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労務ニュース&解説

特定社会保険労務士・行政書士の杉本 一裕(すぎもと かずひろ)氏が、労務全般に関わる、「社員トラブル」「賃金(給与/賞与)」「安全衛生」「定年・退職・再雇用」「休職」「労働時間・休日・休暇」「採用・異動」「服務規律・懲戒」について解説します。
法改正を含め、国や行政の動きで、労働基準法、社会保険、税制改正等、会社の人事給与関係の規定や給与計算システムに影響が出てくることが多々あります。人事部・総務部のご担当者様はこれらの情報を収集し、常に情報をアップデートする必要があります。 このコーナーでは、法改正における個別解説も順次掲載していきますので、是非ご覧ください。

注目トピックス

  • ・2018年09月25日 来年からどう変わる?働き方改革関連法規!

    働き方改革で、過重労働抑止の気運が高まりました。そして来年は働き方関連の法改正が多々あります。

    解説をみる(+をクリック)

    来年(2019年4月)からは残業の上限規制が行われます。中小企業は2020年より。

    労働基準法の制定(1947年)から初めてのことです。今までは、法律での上限規制はありませんでした。今までは、労使協定で残業時間の上限を決めてきたのです。これを36協定と言います。これを労働基準監督署に届け出ることで残業が認められていました。
    特別に忙しい時などは、特別条項つきの36協定を締結することで、例えば、年間900時間でも残業することができました。しかし、来年からは法律で上限が定められますので、会社はそれ以上の残業をさせると違反になります。
    原則で上限の残業は、月45H・年間360Hです。特別な場合で年間720時間(休日労働を含む)を上限として、労使で合意した時間までの残業となります。ただし、45時間を超える残業は年に6回までです。残業平均は80時間以内、単月で100時間までにしなければなりません。

    来年(2019年4月)より会社は有給休暇を取得させる義務を負います。

    現在でも有給休暇の計画付与を行っている会社は多いでしょう。筆者の顧客でも夏休みや年末年始、ゴールデンウィークの谷間などを計画付与で休ませている場合が多いです。会社によっては、個人で休む日を登録させて運用している場合もあります。
    イメージ的には、計画付与と同じです。ただし、計画付与でも実際には社員が出勤している場合もあります。自分で指定した有給休暇の取得予定日を忘れている社員もいます。
    しかし、来年からは義務となりますので、会社は休ませる必要があります。あくまで法令で決められますので守らなければなりません。簡単に言えば、会社が指定した5日間を社員は休まなければならないということです。

    2023年より中小企業も60H超えの残業は50%割増に決定。

    すでに大企業は適用されています。中小企業は猶予措置中でした。この猶予措置が廃止ということで決定されたことで、来年から対応必要だと思われた方が多いと思います。猶予措置がなくなる時期が決定したということで、現実的に対応が必要となる時期は2023年です。 大企業同様に60H超えの残業は50%割増になります。もともと長時間残業がないのであれば関係ありません。給与計算(残業手当計算)に影響してきますので、給与計算パッケージの設定変更も必要です。

    その他

    会社任意の制度になりますが、勤務間インターバル、高度プロフェッショナル制度、フレックスタイム制度の拡充などがあります。今回は義務化のものを中心に紹介しました。

2018年度

  • ・2018年11月26日 社会保険・電子申請(e-Gov)義務化を視野に人事部事務の効率化を!

    今後は、厚生労働省の方針も相まってAPIによる申請が大企業では定型化していくことが想像できます。予定通りなら2020年から対応する必要があります。自社で使用している給与計算パッケージからのe-Govへの連携を含めて、今から検討を開始していくことをお勧めします。
    電子申請e-Govを、うまく使いこなせれば人事部事務の効率化が図れます。ラインの働き方改革ばかりでなく、スタッフである人事部の働き方改革の一環だと割り切って前向きに考えるほうがよいでしょう。

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    厚生労働省が発信した

    ・ 2017年10月「社会保険・労働保険手続等の電子申請の利用促進に関する取組について
    ・ 2018年 3月「行政手続コスト削減のための基本計画」

    この2つを読むだけでも人事総務部門に関係する社会保険の電子申請の義務化に向けて進んでいることがわかります。
    大企業(資本金1億円を超える等)については、そろそろ準備が必要でしょう。下記は、「行政手続コスト削減のための基本計画」の一部です。2020年4月1日以後に開始する事業年度から、行政手続きの簡素化として電子申請が義務化されるという計画がわかります。

    (出所:基本計画からの引用)
    ア.手続のオンライン化の推進
    ① 電子申請の義務化
    現在、例えば厚生年金保険 の届出において、紙媒体、CD・DVD及び電子申請のいずれかを選択できる仕組みとなっていることが、電子申請推進の阻害要因となっている。このため、大法人の事業所(資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人並びに相互会社、投資法人及び特定目的に係る適用事業所をいう。以下同じ)については、原則紙媒体及びCD・DVD によらず電子申請を義務化する。社会保険労務士又は社会保険労務士法人が、大法人の事業所に代わって手続を行う場合も同様とする 。
    実施に当たっては、速やかに切り替えられる事業所から順次切り替えを行い、平成32年4月1日以後に開始する当該大法人の事業所事業年度又は年度から、電子申請により行うものとする。

    簡単に言えば、e-Govを利用して電子申請をする方向に進んでいるということです。当事務所は、社会保険労務士の業務を行っている関係で社労士用の専用ソフトを活用しています。専用ソフトを介在して顧客の人事・給与データを受信した上でe-Govに連携する仕組みにしています。
    いわゆるAPIを利用した申請になります。他に、直接操作でe-Govの画面から行う方法(既定方法での申請)もありますが、直接操作は慣れないと手間がかかり、わずらわしいので一部を除いて使用していません。

    イメージ

    当面のスタートは、社会保険の一部手続きで、賞与支払届、算定基礎届、月額変更等といった多くの社員データを扱う書類関係に限られそうですが、こういったものは順次に対象書類が広がっていくと思われます。そして、大企業のみといった枠組みの措置も猶予や例外措置を入れつつも中小企業へと広がりを見せていくのではないでしょうか。
    今後は、厚生労働省の方針も相まってAPIによる申請が大企業では定型化していくことが想像できます。予定通りなら2020年から対応する必要があります。自社で使用している給与計算パッケージからのe-Govへの連携を含めて、今から検討を開始していくことをお勧めします。
    電子申請e-Govを、うまく使いこなせれば人事部事務の効率化が図れます。ラインの働き方改革ばかりでなく、スタッフである人事部の働き方改革の一環だと割り切って前向きに考えるほうがよいでしょう。

  • ・2018年10月26日 社員とトラブル前に決めておきたい副業ルール

    ダブルワークを推奨する気運もあり、認めだした会社もあります。ここでは、社員の手取りが増えるなどの当然の話は割愛して、会社側(人事部)の視点で決めておきたいルールについて述べます。
    大きな問題は、副業と重なる日程などの残業や休日出勤を嫌がった場合にどうするのかを先に考えておくことが肝要です。単純に副業OKとして運用すると、この問題に直面してから紛糾することになります。

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    ダブルワークを推奨する気運もあり、認めだした会社もあります。ここでは、社員の手取りが増えるなどの当然の話は割愛して、会社側(人事部)の視点で決めておきたいルールについて述べます。
    大きな問題は、副業と重なる日程などの残業や休日出勤を嫌がった場合にどうするのかを先に考えておくことが肝要です。単純に副業OKとして運用すると、この問題に直面してから紛糾することになります。

    副業は許可制とする

    副業を認める場合は、本業に迷惑をかけないことを条件とすればよいでしょう。そのことを副業のルールとして明記し運用すべきです。残業や休日出勤は起こるものです。残業命令を拒否し、他の社員や業務遅延を発生させるような事態は避けなければなりません。ただし、認める限りは会社としても社員個々の事情もある程度は斟酌すべきであり、一定程度の譲歩も必要です。後で、社員と見解相違がおこらぬように重々伝え承諾させてからの運用にしましょう。

    現場で起こるトラブル例

    ・ 残業や休日出勤を断る社員が出てきます。
    副業がある社員は、当然に次の副業先への勤務があります。そのため残業や休日出勤を嫌がる社員が出てきます。残業は業務命令になりますので、その旨を許可時に説明しておきましょう。
    ・ 遅刻が多くなった社員もいました。
    夜間にアルバイトを行っていた社員の話です。夜間務めているので、翌朝の遅刻・翌日昼間の居眠りが多くあり問題となりました。

    他にも、仕事上のスケジュール調整が難しくなる、過重労働問題はどうなるのかといった管理面の問題も多々あります。

    パートや短時間の契約社員は、緩やかな条件でよい

    週に3日の勤務や1日4時間勤務などの社員の場合まで、厳格な条件で許可制にしなくてよいでしょう。もともと非出勤日は自由時間です。パート社員や特定曜日の勤務社員の場合は、休日出勤や残業など頻繁にあるものではありません。非出勤日まで、とやかく言わないでよいでしょう。
    ただし、同業種の会社、特に競合他社での勤務などの場合は、情報漏洩の懸念もあります。そのことだけは注意しておくべきです。
    あとは、過重労働が問題視される時代です。フルタイムの正社員が副業まで行うと、身も心も疲れるのではないでしょうか。平日夜間の副業は、翌日の本業にも影響があるばかりでなく本人の健康面でもよいことはないでしょう。健康面からの視点でも許可を出すときに配慮し話し合ったほうがよいでしょう。

  • ・2018年09月25日 来年からどう変わる?働き方改革関連法規!

    働き方改革で、過重労働抑止の気運が高まりました。そして来年は働き方関連の法改正が多々あります。

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    来年(2019年4月)からは残業の上限規制が行われます。中小企業は2020年より。

    労働基準法の制定(1947年)から初めてのことです。今までは、法律での上限規制はありませんでした。今までは、労使協定で残業時間の上限を決めてきたのです。これを36協定と言います。これを労働基準監督署に届け出ることで残業が認められていました。
    特別に忙しい時などは、特別条項つきの36協定を締結することで、例えば、年間900時間でも残業することができました。しかし、来年からは法律で上限が定められますので、会社はそれ以上の残業をさせると違反になります。
    原則で上限の残業は、月45H・年間360Hです。特別な場合で年間720時間(休日労働を含む)を上限として、労使で合意した時間までの残業となります。ただし、45時間を超える残業は年に6回までです。残業平均は80時間以内、単月で100時間までにしなければなりません。

    来年(2019年4月)より会社は有給休暇を取得させる義務を負います。

    現在でも有給休暇の計画付与を行っている会社は多いでしょう。筆者の顧客でも夏休みや年末年始、ゴールデンウィークの谷間などを計画付与で休ませている場合が多いです。会社によっては、個人で休む日を登録させて運用している場合もあります。
    イメージ的には、計画付与と同じです。ただし、計画付与でも実際には社員が出勤している場合もあります。自分で指定した有給休暇の取得予定日を忘れている社員もいます。
    しかし、来年からは義務となりますので、会社は休ませる必要があります。あくまで法令で決められますので守らなければなりません。簡単に言えば、会社が指定した5日間を社員は休まなければならないということです。

    2023年より中小企業も60H超えの残業は50%割増に決定。

    すでに大企業は適用されています。中小企業は猶予措置中でした。この猶予措置が廃止ということで決定されたことで、来年から対応必要だと思われた方が多いと思います。猶予措置がなくなる時期が決定したということで、現実的に対応が必要となる時期は2023年です。 大企業同様に60H超えの残業は50%割増になります。もともと長時間残業がないのであれば関係ありません。給与計算(残業手当計算)に影響してきますので、給与計算パッケージの設定変更も必要です。

    その他

    会社任意の制度になりますが、勤務間インターバル、高度プロフェッショナル制度、フレックスタイム制度の拡充などがあります。今回は義務化のものを中心に紹介しました。

  • ・2018年08月27日 定額残業、会社にとってのメリットはない!

    よくニュースで取り上げられる未払い残業の原因の1つでもあります。導入は、ルールを明確にして正しい運用を行ってください。

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    残業が少ない小規模の会社から定額残業導入の相談をうけたら、筆者も勧めるかもしれません。事務の効率化につながるからです。手計算での残業手当をイメージしてください。毎月の残業手当計算が不要になり事務が楽になるからです。
    筆者は、前段のような会社以外はお勧めしません。大企業になるほど勤怠管理システムから月々の集計値を給与計算システムに連動し計算しています。勤怠データや計算結果の確認は必要ですが、それ以外は自動で行ってくれます。よって、効率化云々は関係ありません。

    定額残業でも毎月の残業手当計算は必要です!

    定額残業手当を支給しているから計算は不要だと勘違いされている会社があります。定額残業手当は、〇〇時間分の残業代を現実の残業有無にかかわらず定額で支払うことになります。〇〇時間までの残業時間なら計算の必要はありません。
    しかし、残業が多い会社や社員数が多い会社では〇〇時間を超えて残業する社員も存在します。当然ですが、〇〇時間を超えた分は支払わなければなりません。

    導入するなら定額残業の枠を明確に

    基本給の中に定額残業手当が含まれていますなどという会社はブラックです。導入するのであれば明確にしておかなければなりません。
    具体的には

    ・ 基本給などに含むではなく別枠の支給項目にすること。もし、明細印字上、基本給等に合算するのであれば〇〇時間分〇〇円ということを明確にわかるようにしておくことです。
    ・ 契約社員など有期雇用者の場合は、労働契約書にも明記します。
    ・ 昇給時は残業単価も変わります。都度見直しが必要です。
    ・ 枠を超えた残業時間分の支払い分を明確にすることです。

    会社規模が大きくなるほどメリットはない

    残業が無かった場合でも定額残業手当を支払い、定額残業時間分を超えた場合も差分の残業手当を支払うことになります。よって、会社にメリットはありません。定額残業手当を支払っているという理由で、残業が多くても超過分を支払わない会社はブラックです。
    よくニュースで取り上げられる未払い残業の原因の1つでもあります。導入は、ルールを明確にして正しい運用を行ってください。

  • ・2018年07月23日 今年の同期入社、支給額は同額でも手取り額が違うわけとは?

    新入社員で同期入社。給与は同じでも手取り額が多かったり少なかったりします。給与明細書を比較すると社会保険料が違うからです。なぜこのようなことになるのでしょうか。理由は、通勤費です。
    通勤費にも社会保険料がかかります。

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    新入社員で同期入社。給与は同じでも手取り額が多かったり少なかったりします。給与明細書を比較すると社会保険料が違うからです。なぜこのようなことになるのでしょうか。理由は、通勤費です。

    通勤費にも社会保険料がかかります。

    社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は毎年1回、計算され決定します。これを定時決定と言います。社会保険料は給与が多くなれば比例して上がります。そのため毎年、見直すのです。具体的には4月、5月、6月の給与の平均額より社会保険料を決定します。
    決定した社会保険料は1年単位で適用されます。この平均額より大幅に昇給や降給した場合にも社会保険料を見直します。これを月額変更と言いますが割愛します。
    給与の平均額のことを社会保険制度上では標準報酬月額と呼び、通勤費も含まれます。当然、通勤費は定期券を買えば手元にお金は残りません。不思議ですが、この手元に残らない通勤費にも保険料がかかります。ちなみに、通勤費には一定額まで所得税はかかりません。社会保険料も所得税も同じように源泉徴収され国に納めますが制度によって違うのです。

    新入社員は、資格取得時決定

    4月入社時点では、4月、5月、6月の平均を計算できません。そのため、会社からの申告資料に基づいて決められます。これを資格取得時決定と言います。
    会社は、社員の入社に伴い健康保険と厚生年金保険の資格取得届を提出します。取得届に基本給や通勤手当の合計額を記入します。この金額をもとに社会保険料が決定されます。
    昇給もなく、残業も少ない時期のことです。友人と給与明細書を見比べることもあるでしょう。給与に差分がない時期なので手取り額の違いに気づきます。残業も出てきて、考課結果も反映されるようになると年を追うごとに、見せ合いもしなくなりますが。

    保険料控除が多いと損するのか

    年金財源がない、保険料が高くなる、貰う側も少なくなるといったニュースをよく見ます。こういったニュースを見ると、将来どうなるかわからないのに保険料が高いのはイヤだって思うのは当然でしょう。制度上のことなので、仕方ありません。
    ただ、保険料が高い場合は病気で入院したときなどに健康保険から支給される傷病手当金も多くなります。厚生年金保険から支給される年金額も少しは多くなります。どちらも保険料の決定根拠である標準報酬月額を基準にして支給額を決めるからです。
    そうは言っても、自分は健康で病気にならないだろう、老後の年金のことなんてピンとこないと思う方も多いでしょう。支払は義務で、会社側で源泉徴収されますので仕方ありません。

  • ・2018年06月25日 派遣、2018年の問題とは?改正から3年を迎えます。

    H27.9改正の要約とポイントは?
    派遣労働者がいるなら、重要ですので要点だけは押さえておきましょう!その内容とは?

