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「改革」はなぜうまくいかないのか
~変わりたくないを変える為に~ セミナーレポート

イメージ 経営層から「働き方改革を進めてほしい」と言われたら、総務・人事部門のあなたはどうしますか?働き方改革元年と言われた2017年、長時間労働対策をはじめ、多くの企業で働き方改革の取り組みが始まる一方で、「何から手をつけたらいいのか分からない」「うまくいかない」といった声が増えています。なぜ、働き方改革はうまくいかないのか?本講演では、多くの企業の働き方改革サポートの実績を持つ、株式会社富士通マーケティング戦略プロモーション統括室担当部長 田中貴之が、「働き方改革で陥りがちな落とし穴」を明らかにし、「うまく進めるためのコツ」を解説しました。

  講師  

田中 貴之

株式会社富士通マーケティング
商品戦略推進本部 戦略プロモーション統括室 担当部長

※記事中の職制・役職等は取材時点のものです。

田中 貴之

なぜ、働き方改革がうまくいかないのか

働き方改革は、当社でも強く推進しております。しかし、すべてがうまく進んでいるわけではなく、試行錯誤の連続です。そんな当社の「どこがうまくいかなかったか」という経験を踏まえて、働き方改革の進め方についてお話しします。

昨年2月に実施した富士通マーケティングフォーラム2017でも、私は働き方改革についてお話ししました。それから1年、全国26都道府県で計40回、働き方改革の講演を行い、参加いただいた方1201名様から、アンケートを通じて多くの意見をいただきました(図1参照)。

図1:働き方改革セミナー参加者アンケート回答

図1:働き方改革セミナー参加者アンケート回答
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働き方改革の状況は各社様々ですが、当アンケート結果より、多くの企業では「経営層が関心を持っている」ことがうかがえます。ただし、一方で、「具体的な指示あり」という企業は少なく、現場では「何から始めるかわからない」という声も出ています。経営層からは「やれ」と言われているけど、実際「何をやれとも言われていないし、自分でも何をやったらいいのか分からない」といった悩みを抱えた担当者が多いと実感しています。
その他にもアンケートより、興味深い結果が出ています。例えば、1社で経営層1名、総務担当1名、一般社員4名の計6名の方がセミナーに参加されたケースで、それぞれの方のアンケート回答を見比べてみました。「働き方改革で何に取り組みたいですか?」という質問に対し、経営層は、テレワークや長時間労働対策、意識改革、文書の効率化、ビジョン策定など、ほぼすべての項目に○を付けています。総務担当も、経営層とほぼ同じ項目に○をつけています。しかし、社員4名の回答はバラバラで、○を1つしか付けていない社員もいます。また、「働き方改革の状況は?」という質問に対して、経営層は「検討チームあり」に○がついているのに、総務担当、社員4名は「検討チームあり」に○をつけていなかったり、経営層は「具体的な指示はしていない」と回答しているのに、総務担当は「具体的な指示あり」と回答していたりというものでした。これは1社の事例ですが、経営層と社員の間に、働き方改革に対する意識の「ズレ」が少なからず生じているのではと感じました。

さらに、セミナー後の懇親会では、こんな本音も聞かれました。

<経営層の本音>
働き方改革を進めると、競争力が落ちてしまう。(やりたくないが、仕方ない…)

<総務・人事部門の本音>
長時間労働対策のNO残業デーなど、新ルールが現場を苦しめている。(これでいいのか…)

<社員の本音>
給料が減るのに、頑張りたくない。

社内に抵抗勢力がいる

私が話を聞いた中で、みなさん共通して言われていたのが、「社内に抵抗勢力がいる」ということでした。「一生懸命に改革を進めているが、気が付いたら自分だけ頑張っていて、周りがついてきていなかった」「何かをやろうとしても、すぐに否定される」といった本音が聞かれ、この抵抗勢力問題が、多くの企業で働き方改革の“壁”になっていると感じました。

厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」には、他社の事例がたくさん掲載されています。それを見ると、NO残業デーなど、どの会社もやっていることは同じなのに、なぜうまくいくところと、うまくいかないところがあるのか?その違いは何なのか?という疑問が湧いてきます。

働き方改革がうまくいかない2つの仮説

その答えとして、私の仮説をお話しします。働き方改革がうまくいかない理由の1つは、やろうとしている施策が、自社では不正解かもしれない(社員がやりたいことと違っている)こと。これが仮説1。また、施策が正解であったとしても、なぜ必要か、なぜやらなければならないのか、社員が納得していない、腹落ちしていないというのが、仮説2です。

やりたいことと違う施策を押し付けられた社員は、会社への不満をためこんでしまいます。また仮説2の納得していない状態では、「やればいいんでしょ」となり、社員の本来の業務へのモチベーションは低下します。働き方改革が「働かせ改革」になってしまうのです。

