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生産管理システムの更新/刷新では「流行に惑わされないこと」が大切

~業績の良い他社の秘密はここにあった~ 調査データから学ぶ:一歩先行くIT活用の勘所

株式会社ノークリサーチ
シニアアナリスト 岩上 由高氏

2015年03月25日更新

予測やシミュレーションを伴う原価管理が求められてきている

生産管理システムが製造業の根幹をなす業務システムであることは言うまでもありません。そのため、生産管理システムにおいては競合他社に後れをとることなく、自社の製造/生産プロセスを常に改善していく取り組みが不可欠となります。では、中堅・中小の製造業が取り組む生産管理システム改善にはどのようなものがあるのでしょうか?以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業に対し、生産管理システムに今後望む機能や特徴を尋ねた結果です。「導入費用や運用費用を安価に抑えたい」といった費用面の項目は除外し、製造/生産プロセスに直結するニーズのうちで回答件数の多かった項目に絞ってプロットしてあります。

以下のグラフを見てみると、「原価管理」に関連する項目が多く挙げられていることが確認できます。昨今、大手製造業の業績は軒並み堅調な結果となっていますが、これは販売量が伸びたというよりは円安による為替差益の影響が少なくありません。一方、輸入が必要な資材/材料やエネルギーについては円安により価格が上昇しています。為替差益を中堅・中小企業に還元しようとする大手製造業は少なく、中堅・中小の製造業を取り巻く環境は依然として厳しい状況といえます。そのため、少しでも生産性を高めるために原価管理の徹底と精緻化が求められているのです。特に「今後、さらに円安が進んだらどうなるか?」を事前に把握しておくことが重要です。実際、グラフ中でも「予測やシミュレーションを用いた原価管理が行える」が最も多く挙げられていることが確認できます。

グラフ1:生産管理システムが持つべき機能や特徴

時節のトレンドで注目される機能には要注意

ですが、中堅・中小の製造業を取り巻く環境は時間の流れと共に常に変化していきます。それに応じて、生産管理システムに対するニーズも実は変わってきているのです。以下のグラフは冒頭に挙げたグラフに記載した各項目に対するニーズが時間の経過によってどのように変化してきたか?を表したものです。2008年後半のリーマンショックによる影響が残っていた「2009~2010年」、東日本大震災が発生し、その後の影響も見られた「2011~2012年」、直近の「2013~2014年」の3つの期間に分けて各項目のニーズの高さをグラフ化しています。

例えば、「個別生産と繰返生産の双方に対応できる」といったニーズは「2009~2010年」から「2011~2012年」にかけて大きく伸びています。リーマンショックや東日本大震災の影響により、中堅・中小の製造業では大手製造業からの受注減に見舞われるケースも多々ありました。それを補うため、繰返生産に加えて個別生産にも業務を拡大するなどの取り組みが進んだのです。2013年にはこうした取り組みも一巡し、グラフが示すように現時点でのニーズはそれほど高くありません。

このように、生産管理システムに対するニーズはその時々の経済環境や社会環境が大きく影響します。「原材料や部品のトレーサビリティを確保できる」といったニーズの場合には偽装問題や欠陥問題がニュースなどで報じられることで注目が高まったりします。ですが、グラフが示すように中長期に渡って高いニーズを示すわけではありません。生産管理システムを販売するIT企業から「この機能は重要ですよ」と提案された時には、それが一時的なトレンド(流行)によるものかどうか?を冷静に判断することが大切といえます。

グラフ2:生産管理システムに対するニーズの遷移

中長期の視点で見た時に自社に求められる取り組みは何か?を見極める

ここでもう一度、冒頭で触れた「予測やシミュレーションを用いた原価管理が行える」という項目について見てみましょう。先に挙げたグラフを見ると、同項目のニーズは「2009~2010年」「2011~2012年」「2013~2014年」と時間の経過と共に徐々に高まり、直近の「2013~2014年」では他の項目と比べてもニーズが非常に高いことがわかります。つまり、予測やシミュレーションを伴った原価管理は様々な環境変化を中長期的に乗り切るために重要な取り組みといえるわけです。

中堅・中小の製造業にとって、生産管理システムの更新/刷新は大きな投資です。そのため、「どの機能を優先するのか?」の判断においては中長期な視点が欠かせません。その機能が一時的なトレンド(流行)によるものなのか?それとも厳しい環境下で生き残るために必要なものなのか?そうした判断の成否が企業の存続を大きく左右するといっても過言ではないでしょう。もし判断が難しい場合には、生産管理システムを販売するIT企業に対し、「なぜ、その機能が重要なのか?」「その機能が必要とされる背景は何か?」「その機能は最近になってニーズが高まったのか?」「今後のニーズの見通しはどうなっているか?」といった点を尋ねてみると良いでしょう。

このように生産管理システムの活用においては一時的な「流行」に惑わされず、少し長い視点で見た場合に取り組むべきことは何か?を見極めることが非常に重要なのです。

著者プロフィール

岩上 由高(いわかみ ゆたか) 氏

岩上 由高(いわかみ ゆたか) 氏

早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業数社にてIT製品およびビジネスの企画 / 開発 / マネジメントに携わる。ノークリサーチではシステム構築/運用やIT活用提案の経験を活かしたリサーチ/コンサル/講演/執筆活動などに従事。

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