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    本コーナーで、以前に「よく変わるのでわからない?派遣法のおさらい」を掲載しました。2015年9月に大きな派遣法改正があり、その解説と過去経緯を書きました。今年9月、この改正から3年になります。

    H27.9改正の要約とポイントは

    派遣労働者がいるなら、重要ですので要点だけは押さえておきましょう。

    ・ 派遣期間が3年を限度とすることで統一されました。
    ・ 特定派遣の廃止で労働者派遣事業は全て許可制となります。
    ・ 雇用を継続するための措置やキャリアアップ支援の実施、派遣先労働者との均衡待遇の推進

    そして、同時期2015.10月より施行(2012年改正)となった労働契約申込みみなし制度があります。これは、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合に派遣労働者に対して直接雇用の申込みをしたとみなす制度です。

    3年を迎えます。

    大きな影響があるのは派遣期間が3年で統一されたことです。高齢者や派遣元で無期雇用の身分を有している場合は除きます。
    派遣社員が継続して同一組織で働けるのは3年ということです。同一組織でなければよいので、人事部から総務部に変わってもらえば働いてもらうことが可能になります。当然ですが、同一業務で継続したいという目的を優先するあまり、形だけ部署を変えたというのは問題です。

    違法派遣は、労働契約の申込が必要

    3年を超えて違法に派遣労働者を雇い入れていた場合は、同時期2015.10月より施行(2012年改正)となった労働契約申込みみなし制度が適用されます。簡単に言えば、雇用の依頼を義務づけられたということです。
    3年という期間は、派遣法で示され関係各所で周知されていますので、知らなかったでは済みませんので派遣労働者の期間管理は重要です。

    特定派遣の廃止

    特定派遣は、自社の社員を他社に派遣するものです。多くの会社が特定派遣の届出を行い派遣されていたかと思います。これが廃止です。一般派遣のみとなります。一般派遣は許可制で、設立基準が厳しくなっています。
    筆者の顧客や取引先では、一般派遣に切り替えています。現在は廃止に向け、経過措置中ですが今年9月末に終了です。慌てないように早めに対応しておきましょう。

  • ・2018年05月21日 自転車通勤、許す場合のルールとは

    毎年です。今の季節、春頃に自転車通勤トラブルの相談があります。自転車通勤を認めている会社、認めようと考えている会社、通勤ルールが妥当か見直してはいかがでしょうか。

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    毎年です。今の季節、春頃に自転車通勤トラブルの相談があります。自転車通勤を認めている会社、認めようと考えている会社、通勤ルールが妥当か見直してはいかがでしょうか。

    電車(公共機関)を原則にしましょう。

    自転車通勤は、やはりケガが多くなります。会社は、遠方社員の通勤は公共機関の利用を推奨すべきです。人身事故でのケガや加害者になった場合などは、その対応で苦慮します。会社を休むことになる場合もあるでしょう。個人的にも仕事にも支障がでます。
    隠れ自転車通勤を会社が見つけた場合は、ペナルティが必要でしょう。ただ、不正受給が目的でなく全く悪意なく自転車で来ている場合は、軽い処分でよいでしょう。

    自転車通勤、会社が許可する場合の条件は

    許可することを検討している会社、既に許可制にしている会社も再度ルールを見直してはいかがでしょうか。まず、必ず保険加入を義務付けます。条例で保険加入が義務付けられている都道府県もあります。そして、会社が許可する条件として、筆者が指導しているルールが下記となります。

    ① 保険加入およびコピーの提出
    必須で加入を義務付けます。
    ② 誓約書の提出
    携帯電話やスマホを使用しながらの運転禁止など一般常識的な約束事項を明記します。
    ③ 会社からの距離など通勤を許す許容範囲
    許容範囲を明確にします。例えば、自宅から10kmまでなどです。常識外に遠距離だと会社に着いたら疲れます。
    ④ 月額手当
    自転車での通勤における月額手当を決めておきます。
    例えば、一律で5,000円と規程化します。定期代と同額でなくともよいからです。
    ⑤ 駐輪場代、保険料、雨天時の交通費
    会社に駐輪場がない場合は、迷惑になりクレームが会社に入る場合もあります。駐輪場を借りる場合の料金や雨天時の交通費を請求してくる社員もいますのでルールが必要です。駐輪場代、保険料や雨天時の交通費などは月額手当に含むとすればよいでしょう。嫌なら公共機関で来なさいということです。
  • ・2018年04月19日 管理職と一般職の違い!

    当然のように課長になると残業手当が無くなることは周知されています。これは、労働基準法での管理監督者に該当することで労働時間に関係する部分の制限がなくなるからです。
    また、名ばかり管理職ではとニュースで話題になることがあります。今回は管理職とは?その定義的な話をします。

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    当然のように課長になると残業手当が無くなることは周知されています。これは、労働基準法での管理監督者に該当することで労働時間に関係する部分の制限がなくなるからです。
    残業代だけではありません。休憩や休日の考え方でも同じです。一般社員が、土日など休日に出勤した場合に代休を取得したりします。気づいた方もおられると思いますが、管理職には代休という考え方がありません。

    そもそも管理職とは

    ほとんどの企業の多くは課長昇格から管理職になります。昔からそうです。ただ、昔と違い課長という呼称からマネージャという呼称を使っている会社も多くなりました。会社によって異なります。
    この管理職ですが労働基準法上の“管理監督者”に該当する場合に管理職として労働時間等を扱ってよいことになります。この管理監督者に当たるのか否かがよく話題になります。管理監督者の定義が、自社の実情に合っていないと判断した会社では、課長職を2種類に分けている場合があります。

    ・ 部下管理を行い残業がつかない課長
    ・ 自身が専門的技術を発揮して働き残業がつく課長

    管理職の定義

    管理職が労働基準法上の管理監督者にあたるかは多々の処遇から判断されますので一概には言えませんが一般的には下記のようになろうかと思います。

    ・ ある程度、経営に参画しているか。
    経営者と同一レベルで企業全体の経営に参画しているとまでは、言われないと思いますが少なくとも事業部や部レベルである程度は関与しなければなりません。
    ・ 労働時間など細かく指示されていないか。
    管理職には労働時間の制約がないため残業手当もつきません。出退勤の裁量があって当然となります。
    ・ 賃金面などの処遇です。
    ここが肝心です。役職手当や賞与などで管理職として優遇されていなければ不平不満に思うようになるのは当然です。管理職として相当な処遇を施さなければなりません。
  • ・2018年03月22日 働き方改革と36協定届

    働き方改革で、残業時間を少なくしようとする試みは評価されます。例えば、月の残業は30H以内にしようと目標を作り運用されるのが一般的です。しかし、36協定届には目標値である30Hを記載するのは危険です。

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    本コーナーで、1年ほど前に働き方改革の記事を書きました。それから1年以上経ちますが今でも多々ニュースで話題になっています。働き方改革は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」というキャッチフレーズが言葉を変えたものです。働き方を変え仕事と生活の調和を図ろうと社会的にも求められています。
    働き方=労務管理の領域です。過重労働のニュースが昨年も多々取り上げられたことで勤務ルールに着目した取り組みが目立ちます。長時間労働・過重労働をなくすといった改革が以前より社会的にも必然となってきました。労働基準監督署から送付される自主点検シートや調査においても重要視していることがわかります。そこで会社も長時間労働を減らそうと動いています。明らかに残業時間が減ったと実感している会社も多いかと思います。しかしながら、36協定届に目標値を書くのではなく、そこは現実的な視点でとらえ記入すべきです。
    4月より年度替わりで36協定を提出される会社が多いと思います。記入した時間を超えると36協定違反です。働き方改革、過重労働対策を意識し届出の残業時間を減らすにしても掛け声の目標値ではなく、実体調査をした上で記入することをお勧めします。

    36協定って何?

    会社は、1日8H・1週40Hまでしか勤務させることはできません。これでは残業させている会社は法律違反していることになります。残業を行わせている会社は36協定届を提出することによって残業や休日出勤ができる会社となります。1日や1カ月、1年でこれぐらいの残業や休日出勤がありますと労使で合意し労働基準監督署に提出するのです。

    36協定には守れる時間を!

    働き方改革で、残業時間を少なくしようとする試みは評価されます。例えば、月の残業は30H以内にしようと目標を作り運用されるのが一般的です。しかし、36協定届には目標値である30Hを記載するのは危険です。守れなければ36協定違反となります。
    36協定届の時間は、目標値でなく遵守できる現実的な数値にしましょう。健康面から80Hまでが望ましいでしょう。目標は、内規や社員通知、部門長からの連絡などを通じて周知してください。

  • ・2018年02月09日 世間も騒いでいます。無期雇用転換に向けて管理体制を!

    本コラムが掲載される頃は、もう春でしょうか。1月に執筆していますが掲載の頃は、世間で今以上にニュースになっているのではと想像しております。無期転換の権利を有する社員が今後、増えていきます。社内的にも管理していかなければなりません。
    無期雇用、定年、再雇用者の適用について解説します。

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    本コラムが掲載される頃は、もう春でしょうか。1月に執筆していますが掲載の頃は、世間で今以上にニュースになっているのではと想像しております。無期転換の権利を有する社員が今後、増えていきます。社内的にも管理していかなければなりません。

    そもそも無期雇用とは何?

    通算5年超えの有期雇用社員からの申出で無期雇用に転換しなければならないと労働契約法が改正施行されました。それから約5年、今年4月で勤務年数5年を超える社員が出てきますので多数の会社で慌てだしたということです。
    社員からの申出に対して、会社は拒否できません。申出の次の雇用契約より無期雇用に転換する義務があります。会社には、パート、嘱託、契約社員など多くの有期雇用社員がいます。その全てが対象になります。

    無期転用ルールの考え方

    無期雇用への申出をするか否かは社員判断

    「無期雇用にして下さい」という申出に対して拒否できませんが、申出をするか否かは本人の判断です。本人が、なんらかの個人的理由で申出しないことに対してまで対応する必要はありません。
    ただし、申出しないように会社が強要や勧奨することはNGです。
    例えば、

    • (嫌がらせで)無期になるなら転勤があることを示唆する。
    • (嫌がらせで)無期になるなら短時間勤務からフル勤務に変更すると強要する。

    などの言動で、無期雇用になると条件が悪くなる話をすることで有期のままで契約させようとしてはいけません。もちろん有期のままでなければ契約しないといった言動もNGです。

    いつまで働けるか(定年)を明確に

    有期雇用の場合は、期間を契約時や更新時に明記しますので問題はありませんでした。しかし、無期雇用となれば、期間がなくなりいつまでも働けることになります。正社員でも定年という制度があり退職していきます。無期雇用者にも定年を定めトラブルが起こらないようにしておきましょう。

    正社員からの再雇用者も対象?第二種計画・認定変更申請書とは

    結論からですが、再雇用制度導入の会社でやっておくべきことは、第二種計画・認定変更申請書を申請することです。再雇用者については、多くの会社が60歳の定年後に再雇用し1年契約毎の更新手続きを行っている場合が多く、再雇用者も有期雇用者に該当するからです。
    本申請を行うことで、正社員からの再雇用者については5年を超えた場合でも適用除外できますので第二種計画・認定変更申請書を申請しておきましょう。

2017年度

  • ・2017年12月20日 健康視点での残業時間の管理が必要!

    労働基準監督署の調査で、過重労働が注視され指導強化されています。世間的にも長時間残業はよくないという考えが定着してきました。平日に祝日や休暇が多々あっても、また法定内の残業であっても給与計算上では所定休日出勤分を含め残業集計されている会社が多いのではないでしょうか。現実的に私の顧問先でも、法定内の残業であっても割増賃金を支払ったりしています。
    実労働として週40時間を超えている時間を健康視点残業時間(筆者が勝手につけた名称)などといった別名称で管理することをお勧めします。

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    残業時間、会社によって表示内容が異なります。
    法定内残業、例えば1日7時間勤務の会社なら8時間までの1時間を法定内残業と言います。この法定内残業と8時間を超える法定外残業を別管理している会社、していない会社で給与明細書に表示される残業時間が異なります。
    他にも、休日の考え方で変わります。土曜日(例、所定休日)は残業時間となるので出勤時間は25%割増しとなります。日曜日が法定休日であれば35%割増しとなります。こういった場合に土曜日を残業時間に入れて、日曜日は休日出勤時間に入れるなどで異なります。土曜日も日曜日も35%割増にしている会社では合わせて休日出勤時間としている場合もあります。給与計算を軸に考えるので表記が異なってくるのです。
    ニュース等でご存じのとおり、過重労働対策が重視されています。過重労働による過労死や病気などは会社に責任が生じてきます。労働基準監督署も、この視点で36協定上の残業チェックとは別に指導強化を図っています。

    下記のような記入シートやQA形式のアンケートシートを事前に書いておくように言われます。
    【過重労働関係の事前記入資料】 例.労働時間実績表
    (労基署によってフォーマットは異なる場合があります)
    長時間、過重労働の視点で、また残業45時間オーバーの回数月をチェックできるシートになります。

    ・ 直近1年間について、上段に時間外労働時間数、下段に総労働時間数の実績を記入。
    ・ 1日8時間、1週40時間を超える法定労働時間超の時間数を記入。

    労働時間実績表

    働き方改革で過重労働を減らす努力をしている会社が多いです。その過重労働か否かを会社も社員も判断できるようにするためにも、例えば健康視点残業時間といった名称などで明細書に印字するとよいでしょう。
    世の中は変わってきました。給与を払うための残業集計でなく、実就労の労働時間を管理していかねばならない時代です。カトク(過重労働撲滅特別対策班)が労働基準監督署に設置され力を入れています。会社も管理運用を見直していかなければなりません。

  • ・2017年11月20日 無期雇用や配偶者手当、法改正影響の準備を!