今、少子化によって有効求人倍率はかなり上昇しています。企業が強い時代は終わり、従業員のほうが何倍も強い時代です。人材エージェントも整備され、不満を抱えた従業員が会社を飛び出すことだって簡単にできてしまいます。「働かせ改革」のままでは、雇用確保はどんどん難しくなっていまきす。

「働かせ改革」のリスク回避

「働かせ改革」になってしまうことのリスクは大きいと言えます。例えば、長時間労働の抑止。ただ抑止するだけでは賃金が減り、上司との関係が悪化する事態を招きます。時間削減で品質が低下、従業員のモチベーションが下がり、成長もできないという大きなリスクを抱えています。働き方改革によって、「みんなが生産性を上げている」「適切な社内競争が行われている」それが本来の目的であるはずなのに、「会社への不満」や「モチベーション低下」を招くのは本末転倒です。

では、どうすればいいのでしょうか。長時間労働削減を社員が納得する形で進めるには、どうしたらいいのか、その1つの答えとして、「経営層が、組織の方針を社員へのメッセージとして発信する」という方法があります
(図2参照)。

「長時間を削減すると、従業員の残業代が減り、会社の利益が増えます」と、ここで説明を終わらせずに、「会社はその利益で、基本給を増やし、従業員の自己啓発を支援します」「従業員が余った時間で自己啓発を行い、スキルを上げ、より成果を上げることで、会社の業績は向上。従業員の給料を上げることができます」と、将来の目指す姿を従業員のメリットにつながるように発信することが、社員の納得感を導き出せると考えます。働き方改革を進める上で、重要なのは、「目指すべき姿の共感」です。

図2:「組織の方針」を社員へのメッセージとして発信する

図2:「組織の方針」を社員へのメッセージとして発信する
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働き方改革の最初の一歩とは

働き方改革の「最初の一歩」をどこから踏み出せばよいか、お悩みのご担当者も多いと思います。一例ですが、「PCを軽量モバイルPCに変える」という最初の一歩を踏み出した場合の「バタフライ効果」をご紹介します。「バタフライ効果」とは、「ブラジルで蝶が羽ばたいたら、アメリカでサイクロンが起きる」という逸話のように、ちょっとしたことがその後大きな波及効果を生む、といったことを示す言葉です。

例えば、自席では、モバイルより大画面PCのほうが仕事しやすいと思う方が多いと思います。ただし、会議においては、大画面PCは会議室に持ち込むのが重く、難しいので、紙の資料を人数分用意して配布することになります。一方、モバイルPCを持っていれば、会議準備は不要であり、ペーパーレスの会議ができます。また、会議終了後、資料をファイリングする際、大画面PCでは会議に紙資料を使用するため、自席周辺にアナログ情報が積み重なっていきます。しかし、モバイルPCでは、会議のアジェンダも議事録もメールで共有してファイルサーバに保管。自席から紙やアナログ情報がなくなります。モバイルPCに変えることで、すっきりした執務環境に変えることができます。

別の例をあげます。2人の社員が家族を介護しなければならない立場になったとします。大画面PCの社員とモバイルPCの社員とでは、働き方に違いが出てきます。大画面PCの社員は、オフィスの自席周辺にアナログ情報として仕事に必要な資料があると自宅で仕事ができないので、休暇を取得するしかありません。しかし、在宅勤務の制度やモバイルワークできる環境が整っていれば、モバイルPCの社員は、介護をしながら自宅で仕事ができます。

さらに、大画面PCの社員は、休暇取得中、社内との連絡は電話とメールになり、介護が長期化すれば、次第にチームへ迷惑をかけていることが重荷になって孤立し、最悪の場合は介護離職の道をたどってしまいかねません。モバイルPCの社員の場合、必要に応じてWeb会議をして、Face to Faceのコミュニケーションがとれ、チーム内で在宅勤務の業務量などを調整しつつ最適化し、介護が終了すれば、無理なく職場復帰が可能な状態を維持することができます。

こうした状況を若手社員は見ています。介護離職で残された若手社員には業務のしわ寄せがあるでしょうし、将来への不安も抱き、会社からはどんどん気持ちが離れていってしまいます。就職希望者も集まらず、従業員は減少する事態を招きます。一方、介護という事情を抱えてもスムーズに職場復帰している社員を見たら、若手社員も、自分も多様な働き方ができると、将来への希望を抱くようになります。それを就職希望者が見て、多様な働き方ができることに大きな魅力を感じます。結果、少子高齢化・人財不足の時代になっても、雇用を維持することができます。

