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Japan

いざというときに備えて知っておきたい・ストック・オプションの会計処理

丸の内とら 氏

2017年08月01日更新

イメージ 近年、ベンチャー企業などを中心に利用が活発化しているストック・オプション。
企業にとっても、また付与される側の役員・従業員にとってもさまざまなメリットがある制度ですが、具体的にどのような制度なのかを理解できていない人も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、ストック・オプションの概要、およびストック・オプション利用時の会計処理について分かりやすく解説します。

ストック・オプションとは

自社の株式を原資とするコール・オプションを「自社株式オプション」と呼び、いわゆる新株予約権はこれに該当します。ストック・オプションは自社株式オプションの一種で、企業が自社の従業員に対して報酬として付与するもののことを言います。

日本では、平成13年の商法改正において新株予約権制度が導入されたのをきっかけとして、ベンチャー企業などを中心に利用が活発化しています。

ストック・オプションのメリットを知っておこう

ストック・オプションを付与された従業員は、その権利を行使することで、あらかじめ定められた価格で株式を取得することができます。

たとえば、ある企業の従業員が自社の株式を1株1,000円で購入できる権利を付与された場合、実際の株価がいくらであっても、その従業員は1株1,000円で株式を購入することができます。権利を行使する時点で株価が5,000円になっていれば、5,000-1,000=4,000円の値上がり益を得ることができ、これが権利行使者である従業員のインセンティブとなるわけです。このような形のストック・オプションを株式報酬型ストック・オプションと呼びます。

企業側の視点で考えると、金銭の支出なく(費用を使わず)インセンティブを付与できるというメリットがあり、かつ、株価の値上がりがそのまま報酬額アップにつながるという性質上、従業員のモチベーション向上を期待することもできます。多額の報酬を手にするためには株価を値上がりさせる必要があり、株価を値上がりさせるためには自社の発展のために鋭意努力しようという気持ちを従業員に喚起することができるためです。

また、「ストック・オプションの権利行使は在籍時に限る」といった条件を付けておくことで、優秀な人材の流出を防ぐ手立てとすることも可能です。

ストック・オプションの会計処理をざっくり解説

株式報酬型ストック・オプションを発行した場合の会計処理のイメージを見ていきましょう。

  1. 費用計上時
    その時点の公正価値で新株予約権を計上します。株式の公正価値が1,000円の場合、たとえば次のような仕訳となります。
    借方:(株式報酬費用) 100,000 | 貸方:(新株予約権)100,000
  2. 権利行使時
    ストック・オプションを1円で付与していた場合、ストック・オプションの付与対象者が権利を行使した際の仕訳はたとえば次のようになります。
    借方: (新株予約権)100,000  | 貸方:(資本金) 100,001
        (現預金)        1円|
  3. 失効時
    ストック・オプションの権利が行使されないまま失効した場合、失効分を新株予約権から新株予約権戻し入れ益に振り替えます。この場合の仕訳はたとえば次のようになります。
    借方:(新株予約権) 100,000  | 貸方:(新株予約権戻入益) 100,000

来るべきときに備えておこう

以上、この記事ではストック・オプションの概要と利用のメリット、ストック・オプションの会計処理について説明しました。

具体的な会計処理については、企業が株式を公開しているか否かや、権利行使時の処理の仕方などによって異なります。ストック・オプションの会計処理については、「ストック・オプション等に関する会計基準」にその概要が示されていますので、将来的に勤務先においてストック・オプション制度を導入する可能性がある場合は、ぜひ目を通しておきましょう。

著者プロフィール

丸の内とら氏

丸の内とら 氏

フリーライター歴20年。IT関連を中心に執筆活動を展開し、20冊を超える著書を出版。
ソフトウェアハウス、独立系SIerを経て、現在はIT系サービス企業の経営戦略部に所属。
マーケティング、プロダクトマネジメント、開発などに幅広く関与しています。
システム開発は上流から下流までほぼ一通り経験しましたが、もっとも得意とするのは品質検証。
「三度の飯よりテストが好き!」で、独学でJSTQBを取得した変わりものでもあります。

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