    2018年4月に労働契約法「無期転換ルール」に該当する通算5年超えの有期社員(契約社員、パート社員など)が出てきます。申し出があれば、次回からの労働契約は無期雇用にしなければなりません。有期雇用の場合、正社員からの再雇用者の場合について留意点を、また配偶者手当の支給についてルールが明確か社員とトラブルにならないか確認しておきましょう。

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    2018年4月に労働契約法「無期転換ルール」に該当する通算5年超えの有期社員(契約社員、パート社員など)が出てきます。申し出があれば、次回からの労働契約は無期雇用にしなければなりません。退職時期についてトラブルにならないように契約書には定年時期を明確にしておきましょう。
    正社員については、多くの企業が定年延長ではなく再雇用制度を導入しています。65歳までの雇用延長が義務付けられています。定年延長や再雇用制度など企業が選択しますが、筆者顧問先もほとんどが再雇用制度を実施しています。60才定年を迎え、その後に有期雇用で65歳まで勤められる制度です。65歳に達した後、さらに雇用継続を行った場合は無期雇用への転換の申し出があれば対応要となります(義務)。すでに60歳の定年は過ぎているため、年齢を理由とした退職がないことになります。
    そこで、第2定年を作らなければと騒いでいましたが、H27年4月1日施行の法改正で労働局に第二種計画・認定変更申請書を申請することで心配しなくてよくなりました。忘れないように申請しておきましょう。

    また配偶者手当を支給している企業が多いですが、支給条件は明確で社員と見解相違を生じないルールになっているでしょうか?
    仕事で多々、就業規則を見る機会が多いです。賃金に関する箇所で配偶者手当の支給云々が書かれています。ここの記載方法が企業によって違うのです。
    例えば配偶者の収入条件で支給している場合

    ① 103万(所得税)、130万(社会保険)など金額を明示している企業
    ② 所得税や社会保険の非課税や扶養有無(金額でない)で支給すると明示している企業
    ③ 独自で設定した収入(例、80万以下)で判断している企業
    ④ 収入に関係なく支給している企業

    などがあります。上記①の場合は、103万が150万に変わりますが、社員は当然に150万に変わるものと考えます。そもそも配偶者手当が専業主婦に対する補助と考えておられる企業については150万でも支給するのか、また将来において条件が変わった場合も踏まえ考慮しておく必要があるでしょう。
    いずれにせよ、①の記載企業については社員も気になるかと思います。今後のことも考え国の施策に左右されないようなルールで明確にしておかれたほうがよいです。

  • ・2017年10月20日 外国人の雇用、留学生の雇用について

    外国人、雇用保険の加入は義務でしょうか?健康保険や厚生年金も同様な質問を受けます。留学生(学生)か否かで異なります。また、あいまいな日本的表現で言った、言わないでトラブルにならないよう雇用条件は明確にしましょう。社会保険の適用や雇用上の留意点につき述べていきます。

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    外国人、雇用保険の加入は義務でしょうか?健康保険や厚生年金も同様な質問を受けます。留学生(学生)か否かで異なります。また、あいまいな日本的表現で言った、言わないでトラブルにならないよう雇用条件は明確にしましょう。社会保険の適用や雇用上の留意点につき述べていきます。

    【雇用条件は明確に】

    これぐらいは言わなくてもわかってもらえる。日頃の生活でも、こういった考えで友人間や職場でも接する場合が多いのではないでしょうか?言った、言わないでトラブルになることもあります。特に外国人については文化の違いがあります。あいまいな日本的表現はトラブルのもとになりますので、雇用面では明確表現で伝えることが肝要です。例えば、賃金について時給等は当然、〇〇〇円とはっきり明示して契約書を提示しなければなりません。その際に日本流の頑張りしだいで云々の曖昧な話はしないほうがよいです。

    【在留資格、社会保険について】

    外国人が日本で働くためには、在留資格が必要です。
    例えば(一部)、

    ・ 技術があり、それで働く資格 例、機械工学の技術者
    ・ 技能があり、それで働く資格 例、料理人
    ・ 留学
    ・ 永住者

    などがあります。
    外国人も留学生を除いて原則、社会保険に加入しなければなりません。日本人と同様に加入有無など判断します。ただ現実的には、日本の年金保険料を払いたくないという方がいますが仕方ありません。「社会保障協定」といって日本と相互で年金を保障している場合は説明も容易です。そうでなければ、帰国時に保険料の払い戻し(全部でない)の脱退一時金の説明をされてはと思います。

    【留学生について】

    留学生は、本来は勉強がメインなのですが日本の学生のようにアルバイトを行うことができます。そのためには資格外活動の許可を受けることが前提です。無ければ不法就労となりますので、アルバイトだからと安易に受け入れるのでなく許可があるか確認してください。確認はパスポートや資格外活動許可書で行います。
    許可があればアルバイトで雇ってOKとなりますが、働ける時間は週28時間までとなります。

    以上述べたように日本で働く場合は在留資格や資格外活動許可の確認を必ず行うことが肝要です。忘れないように注意してください。

  • ・2017年09月25日 成果主義と人事評価制度

    前回「成果主義の給与・賞与制度の考慮点」で成果や業績の観点で賞与にメリハリをつけるのは容易ですが、成果によって給与を上げ下げするのは法的な制約を考慮しなければならないと述べました。今回は、その前プロセスである人事評価を中心に記載します。

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    現在の仕事(社会保険労務士)で顧問先企業に対して人事制度面で多々指導アドバイスすることが多い。振り返ってみると現事務所を立ち上げる以前の会社員時代よりを行ってきましたが、会社員時代と現在では私自身の考え方が変わっています。
    その頃は、成果給や業績給導入に関するユーザ要望に応じて前向きに発言していた。ようはユーザが導入の意向なら、その前提で発言し改善案を提示していました。今から思えば無知で恥ずかしく思う面があります。法的な外部環境は当時と大きく変わっていません。しかし、私の考えは大きく変わりました。顧問先を通じて不利益変更を含め社員トラブルや訴訟リスクに直面していくからです。完全に成果と連動し上げ下げ自由な給与制度は日本社会では難しい。給与について日本の社会は成果ではなく時間を基軸にした法体系で成り立っているからです。導入するなら、役割を明確にした制度をつくり役割に応じ資格を変更する運用を、できれば中堅層以上を対象にするなど工夫が必要だと考えます。ただし、前回も述べたが賞与については給与より導入が容易になります。
    完全成果型にするのは難しくとも一定の範囲でメリハリもつけなければ中・若手の従業員層のモチベーションも上がらない。また、賞与についても成果割合を重視する変更を加えるにしても重要になってくるのが評価制度です。
    人事評価の運用では目標管理制度、自己申告制度、業績評価制度などがある。目標に対して目標設定面接が、業績に対して業績考課面接が上期下期と行われる。人事評価は、社員そして会社の活性化につながらなければなりません。社員が目標を持ち仕事を行うために目標の設定は部下と面接を通して決定し、業務遂行中は日々のプロセスを観察し育成する。その結果を省みて“達成した”“もう少しだった”など上司と業績の結果を共有し、評価結果が社員にフィードバックされ次の評価に向け目標が設定されます。

    一般的な評価の流れ

    一般的な評価の流れ イメージ図
    【出典】人事給与業務とコンピュータ活用(出版2005 著者:杉本 一裕 氏)を加工して作成

    あいまいな評価で給与や賞与を決定して欲しくないと年功型の企業では特に中・若手層が思っているのではないでしょうか?
    そのためには評価者の尺度が同じでなければなりません。評価者(評価する人)の基準が一定にならなければ、社員に不公平感を与えます。賞与支給を例にします。事業部制組織で各組織に評価尺度を任せると事業部によって同年代の社員間で不公平になる場合があります。コスト合計は同じでも事業部で個々異なってくるわけです。この場合は職務や職種、役割(資格や役職)に応じた評価基準の見直しや評価者教育、そして一定程度の相対評価尺度の考慮が必要となります。

    例)

    また、本人が上期頑張り成果を出した!しかし所属する事業部成績が悪ければ成績のよい事業部の社員より低くなる場合がありますので事業部制組織の場合も含め評価制度を説明しておくことが肝要です。
    人事評価は給与や賞与を決める尺度でもありますが、評価の基準、目標レベルを明確にして社員に説明、納得させることです。評価は、社員の能力や業績に対して”良かった””悪かった”などと分析し評価します。そして、その結果で今後の指導、育成に役立てなければ意味がありません。社員も何をどれだけやれば、評価されると理解することで、努力することができます。社員の能力向上や活性化を図る意味でも人事評価は評価者と社員(被評価者)の双方向での理解が必要で、そのために面接が必要です。
    ただ、面接を行い社員の言い分を聞くといったプロセスが目的となり単なるガス抜きに終わっている事実も実際に存在します。ガス抜きも大事な上司の仕事だとも思いますが、そこだけでは納得できない時代ではないでしょうか。企業内でも高齢化が進み、年功型の企業は人件費が圧迫していくと考えられます。高齢者の賃金制度の変更も必要不可欠となってくる企業が多いはずで、合わせて人事評価制度も見直すべき時期ではないでしょうか。

  • ・2017年08月21日 成果主義の給与・賞与制度の考慮点

    日本の雇用慣行に終身雇用、年功型賃金があります。人によって考え方は異なりますが、私はよい制度だと思っています。長く勤められる制度で働く側も人生設計が立てやすいからです。ただ、高齢化が進む中で企業内の高年齢者層が増えています。年功序列型賃金にこだわっていると若い世代の賃金が上がらず、やる気を阻害する要因にもなります。成果主義での制度設計については多々、一般書やサイトなどで取り上げられていますので今回は一般論でなく実務面で法的に考慮しなければならないことに触れます。

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    日本の雇用慣行に終身雇用、年功型賃金があります。人によって考え方は異なりますが、私はよい制度だと思っています。長く勤められる制度で働く側も人生設計が立てやすいからです。ただ、高齢化が進む中で企業内の高年齢者層が増えています。人件費が存分にある会社は別として限度があるわけで、年功序列型賃金にこだわっていると若い世代の賃金が上がらず、やる気を阻害する要因にもなります。
    従来の年功型部分と成果型の両方の視点で模索してはいかがでしょうか。企業個々で事情が異なります。平均年齢が30歳代の会社もあれば50歳近い会社もあります。営業職のように成果が見えやすい職種もあればスタッフのように見えにくい職種もあります。業種や平均年齢、企業事情に応じて年功部分を保障したうえで成果給にどの程度充てるかということです。
    例えば、平均2ヶ月の賞与を払う場合に、基本給比例分1ヶ月分を全員保証し、残り1ヶ月分を成果(業績)で支給する場合などと同様な考えで模索されてはと思います。検討で、成果主義に重点を置く、年功に重点を置くなど企業によって異なるのが当然です。
    制度云々より、導入は職種を限るのか?成果を何で測るのか?を時間をかけて検討するべきです。成果が明らかになるような職種でなければ、結局のところ定性的な評価となり不公平感が生じてきます。成果主義での制度設計については多々、一般書やサイトなどで取り上げられています。今回は一般論でなく実務面で法的に考慮しなければならないことに触れます。

    法的な制約も考慮すること!

    次に給与と賞与の性格から成果給を考えていきます。賞与ですが、賞与は業績や経営状況に応じて支給することを就業規則含め明示して支給します。個々の業績がよくても、企業全体として経営状況が悪ければ下げることも可能です。ここが給与との大きな違いです。
    本来、成果主義は年齢や性別でなく成果のみに着目し賃金を上げる↑下げる↓ものです。
    では、成果がゼロだった場合に給料もゼロとできるでしょうか?当然ノーです。それは労働基準法や最低賃金法などの法律があるからです。これらの法律は、「労働時間」に賃金を払うことを前提にしています。残業すれば、その時間分の残業手当がもらえます。休日出勤すれば、その時間分の休日出勤手当がもらえます。

    1時間あたりの単価 = 固定給(除外できる項目あり) ÷ 所定の月間労働時間

    であり、残業手当は割増率も加算し計算します。1時間当たりの単価については最低賃金法でも定められていますので、その単価未満で支給できません。労基法27条では出来高払制の保障給でも、労働時間に応じた一定額の賃金保障を行わなければならないとしています。
    成果主義にしたら自由に給与を上げ下げできるというものではありません。法的な制約を含めて検討し、成果に応じて役割給を上げ下げするような明確な制度設計が必要です。ラインの方や若い世代の方達との会話で成果主義にしてほしい、極端にメリハリがあってもよいと思う等、話をよく聞きます。ただ、誰もが勝ち組になるわけでなく、いつでも勝ち組であるわけではありません。法的な制約面もありますので、多方面からじっくりと検討することが肝要です。

  • ・2017年07月21日 役職定年制度と働き方改革

    現在、役職定年を導入した企業の時代背景は60才定年で引退が前提のものです。役職定年の年齢は私の顧問先での例ですが53から57才ぐらいで企業によって違います。60才定年引退を前提にした制度ですが、年金支給開始年齢が65才となっていくことで定年の延長や再雇用制度が義務付けられています。時代背景も異なってきているわけです。
    役職定年のメリット、デメリットや今後制度変更が必要だと私が考える雇用状況の背景等を述べます。

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    働き方改革という文言が流行っています。今年そのキーワードでのセミナーが多い。
    働き方といっても範囲は多々あります。今回テーマにあげた役職定年の見直しも含まれるでしょう。役職定年の継続有無の良し悪しなどは企業個々によって事情も異なりますので結論づける内容ではないですが現在の時代背景からも見直さなければならないのではないでしょうか。
    厚生労働省「平成21年退職金、年金及び定年制事情調査」によると約50%の企業が導入していることが伺えます。厚生労働省の調査は従業員1,000人以上の企業を対象としたもので導入割合が多いと考えます。役職定年を導入した企業の時代背景は60才定年で引退が前提のものです。役職定年の年齢は私の顧問先での例ですが53から57才ぐらいで企業によって違います。60才定年引退を前提にした制度ですが、年金支給開始年齢が65才となっていくことで定年の延長や再雇用制度が義務付けられています。時代背景も異なってきているわけです。
    また、高齢化や少子化の事情も考慮すると役職定年年齢の変更を含めて制度見直しをする企業もあります。

    役職定年のメリットとデメリット

    メリットは誰もが想像できることですが定量的には人件費の抑制がメリットになります。そして空きポストへの異動による人事の渋滞解消と昇格登用による次世代社員の「モチベーション」の引き出しです。ただし、役職定年者の「モチベーション」は下がります。
    デメリットは言うまでもなく役職定年者から高年齢者層の「モチベーションの低下」です。個人差はありますが現実に起こります。それは企業全体から見て生産性・効率性の低下につながります。また、やる気の無くなった社員は扱いにくくなり組織の雰囲気を悪くする可能性もあります。企業には年金の支給開始年齢と連動し65歳までの雇用義務があります。バブル時代の大量採用した企業では高年齢者層が増え平均年齢もあがっているはずです。65歳までの雇用と合わせ今後、デメリットは大きく顕著に表れてきます。世間同様に企業内も高齢化していきますので積極的な有効活用を図らなければメリットよりデメリットの方が多くなります。

    見直す場合に留意しておくべきことは

    役職定年時だけでなく再雇用時にも給与が下がります。いずれの場合でもフルに働きたくない社員も存在します。親の介護の抱える世代でもあります。人件費抑制等の事情も鑑みて役職定年後の働き方を複数用意し能力・考課・社員希望等から本人のある程度の納得のうえ配置転換する制度設計が必要となるでしょう。
    大企業は役職定年時に給与が下がる制度であることを規程化し周知しています。社員も一般的な社内ルールだと認識していますので制度に起因するトラブルは少ないです。ただし、最近の労務事情から

    • 今後、導入していく企業は不利益変更のトラブルが起こる可能性があります。
    • 導入済みの企業も役職定年後も役割が変わらなければ同一労働同一賃金の観点でトラブルに発展するケースがあります。

    制度を変更する、新規で作る。いずれの場合でも制度を社員に理解してもらうことが重要です。
    繰り返しになりますが、企業の発展のためには役職定年者から高年齢者層の「モチベーションの引き上げ」と「有効活用」が必要で制度設計の見直しが必要になると私は思います。

  • ・2017年06月16日 マタハラ!セクハラ・パワハラ同様に考慮必要です。

    ここ数年で○○ハラという単語をよく見聞きします。なんでも○○ハラと付ければいいってものではないですよね。ただ、セクハラ・パワハラは事業主の配慮義務も明文化されています。今年はマタハラが追記されました。就業規則やハラスメント防止関係の規程修正について修正箇所と追加例をご紹介します!

