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第05回 米国フォード社に学ぶコスト削減!リサイクルシステムをうまく活用したビジネス戦略事例

ものづくり最新動向

マケナ雅美 氏

2016年04月15日更新

イメージ企業にとって、効率の良いコスト削減を目指すのは、常に念頭にある課題ではないでしょうか。しかし、コストを削減するために品質や商品の魅力が落ちてしまっては意味がありません。今回は、商品としての価値を上げるために発生するコストを、独自のリサイクルシステムを作り上げることで抑えることに成功した、米国フォード社の人気No.1商品であるF-150と呼ばれるトラックの事例を紹介します。

トラックのボディをアルミニウム製にチェンジ

今回フォード社が行ったのは、一般消費者向け大型トラック「F-150」のボディを、従来のスチール製からアルミニウム製に変えるというものでした。その理由のひとつは、スチールより軽いアルミニウムを使用することでボディを軽量化し、トラック自体の燃費を良くするというものです。

ここで問題となったのが、「アルミニウムはスチールより原価が高い」という事実です。F-150を1台製作するにあたり、アルミニウムボディに変更することで発生する費用は750~1,000ドル程度と予測されており、1年間に発生する費用総額は6億ドルにのぼることになります。

企業としては「性能が向上したから、商品の値段も上がった」と、原材料費の上昇をそのまま商品の値段に比例させることも可能です。しかしここでフォード社は、独自のリサイクルシステムを作り上げることで、コスト削減に挑戦しました。

リサイクルプロセスによってリカバリーできるコストは?

今回のリサイクルプロセスに使われるのは、アルミニウム製のボディを持つF-150の製造段階で発生する「スクラップ」と呼ばれる破片です。このスクラップを集めて、アルミニウムのリサイクルを行っている工場に戻すと、車を1台製造するごとに約300ドルの買い戻し金が発生。ボディをアルミニウムに変更することで発生する750~1,000ドルの30%以上を、ここでカバーできるようになります。

アルミニウムはリサイクルに非常に適した素材であり、「F-150の制作中に排出されたスクラップは、大きいものから小さいものまですべてリサイクルする」と、フォード社の取締役副社長のマーク・フィールド氏は言います。1日にリサイクル工場に運ばれるスクラップは大型トレーラー50台分で、実に数千パウンド相当になるそうです。

アルミニウムのリサイクルは、その質を落とすことなく何度も繰り返して行うことが可能です。フォード社にとってこういった独自のリサイクルプロセスを作り上げることは、製造過程で発生する無駄を最小限に減らし、コスト削減に貢献する賢い戦略と言えるでしょう。

投資に価値があるのかをしっかり見極める

今回のリサイクルシステム導入にあたり、設備を整えるためにフォード社が投資した額は6,000万ドルとされています。かなり大型の投資ですが、スクラップをリサイクル工場に買い取ってもらうことで得る収益は、1年で8,000万ドル予想。元が取れるとしっかり判断した上での、賢い投資です。

また、アルミニウムのリサイクル再生率は非常に高いため、新たにアルミニウムを掘り出すより環境に優しいと考えられています。「排気ガス」という環境問題につながる自動車業界の企業として、「リサイクルシステムを作ることで、環境保護に貢献している」といったアピールができるのは、ブランドイメージを高めるのに非常に効果的な方法ではないでしょうか。

賢いコスト削減法を見つけましょう

企業として新しい商品を作成したり、既存の商品のモデルチェンジや性能向上を行ったりする場合、追加コストが発生することもあるでしょう。「そのコストをどうやって算出するか」や、「本当にその投資を行うべきか」といった判断を正確に行えるかどうかは、その後の企業の明暗を分けかねません。今回のフォード社の事例のように、賢いコスト削減法を見つけ、企業の成長に貢献していきたいものです。

著者プロフィール

マケナ雅美氏

マケナ雅美 氏

Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、現テキサス在住。大卒後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国の会社のアジア部門にて、翻訳・通訳業務、日本やヨーロッパの顧客へのマーケティング業務を主に新しい分野で働く楽しみを覚える。経済のみでなく、テクノロジー、スポーツ、料理、アンティークなど幅広い興味を持つ。

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