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Japan

「戦略経理サミット -番頭から参謀への変革!次世代経理幹部の未来を読む-」開催レポート(5/6)
第二部 パネルディスカッション3

戦略経理サミット第二部のパネルディスカッションでは、富士通マーケティングのCFOならびに経理部長と、特別講演講師の石田氏、日本CFO協会専務理事の谷口氏を交え、富士通マーケティングの決算早期化の取り組み事例をご紹介しながら、戦略部門として経理部門が目指すべき取り組みについて議論を展開しました。熱のこもった発言が交わされた当日の模様を4部構成にてご紹介します。

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第二部 パネルディスカッション
決算早期化実現のための「業務改善」の勘所-「戦略経理」となるために-
レポート

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第3章 経営意思決定への貢献 ~攻めの戦略経理とは?~

村上 秀次 氏
村上氏

いよいよ「攻めの戦略経理とは?」をテーマにディスカッションしてまいります。まずはじめに上村部長より、富士通マーケティングが経理部門のあるべき姿の取り組みをまとめた「2020VISION」について、ご紹介ください。その後、戦略部門としての経理は何ができるか、経理に関わる者はどうあるべきかをテーマに議論します。


 

『2020VISION』が目指すは「経営への貢献」

富士通マーケティング 上村
上村

従来の経理は「過去」に重きを置いていましたが、これからの経理は「未来」軸で考えていく必要があります。中期計画の数字は「未来」の数字といえます。経理は、その数字に経理的な根拠を示しお墨付きを与えること、信頼性を担保することが重要な役割だと考えます。経理は、過去の実績という数字も持っています。未来と過去の数字を両方持つ経理が、経営計画にかかわっていくことは、非常に重要です。

こちらの図7は、私たちが取り組んでいる「2020VISION」です。経理のビジョンは「経営への貢献」です。そこに、先程話に出ました「守り」と「攻め」の役割で貢献していこうというのが狙いです。では、そのために何をするか。2016年から取り組んでいるのが、一番下に書かれている「人財育成」です。経営に貢献する人材を育てるため、会計知識を深めることはもちろんですが、経営分析のリテラシーやプレゼンテーションのための表現力などの習得にも取り組んでいます。
あわせて、業務構造改革にも着手しています。これは、経理のオペレーション業務をできるだけアウトソーシング化するなどして、時間を確保するのが狙いです。その空いた時間で関連部門とアライアンスしながら、新しい価値を創造していく仕組みを作ろうというものです。これが2020VISIONの全容です。


図7:富士通マーケティング経理部の「2020VISION」

図7:富士通マーケティング経理部の「2020VISION」

価値創造プロジェクトの発足

富士通マーケティング 上村
上村

「2020VISION」の肝になるのが「価値創造プロジェクト」です。これは、新たな経営管理手法を検討するためのプロジェクトです。取り組み始めたばかりで、成果として報告できるものはまだありませんが、立ちあがっているプロジェクトをいくつかご紹介します(図8参照)。


図8:富士通マーケティング経理部の「価値創造プロジェクト」

図8:富士通マーケティング経理部の「価値創造プロジェクト」

富士通マーケティング 上村
上村

プロジェクト1は、文字通り「わかりやすい決算書」とは何かを検討するプロジェクトです。「予測」と「打ち手」を提言する決算書づくり、つまり、決算報告のあるべき姿を検討し、決算書のビジュアル化を図ろうというものです。プロジェクト2の「新管理会計プロジェクト」は、変動損益決算書を柱とした新たな経営指標を検討しようというものです。プロジェクト3の「戦略評価プロジェクト」では、プロジェクト2の変動損益決算書を有効に活用し、事業投資や施策に対し可否判断のための定量的評価手法を検討します。これら3つのプロジェクトは密接にかかわっていて、2017年の4月以降、一緒に進めていきます。