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    ここ数年で○○ハラという単語をよく見聞きします。なんでも○○ハラと付ければいいってものではないですよね。ただ、次の3つは事業主の配慮義務も明文化されているので覚えてください。セクハラ、パワハラ、マタハラです。
    自社の就業規則にはハラスメント行為の禁止といった条文があろうかと思います。そこではセクハラやパワハラのことが多くの企業で書かれています。今年初めにマタハラの事業主配慮が法改正で義務化されたことで修正追記した企業もあろうかと思います。以前よりマタハラは問題提起されていました。女性ばかりでなく育児関係で男性に対しても同様な視点でハラスメント行為を行わないように配慮しなければなりません。
    具体的には、妊娠や出産を理由に退職を促したり、仕事上融通がきかなくなるからと迷惑になる等の精神的苦痛を与えるような言動を行わないようにセクハラやパワハラ同様に社員教育に組み込んでいかなければなりません。
    ただ、中小企業にとっては例えば、将来的に一定の条件下で育児休業も2年まで延長できるようになりますが、その間に新たな社員を雇わなければならない、雇うと戻ってきたときにポストが無い、用意できないなど問題も多々あることも事実です。そこで嫌味を言ってしまったりすることもあるかも知れません。しかし。出産や育児ばかりでなく介護や自身の病気も含め「休む」ということに少子化で高齢化社会という時代的背景からも寛容にならざるを得ないと考え、社員への意識教育に取り組んではいかがでしょうか。

    【就業規則やハラスメント防止関係の規程修正について】

    修正箇所と追加例をご紹介します。

    (目的)

    第○条  本規程は、職場におけるハラスメント(セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなど)を防止するために社員が遵守すべき事項や防止するための措置等を定めたものであり、働きやすい職場環境を実現することを目的とする。

    → マタニティハラスメントの追加

    (定義)

    第○条  セクシュアルハラスメント(以下、「セクハラ」という。)は、~~~

    2. パワーハラスメント(以下、「パワハラ」という。)とは、~~~

    3. マタニティハラスメント(以下「マタハラ」という)とは、妊娠、出産に関連して精神的、肉体的苦痛を与える職場における言動や行為等であること。

    → 3項の追加

    (セクハラ行為の禁止)

    第○条  社員は、次に掲げるようなセクハラ行為を行ってはならない。

    (1)性的な冗談や性的な噂をすること。

    (2)~~~

    (パワハラ行為の禁止)

    第○条  社員は、次に掲げるようなパワハラ行為を行ってはならない。

    (1)机を叩いたり、書類を投げつけたりする等で相手を脅すこと。

    (2)~~~

    (マタハラ行為の禁止)

    第○条  社員は、次に掲げるようなマタハラ行為を行ってはならない。

    (1)出産、育児の制度等の利用を行う女性社員に対して嫌がらせ行為、言動を行うこと。

    (2)~~~

    → マタハラ行為の禁止の追加

    (懲戒処分)

    第○○条  会社は、ハラスメント行為が認められた社員に対し、就業規則に基づいて懲戒処分を行う。

    赤字部分が追加箇所となります。あと重要なのは懲戒処分でハラスメント行為が行われたときに懲戒処分を行うという旨を記載しておきましょう。是非自社の就業規則をご確認ください。

  • ・2017年05月19日 必見!在宅勤務(テレワーク)制度導入の注意点とは。

    在宅勤務はメリットばかりが注目されがちですが規程含め注意しておくべきことが多々あります。
    今回の人事・労務ニュースでは「規程条文例」をご紹介しています!

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    労働基準法や労働契約法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等も当然ですが適用されます。
    あとでトラブルにならないように規程に労働条件を明示し本人承諾の上で活用すべきです。
    会社から離れた場所で勤務することになりますので、自己管理ができると会社が判断する社員を前提に考えていくべきです。大企業になると人による選定も難しいですので座席管理ソフトの活用もおすすめです。IT化が進んだ便利な時代です。簡単な座席管理ソフトでPC作業を行っているかどうかをアイドリング状態や電源ONOFFで管理できます。ソフトによってはログまで管理できるので実際に仕事をしているのかの確認目安になります。

    在宅勤務のメリット

    ただ、在宅勤務はメリットばかりが注目されがちですが規程含め注意しておくべきことが多々あります。

    1. 労働する場所について

      就業場所として社員の自宅となるが、非定期の報告や打ち合わせや研修など会社に来てもらうことも出てくるはずです。なので、そのことも明示しておきましょう。

      【規程条文例】

      勤務場所は自宅とする。ただし、業務報告、会議出席、研修受講等、会社が指定する日には会社へ出勤しなければならない。

    2. 通信費・情報通信機器等の費用負担について

      お金に関することなので社員に説明します。
      社員に通信費や情報通信機器等の費用負担をさせる場合には、就業規則への記載要となっています。
      いずれにせよ規程がない在宅勤務制度はありえないのですが念のため。

      【規程条文例】

      • 機器使用における費用は会社が負担する。
      • 本人所有の機器(会社が認めた場合)を使用する場合は、機器使用に要した費用について明細書を提出しなければならない。
    3. 労働時間について

      これも、お金にかかわってきます。
      私生活とのオンオフが難しいので、自己管理能力があると認められる社員のみに許可すべきです。
      会社が時間管理できませんので、結果、みなし労働時間制を選択することになります。

      【規程条文例】

      • 勤務時間は、所定の勤務時間を勤務したものとみなす。
      • 効率的な業務遂行を心がけ自らの勤務時間を管理しなければならない。
      • 会社は、在宅勤務する社員の勤務時間管理が不適切である場合は直ちに通常勤務への復帰を命ずることがある。

    導入時は上記注意点も加味して準備を進めてください。

  • ・2017年04月21日 過重労働と労災など、ニュースで言われる残業時間とは?

    よく過重労働のニュース等で取り上げられる残業時間ですが、法定外残業(休日時間含む)のことです。残業時間と労災リスクの関係を理解しチェックするために適切なタイミングは?

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    労働基準法上、36協定での残業時間は限度がなく100時間以上も可能になります。しかし、労災リスクや社員の健康配慮を考えれば月80時間までが一つの目安です。単月で160時間以上、2ヶ月連続120時間以上、3ヶ月連続100時間以上等で労災を認める判断で強とするなど新しい考え方が出来ていますが、裁判を見ていても参考にされているのは残業月80時間がラインとなっています。
    ただ、社員も勤怠集計を行うタイミングが月末や月初になるため、終盤で80時間を超えたってことがありうるので日々の管理が必要です。中旬から下旬頃に中間チェックするといいでしょう。80時間を超えた36協定を結んでいる企業は労基署の調査対象やアンケート確認の対象にもなります。
    また顧問先企業でも「うつ病」で休職されている方がいます。1999年に出た労災認定の指針の判断ですが、「精神障害を起こし、発病前6ヶ月間には業務における心理的負荷(キツイノルマやいじめ)があり、業務外における個人的な理由によることでない」が認定基準となっています。労災で調査される際、申請してから結果がでるまで半年ほど調査に要しますが、長時間残業が多く見られたという事実が認められたら、労災と認定するよう変わってきていますので、長時間残業リスクについては社員にも説明し徹底すべきです。

    残業時間とは

    法定内残業と法定外残業とを分けて管理することをお勧めします。よくニュース等で取り上げられる残業時間ですが、法定外残業(休日時間含む)のことです。例えば1日7時間の勤務なら最初の1時間は含まなくてOKです。ここを含めて管理し、また給与明細書等に印字していると誤解も生じるかもしれません。少なくとも内部的には別管理しておくべきです。また社員には説明しておくほうがよいでしょう。

    残業時間と健康との業務起因性

    ・45時間以内 弱い  
    ・45時間超えると 強まる  
    ・80時間(2~6ヶ月平均)超えると 強い 産業医等の指導を
    ・100時間超えると 強い 産業医等の指導を

    「健康との業務起因性」についての考え方は、以前より存在する上記の考え方が今でも参考になります。「強い」というのは労災リスクにもつながります。80時間がひとつの目安だということです。

    顧問先企業の衛生委員会に私も出席していますが、そこでは長時間残業者リストが配られ、80時間超えたりする方には、上司宛てに残業を抑制するようメールを送っていただいたり、有給休暇取得するよう促していただいたりしています。
    過重労働による健康障害や自殺などニュースでも話題になっています。長時間残業については今以上に配慮してください。

  • ・2017年03月17日 働き方って?企業が考えるべきこと。

    一体何をすればいいの?法律で義務化されているものも含め顧問先様で自主的に実施している事例を入れながら皆さまにわかりやすく解説します。

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    働き方に関して以前は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」というキャッチフレーズを何度も見聞きしました。最近は働き方改革っていうフレーズを頻繁に目にします。働き方を変え仕事と生活の調和を図ろうと社会的にも求められています。
    働き方=労務管理の領域です。人事・総務部門の方は、じゃ一体何をすればいいの?と悩んでおられませんか。やはり労働時間に関係する部分が大きくて以前より、長時間労働・過重労働を無くすといった改革が以前より増して求められています。ニュースでも過労死、過重労働、長時間残業などの単語をよく見ます。しかし、顕著に改まってもおらず過労死等に係る労災認定件数も多い状況にあります。過重労働を無くそうとカトク(過重労働撲滅特別対策班)が東京、大阪と設置されたのも上記のような背景があるからです。
    現在でもフルタイムの一般社員とは別軸にて法律で義務付けられた短時間勤務形態があり、また有給休暇も取得しやすい制度もあり、会社での衛生委員会では長時間残業者のチェックを行い是正するといった活動が行われているはずです。働き方を労働や勤務形態の種類、休暇取得促進、過重労働撲滅と合わせて考えるとわかりやすいです。法律で義務化されているものも含め顧問先様で自主的に実施しているものも多々あります。
    例えば

    • 育児や介護関係
      看護や介護休暇(半日取得可)、短時間勤務制度
    • 有給休暇の取得促進関係
      時間単位有給休暇や半日休暇制度の導入や休暇取得の促進を行っている企業があります。休暇取得の促進では有給休暇の計画的付与があります。有給休暇のうち5日を超える日数分を限度として付与できます。例えば、年次有給休暇が10日の社員は5日分まで指定し休ませることができます。
      計画的付与
        ① 一斉付与 :会社全体で一斉に休みとするもの。
              例.夏休み、年末、ゴールデンウィークの谷間など
        ② 選択付与 :部門別や社員別に休暇日を選択するもの。
              例.夏休みをAパターン、Bパターンから選択
        ③ 個人付与 :社員個人で休暇日を指定するもの
              例.結婚記念日や家族の誕生日など
    • 労働時間関係
      ・残業80時間を限度目標とし、日々勤務時間チェックを実施する運用
      ・ノー残業デー制度
      例.毎週水曜日は特別事情を除き残業を禁止するなど
    • 短時間勤務制度
      1日6時間勤務制度など。
      育児のための短時間勤務制度をイメージするとわかりやすいです。今後、高齢者層の増加に伴い介護のためや高齢者雇用での選択肢となると考えます。
    • 短時間勤務制度以外の勤務制度
      ・フレックスタイム制度
        朝、来ない人が多かったり会議時間帯が限られるなどで廃止した企業が多いが帰宅時のみ適用するなど工夫できます。
      ・曜日限定勤務制度
        毎週2日や3日と決められた日に出勤する。
        60歳以降の再雇用制度で65歳までの完全雇用義務化も迫っており選択肢の1つとしてアドバイスしています。
    • 地域限定職の制度
      転勤を前提とせず地域で働く職種を選択できる制度も働き方の選択肢となります。
    このような制度を顧問先の企業にて行っています。他にもありますが、上記のような短時間勤務や有給休暇の取得推進、長時間労働の抑制、働き方の選択などを総称して「働き方改革」と呼んでいます。「働き方改革」で過重労働、過労死などの防止を含めワーク・ライフ・バランスの実現を目指すことになります。

2016年度

  • ・2016年12月22日 H29年の育児介護休業法改正・規程修正ポイントは?

    H29.1月より施行される改正点と規程修正のポイントをサンプルにて解説します。
    今後ネット等にも多々規程例が出てくると思いますので(本執筆は10月初)、全文例示ではなく留意すべき点から修正例を記載しましたので自社の規定見直しにご参考ください。

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    H29.1月より施行される改正点と規程修正のポイントをサンプルにて解説します。
    今後ネット等にも多々規程例が出てくると思いますので(本執筆は10月初)、全文例示ではなく留意すべき点を記載します。
    改正点は

    • 子の看護休暇、介護休暇を半日単位で取得することが可能となります。
    • 介護休業等の対象家族が、同居条件等の緩和で範囲が拡大されます。
    • 介護休業93日の分割取得
      合計93日まで認められていた介護休業を、3回に分けて取得できます。
    • 介護のための所定外労働の免除、育児休業の取得要件の緩和 など
    例示のサンプルに似た条文があるはずですので、その箇所を追加修正していくことになります。
    参考にしてください

    • 子の看護休暇について
      第○条 子の看護休暇は、1日または半日単位で取得することができる。
           半日は所定労働時間の2分の1とする。(半日取得2回で1日とする)

    • 介護休暇について
      第○条 介護休暇は、1日または半日単位で取得することができる。
           半日は所定労働時間の2分の1とする。(半日取得2回で1日とする)

      →解説:取得単位の記載は、1日に半日を追加します。また、午前2回取得、午後2回取得では時間差異が生じ社員からの問い合わせが予想されるので定義しておきます。例は2分の1と定義しています。

    • 介護の対象家族について 
      第○条 ~~~「対象家族」とは、次の各号に掲げる家族をいう。
      ( 1 ) 配偶者
      ( 2 ) 父母
      ( 3 ) 子
      ( 4 ) 配偶者の父母
      ( 5 ) 祖父母、兄弟姉妹又は孫であって従業員が同居し、かつ、扶養している者
      →解説:同居要件がなくなるので、その部分を削除します。

    • 介護休業の期間について
      第○条 介護休業の期間は、介護を必要とする者1人につき、原則として、通算93日間の範囲内で、介護休業申出書に記載された期間とする。 ~~~~~~
      介護休業の期間は、原則として介護を必要とするもの1人につき3回、通算93日の範囲内で、介護休業申出書に記載された期間とする。

      →解説①:93日の範囲で分割可能となるので、その部分を削除、差し替えます。
      →解説②:この部分については介護申出の手続きや撤回の条文に、回数的な表現があるので修正します。(例、要介護状態ごとに1回→3回)

    簡単ですが、修正例を記載しました。法改正で追記修正が必要だとご理解頂けたかと思います。その他、介護のための所定外労働の免除、育児休業の取得要件の緩和の部分でも修正が必要となりますので自社の規程を確認しておくことが肝要です。
  • ・2016年10月21日 賃金制度崩壊?見直し?企業成長のカギは高齢者の有効活用だ

    まだ将来の話かもしれない。でもそこに迫っています。人員構成比率によって企業個々で事情は異なってくるが、必ず賃金制度の変更に着手することになるでしょう。高年齢者の雇用については定年延長や再雇用などで義務付けられています。今回は高齢者雇用にスポットをあててみます。