ここにあげた例は、極端かもしれませんが、PCを見直すなど、仕事の環境を少しだけ見直すだけで、その先、思わぬ波及効果を生む可能性はゼロではありません。

「変わりたくない人」を、「自ら変わる」へ

本講演のサブタイトルに「変わりたくないを変えるために」を付けました。先ほど、「働き方改革には、抵抗勢力がいる」というお話しをしましたが、この抵抗勢力も「変わりたくない人」です。働き方改革を進める上で、この「変わりたくない人」を「自ら変わる」ように仕向けることが重要なポイントになります。

「変わりたくない人」を「自ら変わる」に変えるために、当社はどうやってきたのかご紹介します。当社は今でこそ、どこでもオフィスと同等に働くことができる環境を整えていますが、最初はうまくいきませんでした。モバイルPCを導入してOffice 365の環境を使って外からでも仕事ができるようにしたもののオフィスに帰ってきてしまう社員や、在宅勤務をしていても、明日は会社に行かなきゃと頻繁に出社する社員もいました。その理由は、オフィスの中に、まだ仕事に必要な資料などが残っていたからでした。そこで、アナログ情報のデジタル化を図り、ようやくオフィスとイーブンな状態で働くことができる環境が整備されました。

当社は2014年のオフィス移転の際に、部門横断のワーキンググループをつくりました。そのときのメンバーに私も入っていましたが、当時は、働き方改革ではなく、ワークスタイル変革ワーキンググループと呼んでいました。移転をきっかけに実現したいのは、場所にとらわれない働き方でした。ワーキンググループでいろいろ意見を出し合い、具体的な形にして経営側へ提案しました。私たちの働き方改革の原動力となったのは、ワーキンググループが検討・提言したことを、経営トップが社員へ向けてメッセージとして発信してくれたことです。現場での工夫が始まった段階では、正直とても苦労しました。「オフィスでの紙文書を減らす」と呼びかけても、みんな手放したくないし、なぜそんなことを言われなくてはならないんだ、といった声もありました。そんなとき、トップのメッセージがあり、社内ポータルでも「会議の紙は減っていますか?」と、トップが言い続けてくれたおかげで、少しずつ納得感が広がり、書類を持たない働き方が定着してきました。

働き方改革の際、ワーキンググループをつくるのはよくあることだと思います。当社の場合、ミーティング時にワークショップの形式をとったことも良かったと思います。ワークショップの形式をとることで、他者の意見に左右されない、声の大きい小さい関係なく、自由で多様な意見を多く集めることができました(図3参照)。

図3:富士通マーケティングの実践活動

図3:富士通マーケティングの実践活動
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働き方改革に必須の「ビジョン策定」

働き方改革で、どんなことをどんなふうに進めていくのか、それは何のためか、将来どんな姿になるのか、といったことを決めるのが「ビジョン策定」です。残念ながら、この「ビジョン策定」を行った上で、働き方改革に取り組んでいる企業は少ないと思われます。ITやテクノロジーの利用を考える場合、「現状の課題は何か」を明確にします。目指すのは業務改善で、業務上抱えている問題をITで解決しようとなります。それはそれで非常に大切なことですが、働き方改革を考える場合、最も重要なのは、「社員がどのように思っているか」ということです。社員が将来目指したい姿を出し、目指す方向性をビジョンとしてまとめることで、「変わりたくない人」「給料が減るから頑張りたくない人」を「自ら変わる人」に変えることができるのです。

ビジョン策定による変革の手法は、「ワークスタイルUXコンサルティングサービス」として、当社より多くの企業へご提供することが可能です。(図4参照)

図4:ワークスタイルUXコンサルティング

図4:ワークスタイルUXコンサルティング
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すでにこのサービスを利用中の企業の中には、ビジョン策定の様子から施策実行までのプロセスを動画にして、自社サイトに掲載しているケースもあります。動画を採用活動に活用し、社員の手で進める働き方改革を企業の魅力の1つにしています。

また、私たちがワーキンググループで意見を出しあったような場をつくる「働き方改革 ワークショップ」を人材育成・研修サービス(組織活性化コンサルティング)として、個別にカスタマイズし提供しています(図5参照)。

図5:働き方改革ワークショップ

図5:働き方改革ワークショップ
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その他にも、当社の働き方改革、実践の場を公開する「オフィスツアー」も実施しております。この3年で500社以上の企業のみなさんに見学いただいています。

働き方改革に大切なのは、社員全員の当事者意識と合意形成

働き方改革の主人公は、社員です。大切なのは、社員全員に「当事者意識」を持ってもらうことです。また、もう1つあげるなら、「合意形成」です。働き方改革への捉え方や価値観は社員個々で様々ですが、そのような状況の中で、いかに目指す姿への共感を高め、社員全員の合意を形成できるかがポイントです。ここにご参加いただいたみなさんの会社において、社員が主役の働き方改革を進められることを願っています。

  講師  

田中 貴之

株式会社富士通マーケティング
商品戦略推進本部 戦略プロモーション統括室 担当部長

※記事中の職制・役職等は取材時点のものです。

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