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第23回 生産現場こそ必要な働き方改革、その解のひとつがIoT

ものづくり最新動向

沢葦夫 氏

2017年11月06日更新

イメージ 製造の現場では技術者や作業員の不足が叫ばれてきました。今後も人手不足が進むのは避けられそうもありません。こうした問題を解決するうえで重要なのは従業者一人ひとりの生産性を向上することですが、管理の徹底や無理な生産計画では意味がないばかりか離職などのリスクを招いてしまいます。そうならないためにも、まず機械やコンピュータで肩代わりできる仕事を洗い出し、省力化からはじめることが重要です。現場改善のICT化を考えてみましょう。

日本の製造業と現場の課題

製造業の対GDP比率は2015年で20.4%になります。日本経済の重要なパートですが、課題が多いのも事実です。

さらなる付加価値化

世界の製造工場は中国やインド、ベトナムなどアジアが中心となりました。製造コストの低下と製品のコモディティ化が進み、一方でアジア諸国も技術力を高めてきました。デジタル家電のような製品の増加で、メカニカル技術における日本の優位性が薄らいでいます。「匠の技」だけではもはや付加価値とはいえず、製品そのものからどのような利便や価値を生めるかが問われています。

国内回帰

国内から中国へ、さらに東南アジア諸国へ人件費の安さを求めて生産拠点の移転を繰り返してきました。一方で工場の移設コストや付加価値製品の開発と製造工程の一体化をはかる目的で、国内での製造が見直されています。喜ばしいことですが、日本人の人件費を考えると、海外と同じ製造方法というわけにはいきません。

労働力人口の減少

人口減少で労働人口のベースが地盤沈下しているうえに、都市部への人口流入や若者のモノづくりへの関心の低下なども合わさり、工場に若い力を呼ぶのが難しくなっています。これらの事実から考えれば、なるべく少ない工場スタッフで付加価値の高い仕事をしなければならず、製造や開発の現場における働き方改革の必要性はオフィス以上に高いといえるのです。

製造の現場に求められるソリューション

こうした問題を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。その具体的な解決策について考えてみましょう。

デジタル化などのペーパーレス化

図面や伝票類、部品会社とのやり取りなど、これまで紙を使っていた業務は、大きな改善の余地があるのではないでしょうか。モバイル機器の活用で、製造の現場からでも最新の情報にアクセスでき、ディスプレイ上で多くが処理できます。同じ敷地内でも距離がある工場のスタッフ間のコミュニケーションには、Webカメラを使ったテレビ会議システムが時間の節約に有効です。製造工程の周辺業務の徹底したデジタル化を、一度考えてみてはいかがでしょうか。

すべてを数値で把握する

稼働率や生産率だけではなく、原価管理としての原材料費と労働コストやエネルギー費、そして在庫品の割合など、総体でみた数値管理を強化する必要があります。販売やサービスとも数値情報の共有で問題点の把握や改善策を考えるようにしたいものです。数値化することで作業員の一人ひとりも原価意識に目覚めるものです。数値に表せないような工程や作業は、数値で把握できるような管理方法を考えてみるべきでしょう。

技術の伝承、より価値の高い仕事へ

特殊な製造技能があるならば、社内で共有できる環境がその強みを増幅できます。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)機能などで、長い実地経験の必要な仕事を若い社員に伝授する期間が短縮でき、ナレッジを共有することで、ベテラン社員だけに頼らない環境が作れます。製造工程をなるべく自動化できれば、技術者や作業員をより価値の高い仕事や学習の時間へ振り向けることができます。

現場改善を支える技術

蒸気機関の発明が第一次産業革命、コンピュータの登場が第三次産業革命とされ、現在は第四次産業革命(インダストリー4.0)を迎えているといわれています。この中心になる技術について見てみましょう。

IoT(モノのインターネット)

工場の機械や工程を自動化したり、デジタル技術による制御、数値管理したりする試みはすでに行われてきました。これからの工場はさらに一歩進み、センサーや画像認識装置を活用することで機械から大量の情報を収集し、生産工程全体の稼働の把握までを行い、本社のコンピュータの受注管理や販売データと関連づけてコントロールしたり分析したりすることになります。この中心になる技術がIoTです。

IoTは製造品の販売後の利用状況、故障などのトラブルも把握できるので、トラブル履歴も含めた利用データを分析することで次期製品の改善ポイントや購入率を高める訴求ポイントをつかむこともできます。その分析で重要な役割を担うのがビッグデータテクノロジーやAI(人工知能)です。

働き方改革の一手段

IoTなどの新しいITシステムは冒頭の製造業の課題である「付加価値化」「国内回帰」「労働力人口の減少」への解決策となり、同時に生産現場における働き方を改革するものになるわけです。そのうえで製品の開発から供給までの効率化と高い生産性の実現に役立つことになります。

IoTを駆使した製造環境をどう手に入れるか、そして効果的に運用できるかがポイントです。海外の製造業に遅れを取らないよう、IoTの利用イメージとしての製造工程のあり方、労働のあり方を検討してみるべき時期であるといえるでしょう。

著者プロフィール

沢葦夫 氏

沢 葦夫 氏

ICTアナリストの経験を活かし国内外のマーケットや技術動向について寄稿多数。近年は消費財や消費者向けサービスにも研究テーマを拡大、社会を対象とした記事執筆まで手掛けています。業界の経営企画部門や経営者向けの産業分析レポートのほか、アンケートの集計分析が得意分野です。

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