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    まだ将来の話かもしれない。でもそこに迫っています。人員構成比率によって企業個々で事情は異なってくるが、必ず賃金制度の変更に着手することになるでしょう。高年齢者の雇用については定年延長や再雇用などで義務付けられています。今回は高齢者雇用にスポットをあててみます。
    今後、さらに高年齢者の雇用活用の推進が行われると考えます。賃金、役割制度など見直されます。なぜなら、法的根拠から高年齢者の賃金につき見直しが必要となるからです。
    国は65歳まで働けるように2006年、企業に雇用を義務付けました。将来、年金の受給開始年齢が65歳となる背景があります。
    現在、企業が高齢者に支払う給与は国が支給する

    • 特別支給の老齢厚生年金
    • 高年齢雇用継続給付金
    を合わせ生活給として決定する賃金制度が多いです。しかし、この部分の年金は廃止、継続給付金も見直される可能性があります。年金や助成金を前提に賃金モデルは作れない時代に突入します。
    国の併給分がなくなるので高齢者の社員にとっては実態的な賃金減となります。
    このままでは「やる気」が失せ、実態の賃金が下がることに対する不満が噴出し高年齢者は単なる余剰人員になる。企業で実態の賃金が愕然と下がらぬように60歳~65歳までの給与を見直す動きが出てくるのではないでしょうか。企業に罪はないが仕方ないです。当然、企業の人件費の支出が増えるので売上に貢献してもらわねばなりません。
    雇用義務で定年後再雇用しているといった消極的な経営でなく、高齢者を有効活用し企業を発展させる積極的な経営的視点での雇用が重要です。
    上記の年金が廃止となる条件下で
    • 高齢者の生活給が下がり幅(年金がなくなるため)
    • 会社支給分の給与
    • 従業員の平均年齢、高齢者の人口比率等
    を調査しデータとしてまとめていく必要があると考えます。企業個々で事情が異なるため、まずはデータを整理し分析することが必要です。そして企業個々の実情に応じて賃金や役割を見直していくことになります。
    この年代の方達は、親の介護があるなど個人的理由でフルに働きたいと思っていない場合があります。再雇用者全てがフルに働く前提ではなく短時間勤務、曜日指定勤務など就労形態別に検討されることが望ましいと思います。また、そのほうが人件費も抑えることになります。
    繰り返しになりますが、今までのように国の支給分を充てにできなくなります。加えて60歳での再雇用で賃金を下げる設計ですが、同一労働同一賃金の問題が出てくるのではないでしょうか。
    高年齢者を戦力として認識して役割制度、賃金制度を模索すべきであり、近い将来を見据えて新しい高齢者用の役割や賃金設計を行う必要があります。まずは企業内人口比率等を調査し考えてみてはいかがでしょうか。
  • ・2016年09月21日 再確認 ストレスチェック、健康診断と違う要注意事項は?

    年々、ストレス・パワハラ・過重労働などに起因した健康面への関心が高くなってきています。本コラムでは、ストレスチェックで注意しなければならない重要点を普段から行っている健康診断と比較して運用面でわかりにくい、また気をつけるべき点を中心に説明します。

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    年々、ストレス・パワハラ・過重労働などに起因した健康面への関心が高くなってきています。パワハラや過重労働でストレスを抱えている、もしくは休職中の社員もいるといった会社も多いです。
    労災認定の件数も増加傾向です。2015年12月にストレスチェック法が施行され、50人以上の従業員がいる場合はストレスチェックを実施しなければなりません。ストレスを抱える従業員のフォローを含めて産業医の役割責任が大きくなっています。ストレスチェックで注意しなければならない重要点を普段から行っている健康診断と比較して説明します。

    【健康診断との大きな違い】
    ①従業員への配慮から実施の計画立案など除き運用面で管理職が事務に関われない。
    ②本人同意がなければストレスチェックの結果を会社が知ることはできない。

    ストレスチェックを産業医にお願いしている会社が多い。ただ従業員のフォローを含めて産業医の役割責任が大きくなっている。下図で従業員と産業医が密接に関わりあっていることを理解して頂きたいと思います。ストレスチェックに関わる部門、さらにラインの管理職や経営者層は、個人の検査結果は本人の同意がなければ会社に開示されないことを理解し従業員にも周知する必要があります。
    部下のことは把握すべきであると一方的に結果を確認するのはNGです。

    イメージ

    ③受検を強制できない。(義務ではない)
    健康診断は労使ともに受診する義務、させる義務があります。ストレスチェックは義務ではありませんので会社が「受検しろ」と命令しないように気をつけなければなりません。特にライン(現場)の上司が注意しなければならないことです。

    ④面接指導を強制できない。
    衛生委員会などで長時間残業者のチェックを行い、フォロー健診を行っている会社が多いと思います。ただストレスチェックの場合は「高ストレス者」として選定された場合でも産業医等との面接指導を強制することはできません。面接指導の申出はこの窓口というルールを周知し自主的に面接指導の申出を行い易い職場作りが必要です。

    通用面でわかりにくい、また気をつけるべき点を中心に述べました。

  • ・2016年08月26日 変化してきた最近の障害者雇用状況

    平成28年5月27日の厚生労働省のPress Releaseで、

    • ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加
    • 精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回る
    とあります。今年は障害者の権利に関わる部分が強化されました。
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    平成28年5月27日の厚生労働省のPress Releaseで下記の記事が掲載されていました。

    • ハローワークを通じた障害者の就職件数が7年連続で増加
    • 精神障害者の就職件数が身体障害者の就職件数を大きく上回る
    連続増加傾向なのですね。国は労働者の2%に相当する障害者雇用を義務付け障害者雇用対策を進めています。障害者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者などに分類されます。平成27年度の就職件数で1番多いのが精神障害者、身体障害者の就職件数を上回っていました。
    雇用増加に伴い問題も出てきて「障害者雇用促進法」の見直しも行われ、今年は障害者の権利に関わる部分が強化されました。
    1. 障害者に対する差別の禁止
      新たに明記された項目です。障害者という理由のみで解雇、不採用、異動、不平等な評価などしてはダメってことです。他にも障害者だから研修をうけさせない、障害者だから食堂利用を制限するなども考えられます。常識で考えて差別かもと感じるようなら障害者か否かなどでなく正当な理由があるのか判断しましょう。
    2. 合理的な配慮を行うこと
      会社(事業主)が過度な負担にならない程度に配慮する必要があります。よく国家試験でも障害者という申告で開場や机など工夫してもらえます。そういった内容を業務の実態に合わせて考えていくといいでしょう。
      • 車イスが使いやすい環境、例えば机の高さが調節できるようにする
      • 知的障害がある人には図や絵を使って説明する
      などがあげられています。
    3. 苦情処理について
      努力義務になりますが、相談や苦情に対して自主的に解決することとなります。通常の社員の場合でも、相談窓口を設置して日頃から対応されていると思います。例えばハラスメントの相談など窓口を設置されています。障害者関連でも同様に相談や苦情に対して対応していかねばなりません。

    現在、障害者の雇用を義務付け2%を定めています。今後はこの雇用率も増やす見込みもあり障害者の雇用が増えると思われます。身体障害者、知的障害者に加えて精神障害者についても対象となりました。法改正含み社会状況を注視しつつ障害者雇用の受け入れ体制や整備、準備に少しずつ取り組んでいくことが望まれます。

  • ・2016年07月22日 自転車通勤、正しい運用と規程化を!

    毎年のことですが、今年も自転車通勤でのトラブルの相談がありました。
    一番のリスクは事故です。自転車と人との接触事故。自転車での事故で裁判になったニュースが散見されます。自転車通勤を認める場合のポイントを交えてご説明します。

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    毎年のことですが、今年も自転車通勤でのトラブルの相談がありました。うち数件は人身事故で加害者や被害者になった事案です。どれも勝手な判断での自転車通勤が発覚、定期代交通費を支給しているのに不正受給ではといったトラブルが多いです。事故やトラブルがあったり、また他社員からの報告があれば会社も知ることになりますが、その件数から考えても隠れて自転車通勤している社員が存在することは明らかでしょう。
    一番のリスクは事故です。自転車と人との接触事故。自転車での事故で裁判になったニュースが散見されます。いつ、自分が加害者になるかわかりません。事故を起こすと会社にも迷惑がかかることになりかねませんので正しい運用をするべきです。いや、しないといけない時代です。原則は電車など公共機関で通勤するがベストです。1駅2駅間ぐらいならと許容する場合も含め許容条件を明確にしましょう。
    自転車通勤を認める場合のポイントは、
    ① 保険加入
    ② 誓約書の提出  携帯電話使用禁止、飲酒運転禁止、音楽聞きながら~禁止など明記
    ③ 会社からの距離など許す対象範囲(例; 2~5キロ)
    ④ 月額手当  駐輪場代、保険料、雨天時の交通費を含むこと明記

    特に①は従業員が加害者となった場合に他人にケガを負わせることもあることから、その場合の損害賠償についても考えておかねばなりません。従業員本人の事故が大きくなるほど「お金と精神面」で辛い目になります。会社のリスク管理としては、万が一の事故に備え、従業員に民間保険への加入義務を課すべきであり未加入の場合は認めない厳格な運用とすべきです。
    ②については常識として捉えて欲しい話です。
    ③は、あまりにも遠距離である場合は業務にも影響がありますので会社個々で上限距離を設けましょう。
    ④は通勤費の取扱いになりますが、従業員から雨天時に電車で来たので請求、駐輪場を借りたので請求するといった話が現実的にありトラブルになりますので明記しておきます。月額は4000円ぐらいまでにするべきです。電車通勤も可能なのに本人が自転車通勤を希望した場合に電車通勤費同額で支給するといったことはやめましょう。電車通勤がベストですからね。
    あとは、許可していない自転車通勤については懲罰を与えるなどのルール(規程)を作ることで勝手な自転車通勤、通勤費の不正受給を許さない風土を作りましょう。

    ルール(規程)には下記の項目が重要なポイントです。記載されているか確認しておきましょう。
    【自転車通勤の許可】

    • 自転車による通勤を希望する者は、会社の許可を受けなければならない。
    • 通勤距離は原則として直線距離で(例)2km以上10km未満の場合に限る。
    • 道路交通法等の交通法規違反歴、疾病その他心身の状態を考慮し許可しないことがある。
    • 申請内容に変更があった場合は、速やかに会社に届け出て、改めて許可を受けなければならない。
    【賠償保険の加入】
    • 自転車通勤をする者は、民間保険(自転車保険)に加入していなければならない。
    • 賠償○○○○万円以上の保険に加入しなければならない。
    • 賠償保険の保険証書の写しを会社に提出しなければならない。契約の更新時も再提出要。
    【許可の取り消し】
    • 次に掲げる事項に該当した場合は、会社は自転車通勤の許可を取り消す場合がある。
    • 運転者の順守事項に該当する行為をした場合
    • 誓約書に反する行為をした場合
    • 通勤を認めることが相当でないと会社が判断した場合
    【運転者の順守事項】
    ここは誓約書も合わせて考えましょう。世間や会社の実情に合わせて列挙してください。
    • 自転車の業務使用の禁止
      →マイカーの業務利用禁止と同じ考えです。利用させるなら合わせて規程化しておきましょう。
    • 業務中に私用で自転車を使用しないこと
    • 飲酒運転しない、傘さし運転しない、スマホ操作しない、携帯電話使用しない、片手運転しない etc
    • 心身の過度の疲労等、正常な運転が困難と予想される状態で運転すること
    • 制動装置(ブレーキ)のない、もしくは不良のある自転車を運転すること
    • その他、道路交通法その他交通法規に違反する行為
      【通勤手当】 (km、手当は例示です)
    • 自宅から会社までの距離          通勤手当
      2km以上5km未満              2,500円
      5km以上10km未満             4,000円
    • 雨天時の電車等交通費を含むか否かを明記しておきましょう。

    最後に、労務上の観点ではありませんが、ご自身の為にも、また、お子さんが自転車に乗るならお子さんの保険に加入するようお薦めします。

  • ・2016年06月24日 相談が絶えないパワハラ

    パワハラ、労務相談がよくあります。
    厚労省はパワハラを2012年に6つの類型で整理し対策を講じて健全な職場作りを目指すよう指導をしています。昔と違いハラスメントに対する意識も高まっており業務上、気をつけていかなくてはなりません。では具体的に事例を交えてご説明します。

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    パワハラ、労務相談がよくあります。
    厚労省はパワハラを2012年に6つの類型で整理し対策を講じて健全な職場作りを目指すよう指導をしています。下記が6つの類型です。
    ① 身体的な攻撃
      暴行や傷害のこと。殴る、蹴る、受話器で頭をたたく、指し棒でたたく等
    ② 精神的な攻撃
      脅迫や名誉棄損。傷つけるような暴言や侮蔑する暴言、人前でわざと大声で怒鳴る
      給料泥棒、邪魔者、用無しなどの発言等
    ③ 人間関係からの切り離し
      仲間はずれや無視、隔離。挨拶に対して無視して答えない、親睦会や飲み会に誘わない等
    ④ 過大な要求
      遂行不可能な業務の強制。全く経験やスキルのない仕事を指導なしに押し付ける等
    ⑤ 過小な要求
      合理的理由なしにレベルの低い仕事をさせ、もしくは逆に仕事を与えないこと。
    ⑥ 個の侵害
      私的なことに過度に触れたり干渉したりすること。
      仕事帰りにしつこく飲みに誘う、結婚したほうがいいとお見合いを勧める等
    具体的に過去に取り扱ってきたパワハラ事案で思うことは、怒るとき、叱るときに尾ひれを付けないことが大事です。業務上での単純なミスや同僚や御客様に迷惑をかける行為など叱ることに問題はありません。叱られて当然な場合は躊躇なく叱ればいいのです。ただ、尾ひれをつけて叱るケースに問題が出てくるように感じます。普段から尾ひれをつけながら叱る上司は要注意!です。

    下記は経験での具体的な事例、数件です。
    ●飲み会、球技大会、親睦会などへの参加強要
    上司が「全員参加が原則、欠席は認めない。参加できないという社員は私に直接理由を説明するように・・・」定時後や休日の飲み会や催しまで強制はおかしいとトラブルになった。
    →定時後や休日は自由時間であり、強要はできない。飲酒自体も強要してはならない。他人の権利を侵害しているので不法行為だと言われる可能性がある。
    「業務外なのに欠席は認めない」「(業務外なのに)理由を説明しろ」などの発言は業務外のプライベートな領域に立ち入っているので要注意です。

    ●私用電話が多すぎる。
    頻繁にスマホで彼氏(彼女)とメールやLINEで会話。同僚も腹立たしく感じるようになり問題となっていた事案です。そこで上司が「そんなに彼氏(彼女)と会話したいなら会社を辞めて結婚しろ、同棲しろ」と発言した。
    →私用電話や私用メール、携帯電話を触ってばかりという問題に起因するトラブルは、どこの職場にもある。ある職場では、他メンバーに迷惑をかけるほどの私用電話の頻度だったので上司が注意した。すると「Aさんも、Bさんも同じだ」と返されなってトラブルに発展した。気を遣いながら急用時のみなどに使用していたメンバーにしたら迷惑な話である。この事案は、感情的になった結果、その職場で携帯禁止となった。 「会社を辞めて・・」「結婚しろ・・」などの退社を強要する発言や私生活の話にまで踏み込みプライベートな領域に立ち入らないように叱らないといけません。

    最後にパワハラだと言われないための対応は?
    ① 叱る前に一呼吸
      冷静な対応(言い方)をすること、そのために一呼吸する。
      怒りが収まらないなら時間をおいてから呼びつけて注意する。
    ② 尾ひれを付けない
      人格を否定するような尾ひれ発言、個人的な話を持ち出して非難する尾ひれ発言など、業務上の指導発言の尾ひれで、余計なことを言わない。叱るときは業務上の指導に特化する。

