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第02回 コンビニに学ぶ海外展開におけるシステム戦略とは

グローバルに挑む中堅中小企業のための道標

株式会社フロンティアワン
代表取締役 鍋野 敬一郎 氏

2012年02月21日更新

流通・サービス業もグローバル化を加速

イメージ グローバル展開を加速させているのは製造業だけではありません。アパレル業でファストファッションを展開するユニクロやコンビニエンスストアのセブンイレブン、ファミリーマートなど流通・小売業も製造業以上に積極的に海外出店を進めています。
コンビニ業界の海外店舗数は、老舗のセブンイレブンが3万店、ファミリーマートが1万800店、ミニストップが2,000店、ローソンが320店と大手4社で実に4万3,000店以上もあります。国内のコンビニ総店舗数は約5万店で、この大手4社の出店総数は約3万5,000店ですから、既にコンビニ業界は海外戦略が成長戦略の要となっていると言えます。海外出店先は発祥の米国(約7,000店)を除くと韓国、台湾、中国、タイといったアジアがその大半を占めています。コンビニ業界は国内市場が既に飽和状態にあると言われているため、国内市場から海外市場へ成長戦略の方向性を大きく転換しています。
特に力を入れているのが中国・アジア新興国です。一人あたりのGDPが3,000ドルを超えるとコンビニの需要は一気に高まると言われていることから、中国、インドネシア、インド、ベトナムなどがこれからの有望市場と言われています。好調な経済成長による所得の増加と消費の拡大が、コンビニの海外展開の追い風となっているのです。

情報システム側からのグローバル化に伴うシステム戦略を製造業とコンビニで比較してみると、その取組み姿勢に違いがあることがわかります。製造業がグローバル展開する場合、その狙いは生産拠点(工場)を国内から海外へ移設することによるコストダウンです。5年、10年先を見据えて工場立地を検討し、中長期的な事業戦略に基づいて工場を設置します。工場の生産管理システムもこれに沿って導入することになるのですが、そのシステムは可能な限り日本で利用しているものを現地に持って行くか、あるいは現地向けに独自仕様のものを構築します。いずれも導入に1年程度の時間が掛かります。これは、日本流のものづくりを再現する仕組みを踏襲するという狙いがあるからです。
しかし、コンビニ大手で海外展開に遅れていると言われるローソンは、スピード(fast)と柔軟性(flexible)を最優先に置いて巻き返しを図ろうとしています。

コンビニの海外展開に見る、システム活用の考え方

ご存知の通りコンビニは、限られた店舗面積に多くの商品を販売しています。一般的には1店舗で2,000~3000品目の商品を販売しているそうですが、販売する商品や構成は店舗がある場所やトレンドによって大きく変わります。場所や時間、季節といった顧客ニーズに対応して機会損失すること無く確実に商品を店舗へ供給する物流システムと、販売動向をきめ細かく把握するPOSシステムがコンビニを支えるビジネス基盤です。日本のコンビニの強みは、こうしたシステムに支えられています。
海外展開においても、国内と同様に物流と情報システムが必要不可欠ですが、高度なシステムを各国ごとに導入するのは投資費用の面からもランニングコストの面からも大きな負担となっていました。

コンビニを支えるシステムは大きく3つに分類することができます。
1つ目はサプライチェーンマネジメント(SCM)の仕組みで、商品を店舗へ送り込む物流管理と在庫を最適にコントロールするものです。立地条件や時間、気温や天候といった要因で刻々と変化する需要を逃さない機能が求められます。2つ目は、顧客情報管理(CRM)の仕組みで、これはPOSシステムなどと連携して顧客層ごとの販売動向や売れ行きなどトレンド分析をする情報系(BI)のシステムです。3つ目はコミュニケーションの仕組みで、社内や店舗間、取引先などとの文書管理や情報共有に利用されるものです。これまではグループウェアなどが組織内の仕組みとして導入されていましたが、最近はクラウドを使ったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を企業で利用するケースが増えています。
クラウドを利用するメリットは、初期費用を抑えることが出来ることと、即時に利用できることです。ローソンは、社内のグループウェアをセールスフォース・ドットコムが提供するクラウド型のプラットフォームサービス「Force.com」上に全面移行していますし、ファミリーマートではプライベートクラウドを使ってインターネット経由で海外拠点向け情報システムを日本国内のデータセンターから利用できる仕組みを構築しています。

