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Japan

第02回 さまざまな社員トラブル

社労士に学ぶ「社員トラブルなどの労務相談を通じてアドバイスしてきたノウハウ」

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング
代表 杉本 一裕(スギモト カズヒロ) 氏

2011年07月25日更新

イメージ 毎年春頃には自転車通勤でのトラブルの相談があります。
エコや健康といったキーワードで、電車通勤の社員が届出せずに自転車通勤をして、転倒や事故でトラブルを起こすケースでの相談です。トラブルが起きれば業務に影響があります。よって合理的な通勤経路で公共機関を利用する規程になっています。このような場合、警告書や始末書をとるようアドバイスします。しかし、自転車利用は増加傾向にあるのも事実で、認める場合は下記のようなルールを定めるべきです。

  • 会社からの距離など対象範囲(例.2~10キロ)
  • 月額手当:駐輪場代、保険料、雨天時の交通費を含むことを明記
  • 誓約書の提出:携帯電話使用禁止、飲酒運転禁止、音楽聞きながら~禁止などを明記

同様に、社用車があるのに私用車を使用し出張。出張が休日前ならそのまま観光に、といったケースがあります。

この場合も事前申請や保険加入有無の事前確認ルール、責任範囲などを明確に定めておくべきです。

出張と言えば、
「出張先で定時まで仕事、新幹線や飛行機で帰ってきたら夜遅くなる、残業がつかないのは納得できない。」
といった社員からの問合せに対して、どう回答すればいいかという相談を受けます。こういう内容は労務管理の社員研修でも時々質問されます。

気持ちは分かるのですが、出張の往復時間は通勤時間と同じになります。「コーヒー、ジュースを飲むのも自由だし雑誌も読めますよね。だから労働時間じゃないんです。でも、お疲れ様ということで出張手当があるんですよ。」と回答します。

社員に関する相談は、本当にさまざま多々あります。労働問題のQAなど「違法だ、訴えるべき」「違法だ、会社に請求すべき」「会社の上司に教えてあげたら。。。」などと回答によく書かれています。

例:「休暇を申請したら却下された、違法ですか?」
   「違法です。社員の権利です。。云々」

こういう書き込みが多い、またウソ(間違い)の回答情報も多い。例のような書き込みを見て、文句(権利)を言う社員が増えているのかなと思います。

上記例では、背景が分からない。
上司が、「ごめん、忙しい時期だから悪いけど休暇日をずらしてくれないかな」というような発言があったかも。そういうことを抜きに回答している文面が多すぎますね。

下記、社員トラブルで実際にアドバイスした事例です。

昼休みに電話に出ない。誰が出るかで揉めるケース

イメージ 自主的な電話応対を除き、命令下で行われるものは手待ち時間となり労働とみなされます。多々判決も出ています。誰もが、自主的に電話に出る雰囲気を作ってください。管理職は自らとるよう心がけてください。

人事異動について、転勤などを嫌がるケース

就業規則に転勤命令の規定があり、多くの社員が転勤している実態がある。また入社時に勤務場所特定の合意をしていなければ業務として命令可能です。でも、揉める前に話し合いで解決されるのが望ましいです。

自主的な社外研修に参加、通勤災害に。スキルアップに繋がるから労災扱いにしてほしい

資格をとるために専門学校に通うのは任意参加なので、労働ではありません。よって通勤災害にならないと考えます。

金髪や半パン、Tシャツなどで出社、恰好は自由のはず。会社にあれこれ言われることはないとトラブル

労務相談の中で、身だしなみや素行について就業規則に明示して規制できるかという質問を受けます。
私生活上の自由も会社内における労働契約の場においては、契約上の規制を受けると考えます。
合理的な規律を定めた場合、社員はこれに沿った労務提供義務を負うことになります。

飲みたくないお酒に付き合っての接待、残業手当がでないのかとトラブル

原則、接待は労働時間ではありません。送迎を命令された場合など特命があれば微妙ですが。他にも、親睦会やボーリング大会などの参加で同様な話があります。強制でなければ労働時間ではありません。

上記のように社員トラブルは多々あります。こういった事案に人事部門は対応していかなければなりません。ここで合理的な論理で対応するために就業規則を整備しておく必要があります。就業規則は一度作ったら終わりではなく、時代に即して変化修正を加え、さまざまな社員トラブルにも対応できるようにしていかなければなりません。就業規則の重要性については最終号「就業規則、今のままでは問題あり」で説明します。

著者プロフィール

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング 代表

取得資格
・特定社会保険労務士(社会保険労務士/裁判外紛争手続代理人)
・衛生工学衛生管理者
・第1種衛生管理者
・SAP HRコンサルタント

社労士略歴
1989年 社会保険労務士試験に合格、社会保険労務士会に入会
2006年 日本弁護士会の司法担保能力研修終了、特定社会保険労務士試験合格
2006年 特定社会保険労務士として付記登録(紛争解決手続代理業務を行なえる社会保険労務士)
2007年 総務省 年金記録確認/第三者委員会にて専門調査員として活動

著訳書
「よくわかる人事給与業務とコンピュータ活用」(翔雲社)

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