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Japan

第05回 「懲戒処分、降格、降給、解雇の考え方」について

社労士に学ぶ「社員トラブルなどの労務相談を通じてアドバイスしてきたノウハウ」

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング
代表 杉本 一裕(スギモト カズヒロ) 氏

2011年10月25日更新

イメージ 社員にとって給与や退職金は、最も重要とする権利であり関心事です。
したがって、一律の賃金カットなどは、社員の合意なしに一方的に行うことは許されません。
それでは懲戒処分としての減給はどうなのでしょう?
懲戒処分には、軽い順に戒告、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇などがあります。他にも軽い処分で人事記録に残らない注意や、減給や出勤停止より重い降格を設けている会社もあります。

懲戒処分で降格は可能か

「懲戒処分で降格は可能でしょうか?」という問合せが時々あります。
私は、あまり勧めておりません。
懲戒処分の中に降格規程があれば降格実施は可能ですが、あくまで期間限定の出勤停止や減給処分のほうが良いと思います。

降格や降給には

  • 懲戒処分としての位置づけ
  • もう一つは人事制度として位置づけ

の2つがあります。

ただし、人事制度としての降格なので制度規程が必要であり、また降格理由も合理的な根拠が必要です。
降格によって役割も変わるはずです。降格させたが職務内容や役割が変わっていないのであれば、単なる賃金カットのためと解されても仕方ないでしょう。
あくまで判例などから考える私見ですが、役割変更に伴う降格や降給はある程度会社の裁量が効きます。

そのためにも、役割に応じた給与体系に基づく人事制度を構築して、役割と役職(資格)をきっちり定義し運用する事が必要です。

次に懲戒処分としての降格ですが、「減給」ではなく「降格」とするなら就業規則に懲戒処分として降格があることが大前提です。この場合も降格を実施した場合は、現実に職務内容や役割を変更する必要があります。
役職が変わっても、実際の仕事内容に変更がなければ、これも単なる賃金カットです。
本人にとって大きな不利益変更となりますので合意が必要となります。

懲戒処分としての解雇

「毎日の遅刻、同僚への暴言、業務命令に従わない横柄な態度などで解雇できますか?」
というような相談があります。

解雇は本人にとって大きな負担を伴う話です。
最低でも以下にある事項は守ってください。

  • 就業規則に解雇規程が明記されていること
  • 社会通念上、大半の人が解雇処分は妥当と思うレベルであること

この社会通念上とは、10人中9人は解雇が仕方ないと思うレベルでしょうか。
解雇は、いきなりレッドカードを出せません。イエローカードを貯める必要があります。このためには証拠が必要です。

上記の場合は、遅刻・早退の記録が必要です。
始末書の提出、若しくは始末書の提出で紛糾する場合などは警告書を出し、本人の確認を得ること。
日頃から注意や警告の実績を残しておくことが肝要です。

著者プロフィール

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング 代表

取得資格
・特定社会保険労務士(社会保険労務士/裁判外紛争手続代理人)
・衛生工学衛生管理者
・第1種衛生管理者
・SAP HRコンサルタント

社労士略歴
1989年 社会保険労務士試験に合格、社会保険労務士会に入会
2006年 日本弁護士会の司法担保能力研修終了、特定社会保険労務士試験合格
2006年 特定社会保険労務士として付記登録(紛争解決手続代理業務を行なえる社会保険労務士)
2007年 総務省 年金記録確認/第三者委員会にて専門調査員として活動

著訳書
「よくわかる人事給与業務とコンピュータ活用」(翔雲社)

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