プロジェクト4の「制度改正マッププロジェクト」は、先の3つとは少し毛色が変わります。会計制度や税制改正への対応は、どうしても後追いになりがちです。実は数年前、法改正により法人税率が下がった際、決定が期末ぎりぎりだったことから、対応に大変苦慮したことがありました。本来、ある程度前に予測できることですから、事前に数字を作ることもできたはずです。その反省もふまえ、中・長期計画にあたって、税法改正などへも戦略的に対応できる取り組みを進めていこうと考えています。


渡邊 基
渡邊

会計システムを変えたところからスタートして5年経過しましたが、まだまだ道半ばです。ただ、5年前とは見える景色が明らかに変わってきたという実感があります。会計処理は企業によって大きく変わるというものではありません。経理に携わっている方々には、今日の話に共感できる点も見出していただけたのではないかと思っています。現在進行形の取り組みであり、弊社も皆様から学びたいところがあります。いろいろな場を持ちながら情報交換し、お互いに戦略経理、攻めの経理を目指していきましょう。


 

戦略部門としての経理は具体的に何ができるのか

村上 秀次 氏
村上氏

攻めの戦略経理に関しては、パネリストの皆様それぞれにご意見をお持ちだと思います。戦略部門としての経理は具体的に何ができるのか、率直なお考えを伺いたいです。


谷口 宏 氏
谷口氏

今回紹介された取り組み事例を聞いて、自社ではとてもできそうにない、と感じた会社もあるかもしれません。また、本社はできても子会社も含めてここまで徹底できるか?という懸念もありそうです。こうした場合のヒントとして、管理レベルを下げる、という方法を提案します。あるグローバル企業では、原価管理などのレベルをかなり落としたところ、グローバルに浸透して管理がしやすくなったという事例があります。レベルを下げることで誰もが理解できるようになり、グループ内で話が進めやすくなったそうです。
経理部のデータを誰に見せるのか、誰が必要としているのか、これを整理することが大切だと思います。決算資料はきちんと作成しなければいけませんが、報告はポイントを押さえた情報を早く伝えることが一義です。未来予測の判断材料となる数字が欲しいというニーズには、ある程度割り切りも必要だと思います。中国のある家電メーカーでは、月次を締めたら翌日の午前中までに報告することが決まっているそうです。細部まで正確でなくてよいから半日で決算報告しろ、というTOPのお達しです。10日後には財務会計的にも締めるそうですが、その資料に経営陣は全く関心がないとのこと(笑)。今はこうした企業と競争しなくてはいけないのです。経営者がどんな情報を求めているか?それを肌で感じるためにも、経理もマーケットに実際に触れるなど、もっと外に出た方がよいでしょう。


渡邊 基
渡邊

どうなるのかを知りたい時に、そこまで精査されたデータはいらない、という考え方はあるでしょう。割り切りですが、そこは企業によってバランスをとっていけばよいと思います。

私からは、「攻めの経理」という点で2つお話します。1つは「意思決定支援」です。経営TOPは今月、今期はどうだったのか、実績はもちろんですが、どうなりそうなのか、どうなるのかが知りたいのです。年度の計画に対して進捗がどうなのか、未達になりそうなのか上回りそうなのかを、経理が数字を提示して見せると経営者は安心できます。そこでさらにオプション提案として、いくつかの選択肢を経理部門が提示できるようになると、経営者にとって判断の材料になります。そのためにも正確な業績予測、見込み予測はとても重要だと思います。

2つ目は、現場でも数字のマネジメントはできているという話です。石田さんが特別講演で話されたDiv.CFOの考え方(事業現場の本部長とCFOをサポートする)につながりますが、現場にある数字をうまくコントロールすることは大事です。各部署がやりたいという施策に対して、それが有効かどうか経理がお墨付きを与えるのも、攻めの経理につながっていくと思います。夢を語る営業の数字は、得てして怪しくなりがちです。我田引水で、都合のよいデータを集めてくる場合があります。それを俯瞰して、第3者的な立場で見られるのが経理です。企画段階から入っていける、現場からも信頼される経理部門になることが大切です。


