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Japan

第01回 オムニチャネル時代の実店舗 ”ミラクル” 運営とは?

オムニチャネル時代の実店舗 ”ミラクル” 運営とは?

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

2018年9月19日更新

実店舗って、最近どうですか?

続けてきた習慣、考え方を変えるのは難しいことです。ましてや、様々な投資(お金?人財?時間?)を計算すれば尚更のこと。でも、このままで良いの?近い将来、例えば2年後、自分達の商売はどうなっているのか? 「その時はもう担当じゃない」とか言わないでください。“現在の課題に対応しながら、次を創る”のが、この欄をわざわざ読むあなたのミッションでしょうし、それをサポートするのがシステムの仕事、その間を取り持つのがこのコラム、もしくは筆者の役割と考えています。

お客様の買い方が変わる中で、実店舗って今後どうします?が暫くのテーマです。かつて、筆者がアパレルメーカーで卸事業の営業職にあった時、顧客への情報発信基地は実店舗のみであり、モノの売り買いという取引を超えて、商品を提供する店舗販売スタッフ、地域で商品を着こなすお客様、その相互の交流をいかに活性化させるか?腐心していました。通信手段も限定されていましたが、どうにかして“常時接触状態”を作ろうと、電話、手紙、店頭世間話、イベントなどを計画的、時にゲリラ的に組んで日々実践でした。

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その後、ECが勃興して商売は大きく変わりました。特に2000年代中盤、リーマンショック前後に誕生したファッションブランドでは、そもそもの販売基盤にECが最初から有って、そのシェアも比較的高いです。これら新勢力では、「ECが実店舗の売上を食う」みたいな議論は全く無くて、それぞれの役割を持ちながら、どう顧客最適を築くか? 先ほどの話で言えば、顧客への情報発信基地は実店舗、ECの2つが存在して、これらがどう連動して“繋がり”を絶やさないようにするか?という話です。でも、これは従来の考え方とは、ずいぶん異なると考えます。

実店舗では何が優位なの?

これまで、実店舗とEC、商品やサービスを発信する側からするとそれぞれをチャネルとして捉えていました。たぶんこれが一般的だったと思います。ですが、先ほど紹介した新勢力の動き、EC利便性の向上から、昨今の流れは、お客様が実店舗、ECどちらで選んでも買っても、その都合が良いほうを好きに使っていただくのを前提に、ブランド運営全体を見直してゆくところが増えていると感じます。ECが伸びているので自然に“実店舗はショールーム化が進む”それは確かでしょう。それによってEC比率が上がり、合計の客数が増えるなら、ブランドとお客様の繋がりが密になるわけで短期的にはOKでしょう。でも中期的なブランド競争優位を視野に入れるなら、もう少し踏み込む必要があります。

実店舗は何を優位にさせるか?ということです。実店舗しかできないこと?物理的にはいろいろ議論されています。まずはこんなことを考えてください。
(下記はひとつの例です。皆さんの実情に合わせて、各項目など埋めてみてください)

実店舗の優位性を再考する

これを考える時は、まずは、自分のブランドサービスの基準(目標)を明確にすべきです。一般的は話ではなくて、ブランド毎に目的、目標も異なるはずです。上記の例では、“短時間でお買い物を済ませたい方でも、新しい発見と他ブランドとの違いを感じてほしい”とあります。これに沿って、実店舗固有の顧客体験をどう作るのが優位に繋がるか?を議論すべきです。そして、項目を整理してみるのです。例えば、会社帰りにシャツを見たいなぁ?というお客様には、それを意識した棚が有り、その種類や色、サイズが見やすくて、また一見して“ここならではの、ストライプスキッパーシャツがある!!!”と感じることができるとか。もちろん店舗VMDの工夫がそれを支えるはずです。ファッションを扱う場合は、時期ごとに主力の品種が異なる場合も多いと思います。代表的な品種を選んで、お客様視点で“実店舗で良いこと”を挙げていく。これはもちろん店舗メンバーも一緒に考えるべきです。そのほうが、よりリアルな視点、フレーズで纏めることができるでしょう。別にECと対抗するわけではないので、あくまでも自然に考えての“共有すること”、“役割の違い”を考えてよいでしょう。

さて、ここまで来たら、何か新しいアクションが起こせるでしょうか? 次の営業会議で参加者へ対して議題を出せるでしょうか? ちょっと自信不足とか、もう少しアイディアあればなぁという方、これでいかがでしょうか?

お客様はどこでブランドを知るか?

当たり前じゃない、と言われるかもしれませんが、再度、この視点から実店舗を見直し、お客様と何を重点に、現在に合った“常時接続状態”を創るか? お客様はその実践を待っているでしょうし、自社ECやMALL系ECをどう位置づけるか?の議論にも繋がると考えます。

“ミラクル運営”とは

最後に、タイトルを“ミラクル”運営としている理由を少しお話しましょうか。ブランドは未来に向かった顧客と進むべきです。過去の栄光がどうのこうのを思い出すだけでは何も進みません。その意味で「未来が来る」⇒「ミラクル」として、そのストーリーを考えたいと思ったからです。次回以降では、どんなブランドショップに多くの人が集まっているのか?そのMDは?運営は?という側面を追ってみたいと思います。もちろんシステム視点も入れて。
それでは今後とも宜しくお願いいたします。

著者プロフィール

黒川 智生 氏

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

1988年國學院大學文学部史学科卒。(株)ワールド入社。
コルディア部営業、ファッションコンビニエンスストア「ITS‘DEMO」開発、(株)ダブルジェイ事業推進部長を担当。

2006年3月、MINTCAFEとして、東アジア圏のファッション小売における知識創造への貢献をテーマに独立。
以後、日本国内外のファッション系小売各企業様を対象に活動中。
2008年5月、VMIパートナーズ合同会社設立。
https://vmipartners.netOpen a new window

現在、
・一般財団法人 ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール講師
(PFクラス 事業計画+物流基礎、ロジスティクス研究会運営)
https://www.ifi.or.jp/school/Open a new window
・ちよだプラットフォームスクウェア運営協議会委員
http://www.yamori.jp/Open a new window
所属;日本マーケティング学会

専門領域;弊社はファッション領域の「BRANDING」「MERCHANDISING」「LOGISTICS」を進化させる事業戦略構築を専門領域としております。

主な経験分野;

  • インナーブランド SPA業態構築支援(MD計画、販売動向検証、販売組織強化)
  • キャリアブランド 店舗在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 全社在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 店舗+EC在庫一元化プロジェクト推進
  • インナーブランド 百貨店売場開発 コンセプト+VMD基本プラン運用
  • (中国)SPA業態 導入研修+店舗MD&運営力強化プロジェクト推進
  • (中国)日系ブランド集積によるセレクトショップ BUYING&MD推進

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