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第09回 AIをうまく活用するには「寄り添う」ことが大事

AI活用の「いろは」

株式会社チェンジ 執行役員
株式会社ボイスタート 取締役
高橋 範光 氏

2019年06月03日更新

これまでAIのさまざまな価値やデータの重要性について説明してきましたが、今回は、AIをビジネスや生活でうまく活用していくためのポイントについて解説していきます。

活躍の範囲を広げるAI

突然ですが、しゃっくりが出はじめると止まらないですよね。そんな家族を目の前にして、なぜしゃっくりが出るのかをふと疑問に思い、我が家のスマートスピーカーに「なぜしゃっくりが出るの?」と聞いてみたところ、スマートスピーカーは、丁寧にしゃっくりのメカニズムを解説してくれました。

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スマートスピーカーはとても賢く、私のさまざまな疑問を解消してくれたり、キッチンタイマーとして料理のときに役立ったり、ちょっとした計算機代わりになったりと、我が家では大変重宝しています。

また他の例ですが、タクシーに乗れば、乗客を画像認識するによって、乗客の属性にあったコマーシャルがディスプレイに表示されるような機能も出てきました。マス向けのコマーシャルから、ターゲットに合わせた最適なコマーシャルを行えればそれだけ単価をあげることもできるでしょう。

AIにもできないことはある

このように、すでにさまざまな場所で活躍し始めているAIですが、できないこともあります。

先述のスマートスピーカーでも、難しい質問や依頼をしたとき、聞き取れなかったときなどは、「ごめんなさい。今はわかりません。」、「すみません。お役に立てそうにありません。」と返答されることがあります。たとえば、先程のしゃっくりのケースで、私が「しゃっくりが止まらないんだけど、どうしたらいいかな?」と聞いたとしたら、「ちょっと難しいです」としか返答してくれませんでした。

また顔認識のAIも、年齢の特定は表情一つでもかなり大きく変化し、いつでも正確な特定ができるというわけではありません。

過度な期待と精度向上の罠

そこで、我々はできないことをできるようにAIへの学習に取り組もうとします。これが「過度な期待と精度向上の罠」です。

先程のスマートスピーカーで言えば、難しい質問やノイズが多い状況で聞き取れないケース以外にも、方言の識別ができないとか、音声のイントネーションがおかしいという意見もあります。

もちろんどのようなケースにも100%対応できることは望ましいですが、人間であっても騒音環境で聞き取れないケースや難しい質問、方言が理解できないこともあるでしょう。これをAIに求めようというのは、ときに「過度な期待」となってしまいかねません。本当にその努力が必要かどうかは常に考えないといけません。

ときに、過度な期待からくる完成度の高さの追求は、いたずらに活用時期を先延ばしにしてしまったり、製品リリースを遅らせてしまったりすることもあります。

緻密な精度向上により完璧を求めようとすることも大事ですが、すでに生活に入り込み始めているAIの多くは、100%の完成度というわけではありません。第8回でも記載したとおり、むしろ未完成でも活用を促進することで、データの収集と改善のサイクルを進めることのほうが精度向上という観点ではプラスに働くこともあるのです。

AIと人の共生

The New York Timesの記事で、IBM WatsonのAIを使って、自分自身、すなわちAIを絵で表現するようにIBMのリサーチャーが命じて作成された絵が公開されましたが、この絵はAIと人がお互いに握手しようとしているものでした。

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もちろん、AIがゼロから全く新しい絵をかくわけではありません。ここでは、さまざまな写真や画像をインプットに、「敵対的生成ネットワーク」(GAN)と呼ばれるAI手法を用いて作成されました。

この握手とは、AIと人の共生を意味しているもののように感じます。AIは決して完全ではなく、人のサポートが必要なのです。

たとえば、スマートスピーカーのケースで、東京上野の天気を知りたいときに「上野の天気を教えて」と聞いても、千葉県にある上野の天気について回答されてしまいますが、もしただしく聞きたいのであれば、AIの精度向上ではなく、我々が「“東京の”上野の天気を教えて」と聞けばよいのです。

そして、AIは我々の仕事を奪うという発想もまた不要でしょう。たしかに一部の仕事はAIが取って代わる可能性もありますが、むしろAIとともに作り出される新しい仕事に目を向けるべきなのです。そこには多くのビジネスチャンスもあるでしょう。

AIとともに歩む未来

最後に今回のまとめです。
AIは機械ですが、人を模倣したシステムです。だからこそ、人と同じような振る舞いをするのです。ときに人はミスをすることもあります。しかしAIには100%の過度な期待をしてしまうのですが、そうではなくミスをすることも前提にどうやって一緒に歩んでいくのかを考えていくことこそが、現在のAIを活かすためのポイントといえるでしょう。

次回は、最終回。「AIの真の価値とは」というテーマで、デジタルトランスフォーメーションとも呼ばれる売上やビジネス拡大のためのAI活用方法について解説していきます。次回もご期待ください。

著者プロフィール

高橋氏

株式会社チェンジ 執行役員
株式会社ボイスタート 取締役
高橋 範光 氏

株式会社チェンジ執行役員として、ビッグデータやAI(人工知能)に従事

  • 株式会社ボイスタート取締役
  • ビッグデータマガジン編集長
  • 総務省統計局データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」講師
  • 独立行政法人情報処理推進機構 第4次産業革命に対応したスキル標準検討WG委員
  • (一社)オープンガバメント・コンソーシアム 高度IT人材育成分科会理事
  • (一社)データサイエンティスト協会 スキル委員
  • 大阪府立大学 非常勤講師
  • 著書:道具としてのビッグデータ(日本実業出版)

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