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第01回 企業内高齢者の人的資源管理「高齢者雇用の賃金、評価と役割、働き方 ①」

「企業の成長と事業の継続」人事総務編

特定社会保険労務士 杉本一裕氏

2016年12月02日更新

企業を取り巻く人の資源

大きなくくりで国の施策もあり雇用環境の変化、促進が行われ企業も対応が必要となってきます。

  • 少子高齢化が進む中で高年齢者、障害者、女性の雇用促進

そして働き方に関しては

  • 長時間労働、過重労働の防止
  • 年金支給開始65才に伴う高齢者層の雇用義務と働き方の見直し

こういった変化が起こっている労働環境の中で賃金(同一労働同一賃金など)の問題も視野に企業経営に取り組んでいかなければなりません。特に法律で施行もしくは施行予定されている規制については必ず対応できるよう管理しなければなりません。
例えば、障害者に対する差別の禁止や働きやすい環境の提供など法令で義務付けられました。また年金支給開始年齢が65才に徐々に引き上げられることで(2016年11月現在経過措置中)、企業は65才まで働ける環境を提供しなければなりません。再雇用制度を選択している企業では退職後、65才まで働くことを選択する従業員が増えていくことは目に見えており、企業内における就労割合が増えていくことから高年齢者の人的資源管理にスポットをあてていきます。そう遠くもない将来に定年後の再雇用における給与は一律○○万、減額一律○○%といった賃金設計から役割や能力に応じて支給という時代になるのではないでしょうか。能力高い人で下の年代ともうまくやれ模範になれる人は給与の考慮も必要かと思います。

高年齢社員の賃金を見直す背景、理由

顧問先企業において人事評価、役割給制度、賃金設計などの制度構築コンサルティングを実施してきました。今後、高年齢者の賃金については法的根拠もあり見直される領域であると考えます。具体的には、以下が見直すべき制度です。

  • 賃金制度
  • 役割、評価制度
  • 働き方の選択制度

まず、何故賃金を見直すべき必要がでてくるのかを述べます。
法的に定年延長か再雇用制度を実施し65才まで働ける環境を提供する義務があり、多くの企業では、定年延長ではなく再雇用制度を選択し運用しています。再雇用制度を義務付けた2006年以降の再雇用制度導入時の賃金(給与)は高年齢者への国からの年金や助成金の支給を前提として賃金制度を構築した企業が多い。
例えば40万の給与を再雇用時に20万にした場合、計算式は省くが給付金が3万と仮に年金が5万あれば本人の収入として28万となります。これを40万の給与のままだと、年金額は調整され給付金も0円となります。この国からの支給分を生かした上で賃金決定した企業が多いということです。
私の顧問先企業も再雇用制度を選択しています。多くの企業は定年延長による退職金制度を含めた雇用リスクを憂慮し一旦退職し就職する再雇用制度を選択しているのではないでしょうか。
再雇用後の賃金は「やる気」や「役割」といった観点ではなく、国からの支給を合わせ生活給として捉えた併給の賃金設計が主となっている場合が多いです。
国からの支給分は

  • 「特別支給の老齢厚生年金」
  • 「高年齢雇用継続給付金」

の2つです。給与額が多いと調整されますので、そこを考慮し給与(賃金)設計を行った企業が多い。よって高年齢者の収入は給与・老齢厚生年金・高年齢雇用継続給付金となります。
この制度は確実に崩れてきます。老齢厚生年金部分の受給開始年齢が65歳に引き上げられるためです。また、同一労働、同一賃金の考えから厳しい提言や施策が出る可能性や高年齢雇用継続給付金の見直しの可能性もあります。同一労働同一賃金の考えで、仕事内容が変わらないのに降給は不当であるといった地裁判決も出たりしているので今後も注視していかなければなりません。
年金の支給停止等により、例えば60才の再雇用で一律20万というような決め方で運用している時代ではなくなりつつあります。このあたりの金額が年金や給付金を考慮して決定している企業が多いのではないでしょうか。年金が65歳からの支給になる時期も迫っており、年金や助成金を前提に賃金モデルは作れなくなります。
では、どのような賃金、役割や評価制度そして働き方にしていけばよいのかを次回に述べます。

著者プロフィール

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング 代表

取得資格
・特定社会保険労務士(社会保険労務士/裁判外紛争手続代理人)
・衛生工学衛生管理者
・第1種衛生管理者
・SAP HRコンサルタント

社労士略歴
1989年 社会保険労務士試験に合格、社会保険労務士会に入会
2006年 日本弁護士会の司法担保能力研修終了、特定社会保険労務士試験合格
2006年 特定社会保険労務士として付記登録(紛争解決手続代理業務を行なえる社会保険労務士)
2007年 総務省 年金記録確認/第三者委員会にて専門調査員として活動

著訳書
「よくわかる人事給与業務とコンピュータ活用」(翔雲社)

関連情報

  • 賢い人事給与システム選びのポイント
  • 終身雇用制度は本当に崩壊する?メリットとリスクを考える

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