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第22回 スマートモビリティ社会の実現とICT技術の役割

ものづくり最新動向

沢葦夫 氏

2017年10月06日更新

イメージ 車がこれ以上馬力を高めても、一般道を走るうえでは無用の長物です。衝突安全性のためにボディーを強固にすればするほどコスト高になるでしょう。ブレーキの制動力を10倍にしても運転手が気づかなければ、衝突や人身事故は避けられません。しかし、事故前に自動的に制動や制御をしてくれる車があったらどうでしょう? 将来は自動運転になり人間のミスによる事故はゼロに近づくかもしれません。そんな未来社会を考えてみました。

スマートモビリティとは

スマートとは、スマートフォンでおなじみの「賢い」という意味です。行き先のルートを示すカーナビゲーションシステムはスマート化のわかりやすい例でしょう。モビリティは「移動できる能力」。従来の車のみならず、広く交通システムも含めてスマート化するのが「スマートモビリティ」です。

多くは情報化や車や人、社会とのコミュニケーションを指しますが、ドライバー不在でも運行できたり、ドライバーの運転ミスをカバーしたりする自動運転技術もスマートモビリティに含まれます。また、燃料電池や電気自動車などエネルギーや環境に対応した技術も該当します。

そして、これらの車が安全で効率的かつ快適に運行される社会そのものもスマートモビリティといえます。

わたしたちの生活とスマートモビリティ

ではスマートモビリティにより、私たちの生活はどう変わるのでしょうか

運転時の負担低減と快適性の向上

カーナビゲーションの渋滞情報で、時間を無駄にすることも少なくなりました。駐車場情報や道先のショップの情報、友人との合流地点などが地図上に示されることで、よりドライブが快適で確実なものになります。将来は「ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)」が交通管制システムと連携するなど、安全で効率的な運行環境が広い範囲に提供されるようになるでしょう。

交通事故の減少

機械は居眠りやわき見運転をしません。もちろん機械も故障しますが、監視することで事前に予知することができます。機械のほうが正確に動くことができるのは疑いの余地がないでしょう。近年問題視されているブレーキとアクセルの踏み間違いなども機械的に制御できます。画像認識で運転者の動きを観察し、ウェラブル端末が体調を測定していれば、過労や飲酒による事故を減らせるでしょう。自動運転の技術によりヒューマンエラー(人為的ミス)を極力減らすことができそうです。

路線バスの拡大、流通サービスの安定化

高齢になっても自動車の運転を避けられないのは、その地域に路線バスなどの公共交通が不足しているのが理由のひとつとして挙げられます。しかし、運転者が不要な無人運転の路線バスがあったらどうでしょう。小型のバスを街のすみずみに24時間走らせることもできるかもしれません。流通サービス業界ではドライバー不足を解消できるでしょう。

車利用のシェアリング化・オンデマンド化

近年、複数の人(もしくは家族)で車をシェアするカーシェアリングが普及してきました。さらに一歩進んで、いつでもどこでも利用したいときに乗ることができるオンデマンド化も検討できます。カーシェアリングで使われていない車両や、その近くを走っていたり使い終わって待機していたりする車の情報を管理することで実現できることになるでしょう。

スマートモビリティの代表的なICT技術/概念

車載センサー、IoT、ビッグデータ

IoT(モノのインターネット)は機械類をインターネット上で結びつけ、情報の収集と分析を目的としています。車の電子部品やパーツなどといった機械の動きやドライバーの状態を逐一把握できる各種センサーがとらえた情報をビッグデータの技術で解析することで、故障の兆候の把握から異常動作による事故の予測までを行い、さらにその警告や制御などができるようになります。

トレーサビリティとは

トレーサビリティとは、その名の通り「あとをなぞる」ことができるようにした仕組みのこと。多くのパーツからなる自動車は、そのひとつでも不具合が生じればドライバーや歩行者の安全に影響します。各パーツひとつひとつの製造工程や、組立工程における記録などをすべて情報化することで、小さなトラブルもその原因を究明でき、販売した車の該当部品を交換したり、次の開発に活かしたりして車の完成度を高めることができます。中古車では、事故歴や故障歴の改ざんなどができなくなります。

エンジンやブレーキなどの技術はすでに一定の水準に達しました。これからは車の情報化が個々の車の安全性や適切な運行を約束するだけでなく、広く地域内での最適な交通システムや、環境にやさしい運行を実現することになるわけです。

著者プロフィール

沢葦夫 氏

沢 葦夫 氏

ICTアナリストの経験を活かし国内外のマーケットや技術動向について寄稿多数。近年は消費財や消費者向けサービスにも研究テーマを拡大、社会を対象とした記事執筆まで手掛けています。業界の経営企画部門や経営者向けの産業分析レポートのほか、アンケートの集計分析が得意分野です。

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