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第01回 意外とわかっていない!?消費税の基本と仕組み

消費税の仕組みが大きく変わる!経営者、経理担当者必携!「軽減税率と経過措置の実務対応」(全15回)

株式会社ナオ企画 代表取締役社長
田辺 直樹 氏

2016年04月01日更新

(1)消費税の歴史

消費税は平成元年4月1日に3%でスタートしました。当時の総理大臣である竹下登氏がデパートでネクタイを購入し、3%分の消費税を支払う様子がニュースで放映され、非常に印象的でした。逆進性、1円玉不足、自動販売機、JR運賃はどうなる、など、当時のニュース番組は消費税の問題点をクロースアップし、連日のように消費税の課題などについて取り上げていました。
その後、平成9年4月、橋本龍太郎政権時代に5%に改正され、さらに平成26年4月に8%に改正されました。そして平成29年4月に10%に改正されようとしています。

(2)消費税の仕組み

消費税はモノの販売や貸付、サービスの提供というものに対して幅広く課税されるもので、最終的には我々消費者が負担をする間接税なのです。つまり我々消費者が税務署に行って消費税の確定申告をするわけではなく、事業者(個人経営者と法人)がお客様から預かった消費税を納めることになっています。その際、事業者が仕入等をしたときに支払った消費税はマイナスして納付します。簡単にいえば売上に係る消費税(お客様から預かった消費税)から仕入や光熱費、地代、旅費、通信費、接待費などを支払ったときに負担した消費税を控除して確定申告をしているのです。

消費税の基本

下図をご覧ください。材木業者は材木を10,800円(うち消費税800円)で家具製造業者に販売します。家具販売業者は10,800円で仕入れた材木で家具を製造し、小売業者に32,400円(うち消費税2,400円)で販売。小売業者は32,400円で仕入れた家具を54,000円(うち消費税4,000円)で消費者に販売します。
小売業者はお客様から預かった消費税4,000円から仕入れにかかった消費税2,400円を差引いて税務署に1,600円納付します。同様に家具製造業者は1,600円、材木業者は800円の納付となり、納付の合計が4,000円となり、消費者が負担した金額を一致します。

消費税の基本

このように消費税というのは、間接税ということが理解できるとともに、事業者の損益計算には全く影響しないことがわかります。

今、軽減税率について世間の関心度が高まっております。軽減税率の適用対象の詳細は次回以降に解説するとして、食料品は8%ということになっています。では牛や豚を生きたまま購入した場合、その税率は10%となりますが、その豚や牛を肉として加工して販売するときは食料品として8%となります。10%で仕入れたものを8%で販売したら2%損するじゃないか!と思う方が実は非常に多いのです。しかしこれは間違えです。
例えば豚一匹を100,000円で仕入れたとしましょう。生きた豚は軽減税率の対象にはなりませんので、消費税率は10%、支払消費税は10,000円となります。その豚を加工して肉として販売した場合、売上総額が300,000円とすると、消費税率8%で24,000円となります。
この場合、売上が324,000円、仕入が110,000円で利益が214,000円という計算は間違えです。損益計算は消費税を除いた金額で計算するので、売上300,000円から仕入100,000円を控除して儲け200,000円を計算します。そして消費税の計算は売上に係った消費税24,000円から仕入れにかかった消費税10,000円を控除して、14,000円を納付することになります。
つまり、消費税率が10%だろうが8%だろうが、損益計算には全く影響なく、消費税の納税計算においても何ら問題はないのです。冒頭申し上げた「10%で仕入れたものを8%で売ったら損をする」という考え方は間違っていることがお解りいただけたと思います。

そうは言っても、いったん懐に入った消費税は「お客様から預かったもの」と理論的には理解していても、その金額を運転資金に使ってしまう事業者は沢山あります。1年分の預かった消費税を1年後にまとめて申告納付するわけですから、法人税や所得税の様に、身銭を切って支払っているような感覚になることは否定しません。そして消費税率が上がると事業者が納付する消費税額も勿論上がります。しかしあくまでも消費者から預かったお金であることを考えれば、それは単に預かった金額に過ぎないのです。

