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Japan

「戦略経理サミット -番頭から参謀への変革!次世代経理幹部の未来を読む-」開催レポート(6/6)
第二部 パネルディスカッション4

戦略経理サミット第二部のパネルディスカッションでは、富士通マーケティングのCFOならびに経理部長と、特別講演講師の石田氏、日本CFO協会専務理事の谷口氏を交え、富士通マーケティングの決算早期化の取り組み事例をご紹介しながら、戦略部門として経理部門が目指すべき取り組みについて議論を展開しました。熱のこもった発言が交わされた当日の模様を4部構成にてご紹介します。

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第二部 パネルディスカッション
決算早期化実現のための「業務改善」の勘所-「戦略経理」となるために-
レポート

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第4章 休日出勤をやめよう ~経理の働き方改革とは?~

村上 秀次 氏
村上氏

人口減少期を迎え、今後は経理人材の不足がより深刻化していくでしょう。その中で経理部門は、特定のベテラン社員への依存、繁忙期の休日出勤・残業を前提とする仕事スタイルからの脱却が必要です。第4章では、経理の働き方改革をテーマに議論します。


 

「経理部門の現状と今後目指すべき役割に関する調査」

村上 秀次 氏
村上氏

富士通マーケティングでは、昨年末、「経理部門の現状と今後目指すべき役割に関する調査」を行いました。調査結果からサマリーをご紹介します。


 

「経理部門の現状と今後目指すべき役割に関する調査」概要

  • 目的:経理部門の現状と目指すべき方向に関する意識調査
  • 概要:残業時間や休日出勤、経理・財務部門の人員数、決算業務日数、経理部門の問題、必要とするスキル、今後目指すべき役割など
  • 対象:従業員規模が10人~5,000人の会社に勤務している経理・財務部門ならびに経営者及びCFO
  • 調査期間 2016年12月26日~2016年12月28日
  • 有効回答数 1,000人

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課長クラスに業務負担がかかっている

村上 秀次 氏
村上氏

まず、残業時間に関する結果をご紹介します。


【質問】あなたの月当りの平均残業時間について、あてはまるものをお選びください。
村上 秀次 氏
村上氏

通常期は「残業はない」が35%、「休日出勤0回」が65%と、全体的には勤務時間外対応は多くないように見えます。ただし、役職別でみると、課長では通常期に「40時間以上60時間未満」が1割強、繁忙期は2割強と、他の役職よりも高い傾向です。このことから、課長クラスに業務の負担がかかっていることがうかがえます。


 

経理部門の最大の問題は「雑務に追われている」

村上 秀次 氏
村上氏

続いて自社の経理部門が抱えている問題についての調査結果です。


【質問】現在、貴社の経理部門の業務の価値を上げるために取組んでいることについて、以下の選択肢より該当するものを全てお選びください
村上 秀次 氏
村上氏

経理部門の問題で最も多かったのは「雑務に追われている」で約4割、次に「部員の専門知識が不足している」が約3割でした。業務がスムーズに進められない問題を抱えていることがうかがえます。


 

経理部門の業務価値向上の取り組みは「決算早期化」がトップ

村上 秀次 氏
村上氏

経理部門にとって、業務価値をあげる取り組みとは何かについても尋ねました。


【質問】貴社の経理部門が今後目指すべき役割について、該当するものを以下の選択肢より全てお選びください。
村上 秀次 氏
村上氏

最も多かったのは「決算早期化」で約4割を占めています。


 

経理部門の役割は、現在は「守り」中心、「攻め」はこれから

村上 秀次 氏
村上氏

今回の戦略経理サミットのテーマでもある、経理部門の果たす役割についての意識調査では、興味深い結果が出ました。


【質問】貴社の経理部門が今後目指すべき役割について、該当するものを以下の選択肢より全てお選びください。
村上 秀次 氏
村上氏

経理部門が現在果たしている役割では、「守り」の役割ともいうべき「確実かつ迅速な決算」「決算数値の明瞭な説明」など、会計責任に関する項目は「十分にある」または「どちらかといえばある」に回答した合計が5割を超えています。一方、「戦略立案のサポート」「戦略の効果測定」「戦略を実行する現場行動の指標化」「行動指標のPDCA管理」など、「攻め」の役割ともいうべき戦略策定と実行に関する項目は3割を下回りました。経理部門は、「会計責任に関わる役割」は果たしているものの、「戦略策定と実行に関する役割」はあまり果たせていないと考えているようです。

経理部門が今後目指すべき役割としては、「確実かつ迅速な決算」が最も多く5割近くを占め、その他にも上位には決算関連の項目が3割前後であがっています。そして、「戦略立案のサポート」「戦略の効果測定」「戦略を実現する現場行動の指標化」などの意思決定に関わる項目も2割前後で続いています。「会計責任に関わる役割」は優先されるものの、「経営意思決定のサポート」に対する意識も高いことがわかります。

