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Japan

「戦略人事サミット -イノベーション創出に向けた人事の取り組み-」開催レポート(5/7)
第2部 パネルディスカッション2

ディスカッション風景 第二部では、富士通マーケティングの人事部長兼ダイバーシティ推進室長の山本と戦略プロモーション統括室担当部長の田中に、特別講演講師の清水氏を交え、富士通マーケティングのイノベーション創出に向けた人事の取り組み事例をベースに、パネルディスカッションを展開しました。

働き方改革へ積極的に取り組む企業が急速に増加している一方で、「働き方改革を進めたいが、どこから手をつければ良いのか」「テレワークへの対応を検討しているが、具体的な進め方が分からない」など、働き方改革に直面する企業が抱えた課題や悩みが顕在化しつつあります。人材マネジメントと経営戦略を連動させて、最高のパフォーマンスを出せる人と組織づくりを行うには、また、働く人が抱える様々な課題を解決するには、人事部門はどのような役割を果たすべきか、様々な側面から議論が繰り広げられました。

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1.多様性を活かした人材マネジメント

「エンプロイー・エクスペリエンス」目線での働き方改革とは?

島 麻衣子 氏
島氏

最初のテーマ「多様性を活かした人材マネジメント」について、パネリストのみなさんにご意見をお伺いします。まず、キーワードとなる「多様性」について整理をしておきたいと思います。清水さん、先ほどの基調講演の中で「今、働き方改革で本当に必要とされているのは、人材の多様性である」また「性別・年齢・国籍といった属性だけではなく、価値観の多様性が求められている」というお話しがございました。この多様性のお話の中で1つ気になる言葉が出てきました。「これから企業には、エンプロイー・エクスペリエンスの目線が必要である」ということですが、「エンプロイー・エクスペリエンス」とはどういうことなのか、補足いただけますか。


清水 泰志 氏
清水氏

「エンプロイー・エクスペリエンス」とは、社員が仕事をすることで得られる経験価値のことです。エクスペリエンスとは心地よさであったり、驚きであったり、感動、誇らしさといった意味です。どちらかと言えば、社員の感覚的な付加価値がエンプロイー・エクスペリエンスということになります。従来の人事部門では、制度やシステムをまず決めて、それを社内に定着させていくという手順で活性化や効率化を図っていましたが、エンプロイー・エクスペリエンスの視点に立つと、まず社員にとっての望ましい姿とは何なのかを把握した上で、制度やシステムを構築していくという逆手の考え方になります。要するに、制度やシステム中心の発想から、人中心の発想へ転換するということです。

社員の望む姿ありきのエンプロイー・エクスペリエンス目線での働き方改革を進めていく際、注意すべきは、決して会社による社員のおもてなしではないということです。受動的に社員の無理難題を受け入れるということではなく、個々の社員が「何に価値を感じるか」ということを個別インタビューや観察を通して正確に把握することが重要です。

ただし、社員と個別の接点を結ぶということではありません。エンプロイー・エクスペリエンスを向上させようとする場合、それぞれの部署が独自に努力することはあまり意味がありません。部分最適化を図っても全体最適化につながらないのです。さらにもう1つのポイントは、社員の不満を解消することが目的ではないということです。従来型の課題発見、解決のアプローチで、マイナスをゼロにするというやり方ではなく、仕事上の創出価値を向上するというゴールに向けて、ゼロをプラスにする発想で、エンプロイー・エクスペリエンスの向上に取り組むべきです。


富士通マーケティングの働き方改革は、ダイバーシティ&インクルージョンの一環

島 麻衣子 氏
島氏

これからは制度やシステムありきではなく、多様な人材、個々が持つ価値観を会社全体で把握し、経験価値を向上させていくことが重要であり、それが「エンプロイー・エクスペリエンス」の目線ということですね。
それでは、多様性を活かした人材マネジメントについて、富士通マーケティングではどのような取り組みをされているか、伺っていきます。まず、山本さん、富士通マーケティングでは「働き方改革」をどのように捉えられているのでしょうか。


山本 年洋
山本

働き方改革を進めるにあたって、当社では社長の藤田から、何のためにどのような改革を行うのか、明確にメッセージが打ち出されています。ダイバーシティ&インクルージョンの一環として働き方改革を行うことで、端的に言うと、多様な人材を活かすには、多様な働き方が必要であり、働き方の選択肢を増やしていくということが、富士通マーケティングの働き方改革になります。単に働き方を増やすだけでなく、中長期的には、多様な人材が成果を出し続けられるような人材マネジメントの仕組みまでを変えていくということになります。


島 麻衣子 氏
島氏

「ダイバーシティ&インクルージョン」とは、具体的にはどのようなことでしょうか。


山本 年洋
山本

人材のダイバーシティ(多様性)を企業内にインクルージョン(統合)することが持続的成長の原動力となるという考え方ですが、当社のビジネス領域から考えると、デジタルやロボティックス、AIなどによるビジネス価値創造、すなわち「イノベーション」を起こす組織を作るために、「ダイバーシティ&インクルージョン」は必要不可欠と考えています。先ほど清水先生の講演でも「同質性のマネジメントから異質性のマネジメントへ変化すべき」との話もありましたが、一方で当社の社員は、お客様の最前線で、お客様と共に成長ができる、しっかりとした振る舞いのできる営業やSE、CEとしての同質な“型”も大事だと思っています。ただ現在は、ビジネス環境の変化が急速で、既存の経験がなかなか競争力の源泉になりにくい不確実な環境です。そのような状況の中で新たなビジネス価値を創造するために、多様な人材、多様な考え方ができる人材が「Co-Creation(共創)」しながら、時間と場所に制約されず、生き生き働ける環境を整えたいと考えています。つまり、多様な人材には多様な働き方が必要で、働き方の選択肢を増やしていきたいということになります。