スピード(fast)と柔軟性(flexible)に強みを発揮するクラウド

ローソンやファミリーマートといった企業がそのシステム基盤として積極的に採用しているのが、クラウドコンピューティングです。クラウドを利用することで、スピードと柔軟性を兼ね備えたシステムを利用することができます。
ローソンでは、セールスフォース・ドットコムの仕組みをグローバル対応に利用しています。ローソンのCIOは、2ヶ月間程度、従来システムの5分の1程度の費用で、ユーザーと開発者が直接画面を見てディスカッションしながらシステムを造りあげていく、即効性の高い仕組みがクラウドの魅力だと言っています。画面レイアウトや様々な機能がパーツとして用意されていて、多言語、他通貨にも対応し、他システムとの連携も可能です。セールスフォース・ドットコムやグーグル、ネットスイートといった企業がこうしたシステム基盤を提供し、国内のITベンダーがユーザー企業のニーズに合わせたシステム導入を支えているのです。

ローソンやファミリーマートといった企業がそのシステム基盤として積極的に採用しているのが、クラウドコンピューティングです。クラウドを利用することで、スピードと柔軟性を兼ね備えたシステムを利用することができます。 ローソンでは、セールスフォース・ドットコムの仕組みをグローバル対応に利用しています。ローソンのCIOは、2ヶ月間程度、従来システムの5分の1程度の費用で、ユーザーと開発者が直接画面を見てディスカッションしながらシステムを造りあげていく、即効性の高い仕組みがクラウドの魅力だと言っています。画面レイアウトや様々な機能がパーツとして用意されていて、多言語、他通貨にも対応し、他システムとの連携も可能です。セールスフォース・ドットコムやグーグル、ネットスイートといった企業がこうしたシステム基盤を提供し、国内のITベンダーがユーザー企業のニーズに合わせたシステム導入を支えているのです。

さて、次回は海外拠点を支える人材の選抜と育成について苦労した先達企業をご紹介します。海外拠点向けのシステム立上げを担う人材の選抜と現地拠点で保守サポートを担う現地IT要員の育成に苦闘した企業の事例を取り上げ、苦労の末に導き出したグローバルIT人材の体制づくりを取り上げたいと思います。

著者プロフィール

鍋野 敬一郎 氏

株式会社フロンティアワン

鍋野 敬一郎 氏

株式会社フロンティアワン 代表取締役

1989年:同志社大学工学部化学工学科(生化学研究室)卒業。

1989年:米国大手総合化学会社デュポン社の日本法人へ入社。農業用製品事業部に所属し、事業部門のマーケティング・広報を担当。

1998年:ERPベンダー最大手SAP社の日本法人SAPジャパンに転職し、マーケティング担当、広報担当、プリセールスコンサルタントを経験。アライアンス本部にて戦略担当マネージャーとしてSAP Business All-in-One(ERP導入テンプレート)立ち上げを行った。

2003年にSAPジャパンを退社し、コンサルタントとしてERPの 導入支援・提案活動に従事。

2005年に独立し株式会社フロンティアワン設立、現在はERP研究推進フォーラムでERP提案の研修講師、ITベンダーの事業企画や提案活動支援、ユーザー企業のシステム導入支援など、主に業務アプリケーションに関わるビジネスを行っている。ERPや業務アプリケーション、セールスフォース・ドットコムやMicrosoft Windows Azureなどのエンタープライズ・クラウドに関する活動に携わっている。

オンラインメディアなどにERP、クラウド、SOA、GRCなどに関連する記事を、数多く寄稿。

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