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BI活用のための思考・分析パターン~多面的に物事を見る~

システム部門に求められる中長期のIT戦略

マネジメントテクノロジーズ、LLC
代表 尾田 友志 氏

2015年07月07日更新

ビジネスインテリジェンス(BI)とは何か?

ビッグデータの活用事例が紹介されると、同時に分析ツールであるBIが紹介されることが多い。BIは特別な分析技術であったり、特殊なソフトウェアだと考えている人もいるが、実は30年以上も昔に、BIの原型である意思決定支援ツール(DSS: Decision Support System)という考え方があった。
改めてBIの定義を確認してみると、「企業などの組織のデータを、収集・蓄積・分析・報告することによって、経営上の意思決定に役立てる手法や技術のこと」(Wikipedia)とある。皆さんの社内の経営管理資料そのものなのだ。
基本的なツールは、データベースとExcelといえる。ただ、30年前からは情報技術が進歩しているので、多次元データベース・データマイニング・複合イベント処理(大量のデータをリアルタイムで処理するための技術)などが加わっている。

BI活用の基礎

現在、BIツールは数度目のブームである。役立ちそうなのだが、一般事業会社には、なかなか普及していない。筆者が見てきた範囲では、会社に1~2本のBIツールがはいっていながら、実務ではあまり活用されていないことが多いようだ。使われていない主な理由は、「ベンダー企業によるデモを見ると、色々な分析ができて、自社でも欲しいと思った。しかし、実際に導入しても『何を、どのように分析すれば良いのかが判らない』」といったところだ。皆さんの会社でBIツールを活用していく上でのポイントを、図1にまとめてみた。

図1:BI活用のポイント

BI活用の基本

① BIツールのあらかじめ準備しておく定型フォーマットは、数を絞り込む

ツールによっては、あらかじめ200以上の管理表画面を設定しているものもある。数が多すぎると、何があるのか利用者が把握しきれないことが多く、困惑するだけである。利用者が必要とする最小限の定型フォーマットに留めておいた方が使い勝手が良い。

② 定型フォーマットの数が多くなる場合は、BIの画面上、カテゴリー分けをする

個人によって差はあるが、認知科学上、人間が一度に把握できる数は40項目が上限であると言われている。上記①にも通じるが、あまりにも数の多い管理表タイトルを見せないようにする必要がある。実務的に、20以上のフォーマットを表示する場合には、「商品関係」「顧客関係」などのカテゴリー分けをすると良い。また、管理表の名称は、漢字ばかりではなく、適度にひらがなを混ぜた方が読みやすい。

図2:画面のカテゴリー分け

③ 探索型分析(ドリルダウン)に、BIツールを活用する

BIツールが本領を発揮するのは、非定型分析である。あるデータを見て、「どの商品の売上が伸び悩んでいるのか?」「この商品を購入していない得意先は、どこなのか?」「その得意先は、どの商品を積極的に購入しているのか?」など、疑問に答える形で明細データを追いかけていくことに、活用していくことが望ましい。探索型分析を実行するために必要な準備が、次の④~⑥となる。

管理データ分析の基本

④ 取締役会や業績検討会議で出された質問を書き取り、これに答えるような分析・管理表を作成する

取締役会や業績検討会議で質問が出たということは、読み手が知りたい事項が説明されていないという意味である。次回からは、同じ質問がでないように、分析を行い、管理表を作成していく。

⑤ 経営学やマーケティングの勉強をして、さまざまなモデルを理解する

経営学・マーケティングの勉強といわれると、やや腰が引けてしまうかもしれない。学問を勉強するのではなく、分析に役立つモデルを習得するのである。例えば、商品ライフサイクルひとつを知っていれば、「成長前期には、在庫が多めでも良い」「成長前期は、販路別売上高・売上伸び率を管理する必要がある」「成長後期には、値崩れが始まる」ということが判る。その知識をベースとして、適切な分析をしていくことができる。

⑥ 少しずつで良いので、財務分析などの分析技術を身につける

やはり分析技術は必要である。財務分析や損益分岐点分析は、知っている方も多いだろう。これだけではなく、経済性分析・キャッシュフロー分析・統計分析・オペレーションズリサーチなどを習得して、使えるようになりたい。

分析アプローチ:ひとつのデータを多面的に分析する

BIツールを使った分析の第一は、売上高などのひとつのデータを、多面的に分析することである。
まずは図3のグラフを見ていただきたい。これは、営業所別の売上高を比較したものである。東京・大阪は多少 予算未達なものの、大きな売上を上げている。「よく頑張った。これからも頑張ってくれ。翌月は予算達成して欲しい」というコメントがつきやすい。一方、東北・北海道・秋田・中四国・北陸・新潟は、「まだまだ売上高の絶対金額が少ない。努力をせよ」という指示が出るだろう。