石田 正 氏
石田氏

Div.CFOという役割の経理スタッフが本部長の脇についていれば、たとえば新規事業に対する投資計画や、営業計画も、現実性のあるデータを持って、複数の具体的なシナリオを出せます。夢物語のような数字は出てこなくなるはずです。


 

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登壇者プロフィール

渡邊 基
株式会社富士通マーケティング
取締役兼執行役員常務・CFO・コーポレートグループ長

渡邊 基

1983年富士通株式会社入社。本社経理部配属。経理をコアに海外駐在を含め、財務会計、管理会計、監査の領域を経験する。2010年富士通株式会社経営監査本部長、2012年株式会社富士通システムズ・イースト取締役・CFO、2014年6月より株式会社富士通マーケティング取締役兼執行役員常務・CFOに就任、現在に至る。


上村 勉
株式会社富士通マーケティング
財務経理本部経理部 部長

上村 勉

1997年株式会社富士通ビジネスシステム(現株式会社富士通マーケティング)入社。経理部配属。一部上場プロジェクトを経て、経理制度改革や各経理システム導入等を担当。2007年経理部担当部長、2013経理部長、現在に至る。GLOVIA SUMMIT導入、決算日程早期化等に携わり、現在は経理部2020VISIONに取り組む。


石田 正 氏
カルビー株式会社 常勤監査役
一般社団法人日本CFO協会 主任研究委員
公認会計士

石田 正 氏

1972年から25年間、アーサーヤング東京事務所(現アーンストアンドヤング)及び朝日監査法人(現あずさ監査法人)にて日本及び米国基準の会計監査、財務アドバイザリー業務に従事、代表社員。監査法人在籍中に通算10年間、アーンストヤング、シンガポール及びロンドン事務所に駐在。1996年にロンドン駐在から帰任後、日本マクドナルド株式会社代表取締役副社長(CFO)、セガサミーホールディングス株式会社専務取締役(CFO)を歴任。2010年より日本CFO協会、主任研究委員。2011年2月、カルビー株式会社 常勤監査役に就任、現在に至る。
著書に『包括利益経営』共著(日経BP社)、『CEO/CFOのためのIFRS財務諸表の読み方』共著(中央経済社)、『「経理・財務」実務マニュアル』編著(税務経理協会)がある。 「国際会計基準IFRS完全ガイド」(日経BP社)への寄稿、「日経BP際会計基準フォーラム」講師など、セミナー講演多数。


谷口 宏 氏
一般社団法人日本CFO協会 専務理事 事務局長
株式会社CFO本部 代表取締役社長
元IAFEI会長(2011年~2012年)

谷口 宏 氏

1989年東京大学経済学部卒業、住友銀行(現・三井住友銀行)入行。
同行にて事業調査、人事、企業金融を経験した後、2000年に株式会社CFO本部、日本CFO協会を設立。CFO、経営財務部門のネットワーク構築や各種セミナーや研修の開催、資格・検定試験の実施など、企業財務のプロを育成する教育事業を展開する。世界のCFO協会の国際組織・国際財務幹部協会連盟(IAFEI)のアジア代表及び会長を歴任後、現在は諮問委員を務める。


村上 秀次 氏
エーキューブ総合会計事務所
公認会計士・税理士

エーキューブ総合会計事務所 村上氏

2005年、監査法人トーマツにて、中堅企業を対象とした法定監査、IPO業務に従事。その後、システム監査、JSOX導入支援、連結決算支援、IFRS導入プロジェク卜など、コンサルティング業務にて多数の企業を支援。2011年、エーキューブ総合会計事務所の代表に就任。会計、税務の専門家として、ベンチャー企業から上場企業まで幅広く支援をするほか、コンサルティング業務として、マーケティング支援、業務改善支援、情報システム構築など多くのプロジェクトにも関与する。

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