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Japan

第01回 緊急時の人事労務対応

社労士に学ぶ「社員トラブルなどの労務相談を通じてアドバイスしてきたノウハウ」

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング
代表 杉本 一裕(スギモト カズヒロ) 氏

2011年06月21日更新

3/11の東日本大震災、当日は東京八丁堀で研修の講師をしておりました。
講義中にビルの外に避難。研修も何度か中断という状況でした。

イメージ その後は、帰阪のため東京駅で新幹線が動くのを待っていました。新幹線が動き出し新大阪駅に午前1時に到着。電車もなくタクシーで帰宅し、ほっと一息ついたのも束の間、テレビを見て事態の大きさが分かったという状況でした。 翌日、顧問先より支店、営業所などで地震の影響を受けているという連絡がありました。

その内容は、

  • 帰宅ができずに外泊をした社員
  • タクシーで帰宅した社員
  • ケガをした社員
  • 月曜日からの出勤が難しい場合の対応

など、「労務管理上どう対応しなければいけないのか」という問合せでした。

まずは、
地震当日と月曜日以降1~2週間程度の勤務取扱いを全社員に通知します。

通知内容は

  1. 勤務の取扱い
    ・地震当日の勤務について
    ・翌日以降の勤務について(当面の取扱いと以降は公共機関など考慮し通知)
  2. 交通費の取扱い
    ・地震当日のタクシー利用について
    ・翌日以降の当面のタクシー利用について
    ・通常ルート外の通勤について
  3. 宿泊について
    ・宿泊費の支給有無

以上を、顧問先に取り急ぎ社員に通知を行って頂きました。

その後は下記のような労務相談が出てきました。

  • 通勤混雑や経路変更による通勤時間の増加と遅刻・早退の考え方
  • 短時間労働にした場合の賃金の取扱い
  • 地震でケガをした場合の対応
  • 電車通勤から徒歩、自転車、マイカーで通勤している社員の通勤費
  • 在宅勤務が可能な社員の労働時間や賃金について
  • 計画停電の予定に合わせたパート社員の労働時間短縮と賃金について
  • 4月転勤の配慮について
  • 特定の工場で休業した場合の賃金について

最終的には賃金に繋がってくる相談になるのですが、法的には事業主の責任はなく、労務提供がない時間は賃金を支払う必要はありません。
ポイントは、「社員の生活を考えて支給するなど経営判断になります」と伝えました。
顧問先の会社では、計画停電などに合わせて、短時間勤務を実施しつつも所定勤務の時間として賃金を支払うという選択をされました。

イメージ 4月後半より、夏の電力供給が少なくなることが予想されるため下記のような相談が増えてきました。
夏場の生産量減少に伴う5、6月の生産計画の見直し及び夏場(7~9月)の勤務形態の見直しです。

具体的には

  • 交替制勤務や夏前の残業時間延長
  • 短時間勤務、シフト勤務、時差出勤、休日の変更(振替含む)、フレックス制、変形労働時間制
  • 夏休みの拡充
  • 自宅勤務 など

いずれも労使協定書、協定届、就業規則などの変更や届出は通常通りに必要になります。
変更後、例えば9月で終了であれば、また届出(現在、震災影響で夏場だけはOKというような特例はありません。) が必要ですので、このような場合は有効期限付きの文面での変更届をお勧めします。
例.「~~上記変更内容は7~9月までの、暫定的な処置とする。」と付け加えるなどです。
ただし、現行規定や導入する勤務形態によっては、表現が難しいものもありますので、その場合は変更都度の届出が必要となります。
このように労使協定、就業規則等に影響し、届出が必要となりますので規程類の変更・見直しは、早めに対応されることをお勧めします。
なお状況の変化などあれば後号にて補足させて頂きます。

今回の一連の対応で、社員向けに発信した文書や人事労務部門で受け応えしたQ/Aを内規として整理しておくようにアドバイスしました。まとめた資料等は、企業個々で現実に起こった事例に基づくもので、今後、労務的観点での具体的なマニュアルとなります。

著者プロフィール

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング

杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 氏

社会保険労務士事務所 SRO労働法務コンサルティング 代表

取得資格
・特定社会保険労務士(社会保険労務士/裁判外紛争手続代理人)
・衛生工学衛生管理者
・第1種衛生管理者
・SAP HRコンサルタント

社労士略歴
1989年 社会保険労務士試験に合格、社会保険労務士会に入会
2006年 日本弁護士会の司法担保能力研修終了、特定社会保険労務士試験合格
2006年 特定社会保険労務士として付記登録(紛争解決手続代理業務を行なえる社会保険労務士)
2007年 総務省 年金記録確認/第三者委員会にて専門調査員として活動

著訳書
「よくわかる人事給与業務とコンピュータ活用」(翔雲社)

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