これを役職別で見ると、部長が「戦略立案のサポート」「戦略の効果測定」などの経営の意思決定に関係する項目に3割前後回答しています。課長は「戦略を実現する行動指標のPDCA管理」が2割強と比較的高くなっており、現場の行動管理を効率的に進めようと考えているようです。


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決算早期化の実現で、お花見ができない経理部門を脱却

村上 秀次 氏
村上氏

この調査結果をベースに、ディスカッションしていきたいと思います。谷口さんのCFO協会でも頻繁にこうした調査をされていますね。この調査結果をどうご覧になりますか?


谷口 宏 氏
谷口氏

一年ほど前ですが、CFO協会のメンバーの皆さんの部下への意識調査を行ったデータがあります。その中で「会社から期待されている役割が明確に示されていますか?」という質問に対し、「示されていると思う」は37%、「どちらともいえない」が20%、「示されているとは思えない」は42%でした。明確に示されていると思っている人が4割に満たない。これは、上司側が「言わなくてもわかるだろう」と思っていることが、部下にとっては理解していない可能性があるということです。残業時間を減らそうとしても、大半の人が自分のやるべき仕事をそもそも理解していないという現実があります。
もう1点、教育に関しての調査結果もご紹介します。「教育・研修、自己啓発の仕組みが充実していますか?」という問いには、「充実していると思う」が24%しかありません。実際に幹部の人たちに聞いてみても、教育については「OJTのみ。とりあえず働け」という状況ですので、このままだと何も変わらないだろうと思えます。


村上 秀次 氏
村上氏

専門職ですので、自分自身で学ぶことを期待されたり、仕事も当然わかるよね、とお任せになったりする傾向がありますね。しかし今後は、そうした「お任せ」が通用するベテラン社員は稀少になってきます。ならばどうするかということを議論していきたいと思います。まず経理の働き方はどうあるべきかについて、休日出勤や残業、特定の人に負荷が集中する問題について考えていきましょう。


富士通マーケティング 上村
上村

決算早期化で、6歴日を4営業日にしました。この6歴日というのがクセモノで、月初は土日無しということです。よく言われることですが、3月決算の会社の経理は、お花見などしたことがありません。それが4営業日にしたことで土日の出勤が無くなり、残業も半分程度に減りました。当然、休日出勤手当などの経費が削減できます。昨年は「経理になって初めてお花見ができた」という社員も現れました(笑)。


村上 秀次 氏
村上氏

経理部門の残業や休日出勤が減らない原因は何でしょう?


渡邊 基
渡邊

働き方改革は、全社的な取り組みが必要ではないでしょうか。弊社では週に2日「定時退社日」を設けています。全社一斉ということではなく、グループ内、部門内で調整しながら自由に設定するようにしています。すると、部内で仕事の進め方を工夫するようになります。かかわる当人同士で調整がつかない場合は、上司が関与することもあります。このような取り組みで定時退社の取得率を上げた実績があります。


富士通マーケティング 上村
上村

土日にきちんとお休みが取れることで、ワークライフバランスが良くなることは実感しています。週末に仕事以外の活動、たとえば勉強する人もいるようです。弊社には「経理図書館」があり、所蔵の本を自由に持ち帰れるようにしていますが、利用が増えています。社内で勉強する機会に加え、自主的に勉強をしようという人が増えました。それとは別に、スポーツなど仕事と全く違うことに時間を使えることも、精神的なゆとりにつながっています。


村上 秀次 氏
村上氏

ゆとりがないと、新しいことを考えられないものです。残業を減らし、休日出勤をなくしてプライベートも大事にすることが、価値ある仕事につながっていくのですね。


 

「戦略経理」であるためには現場の事例、情報収集が必須

村上 秀次 氏
村上氏

さて、最後のテーマとして「経理に関わる者はどうあるべきか?考える経理、常に学ぶ経理であるには、何を磨けばよいのか?」について、それぞれのお考えをお聞かせください。


谷口 宏 氏
谷口氏

会計の知識そのものよりも、他社の成功事例、現場の事例を積極的に知っていく姿勢が必要だと感じます。幹部の方はこうしたセミナーなどにも足を運ばれますが、部下の方々はなかなか他社の事例を知る機会がないと思います。自社の経理の中でのタコつぼ化は危険です。外を知る、マーケットの動きを見る、見せるのが第一歩なのではないでしょうか?