図3:営業所別売上高比較(計画から実績)

それでは、次に図4に目を移そう。図4のグラフは、図3と同じデータを各営業所の1人当たり売上高にしたものである。ここには、1人当たり売上高AとBがある。Aは営業担当者+事務担当者の人数、Bは営業担当者のみの人数で、1人当たり売上高を計算したものである。今度は、東京・大阪がまったく目立たなくなっている。東京・名古屋・大阪というのは、会社の数が多く、商談のための移動効率が極めて高い地域である。それにも関わらず、1人当たり売上高が高くないというのは、問題ではないかと判ってくる。一方で、北陸・秋田は1人当たり売上高が高い。どのような営業活動を行っているのか、優れたノウハウを社内で共有したい。

図4:1人当たり売上高比較

図5は、各営業所の売上高が、地域の経済力に見合ったものであるかを検証したグラフである。民力消費指数とは、マーケティングでよく使われる朝日新聞社の「民力」というデータ集の独自指標で、BtoCの経済力を示している。全国を100%としたときの各地・各営業所の売上構成比を表している。東京・大阪・甲信越・名古屋・北陸は、経済力の構成比以上の売上を獲得している。やはり東北・北海道・秋田・新潟は、実力不足かもしれない。ここで甲信越の売上高が高いのは、本社所在地であり、かなりの営業努力がなされていると考えられる。しかし、図4の1人当たり売上高グラフでは、甲信越は高い数値ではなく、営業担当者の数が多すぎることが判る。

図5:民力消費指数と比較した場合の各営業所の売上構成比

最後に図6を見ておこう。このグラフの意味は、本社がある甲信越の営業努力と同等の活動を各営業所で行った場合、どれくらいの売上を上げることができるかを単純に計算したものである。計算方法は簡単で、甲信越の実際売上高構成比と民力消費指数の構成比(想定売上高として表示)が同じになるようにして、他の営業所の想定売上高を算出しただけである。これを見ると、東京・大阪・名古屋は現在の倍の売上高を上げてもおかしくないことになる。

図6:民力指数から判断した想定売上高

さて、皆さんの会社では、売上高の分析を予算-実績対比だけで終わらせていないだろうか。上記の事例のように、売上高というひとつのデータをさまざまな切り口で多面的に分析することで、各営業所の優れた点や課題が見えてくる。 ひと言で多面的といっても、判りにくいかもしれない。ヒントとしては、次のような切り口を参考にしていただけると良いだろう。

  • 実数
  • 構成比
  • 予算などの基準値との比較
  • 生産性(1人当たり、坪当たり、時間当たり)
  • 対前年伸び率
  • 寄与率(全社売上の増加に対する各商品の貢献度)
  • 予測(次月、次年度)
  • 比較
  • カテゴリー別(営業所別、地域別、主要顧客別、主要商品別)

筆者の場合、売上高の実数・予算達成度・1人当たり売上を確認した上で、あとは探索的に分析を進めることが多い。「この商品の売上が落ちている。なぜだろう?」といったように、頭の中で疑問を出しながら、その裏付けをとるように別の分析を行っている。皆さんもいろいろな切り口で分析を行い、ご自分の分析ライブラリーのストックを増やされると、BIツールの早期使いこなしにつながるだろう。

著者プロフィール

尾田 友志 氏

マネジメントテクノロジーズ,LLC

尾田 友志 氏

マネジメントテクノロジーズ,LLC代表

日系コンサルタント会社コンサルタント、青山監査法人(現:あらた監査法人)/プライスウォーターハウス シニアマネージャー、日本マンパワーバリューマネージャー養成講座 主任講師、中央青山監査法人/PricewaterhouseCoopers ディレクターを経て、現在、マネジメントテクノロジーズ,LLC代表、株式会社アイロムホールディングス 監査役

所属:日本オペレーションズリサーチ学会

専門分野:経営工学(統計・オペレーションズリサーチ)、財務・管理会計

主な経験分野
 ・中期経営計画策定
 ・新規事業計画とフィージビリティスタディ
 ・マーケティング/セールスマネジメント
 ・企業価値/株主価値
 ・業務改善(ビジネス・プロセス改善)
 ・企業のフランチャイズ化
 ・内部統制整備(財務報告目的、内部監査)
 ・社員教育(企画・ツール開発・講師)
 ・システム化計画策定(事業分析・要件設定)

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