    部下を抱えて仕事をしている場合は、加害者だって言われる可能性があります。気をつけてください。

  • ・2016年05月27日 よく変わるのでわからない?派遣法のおさらい

    頻繁に改正される派遣法、皆さんはどのように管理をされていますか。今回は派遣法の変遷をポイント列記でおさらいしながら、最近の主な改正の重要ポイントを解説します。

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    よく変わるので派遣法って何を押さえておけばいいのかって聞かれます。
    最近の主な改正では2015.9月の①~③、2012年改正で2015.10月より施行となった④があります。これらは重要ですので要点だけは押さえておくほうがよいです。
    ① 特定派遣の廃止で労働者派遣事業は全て許可制となります。
    ② 派遣期間の見直し
      専門26業務か否かで期間が変わるので分かりにくいということで3年を限度とすることで統一されました。3年を超えて同一事業所で派遣労働者を受け入れる場合は労働組合等の意見を聞くことが前提となります。派遣社員個人でみると部署異動などなければ上限は3年です。
    ③ 雇用を継続するための措置やキャリアアップ支援の実施、派遣先労働者との均衡待遇の推進
    ④ 労働契約申込みみなし制度。これは、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合に派遣労働者に対して直接雇用の申込みをしたとみなす制度です。

    派遣法の変遷をポイント列記でおさらいしてみます。
    1986年 派遣法の施行がスタート。
      適用対象業務はソフトウェア開発、事務用機器操作、通訳・翻訳・速記、秘書、ファイリングなどの13業務が対象。派遣期間は、ソフトウェア開発で1年、それ以外の業務は9ヶ月です。そして機械設計や放送関係の3業務が追加され16業務となります。
    1994年 高齢者派遣の自由化で60歳以上の高齢者派遣について一部を除き自由化。
    1996年 適用対象業務が専門的26業務に拡大。
    1999年 対象業務が一部を除いて自由化。
    2000年 紹介予定派遣がスタート。
    2003年 専門的26業務の派遣期間の制限がなくなり、他は3年に延長。製造業の派遣が解禁。
    2012年 30日以内の日雇派遣の禁止やグループ企業派遣の8割規制、マージン率の情報提供など。

    要約して記載しましたが、このように派遣法は多々改正されています。今後も派遣社員の待遇改善を含め改正がされていく可能性があります。派遣社員を雇用している以上は守らないといけませんので改正ポイントは押さえ運用を変えていく必要がありますので逐次チェックしておきましょう。

  • ・2016年04月22日 特別(冠婚葬祭)休暇の期限、賃金、ルールは明確ですか?

    ルールが明確でないゆえに社員と見解相違でトラブルになったことがありませんか?
    見解相違によるトラブルはルールが明確になっていないために起こります。社内での慣習だ、今までそうやってきた等で対応できる時代ではありません。ルールさえ明確にすれば済むことです。ルールは就業規則に明示します。

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    ルールが明確でないゆえに社員と見解相違でトラブルになったことがありませんか?
    例えば

    • お葬式も済んで、1カ月以上経ってから忌引き休暇の申請。今頃取れないよと上司や人事部、従業員は納得しないといった事例。
    • 1年前に挙式。結婚休暇の申請があり、上司は今頃取れないと発言。まだ結婚休暇を取得してないので権利があると従業員。

    このような見解相違によるトラブルはルールが明確になっていないために起こります。社内での慣習だ、今までそうやってきた等で対応できる時代ではありません。ルールさえ明確にすれば済むことです。ルールは就業規則に明示します。

    (1) ゴールデンウイーク中に葬儀終了、6月になってから忌引き休暇の申請があり認めなかったところ従業員からのクレームとなりトラブルになった。
    会社は葬儀も終わっていて、1カ月も経っているので忌引き休暇は認めないと紛糾した話です。
    取得できる期限や日数のルールが明確になっていない会社で起こりました。

    (2) 結婚休暇を取りたい、1年以上前に入籍している従業員からの申請で紛糾。
    昔は、挙式・新婚旅行とセットで休暇をとることが多かったのでトラブルに発展することはありませんでした。時代は変わってきて、

    • 挙式しても入籍をしていない。
    • 入籍はしているが挙式をあげておらず数年後に挙式。など
    色んなケースが出てきました。
    従業員の言い分は
    • 挙式を1年前にあげたけど入籍したのは最近だ、なので結婚休暇をとれるはずだ。
    • 逆に入籍していたけど挙式は最近だ。
    • 新婚旅行はまだ行っていない。などなど

    【ルール明確化のポイント】
      ① まずは起算日を明確にします。
        忌引き休暇なら、不幸事があった日からなど。
      ② 有効期限を明確にします。
        暦日5日間など。土日を含む含まないで見解相違するので、その点も明確にします。
      ③ 有給なのか無給なのか明確にします。
    以上を就業規則に記載します。余談ですが結婚休暇や結婚祝い金を支給している会社では何回までの結婚に支給するなど回数で紛糾したこともあります。時代や企業風土に合わせて工夫してください。

  • ・2016年03月04日 ストレス、過重労働で会社責任(労災)だと言われないために

    パワハラや過重労働でストレスを抱えている、もしくは休職中の社員もいる、会社は何をどうすればよいのでしょうか。会社として講ずべき対策につき労災リスクを減ずる視点で記載します。
    年々、ストレス・うつ病・過重労働など健康面への関心が高くなってきています。休職者、そして労災認定の件数も増加傾向です。ストレスチェック法も施行され、今後もさらに関心度が高くなるでしょう。

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    前回は休職中の従業員における社会保険料負担の考え方を記載しました。今回はパワハラや過重労働でストレスを抱えている、もしくは休職中の社員もいる、会社は何をどうすればよいのでしょうか。会社として講ずべき対策につき労災リスクを減ずる視点で記載します。
    年々、ストレス・うつ病・過重労働など健康面への関心が高くなってきています。休職者、そして労災認定の件数も増加傾向です。関心が高くなってきた背景には、

    1. 長時間労働、過重労働で労災認定となるニュースも多く労働時間に対する意識が変わってきていること
    2. 36協定や未払い残業の調査で指摘を受ける可能性を排除する動きにあること
    3. 有給休暇の促進を含め健康面から労働時間を少なくする指導が多いこと
    4. 終身雇用制度や年功序列型賃金がキープできない時代であり御奉公的な労働はできないこと

    など思いつくだけでも多々あります。
    ストレスチェック法も施行され、今後もさらに関心度が高くなることでしょう。
    精神障害での労災認定においては多々調査されます。精神障害の発生要因としてはセクハラやパワハラなどの職場いじめを含めたハラスメント関係や過重労働などがあります。この中で、定量的に判断できるのが過重労働(長時間残業)です。よって例えばパワハラで過重労働となれば残業時間という定量的な面からも明確になってきます。長時間残業は主な労災認定の要因となっています。
    認定の考え方は

    • 精神障害を発生していること
    • 精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
      セクハラが繰り返されパワハラが繰り返されたなども心理的負荷となります。
    • 発病前の残業が、直前1カ月で160Hを超えている場合や2か月間120Hを超えている場合や3か月間100Hを超えている場合。また2~6カ月間を平均して80Hを超えている場合

    などが認められやすい基準となっています。
    ハラスメント関係は従業員、パワハラは特に管理職に対して教育などを通じて啓蒙していかねばなりません。ただ例えばハラスメントと捉えるか否かは本人の内面的な考えにもよるので、どこからがアウトになるのか難しい面があります。しかし過重労働(長時間残業)は定量的に把握できるので対策など取り組みやすいので、すぐにでも残業把握、長時間労働者のリストアップなど定期的に行い社内で是正していくことが可能です。精神障害の労災認定は半年以上かかる場合が多いです。多々調査が発生するからです。もちろん残業時間は調査項目です。
    今後もストレスやうつ病を抱え休職に至る従業員も実情から増加傾向にある中で、企業は労災や訴訟リスクも考慮していかねばなりません。従業員あっての企業でもあり、まずは過重労働(長時間労働)の回避を意識してほしいものです。具体的には、可能なら多くとも残業は1カ月80H未満にするべきです。業務上仕方なく長時間残業が続いた場合は健康面のフォローを忘れず対応していくことも肝要です。

  • ・2016年02月05日 ストレス、うつ病、休職に。社会保険料は?

    年々、ストレス・うつ病・過重労働など健康面への関心が高くなってきています。休職者、そして労災認定の件数も増加傾向にあり、2015年12月にストレスチェック法が施行され、50人以上の従業員がいる場合はストレスチェックを実施しなければなりません。ストレスを抱える従業員のフォローを含めて産業医の役割責任が大きくなっています。こういった法の施行に伴い、今以上に企業の責任、リスクも高くなっていくでしょう。今回は休職規程やストレスチェック法ではなく、休職者を抱える企業の社会保険料に目を向けたいと思います。

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    会社はストレスチェックの運用で従業員への配慮から管理職が事務に関われません。また本人同意がなければストレスチェックの結果を会社が知ることはできません。ストレスを抱える従業員のフォローを含めて産業医の役割責任が大きくなっています。こういった法の施行に伴い、今以上に企業の責任、リスクも高くなっていくでしょう。
    会社によって取得できる休職期間は異なります。あまり長いのも問題ですが、休職がいつから開始したのか明確になるよう休職期間の定義も必要です。あとは給与が出るのか出ないのか?通常は無給ですがトラブルにつながらないよう明確にしておきたいものです。
    今回は休職規程やストレスチェック法ではなく、休職者を抱える企業の社会保険料に目を向けていきます。従業員から徴収している健康保険・介護保険・厚生年金保険です。
    社会保険料は、休職中で給料がなくとも社会保険料は発生します。従業員自身が休職中も支払うべき費用だと考えていない場合があるので注意しておいてください。
    社会保険料は、会社と従業員が折半で負担し全額を会社が納付しています。納付といっても口座振替が多いでしょう。当事務所も口座振替で毎月まとめて引き落とされています。休職や長期欠勤などで給与支給が無い場合に社会保険料を控除できなくとも自動的に口座引き落としで会社は納付していくことになります。会社に出社していない間の分は本人から徴収しにくいという事情もあり多くの会社で立替えています。問題なのは、そのまま会社を退職する社員、そのまま会社に来なくなる社員などの立替分が残ってしまうケースであり、うちの会社も同様のケースがあるって事はないですか。
    金額の大小こそあれ、従業員数が多くなり欠勤者や休職者が増えてくると金額も大きくなっていきます。従業員本人にしても復帰後、立替金を一度に請求されても困るということもあります。また最初に説明がなかった、聞いてないなどクレームになることもあります。
    社会保険料の本人負担分の説明をしておき、なるべく毎月に社会保険料は収集するのがベターです。長期の休職なら立替金も多くなり従業員から見ても毎月払っておく方がよいでしょう。従業員により事情は違うと思うが原則は毎月徴収とし個々個別の事情で相談に乗ってあげるとよいでしょう。

2015年度

  • ・2015年07月06日 うつ病と労災請求

    「社員がうつ病だと診断書を持ってきました。」労災は業務に起因する場合に対象となりますが、うつ病の原因が業務にあるかどうかという判断は普通に考えても難しい話ですね。

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    • 社員がうつ病だと診断書を持ってきました。
    • うつ病が理由で休職している社員が復職するにあたって、希望業務を指定してきます。
    • うつ病での休職と復職を繰り返しています。
    • うつ病になったのは会社が原因なので労災請求してください。

    など相談内容は多様です。

    最近は長時間労働・過重労働に対してニュースでも話題になったり、行政指導面からも長時間労働の削減や有給休暇の取得指導などが行われています。世間も社員も長時間リスクに対する意識が高くなってきており長時間労働でうつ病になったので労災の請求をして欲しいといった話が出てきます。
    労災は業務に起因する場合に対象となりますが、うつ病の原因が業務にあるかどうかという判断は普通に考えても難しい話です。過重労働など時間で測れるものについて取り上げます。
    長時間労働での業務起因性の判断では

    • 発病直前の1ヵ月におおむね160時間程度の時間外労働があったときは「強」。
    • 発病直前の連続2ヵ月間で1ヵ月当たり120時間以上、連続3ヵ月間で1ヵ月当たり100時間以上の時間外労働があった場合も「強」。
    • 1ヵ月に80時間以上の時間外労働を行ったときは「中」。

    という目安が示されています。私は顧問先指導では80Hを目安にと話しています。

    「うつ病になったのは会社が原因なので労災請求してください。」
    といった社員からの申し出についてですが、労災手続きは会社が行うものという考えが一般的です。でも本人が行う手続きを会社が変わって手続きしている話になります。要するに会社は社員手続きの代行をしているというイメージになります。
    ケガなどは業務によるものか明確ですが、うつ病の場合は、

    • まずは前述の長時間労働がないか確認。
    • そしてハラスメントなどの他要因について職場の上司・同僚・環境など調査しヒヤリングし事実確認を明確にします。

    結果、会社として業務に起因する状況はなかったと客観的に判断できた場合は、安易に社員の申し入れを受け入れるべきではありません。
    労災請求を会社が証明し行う。→ 別途、民事上の損害賠償請求をされる場合があります。
    労働基準監督署は、労災認定を行うかどうかの判断に際して多々調査されますが客観的な自社での調査結果や状況を伝えましょう。まずは社員の意見をよく聞いて誠実に話し合うことです。

  • ・2015年06月30日 労務関係の電子申請 e-Gov(イーガブ)

    わざわざ申請先(年金事務所やハローワーク)に出向かなくても24時間いつでも使える電子申請。本コラムでは準備内容や必要な添付類については割愛しますが一通り準備がおわり使用になれてくると便利です。

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    私の事務所では、顧問先様の社保届出のみでなく事務所職員の分まで電子申請で対応しています。正直、これがないと業務が回りません。
    例えば、社員を採用すると

    • 年金事務所に行って番号札を取って健康保険・厚生年金保険の加入手続きを行います。
    • ハローワークに行って番号札を取って雇用保険の加入手続きを行います。

    時期によりますが混んでいると時間がかかりますし往復の時間も入れると、けっこう工数がかかるものです。これが電子申請なら24Hいつでも可能なので有り難いし、遠く離れた顧問先様の対応も可能となるわけです。
    でも、社労士でもあまり使っていない現状があります。会社なら尚更でしょうか。
    ちょっと操作しづらく覚えにくいってことで敬遠してしまっているのだと思います。
    電子申請っていうのは国が運用しているe-Govのことを指して言っています。使用するにはe-Govを扱えるようにPCの環境を準備したり、申請者の信憑性を証明する意味での署名ファイルなど添付する必要があります。本コラムでは準備内容や必要な添付類については割愛しますが一通り準備がおわり使用になれてくると便利です。
    企業は給与計算パッケージを使用しているはずですが、そのパッケージからe-Govに自動連携できるようになると流行るんでしょうね。そう遠くない将来にそうなっていくのではと思います。そう思う理由は、国も電子申請化を進めたい意向がありe-Govに連携しやすいように外部連携用にAPIを公開し、外部連携を可能にすることで普及を図っています。
    市販の給与計算パッケージがAPIを使用しe-Govの機能を使用し電子申請ができるようになれば、e-Govの操作を覚える必要もなくパッケージから運用が可能となります。遠くない将来には年金事務所やハローワークに書類などを持って行くということがなくなり、PC操作を通して申請業務を行うというのが大手企業では一般的になるかも知れません。ただ、この場合はどうするんだろうっていうような微妙な事情がある申請は窓口で相談しながら対応してもらえますし、その場で抜けている書類があれば指導してもらえますしケースバイケースで使い分ければいいでしょう。電子申請の問い合わせ窓口も国側のサービスとして拡充していくものと思います。 来年からはマイナンバーの運用も始まります。いろんな観点からパッケージを吟味し選択を行っていく必要が出てくるでしょう。

