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Japan

第06回 最後まで品質にこだわる「収穫」

IoTを活用したワイン葡萄栽培の1年間を体験リポート ~美味しいワインができるまで~

2017年05月10日更新

IoTを活用したワインブドウ栽培の1年間を体験リポート ~美味しいワインができるまで~

富士通GP2020ワインファーム 活動スケジュール 剪定(せんてい)  誘引(ゆういん) 芽かき(めかき) 副梢(ふくしょう) 傘紙かけ

2月の「剪定」に始まった葡萄の栽培も、いよいよ収穫です。約1年にわたって手塩にかけて育ててきた葡萄の果実をワイン工場へ送り出す集大成とも言える作業。美味しいワインをつくるためには、収穫の作業工程にもこれまで同様さまざまな気配りが必要です。そしてまずは、気になる“カベルネ・ソーヴィニヨン”の今年の出来ばえはどうだったのでしょうか。

今シーズンの葡萄は素晴らしい“ヴィンテージ”

イメージ 「名品」や「年代物」を指す“ヴィンテージ”という言葉。これはもともと「葡萄を収穫する」という意味のラテン語が語源だそうで、質・量ともに良い葡萄が採れた当たり年のワインは「ヴィンテージ・ワイン」と呼ばれます。奥野田ワイナリーの中村社長によると、本年の葡萄は非常に良く熟していて素晴らしい出来。まさに“ヴィンテージ”と言える出来ばえだとか。2009年に収穫した葡萄が素晴らしい出来だったそうですが、今年はそれにも匹敵する高い品質ということです。
「2016年は“カラ梅雨”のため関東ではやや水不足でしたが、葡萄の生育は健全で、暑い夏がやってきた後のお盆開け以降は比較的涼しい夜が続きました。そのため糖度が上昇した一方で、『酸』が残ったことで、カビ胞子の発育を抑えることができ、葡萄が健全性をきちんと保ちながら、高い熟度が実現しました」と中村社長。今回も、中村社長から1年の活動内容を振り返りながら、本日の葡萄収穫作業における留意点についての講義からスタートしました。

手作業の収穫で“世界一”のワインを!

スーパーなどの店頭に並ぶ「食べるための葡萄」は充分熟す前に流通させますが、ワインを作る葡萄は“熟度”が限界に達した状態で工場へ向けて出荷します。そのため、中には劣化した果実も含まれることもあるため、それらを見付け、手作業で丁寧に除去・仕分けしながら出荷します。今回も私たちは、畑で健全な果実だけを選別する「選果(せんか)」作業を行ないながら、コンテナに入れて工場へ運び込みます。
安価なワインを作るときは「マシン・ハーベスト」といって機械による収穫が一般的ですが、ここでは「ハンドピッキング」という手作業により丁寧に収穫します。これは、言わば「世界一のワイン」を作るための作業なのです。その「選果」をはじめとする収穫作業には、これまでの「剪定」から「傘紙かけ」までのプロセスと同様に技術や精度、細かな配慮が求められるのです。
さて、畑に足を踏み入れると、すぐ視界に飛び込んできたのは沢山の葡萄。前回「傘紙かけ」を行なったときのカベルネ・ソーヴィニヨンとは比べものにならないほど、一粒一粒の実がしっかりと大きく、まさにたわわに実った葡萄たちが出迎えてくれました。

これが前回7月の「傘紙かけ」時点の 葡萄の実。緑色でまだまだ小さい状態でした。

大切な葡萄を丁寧に収穫

いざ、収穫作業のスタート。まず、上方向へ伸びている枝を切り落とします。これらは次の年に剪定して使う枝になるため、横方向へ飛び出ているところを切っていきます。前回かけた傘紙も強風や降雨にも負けずにしっかりと残っており、傘紙の付いている葡萄から傘紙と一緒に切り離し、収穫していきます。
葡萄を切り落とした跡は「樹」のように硬く変質していて、これを「木質化」と言います。その硬くなっているところをそのまま残してかごに入れると、葡萄を傷つけてしまうため、まずはココを短く切り落します。また、緑色の粒が少し混ざっていることもあるためこれも取り除きます。ただし、ハサミが入りにくいところは他の粒にダメージを与える恐れがあるので、無理に取ることはありません。

収穫した葡萄を入れるカゴには、その外周(四隅)から置いていきます。葡萄が潰れることのないよう、上から押しつけずにそっと置いていきます。真ん中から入れていくと、すぐに一杯になってしまうため、空いた真ん中に巧くパズルのように置いていくのです。そのようにすることで、カゴにすりきり一杯約11㎏の葡萄が入ります。そして、この約11kgの葡萄から720mlのワインが7本程度醸造できるとのことです。

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枝から切り離したこのタイミングで、腐ったり充分成長していない実を一粒ずつしっかりと手作業で取り除くことで、ワインの品質を高めることができます。

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収穫後はカゴの四隅から順に詰めていきます。そして葡萄が潰れないよう、上から押し付けることなくそっと置いていきます。

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1つのカゴが11kgになるよう詰めていきます。目分量で一杯になったカゴは1点ずつしっかりと計測を行い、容量の過不足を微調整してきます。
そして、この11kgの葡萄から720mlのワインが7本程度醸造できます。

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「美味しいワインになってくれよ!」と、わが子を送り出すような感慨が・・・

「収穫」こそ幸せを感じる瞬間

「葡萄の収穫は大勢のひとが『一遍に』行なうことが大切です。」と中村社長は言います。「そして、われわれ日本人はもともと農耕民族です。狩猟民族が獲物に槍が刺さり捉えたときに幸せを感じるのと同じように、農耕民族は、こうして収穫物を収穫したときに、脳内で幸せを感じるのです。そしてさらに、春に剪定をして、暑い夏野時期に傘紙をかけて健全葡萄を育て、そしてこのように収穫をする。そうすることで、脳内がもっと楽しいと思うのです。」
多くの富士通グループのメンバーは、このワインファームでのカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に関わる作業を通じて、この中村社長のメッセージとともに、生物の多様性、自然の摂理、環境への順応など、新たな気付きを得ることができました。
そして、今回皆さんで収穫した上質のカベルネ・ソーヴィニヨンが、約1年の熟成期間を経て、美味しいワインになることを期待して、このコラムの最終回とさせていただきます。1年間にわたるご購読、ありがとうございました。

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昼食に合わせて「2015桜沢シャルドネ(オーク樽発酵)」を楽しみました。

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昼食後には中村社長によるワイン樽を解説いただきました。

コラム:奥野田ワイナリーの挑戦 詳しく見る
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