Skip to main content

Japan

経理担当者が知っておきたい国際税務の基本とポイント

酒井麻里子 氏

2017年07月03日更新

イメージ 自社が海外に支店を持っている場合や、海外企業との取引がある場合などに考えなくてはいけないのが、国際税務に関する問題です。どの項目について、どちらの国に課税されるのかを的確に判断するためには、租税条約や相手国の国内法を理解しておく必要があります。国際課税について経理担当者が知っておきたい基本事項として、租税条約に関する事項を中心にご紹介します。

国際税務が必要となる場面

国際税務は、2つ以上の国がかかわる取引において必要となる税務です。海外の企業と取引をする場合のほか、株主が海外に居住している場合や、海外に支店を持っている場合、社員が海外に長期滞在している場合などにも国際税務が必要になるケースがあります。

国際税務を行うにあたっては、それぞれの国の税法や、租税条約等を考慮する必要があり、通常の税務より幅広い知識が求められます。

租税条約とは

租税条約とは、二国間の取引での課税関係の安定や二重課税の回避、脱税や租税回避に対する対応を目的として締結される条約で、おもに所得に対する税について規定されています。

日本では、租税条約が国内の税法より優先されます。そのため、日本と租税条約を締結している国と取引を行う場合には、租税条約を確認することが欠かせません。

租税条約の国際標準としては「OECDモデル租税条約」があり、日本で採用されている規定もこのモデルに準じています。日本では2016年11月1日現在、102の国と地域で66の条約が締結されています。

租税条約の内容

租税条約のおもな内容は、下記のとおりです。

租税関係の安定や二重課税の回避

  • 所得が発生する国で課税できる所得の範囲について
  • 居住地国での二重課税の排除方法について
  • 税務当局間の相互協議による条約に適合しない課税の解消について

脱税や租税回避への対応

  • 税務当局間での、銀行口座情報を含めた納税者情報の交換
  • 滞納租税の徴収に関する相互支援

知っておきたい国際税務の具体例

租税条約における税務では、具体的にどのような扱いがされるのでしょうか? 海外との取引や海外展開において、まず知っておきたい具体的なケースをいくつかご紹介します。

商品を輸出する場合

日本から海外に商品を輸出する場合には原則として相手国への課税はありませんが、相手国で所有権が移動する物品などの場合には、相手国内での譲渡として、事業所得への法人税や付加価値税などが発生する可能性があります。

また、消費税については、日本の消費税は日本で消費された物品などに対して課税されるため、海外で消費される輸出品については、日本での課税はされません。

海外に支店を持っている場合

国際課税の対象となるのは、現地に「恒久施設」を持つ場合であると規定されています。この恒久施設の範囲は租税条約で規定されているので、まずは自社の施設が恒久施設に該当するかどうかを確認する必要があります。

海外出張した社員に給与を支払う場合

短期の海外出張の場合、下記の条件を満たしていれば出張先国での課税は免除されます。ただし、この条件に当てはまらない長期間の海外出張では、出張先国での課税について考慮する必要があります。

  • 滞在期間が課税年度または継続する12か月を通じて合計183日を超えないこと
  • 報酬を支払う雇用者は、勤務が行われた締結国の居住者でないこと
  • 給与等の報酬が、役務提供地にある支店やその他の恒久施設によって負担されないこと

まずは基本を知ることから

国際税務では、相手国が租税条約の締結国であるかどうかや、相手国の国内法、恒久施設の有無をはじめ、さまざまな条件によって課税の有無が異なってくるため、それぞれの状況から総合的に判断することが求められます。まずは基本を知り、必要なときに対応できるようにしておくことが大切です。

著者プロフィール

酒井 麻里子 氏

酒井 麻里子 氏

IT系コンテンツを多数手がけるライター。著書に『これからはじめるスマホユーザーのためのLINE Facebook&Twitter安心・かんたんスタートブック』(秀和システム)など。
初心者ユーザーに向けたスマホやPCソフトの使い方から業界最新ニュース、Webマーケティングまで、ITに関することを幅広く扱っています。

関連情報

参考リンク

お問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-835-554 お客様総合センター

受付時間 9時から17時30分まで
(土日、祝日及び当社指定の休業日を除く)
[注] お問い合わせ内容の正確な把握、およびお客様サービス向上のため、お客様との会話を記録・録音させて頂く場合がありますので、予めご了承ください。