  • ・2015年06月08日 マイナンバー落ち着いて考えてみよう

    個人情報保護法では顧客データの管理に注視していましたが、マイナンバーは社員のデータが中心になります。顧客データは、漏えいなどすると信用問題に関わるので意識は高いと思います。社員データにマイナンバーが入ると今まで以上に顧客データと同じように扱いが重要です。

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    あわてず過剰反応にならないようにと思います。昔、個人情報保護法の話になりますが2002年に反対多く廃案、そして新たに成立したのが2003年です。その時は義務規定が抜けていて全面施行は2005年でした。会社だけでなく国民も過剰反応になっていきます。

    • 町内会の名簿が作ると個人情報漏洩の可能性があり作れない。
    • 学校でクラス名簿を作ると一部の保護者からクレームがあります。

    学校の例は、世間でも耳にしますが私の顧問先の学校でも同様なことがあります。例外措置の規定もあるのですが、個人情報が絶対みたいな考え方が一人歩きしたんです。
    その頃、JIS規格に基づくPマークの取得会社も増えていき、大企業は下請けに取得必須という条件を出したりしました。ISMS認証(情報系のセキュリティマネジメント)もそうです。
    今回のマイナンバー制度ですが、その頃と同じように過剰反応になるのではと思ってしまいます。マイナンバー制度のセミナー講演や企業研修を行っていますが、依頼数やセミナーでの集客状況などを見ても明らかです。企業が過剰反応すると当然に委託先はどうなっているという話になるので、昨年(2014年)に事務所内の物理的、技術的安全管理措置を強化しました。物理的、技術的って単語はガイドライン用語です。今までも情報セキュリティという意味では対応してきていますが大企業に求められるようなアクセス制御、アクセスログ、ファイルの暗号化まで対応強化しました。
    セミナーなどでガイドラインから企業個々の予算や社員数に応じたリスク対応を具体的に話していきますが、新たな規定なんだという感じで私の話を聞かれています。でも、昔からある個人情報保護のガイドラインと大差はありません。個人情報保護に普段から取り組んでいる企業はそんなに過剰に恐れる必要はないのです。
    大きな違いは刑罰の重さです。個人情報保護法より懲役期間や罰金が大きく厳しいものとなっています。またマイナンバーでは両罰規程があり、社員が不正した分につき事業主にも刑罰が課せられるケースが出てきます。具体的には個別案件が出てきて整理されていくのでしょうね。
    個人情報保護法では顧客データの管理に注視していましたが、マイナンバーは社員のデータが中心になります。顧客データは、漏えいなどすると信用問題に関わるので意識は高いと思います。社員データにマイナンバーが入ると今まで以上に顧客データと同じように扱いが重要なんだということを周知しましょう。

  • ・2015年05月26日 実態は派遣では?偽装請負か否か

    偽装請負や違法派遣という言葉、よくニュースなどで耳にする言葉です。私が立ち会った調査では労働時間や残業未払いがないかという適正な労働時間管理ができているかの質問が多く感じますが今日は請負関係の話をしましょう。

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    請負は指揮命令を受けることなく業務を遂行するってことですが現実に指揮命令系統があり、時間的管理もされていることが多く偽装請負と言います。場合によっては偽装請負により労働させられていれば雇用契約とみなされる場合があります。
    偽装請負や違法派遣という言葉、よくニュースなどで耳にする言葉です。調査では質問シートにのっとり順に質問されます。
    まずは会社概要や組織、社員身分、人数などのヒヤリングをされます。ここで請負や派遣社員がいるかどうかも確認されていることになります。
    私が立ち会った調査では労働時間や残業未払いがないかという適正な労働時間管理ができているかの質問が多く感じますが今日は請負関係の話をしましょう。下記は一例です。

    • 事業内容や組織図のチェック
      事業内容や組織図を見ながら説明します。請負や派遣社員がいるならどこの部署に存在するかなど聞かれることになります。そして責任者も明確になっているかどうかが問われます。請負の場合、事業所側の責任者、請負側の責任者が明確になっていなければ派遣社員のように直接指示系統に入っており請負ではないのではってことになります。
    • 請負会社の独立性
      例えば請負側の社員が数人で正社員の座席にバラバラで混在している場合は独立性を疑われます。できるなら請負側の部屋や座席など区分されたゾーニング管理ができていることが望ましい。部屋まで別々にできるかなどは会社のフロア事情にもよりますが、少なくとも正社員側との座席配置は工夫し区分しておきましょう。器具備品についても、できるなら正社員と供用にするのではなく請負社員専用のものとし独立させるほうがいいですね。例えば行先掲示板のような外出表などはグループ毎に設置していることが多く一目瞭然なので正社員と混在しないようにします。
    • 業務系統や人員配置文書など
      請負は仕事の完成を予定するもので、仕事(成果)に対して報酬が支払われます。よって正社員や派遣社員のように1人1人の勤怠を管理したり個々に細かく仕事の指図をすることはありません。契約内容には請負会社や責任者への注文や相談など体制含め連絡系統を明確にしておきましょう。そして請負社員に関する文書は独立させファイリングします。正社員分と混在しないようにってことです。

    最後、繰り返しになりますが、独立性を念頭にゾーニング・指揮命令系統の適正化は重要になりますので確認しておきましょう。

  • ・2015年04月13日 採用を取り消したい

    春は、採用が多くなる時期です。春に限りませんが採用関係で労務相談を受けます。どのような場合でも慎重に実施することが肝要ですね、以下の解説を参考にして下さい。

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    採用関係で労務相談があるのは、
    「採用したが思っていたような人ではなかった。労働契約を1年で交わしていますが取り消してもいいでしょうか」というような内容があります。いったん雇った以上は取り消すという表現ではなく解雇の問題になります。
    有期雇用の場合は、面倒でも3ヶ月の契約でスタートし勤務態度不良などあれば3ヶ月で終了、問題なければ1年契約にしていくというような方法がベターだと考えます。よく試用期間中の解雇は自由だと話をされる方もいますが雇った以上は自由ではなくハードルは高いです。契約期間は正当な理由がない限り解雇は難しいと考えてください。
    次に正社員の場合は有期雇用ではないので契約期間満了で終了という考え方はできません。試用期間中といえども解雇となります。有期雇用者の場合と同じです。では、内定なら取り消しはハードルが低いかと言えばそうでもありません。内定とは、就職希望の会社から内定通知を受け入社したいと意志表示し相互確認にて始期付解約権留保付の労働契約が成立します。
    始期付解約権留保付とは、現実的に入社スタートするまで空白期間があること、入社スタートまでに経歴や本人情報、業務に影響する健康面などの詐称など合理的な重大なやむをえない事由があれば内定を取り消しすることがあるということです。
    逆に言えば会社は些細なことでは内定を取り消すことは出来ないということになります。ただし、入社予定者からの辞退に対して制約はありません。会社側の制約が多いということです。よく内定取り消しについてはニュースなどで取り上げられますが、行政も内定取り消しについては正当な理由がない限り認めない立場で指導することになります。内定の取り消しについても慎重に実施することが肝要です。

  • ・2015年04月06日 賞与計算と源泉徴収について

    賞与は通常、夏冬と年に2回支給されます。この賞与、実は会社に支払い義務はありません。就業規則に賞与を支給すると明記することで支払い義務が発生します。退職日によって扱いが異なりますので運用ミスが起こらないよう注意が必要です。

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    賞与については、就業規則に賞与を支給と明記することで支払いが義務になります。
    昔の記述では

    • 年に2回支給する。
    • 基本給の◯ヶ月分支給する。

    などの記述がありましたが現在ではあまり見かけません。

    賞与支給前の退職予定者から考課期間は働いていたから賞与をもらう権利ありとトラブルになるケースや会社の経営状況や業績重視なども含めて、現在では

    • 業績に応じて支給する。
    • 経営状況によっては支給しない場合がある。
    • 支給日当日に在籍する社員に支給する。

    などリスクを回避する記述に変わっています。

    さて、賞与から源泉徴収される項目を見ていきましょう。
    賞与からも給与と同じように社会保険料や所得税が控除され、40歳以上65歳未満の社員は介護保険の対象にもなります。
    社会保険料ですが退職日によって扱いは変わってきます。月の途中で退職したとき、賞与を支払った月の途中に退職日があるときは、賞与からの社会保険料は控除されません。
    雇用保険料は、賞与支給額に保険料率を乗じて算出します。前段の社会保険料は退職が月途中なら控除されませんでしたが、雇用保険料は控除する必要があります。
    社会保険料の計算方法は給与計算とは異なりますが、大きな違いは月末退職でなければ控除されないということです。月末退職時は給与計算では当月分を翌月徴収し納付することが多いので2ヶ月分控除するケースがあります。
    退職日によって扱いが異なりますので運用ミスが起こらないよう注意が必要です。

  • ・2015年03月09日 指摘され、知らなかったと気づく給与計算の間違い!(残業手当)

    給与計算、今ではパッケージソフトを使用して計算し給与明細を印字もしくは明細をWeb照会サービスで配信しています。言うまでもなくパッケージソフトは設定した計算式どおりに答えをだします。その計算式はどこに載っているのか?
    答えは就業規則です。就業規則に賃金関係の条文があるはずです。多くの会社は賃金規程や給与規程などと名称を変えて別冊にされていると思いますが、別冊も含めて就業規則になります。
    給与計算の間違いは許されませんね、解説では計算式の間違いがある例を取り上げました。

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    時代の流れとともに休日も多くなり、労働日数は減ってきています。また1日の労働時間を見ても昼休み45分の会社が60分に変更したときに定時退社時刻がそのままなら労働時間が15分短くなります。8時間勤務の会社だったら7時間45分の勤務時間になるって話です。
    就業規則をその都度に変更していても、パッケージソフトの計算式設定が従前の設定どおりに実行されていれば間違った計算式になります。具体的には月々の労働時間数が短くなれば残業単価は高くなります。

    残業代の元になる単価はどうやって計算するの?

    時間単価は次の方法で算出します。

    • 時給制の場合は、その時間給
    • 日給制の場合は、日給 ÷ 会社の1日の所定労働時間数
    • 月給制の場合は、月給 ÷ 会社の1ヶ月の所定労働時間数

    月給制の場合、1ヶ月の所定労働時間数は、毎月異なります。そこで1年間を平均した1ヶ月の所定労働時間数を用います。
    1年間を平均した1ヶ月の所定労働時間は、次のように計算します。

    1. 年間の暦日数365日 - 1年間の休日合計の日数
      これが、1年間の労働日数です。1年間の休日合計の日数は会社によって異なります。そこは就業規則の休日って条文に書かれているはずです。年末年始休み、夏期休日、祝祭日、土曜日曜など、会社が休日とする日を数えてください。
    2. 1年間の労働日数に、1日の所定労働時間数を掛算して年間の所定労働時間数を求めます。
      最後に、これを12か月で割ると1か月の平均の所定労働時間数が算出されます。ちなみに1年間の労働日数を単純に12カ月で割ると1か月 の平均労働日数です。

    1日の労働時間が短くなった、休日を増やした時は要注意です

    計算式からわかるように労働時間が短くなれば残業単価は高くなります。知らず知らずに昔から使っている計算式を埋め込んでいると労基署調査などでチェックされると未払いだって指摘されます。悪意なく計算設定ミスですが遡及して支払うことになります。
    この基礎となる1時間の単価や1カ月の労働日数を算出する計算式は、残業代だけでなく遅刻や早退時、欠勤時や日割り計算にも同様な計算式が埋め込まれているはずです。ここでも計算ミスが生じているはずです。ただ、遅刻や早退などの減額に関しては社員は損していないので会社のミスとして処理するのがベターだと思います。

    就業規則の計算式も古い場合があります

    就業規則(賃金規程など)を、その都度見直さずに古い場合は、計算ルールそのものが間違っていますので規程関係も含めて見直しが必要となります。月の平均労働時間数が180Hとかだったら一目瞭然で間違いです。週に40時間労働で暦日で30日働くと約171時間ですからね。 171時間っていうのは、法律どおりの会社なら週40時間労働となります。最大で40時間ってことです。 30日の月なら30日 ÷ 7日(1週間は7日) × 40時間 = 171.4時間

    計算式の間違いがある例を今回は取り上げました。正しい計算式さえ設定していれば後はパッケージソフトが正しい答えを自動的に出してくれます。パッケージソフトの入れ替え時などは注意してくださいね。

  • ・2015年01月23日 マイナンバー制度、いったい何をすればいい?

    2016年1月から始まるマイナンバー制度。
    国民にマイナンバー(個人番号)が付き、まずは税・社会保障・災害対策の分野で行政手続きにおいて利用されます。
    よって
     ・会社は税や社会保障の手続きでマイナンバーに対応しなければならない。
     ・社員やその家族のマイナンバーを管理していくことになるが、マイナンバー法は刑罰法規であり罰則の対象になる可能性があります。

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    準備しなければならないこと

    会社としてマイナンバーを管理する人事総務部門では以下の準備を行う必要があります。

    【準備】

    • 運用ルールづくり
    • 規程類の追記、修正
    • システム変更

    【取得時】

    • 社員から届出てもらうときに本人確認を行う必要がある。
    • 取得するときのルールに基づく対応を実施する。

    【取得後】

    • 税金や社会保険手続きにおいてマイナンバーを利用する。
    • もちろんマイナンバーの適正かつ安全な管理を実施する。
    • 退職者など、いつまでもマイナンバーを社内に持たない。データ消去のルールどおりに対応する。

    具体的に2015年にしておきたいこと

    • 社員への啓蒙教育
      個人情報の保護に関する認識は高いと思いますが、マイナンバーは罰則規定もあり個人が一生使う番号でもあります。個人情報の漏洩など気を遣っておられるとは思いますが、ニュース等でも、またニュースにならなくとも漏洩があることも事実です。社員に対してマイナンバーの概要を含め意識を高める教育を実施します。
    • 就業規則やセキュリティ規程や秘密保持の契約など、社内規程類の見直し
      個人情報に関する保護規程類につき、再度チェックします。例えば就業規則では服務規律の章を見直したり、人事総務部門で有期雇用者を雇う都度に交わす労働契約書や秘密保持契約書など見直します。
    • 社内の体制作りを含めた運用ルールの整備
      誰が、どこの部門が、マイナンバーを収集するのか?
      収集後の管理はどこが取り扱うのか?
      いらなくなったマイナンバーの破棄はどうするのか?
      破棄するタイミングは?
      例えば、漏洩を避けるためには収集や確認は現場管理職に任せるのではなく人事総務部門が集めるルールとするなど。
    • 入退室、パソコン、キャビネットの施錠などハード面での安全確認
      マイナンバーを扱う部署への入退室の管理を行ったり、マイナンバーを見れるパソコンを限定する、ワイヤーで固定するなど施錠含め会社の実情に合わせ工夫します。
    • システムの追加修正
      あまり心配する必要はありません。ただし、当初導入したパッケージ機能では足りずに追加で開発した機能がある場合、また新規に独自開発したシステムについては見直しが必要です。システムの修正はテストも含めると時間を要するものです。修正箇所の洗い出し含め開発スケジュールを立て対応しましょう。
      例えば
        -ログイン含めユーザ認証の強化
        -マイナンバーへのアクセス権限や固有パソコンでの使用など
        -操作、データアクセスログの取得
        -ファイルの暗号化 など