石田 正 氏
石田氏

まず、経理の皆さんにはファイナンスの世界の基礎知識を、そしてプレゼンテーションスキルを持ってほしいですね。経理だけやっていると、易しいことを専門用語を使って難しく伝える傾向があります。相手がわかるように、数字を伝える必要があります。プレゼンスキルはぜひ持っていただきたいと思います。


富士通マーケティング 上村
上村

「学ぶ」というのは何も会計の知識だけではありません。経営に対する考え方、経営センスを、経理は身に付けていく必要があります。


渡邊 基
渡邊

経理にとって大事なこと。その1つは「先を読んだ行動」です。これは業務効率化にも役立ちます。こうなりそうだと自分なりに数字の見立てをするんです。そのためには日頃から現場を回って情報収集しなければいけません。実績が出た時に、見立てと違っていたら「なぜなのか?」と、そこで何らかの間違いを見つけられるかもしれません。数字が出てから考えるのではなく、決算説明を作る前に自分なりのストーリーを持ち、実績と照らし合わせて考えることが大切です。
もう1つは、経理に限りませんが「和して同ぜず」の精神です。何か起きた時に毅然とした態度をとるということです。暴走する流れを止めるには、「ダメなものはダメ」と言える自分なりのライン、常識感を持つ必要があります。そのためには、日頃から見識を高める努力が必要です。


 

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登壇者プロフィール

渡邊 基
株式会社富士通マーケティング
取締役兼執行役員常務・CFO・コーポレートグループ長

渡邊 基

1983年富士通株式会社入社。本社経理部配属。経理をコアに海外駐在を含め、財務会計、管理会計、監査の領域を経験する。2010年富士通株式会社経営監査本部長、2012年株式会社富士通システムズ・イースト取締役・CFO、2014年6月より株式会社富士通マーケティング取締役兼執行役員常務・CFOに就任、現在に至る。


上村 勉
株式会社富士通マーケティング
財務経理本部経理部 部長

上村 勉

1997年株式会社富士通ビジネスシステム(現株式会社富士通マーケティング)入社。経理部配属。一部上場プロジェクトを経て、経理制度改革や各経理システム導入等を担当。2007年経理部担当部長、2013経理部長、現在に至る。GLOVIA SUMMIT導入、決算日程早期化等に携わり、現在は経理部2020VISIONに取り組む。


石田 正 氏
カルビー株式会社 常勤監査役
一般社団法人日本CFO協会 主任研究委員
公認会計士

石田 正 氏

1972年から25年間、アーサーヤング東京事務所(現アーンストアンドヤング)及び朝日監査法人(現あずさ監査法人)にて日本及び米国基準の会計監査、財務アドバイザリー業務に従事、代表社員。監査法人在籍中に通算10年間、アーンストヤング、シンガポール及びロンドン事務所に駐在。1996年にロンドン駐在から帰任後、日本マクドナルド株式会社代表取締役副社長(CFO)、セガサミーホールディングス株式会社専務取締役(CFO)を歴任。2010年より日本CFO協会、主任研究委員。2011年2月、カルビー株式会社 常勤監査役に就任、現在に至る。
著書に『包括利益経営』共著(日経BP社)、『CEO/CFOのためのIFRS財務諸表の読み方』共著(中央経済社)、『「経理・財務」実務マニュアル』編著(税務経理協会)がある。 「国際会計基準IFRS完全ガイド」(日経BP社)への寄稿、「日経BP際会計基準フォーラム」講師など、セミナー講演多数。


谷口 宏 氏
一般社団法人日本CFO協会 専務理事 事務局長
株式会社CFO本部 代表取締役社長
元IAFEI会長(2011年~2012年)

谷口 宏 氏

1989年東京大学経済学部卒業、住友銀行(現・三井住友銀行)入行。
同行にて事業調査、人事、企業金融を経験した後、2000年に株式会社CFO本部、日本CFO協会を設立。CFO、経営財務部門のネットワーク構築や各種セミナーや研修の開催、資格・検定試験の実施など、企業財務のプロを育成する教育事業を展開する。世界のCFO協会の国際組織・国際財務幹部協会連盟(IAFEI)のアジア代表及び会長を歴任後、現在は諮問委員を務める。


村上 秀次 氏
エーキューブ総合会計事務所
公認会計士・税理士

エーキューブ総合会計事務所 村上氏

2005年、監査法人トーマツにて、中堅企業を対象とした法定監査、IPO業務に従事。その後、システム監査、JSOX導入支援、連結決算支援、IFRS導入プロジェク卜など、コンサルティング業務にて多数の企業を支援。2011年、エーキューブ総合会計事務所の代表に就任。会計、税務の専門家として、ベンチャー企業から上場企業まで幅広く支援をするほか、コンサルティング業務として、マーケティング支援、業務改善支援、情報システム構築など多くのプロジェクトにも関与する。

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