(3)消費税の益税問題

① 免税事業者制度

消費税は事業者が確定申告により消費者から預かった消費税を税務署に納付しますが、これには例外があります。2年前の年間売上が1000万円以下の小規模零細企業は消費税を納める義務がないのです。これを免税事業者と言います。(2)の事例で例えば家具製造業者が免税事業者だとすると納付すべき消費税1,600円は納付する必要がなくなり、その企業の利益になってしまうのです。つまり免税事業者にとっては、消費税は損益に影響するのです。免税事業者なのに消費税を取っていいのか?と疑問を持つ方がいるかもしれませんが、消費税法上、会社法上全く問題がないのです。

② 簡易課税制度

消費税の納付税額の計算方法には2通りあります。1つは(1)で説明した通り、売上に係る消費税から仕入れにかかる消費税をマイナスして計算します。これを原則課税と言います。
もう一つの計算方法は、売上に係る消費税の計算方法は原則課税と同じですが、仕入れにかかる消費税額の計算が異なります。実際に支払った消費税額を集計するのではなく、売上の消費税額から概算(みなし仕入率)で計算してしまうのです。卸売業の場合、仕入率が90%なので、納付税額は売上の消費税の10%ということになります。これは業種によって一律に決まっていて、小売業80%、製造業70%などとなっています。
つまり実際の仕入や通信費、広告宣伝費などの支払の際の消費税額を集計せずに売上から仕入率で計算してしまう方法なのです。これを簡易課税制度といいます。
原則課税と簡易課税との有利選択はできないので、過去のデータを見て事前の選択することになりますが、売上が5000万円以下の事業者しか簡易課税制度の選択はできません。
このみなし仕入率は実際の数値よりも有利なケースが多く、益税問題の温床となっていることは事実です。例えば、年間売上が324,000円(消費税24,000円)年間の仕入が108,000円(消費税8,000円)の小売業者の場合、原則課税だと24,000円-8,000円で16,000円の納付税額となりますが、簡易課税だと24,000円-24,000円×80%=4,800円となり、11,200円もの益税となってしまいます。

③ 免税事業者等からの仕入れ

免税事業者や消費者から商品を仕入れるケースを考えましょう。免税事業者は消費税を納める義務のない事業者です。消費者も同様です。免税事業者や消費者から仕入れた時に、その金額に消費税が含まれているものとみなして仕入に係る消費税を計算します。
例えば年間売上324,000円(うち消費税24,000円)、年間の仕入が100000円で全額免税事業者からの仕入れと仮定しましょう。本来なら売上に係る消費税24,000円から仕入れにかかる消費税0で納付税額が24,000円とならなければおかしいのですが、100,000円の中に消費税が含まれていると仮定して100,000円×8%÷1.08%=7,407円となり、24,000円-7,407円=16,593円の納付となります。
これは消費税法によって認められているのですが、益税であることは間違いありません。
以上代表的な益税問題を3つ挙げましたが、今後消費税率が上がっていき、軽減税率が導入される場合、これらの益税問題も解決していくべき課題であると言えます。

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著者プロフィール

田辺 直樹氏

株式会社ナオ企画 代表取締役社長

田辺 直樹 氏

松下公認会計士事務所 所属

昭和58年4月大原簿記学校に入社。簿記・税理士受験の専任講師として約25年間、教鞭をとる。昭和63年12月税理士試験合格。平成元年11月 宅地建物取引主任者試験合格、NTT、ジョイントコーポレーションにて不動産管理会計、不動産税務、連結決算などを担当。平成22年1月 (株)ナオ企画設立 代表取締役社長に就任。現在 松下公認会計士事務所に勤務。
また、日本食虫植物愛好会会長・マジシャン・税理士など多くの肩書きを持ち、各方面で活躍中。

【研修実績】

文部科学省、経済産業省、厚生労働省、防衛省、国税庁、税務大学校、会計検査院、横浜監査事務局、埼玉県庁、東京大学、日本大学、国士舘大学、NTT、JA、富士通、ヤマトファイナンス、住友林業、(株)サミット、みずほフィナンシャルグループ、JR貨物、東京ガス、日立グループ、ミロク情報サービス、日本実業出版

【出版物】

事例でわかる印紙税の実務(日本実業出版 平成26年12月)

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