    具体的に2016年(一部は2015年)から必要となるもの

    • 社員からのマイナンバーの収集
      契約社員、パート、アルバイトなど全ての給与を支給する社員からマイナンバーを取得し、かつ取得したマイナンバーが正しいか本人確認をする必要があります。そして社員のみでなくその扶養家族についても取得が必要となります。扶養家族の家族本人の確認については社員が確認することになります。家族のマイナンバーは源泉徴収票や社会保険などの届出で使用することになります。
    • マイナンバーの管理チェック(セキュリティ管理・安全管理など)
      個人情報保護法に対応すべく情報セキュリティ対策をきっちり行っている会社はあまり心配することはないでしょう。個人情報保護法対策としては、現実的にはあまり取り組んでいなかったという会社はマイナンバー法では罰則があることもあり、情報漏洩や紛失などの対策を含め、この際に運用ルール含め強化見直しが必要です。もちろん情報分野ではコンピュータを活用しているはずなので、システムの追加、修正などは2015年内に終える必要があります。
    • 運用規程どおり運用されているかチェック
      マイナンバーを取得した目的以外に利用することは許されません。社会保障や税関係以外で使用していないか。取扱いは妥当か?不要になったマイナンバーの破棄はルールに従って対応しているかなど定期的にチェックしましょう。
    参考URL : 
    おまかせマイナンバー
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2014年度

  • ・2014年11月14日 過労死防止法(過労死等防止対策推進法)

    2014年11月、過労死防止法(過労死等防止対策推進法)が施行されます。この法律は、過労死や過労自殺を国が防止しようとするものです。

    解説をみる(+をクリック)

    この法律には、以下の対策などを行うと明記されています。

    • 過労死の実態の調査研究
    • 相談体制の整備

    今後、ますます過重労働、ハラスメント、それらに起因する精神疾患などに対する規制が強化され企業は労災リスクを今以上に負うことになるでしょう。
    私の顧問先からの相談、またアドバイザーとして出席している衛生委員会で、繁忙期や納入前、またトラブルによる残業などが原因であることを理解しつつも、多くても残業は80H未満になるように指導しています。
    特別条項つきで36協定を90Hで締結しているなどの話とは別物です。労基法上は、それでいいですが安全衛生法上の話とは異なるからです。
    ハラスメントも会社が見て見ぬふりをすれば責任を免れないので、そういった事案があれば調査を行い対応していかなければなりません。それが原因でうつ病になる社員もいます。最悪のケースでは、過重労働やハラスメントが原因で自殺も現実に起こり得る話です。

    精神疾患を含め体をこわし会社に原因ありと労災認定がなされると、国が会社の責任を認めたんだから次に損害賠償請求に至るケースも出てきます。
    今後、この法律施行でますます過重労働やハラスメントに対する指導が強化されることは明白です。まずは定量的に把握できる社員の長時間残業などないかチェックしてみましょう。

  • ・2014年10月20日 転勤はイヤです。断る社員の対応は?(就業規則、今のままでは問題あり)

    正当な理由なく転勤を嫌がる社員、断る社員がいます。もちろん、本人にとっては理由があります。私が経験した一例では、家族と離れるのは嫌だということで納得しない社員がいました。家族も帯同すればいい話なのですが、奥さんが転勤先に行くのは嫌だと言っているという話です。内心あきれましたが、でも本人にとっては、きっちりした理由なのでしょう。
    こういった場合に、就業規則に書かれているし、転勤があることは社員研修のなかでも規則を説明してきていると言えるようにしましょう。

    就業規則に追記すべき事項は、
    「正当な理由なく転勤を拒むことはできない」とはっきりと明記します。合わせて、新入社員研修や社員教育時などで就業規則のポイントを説明し意識教育しておくことが肝要です。

    最近では転勤なしの職種、登用制度を作る会社もあります。転勤を嫌がる社員も出てきていることから、転勤なしの職群と転勤ありの職群を一定の年齢ぐらいになると選択させ、その後の役職や賃金などで差をつける制度も見受けられます。こういった制度も1つの対応ですね。

    解説をみる(+をクリック)

    今回は、社員のクレーム対応について、お話します。
    たとえば食品を例にして、ラップ類やごみ袋などには通気性がないため頭から被らないように、また食品の入った容器は食べられない事など、当たり前の内容が記載されている事を見かけます。
    社内においても、考えられないようなクレームをつける社員が現実に存在しています。前述の例と同様に会社のリスクを減らすため、就業規則は整備すべきです。何か問題が起こった時に、ある社員は「どこに規程がある?」と言って、もめるケースも起き、注意書きレベルまで書かないといけないような状況が訪れるかも知れません。社員からのQAやクレームの内容が非常識化しているものがあり、このような事案に人事部門は対応して行かなければなりません。そのためにも、合理的な論理で対応するために就業規則を整備し、また就業規則は一度作ったら終わらずに時代に即して変化修正を加え、さまざまな社員トラブルも含めて対応できるように、日ごろから見直して行く事が必要です。

    就業規則、簡潔がいいとは限らない

    経営者の中には、当社の就業規則は簡潔でページ数も少なく見やすいというような話をされる時があります。
    「社長、それ違います。簡潔は良いのですが、会社の実情に即して規制すべきことは、全部書かないといけません」と私よりアドバイスします。
    就業規則は簡潔に書くのはOKなのですが、省略してボリュームを少なくしてはいけません。必要と思われることは全て記載しておかなければ労務問題が起こった時に対応ができないのです。

    何故なら、就業規則は会社の法であり、規則に書かれていることがルールとなるからです。会社と社員との間のトラブル解決においては、法律と同様に就業規則に書かれていることが判断材料とされます。具体的に記載しないがゆえに、トラブルになるケースと就業規則の修正例を紹介します。

    休職、復職の繰り返し(休職期間満了か否かでトラブルになるケース)

    規程に、休職可能日数しか書かれていない場合によく起こるトラブルです。休職している社員が休職可能日数以内に出勤し、再度すぐに休職に入った場合に、社員は休職可能日数が、ゼロクリアされるはずだと主張し、会社内でトラブルになる事があるのです。出勤をはさむ前後の休職期間は、休職を通算できる規程がよいでしょう。

    規程化ポイント
    欠勤した者が出勤後、再び類似の事由により欠勤した場合は、前後の欠勤は連続しているものとみなす。
    というような文言が必要です。

    退職前のまとまった年休請求でトラブルになるケース

    退職を申し出てしかも年休取得を主張した場合、法律上社員の請求日数は与えなければなりませんが、業務の引継ぎ等ができないのでトラブルになる場合があります。

    規程化ポイント
    年休取得の権利を奪うことはできませんので、退職願いの時期や引継ぎを明確に義務化し労務の提供を促します。

    • 退職は○○カ月前までに申し出ること
    • 退職までに引継ぎを行うこと

    また、急な長期休暇の取得も同様にトラブルになるケースが多いので

    • 連続する3日以上の休暇取得の場合は、1週間前までに所属長に申請すること
    • 休暇前までに、引継ぎを終了し業務に支障がでないようにすること

    などを規程化し、身勝手な休暇取得をけん制します。

    退職予定(賞与支給前)の社員から請求

    賞与支給日前に退職予定の社員から、賞与査定期間は在籍していたので賞与を支払って欲しいと求められトラブルになるケースです。賞与支給の規程で「在籍日要件」が書かれていないために、トラブルになる場合があります。

    規程化ポイント
    「賞与は支給日当日に在籍する社員に対して支給する」などを記載すべきです。

    賞与支給 入社1カ月目の社員より賞与がないとクレーム

    支給対象の社員の在籍期間などが規程化されていないため、トラブルになるケースです。

    規程化ポイント
    「賞与は雇用後6ヶ月間は支給しない」など、その在籍期間の要件を記載すべきです。

    賞与支給 支給額が少ないとトラブルになるケース

    就業規則に「基本給の○カ月を支給する」と記載している条文の規程も見かけることがあります。 昔は多かった雛形パターンです。しかし、具体的に○カ月分と記載がある限り支払わなくてはなりません。実態と合わないなら修正が必要です。

    規程化ポイント
    「賞与は業績に応じて支給する」と実態に合わせるべきです。 

    昇給や昇格がない!とトラブルになるケース

    よく見受けられる規程に、「昇給は年1回行う」これでは、誰が見ても昇給する、また給与が毎年上がるイメージです。 それはおかしいと思う経営者層も多いですが、会社は会社が有利なほうに、社員は社員が有利なほうに解釈します。

    規程化ポイント
    昇給という単語からは「賃上げ」というイメージが強く、昇降給や賃金改定という単語のほうが良いです。また昇格についても降格があるなら、昇降格とするほうが良いですね。 就業規則は社内における労務の法律と同様です。 今回は、社員トラブル例と就業規則の修正につき書かせて頂きました。 就業規則は内容が多いため、リスクを回避するポイントを説明するため数例を挙げましたが、他にも多々あります。 考え方を参考にし、就業規則の見直しに役立てて頂ければ幸いです。

  • ・2014年10月20日 労基署の臨検調査とは

    臨検とは労基法101条で定められています。
    労働基準監督官は、事業所、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し(中略)という条文です。一言で言うと、労基署職員が行う会社に対する調査です。賃金台帳や出勤簿、各種伝票等を調査されます。事前連絡がある臨検もあれば、突然行われる臨検もあります。
    悪意なくとも指導項目は存在するので「是正勧告書」や「指導票」を出されるケースが多いです。
    例えば、賃金未払い、残業カット、就業規則や36協定など提出すべき書面を提出していなかった場合など。未払いや残業カットは2年の時効が定められていることから請求権上も最大2年間遡って清算しなければなりません。
    最後に労働者名簿、契約書を含む雇用上必要となる書類から勤務上の出勤簿や賃金台帳にいたる書類まで普段より整理常備していれば、何も恐れることはありません。また是正指導は行政指導に分類されますが、悪質な法律違反の場合は別途罰則も適用されます。
    コンプライアンス上問題ないかも確認しておきましょう。

    解説をみる(+をクリック)

    労働基準監督署の調査とは具体的に・・・
    顧問先から年に数回電話があります。
    「労基署から調査で訪問に伺いたいと連絡が・・・」「工場の方に労基署が来たのですが・・・どう対応したら?」
    特に慌てる必要はありません。訪問時に担当者が不在など急な来訪もあるでしょう。もし対応できない場合は日程の調整をお願いしましょう。また訪問時に労基署から下記のような資料を求められ、その場でヒヤリング調査が実施されます。
    私が何度も調査に立ち会った経験での内容も合わせて記載します。

    具体的には、

      他にも最低賃金の観点からの質問や、調査が工場等で行われた場合は、危険物、有機溶剤、エレベータなどの点検もありました。

    臨検には定期監督、申告監督、再監督や災害時におこなわれる調査などがあります。
    私が顧問先に「無料で労務管理をチェックしてもらえるというように考えてください。敵視するなど変に意識する必要はないです。またコンプライアンスを意識し日頃より管理されていますので、いつものように対応して下さい」とアドバイスをします。
    どのような会社でも、書類不備や勘違いでの間違いなどで法違反ではありませんが、指導レベルの話は出てきます。その際には指導に従って対応して下さい。絶対やってはいけないのが「隠す、改ざんする、嘘をつく」などです。
    悪意があるような事案には、当たり前の事ですが厳しい処分があります。私の顧問先では、隠さずに要求通りに見せますので改ざんなどは一切ありません。仮に改ざんした場合、質疑のなかで必ず分かります。
    例えば書類がないからと、遡って過去分を作り出す…このような場合の書類はおかしい箇所が多々発生し、理屈が合いませんので、質疑の中で改ざんが判明します。 小さい不備はどんな企業でもあろうかと思います。不備に対して指導票や法違反なら是正勧告書が出されます。労基官が持ち帰って後日届けられる場合もありますが、私の経験では大半はその場で記入し確認したものを受け取ります。記載された対応期限までに対策を実施し報告します。
    慌てないためにも日頃より法順守し、労働者名簿、契約書を含む雇用上必要な書類から勤務上の出勤簿や賃金台帳にいたる書類まで整理しておくことが必要です。

    • 会社概要(パンフレットなど)、組織図
      →業務内容の確認、労働者の属性(正社員、パート、派遣社員など)と人数 派遣社員の場合は、派遣法違反の観点から調査されます。   
      例えば「事務用機器操作」「ファイリング」業務など専門26業務だとしているが実態と合っているかなど
    • 安全衛生管理(体制や委員会議事録など)
       →衛生委員会など定期的に実施しているか
      委員会のメンバーは、社員側からの適正な選出となっているかなど
    • 健康診断(個人票や報告書など)
       →健康診断(定期健康診断や特殊健康診断)の実施状況の確認
         要所見ありの社員に対して、産業医の意見があるかなど
    • 就業規則、他別冊の場合その規程
    • 労働条件通知書や労働契約書など
    • 36協定や他の協定(例.賃金控除など)
    • 労働時間の管理資料(出勤簿、タイムカードなど)、賃金台帳、有給休暇管理票
       →これらの資料は、賃金関係や書類不備(保存義務や記載事項など)の調査で使います。

    具体的には

    • 遅刻など切り上げていないか
    • タイムカード記録と残業時間に大幅な隔離があるか(残業カットの調査)
    • 時間外が協定時間を超えている(協定違反)
    • 時間外を15分単位で切り捨てている
    • 残業の対象賃金から役職手当など除外できない手当を外している。
    • 「賃金台帳」に法定項目の記載がない  例.労働日数、時間など
    • 裁量労働者の深夜、法定休日の時間記載がない
  • ・2014年10月20日 懲戒処分(解雇)にもルールあり

    懲戒処分を行うには、明確に、具体的に、どのレベルのルール違反がどんな懲戒処分になるのか明記しておかなくてはなりません。場当たり的な処分では、社員毎に懲戒内容が異なったりして不平等となりトラブルを生じることがあります。
    懲戒処分には、軽い順に戒告、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇などがあります。他にも軽い処分で人事記録に残らない注意や、減給や出勤停止より重い降格を設けている会社もあります。

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    「毎日の遅刻、同僚への暴言、業務命令に従わない横柄な態度などで解雇できますか?」というような相談があります。
    解雇は本人にとって大きな負担を伴う話です。最低でも以下にある事項は守ってください。

    • 就業規則に解雇規程が明記されていること
    • 社会通念上、大半の人が解雇処分は妥当と思うレベルであること

    この社会通念上とは、10人中9人は解雇が仕方ないと思うレベルでしょうか。解雇は、いきなりレッドカードを出せません。
    イエローカードを貯める必要があります。このためには証拠が必要です。 上記の場合は、遅刻・早退の記録が必要です。

    • 始末書の提出
    • 始末書の提出で紛糾する場合などは警告書を出し、本人の確認を得ること。

    日頃から注意や警告の実績を残しておくことが肝要です。

著者プロフィール

杉本一裕氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング 代表

(特定社会保険労務士・行政書士)

1985年メーカー系IT企業に入社。多数の大企業にて勤怠・給与・人事制度の業務コンサルティングを手掛ける。在職中の2007年には総務省年金記録確認/大阪地方第三者委員会の専門調査員を兼務。その後、退職し現在に至る。
製造業や病院、大学、鉄道、販売流通業など幅広い業種のコンサルティング業務に従事。労務リスク回避や労務管理に関する専門家として、講演や執筆活動も行っている。

取得資格

・特定社会保険労務士(社会保険労務士/裁判外紛争手続代理人)
・衛生工学衛生管理者
・第1種衛生管理者
・SAP HRコンサルタント

社労士略歴
1989年 社会保険労務士試験に合格、社会保険労務士会に入会
2006年 日本弁護士会の司法担保能力研修終了、特定社会保険労務士試験合格
2006年 特定社会保険労務士として付記登録(紛争解決手続代理業務を行なえる社会保険労務士)
2007年 総務省 年金記録確認/第三者委員会にて専門調査員として活動

著訳書
「よくわかる人事給与業務とコンピュータ活用」(翔雲社)

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