ダイバーシティ&インクルージョンを進める上での課題とその解決策

島 麻衣子 氏
島氏

多様な人材には、多様な働き方が必要で、働き方の選択肢を増やすということですけれども、この「ダイバーシティ&インクルージョン」を進めていく上での課題には、どのようなことがありますか。


山本 年洋
山本

企業の中で多様性というものは、自然に増えていくと思います。当社でも女性活躍推進はダイバーシティ活動の1つとして、新卒採用や女性管理職登用、また女性だけのリーダーシップ研修なども積極的に進めています。これらは比較的分かりやすい活動ですが、当社では、女性、シニア、外国人、ハンディキャップをもった人、若手といった属性の違いだけに着目するのでなく、異なった経験や環境、考え方、仕事の進め方を持つ人材を活かして、企業と社員の成長に結びつけていきたいと考えています。特にインクルージョンを重視し、マネジメントを変えていくということを社内に伝えています。ダイバーシティがあっても、インクルージョンされていない状態では、ダイバーシティの弊害のみ目立つことになる、そこが課題かと思います。


島 麻衣子 氏
島氏

その課題解決のために、富士通マーケティングでは具体的にどのような活動をされているのでしょうか。


山本 年洋
山本

当社では2016年から人事部の中に、ダイバーシティ推進室を立ち上げ取り組んでいます。この1年半は、経営層とミドルマネージャー層へ、ダイバーシティ&インクルージョンに会社は本気で取り組むこと、重要な経営戦略であることを腹に落としてもらう活動を進めてきました。まず役員に対しては、ワークライフバランス等の研究で著名な中央大学院の佐藤 博樹先生と対話をしてもらい、ダイバーシティ&インクルージョンへの共感を醸成しました。そして昨年の2017年は、全国の幹部社員に対して、丸1日のダイバーシティ&インクルージョンフォーラムを延べ10回開催、約700名の幹部社員が参加しました。その中でも、社長の藤田や常務の渡邊にすべての会場で、単なる挨拶ではなく、1時間ほど講演やセッションを受け持ってもらいました。受講した社員からは「ダイバーシティ&インクルージョン」の意味が初めて分かったなどの声がたくさん寄せられました。(図1参照)


図1:ダイバーシティ&インクルージョンの浸透

図1:ダイバーシティ&インクルージョンの浸透

これからのマネジメントは、社員に良質な仕事の体験を作ってもらうこと

島 麻衣子 氏
島氏

社員の中にしっかりと「ダイバーシティ&インクルージョン」の浸透を図っているということですね。富士通マーケティングが進めている働き方改革について詳しく伺いましたが、清水さん、ここまででいかがですか。


清水 泰志 氏
清水氏

富士通マーケティングはまだ働き方改革をスタートして間もないということで、いろいろ試行錯誤されている段階かと思いますが、少し目線を上げて、働き方改革の将来の青写真と、それに向けて解決すべき課題としてどのようなことを考えていらっしゃるのか、教えていただけますか。


山本 年洋
山本

これは課題になるのですが、ダイバーシティ&インクルージョンフォーラムが終わった後に、マネージャーへ「次にどんな支援がほしいですか?」と尋ねたときに、「一般社員へもこういった研修をお願いします」という返答がありました。いやいやそうじゃないと感じました。一人ひとりのマネージャー自身が日常の業務の中で、マネジメントをどう変えていくのかが重要であって、まだまだ意識改革が必要だと感じました。例えば、自分の職場に時間制限のある短時間勤務の女性がいれば、5年ぐらい前だったら、何も聞かずに簡単な事務処理的な仕事を彼女に回していました。でも今は、彼女がどういうキャリア志向を持っていて、どういうペースで働きたいのか、テレワークなどを組み合わせて仕事できるチャンスを与えたらどうかなど、彼女の活躍を支援するマネジメントが必要になってきます。専業主婦付きで無制限な働き方をしてきた今の幹部社員が、自分の成功体験に基づく同質的な業務遂行や人材育成マネジメントから、どうやって脱却していくかが、これからの大きな課題だと思います。多様な働き方をする社員が増えていくと、毎日朝礼で顔をあわせる、いつでも声をかけられる、飲み会で本音トークをする、みたいなことは、やりづらくなっている中で、マネージャーが自身のマネジメントをどのようにして再構築していくかです。これについて、冒頭、清水先生からの「エンプロイー・エクスペリエンス」のお話しがマネジメントの再構築にはとても参考になると思いました。これからのマネージャーは、社員一人ひとりに良質な仕事の体験をどう作っていくかを考えていくこと、個々を見つめたマネジメントが重要になってくると思います。


 

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