


生涯未婚率が上昇し、家族のために働くという意識を持たない人が増えてくるかも知れません。
労働力確保の可能性も増している一方で、日本の労働生産性は相変わらず低いままです。時間あたりの労働生産性は、先進7ヵ国(アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、イギリス、日本)で、50年近くも前の1970年からずっと最下位です。

この労働生産性を高めるためには、「価格競争以外で勝負する」「生産性を上げる=付加価値を上げる」ということを多くの企業が認識すべきです。付加価値というのは、商品の品質や機能を指すのではなく、その商品やサービスを手にした人たちがどんな人生体験をできるのか、どんな体験を生み出せるのかということです。付加価値 (アウトプット)を増やさずに、人手や労働時間(インプット)を減らす傾向から脱却することも重要です。時短、時短とばかり叫び続けていては、働く人のモチベーションも上がらず、生産性は低下するばかりなのです。

人づくり革命、ダイバーシティ、働く人の価値観の変化をふまえて。

平井氏
その他、政府の取り組みは、幼児教育無償化や待機児童ゼロ、高等教育無償化、介護人材の処遇改善、リカレント教育(シニア向けの生涯にわたって教育と就労を交互に行うことを勧める教育システム)といった、働く人たちを強くする「人づくり革命」へと進んでいます。女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病がある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で誰もが活躍できる社会の実現を目指す「ダイバーシティ(一億総活躍プラン)」が国民に向けて発表され、これまで「働きたいのに働けなかった」人に存在していた障壁は少しずつ取り除かれようとしています。最近では、特に障害を持った方々などへ「モザイク型就労」を実践する企業も増えてきました。
このように、国の政策のもと、企業によって働く環境の変革が着々と進められているのです。

また、働く人の価値観の変化も、働き方改革を進める上で、頭に入れておきたいデータでしょう。私が会社に入った頃、「社長になりたい」という野望を持つ同期がたくさんいましたが、今の若い人たちの働く目的は「楽しい生活をしたい」がトップで、楽しい生活をするために働くという意識の人たちが40%を占めています。さらに、会社の選択理由のトップは「自分の能力・個性が生かせるから」。組織のために、という意識は薄く、このような人たちは、極端に言えば上司の言うことを聞きません。このような人たちが社会にどんどん出てくると、上司や働く環境を変えていかないと、限られた人材を有効に活用することが難しくなるのかもしれません。

1-3  会社組織をどうデザインすべきか

VUCAな時代に大切なのは「目的」と「シナリオ」

平井氏
今は、VUCAな時代とよく言われています。VUCAとは、Volatility(不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧) 4つの頭文字をあわせた造語ですが、現在の社会情勢を如実に表している言葉であると思います。

このような時代であるからこそ、大切なのは「目的」と「シナリオ」です。目的とシナリオがなければ、従業員のみなさんも「何のために、どっちの道を頑張ればいいのか」が分からないといった状態に陥ってしまいます。

「売上や利益がいくら」というのは目標です。目的とは、問題の全体像を把握し大局をみて設定します。
例えば地球のためにとか、世の中のためにとか、大きな目的を掲げ、それを実現するためにプロジェクトのミッションといった中目的を設定、さらに個々のプレイヤーのタスク目標(小目的)に分解し、個人の能力を引き出していく。これは、目的工学という学問で定義されている仕組みで、PDCA経営に変わる経営手法として最近注目されています。

そして、シナリオです。いきなり、世の中のためになる目的を描けと言われても難しいかも知れませんが、ちょっと海外に目を向けてみれば、例えばヨーロッパでは、キャッシュレス社会が意外なほど早く進んでいます。デンマークでは昨年、紙幣、硬貨の製造を止めていますし、フィンランドのホテルでは、実際にペットボトルの水1本でも現金で買えませんでした。また、EU圏内のローミング手数料も無料化され、デジタル単一市場の構築も進んでいます。グローバルでリアルタイムなキャッシュレス社会が到来する、このようなシナリオも十分にあり得るでしょう。

日本では、富士フィルムの事例が有名です。デジタルカメラやカメラが搭載されたスマホが急激に普及したことで、同社の売上のほとんどを占めていた写真フィルムの需要は激減しましたが、彼らは「フィルムを作る」というコア技術を他の分野に生かす「シナリオ」を持っていたために、生き残れたとききます。今では医薬品、医療機器、化粧品といった成長分野をいくつも抱える先端企業に生まれ変わっています。一方で「シナリオ」を持っていなかったために、衰退の一途を辿った大手フィルムメーカーもありました。「目的」と「シナリオ」の重要性をまざまざと表す実例と言えるでしょう。

最後に、ご参考までに、SDG’s(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)というサイトをご紹介しましょう。ここには、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、世界を変えるための17のアジェンダが掲示されています。これをCSRではなく事業として捉えたならば、たくさんのビジネスチャンスが潜んでいると言えるでしょう。これら17の目標が、「目的」と「シナリオ」を描くためのヒントになるかもしれません。(図4参照)

図4:SDG’s(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)

図4:SDG’s(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)


お問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-835-554 お客様総合センター

受付時間 9時から17時30分まで
(土日、祝日及び当社指定の休業日を除く)
[注] お問い合わせ内容の正確な把握、およびお客様サービス向上のため、お客様との会話を記録・録音させて頂く場合がありますので、予めご了承ください。