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Japan

第02回 収穫量を得ながら樹形を整えていく技術「誘引(ゆういん)」

IoTを活用したワイン葡萄栽培の1年間を体験リポート ~美味しいワインができるまで~

2016年05月27日更新

IoTを活用したワイン葡萄栽培の1年間を体験リポート ~美味しいワインができるまで~

富士通GP2020ワインファーム 活動スケジュール 剪定(せんてい) 芽かき(めかき) 副梢(ふくしょう) 傘紙かけ 収穫(しゅうかく)

イメージ 2016年3月の「富士通GP2020ワインファーム」2回目の活動は、葡萄の枝の誘引(ゆういん)です。前回の活動は樹形を維持して葡萄の収穫を継続させる作業「剪定(せんてい)」でしたが、今回はその剪定された枝に対して誘引と呼ばれる作業を行います。
誘引とは何たるか、今回も作業を行う前に奥野田ワイナリーの中村社長より誘引の役割について講義を受けましたので、その内容についてご紹介いたします。
今回は、前回行われた2月の剪定作業に比べてだいぶ温かくなってきたため、気持ちの良いオープンなラウンジで講義を受けました。

「誘引」の役割は全ての芽に均等に養分を届けること

植物成長の原理についてお伝えすると、一番高い場所に葉を出したものが勝者となり、低い場所の葉は十分に光合成ができないため敗者となってしまいます。そのため、低い場所から出てきた葉は必要以上に養分を使って、現在の場所よりもより高い場所に向かって葉を出そうと頑張ります。

「誘引(ゆういん)」とは葡萄の成長に関するムダな競争を極力抑えるため樹形を整え、一定の収穫量を確保していく技術の一つになります。具体的には一本ずつ枝に傷を付けながら、枝を横に倒す(折り曲げる)作業です。

剪定(長梢剪定) イメージ

拡大イメージ

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誘引 イメージ

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誘引後の発育イメージ(約2ヶ月後)

成功した誘引

 (芽が上へ伸びる)

成功した誘引

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期待通りに誘引できなかったケース

 (芽が下へ伸びる)

失敗した誘引

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葡萄の枝も基本的に上に上にと向かって伸びていきます。樹形を維持するため2月の剪定で不要な枝をバッサリと切り詰めましたが、そのままの状態では枝の一番先端の芽からのみ葉が育ってしまい、それ以外の芽に養分が届かなくなってしまう状況に陥ります。その結果、1個の芽からしか葡萄が収穫できなくなってしまいます。

イメージ

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誘引とは安定的に収穫するために樹形を整えていく技術の一つ。
枝を地面と水平に横に倒し、さらに芽を枝の上側になるように枝を捻ることにより、芽から上に向かって葉、枝が伸びていきやすくなります。
あえて”メキメキッ”と少し音が出るくらいの加減で枝を折り曲げます。「こんなに枝を折り曲げて大丈夫?」と少々心配になってしまいますが、奥野田ワイナリーのスタッフの丁寧なサポートをいただくことで、安心して枝を折り曲げることができました。
傷をつけて枝を折り曲げることにより、養分が4~6個の芽に均等に届くようになり、どの芽も同じ条件で成長することが可能となるとのことです。養分の均等化により、ムダな競争をすることがなくなり、芽は順調に成長していくことができます。

イメージ 余談ですが、傷をつけた枝の箇所から水分がじんわりと滴ってきますが、この液体は美容効果があるとのことで、某化粧品会社の化粧品でも美容成分として配合されているとのことです!

剪定後、すぐに誘引作業を行わない理由とは

「剪定直後にそのまま誘引した方が効率的じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
実は剪定直後(2月時点)の葡萄の枝は完全に休眠している状態でした。
葡萄の木は冬の寒さに耐えるため、地下から極力、水分を吸い上げないように自らストップをかけていたのです。
寒い朝に枝が地下から水分を吸い上げ、みずみずしい状態になってしまっていると枝が凍って枯れてしまいます。葡萄の木は自ら生命を維持するため、水分の吸い上げをストップすることで枝や主幹を乾いた状態にしているとのことです。

昨年秋の葡萄の収穫後、まだ葉は健全な状態で光合成を行っていましたが、冬に入る前に最後の光合成を行い、細い枝、主幹、根に不凍液の役割として糖分を蓄積していました。
薄い不凍液より濃い不凍液の方がより良いため、根からの水分の吸収をやめることで糖分が濃縮され、枝が凍らないようにしていたのです。

剪定は乾燥している状態の方がやりやすい。ところが、その乾いた状態で誘引をしてしまうと枝は簡単にポキッと折れてしまいます。
3月に入りだんだん暖かくなり、さすがに凍る状態でないと葡萄の木が判断することで、地下からの水の吸い上げを再開します。
そのため、誘引を行うには剪定から1ヶ月ほど期間をあけることとなります。芽が出てしまうと、葡萄の芽が枝の上側なのか下側なのか認識してしまい、芽を出す方向が決まってしまうため、発芽する前までに誘引しなければなりません。誘引のタイミングを計ることは非常に重要であることが分かりました。

イメージ 午前中から降っていた雨もすっかりあがり、午後は上着が無くても作業ができるほどの快晴に恵まれました。次回はこの太陽の光を存分に浴びて成長した葡萄の葉を見ることができるでしょう。

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