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Japan

第01回 現実的ですぐ実施できる在庫削減

工場丸ごと効率化

フューチャーナレッジコンサルティング株式会社 代表取締役社長
福岡 博重 氏

2015年01月19日更新

皆さまは、利益確保のためにコスト削減をしていますか?!本コラムは、利益を守るための工場丸ごと効率化をテーマに4回シリーズで解説いたします。第1回は在庫削減の秘策をご紹介します。

ERP導入で手に入れたものは

1980年代の後半から1990年代の初めに登場したERP(Enterprise Resource Planning)を導入して何がよくなったのか。ソフトウエアを導入する前にはERPベンダーから販売、生産、購買、会計等業務アプリケーションが一つの統合されたデータベースにより管理されるので二重入力はなくなり、ほぼリアルタイムに業務間の整合性はとれますと売り込まれたはずです。 さらにリードタイムが短縮できるはずであるとか、在庫も減りますとERPがあたかも魔法の呪文のように過度の期待をもち導入されたと思います。

受注が入ればまずは製品の実在庫から引当て、その次は製品の入庫予定から引当て、その段階でも引当てが完了していなければ次の生産計画に組込みを指示してくれる様になっているため無駄な在庫を持たなくてもよいロジックで成りたっていますとも言われたはずです。 
製品の部品構成表では見込生産であるとか、個別受注生産等の設定はLT(Lead Time リードタイム)を考慮して在庫ポイントが決まるため効率的に物の管理ができるようになっているはずでもあったはずです。

在庫が増える要因

バラ色の在庫管理=削減を期待してERPを導入したが実態はどうだったでしょうか。在庫は減るどころか増えている会社が多いのが実態です。在庫増える要因は図1のようになります。

  • 多くのERP導入で部品構成表を作成する過程でLTを設定しますが本来であれば実績の平均LTを出発点として設定すればよいのですが安全を取り長く設定しすぎる。結果在庫を増やしている
  • どこの製造業もサプライチェーンが複数工場、サプライヤ、海外工場へと複雑化してゆきブルウイップ効果により在庫が一挙に増えてしまう現象が多発している
  • 原価を見かけ上、下げるために大量仕入れを行いがちである


図1:在庫金額押し上げる要因

在庫を減らす努力は

それに対して企業の資材購買部門は当然以下のような在庫を下げる活動を行っています。


図2:在庫金額押し下げる要因

実際に在庫を下げる設定はどうすればよいのか

多くのお客様へのコンサルテーションを通じて共通した改善ポイントは以下の項目です。

  • 部材の点数が多すぎてほとんどの品目に目が届かない
  • 品目をMPS(Master Production Schedule 基準日程生産計画)品目、MRP(Manufacturing Resource Planning 資材所要量計画)品目あるいは安全在庫設定品目のどれに分類したらよいかわからない
  • 数量をまとめて買えば単価は下がるが在庫は増える。実際の購買まとめ数量(MOQ: Minimum Order Quantity最低発注数量)を幾つにするのが最適かわからない
  • 購入の間隔あるいはタイミングがどこかわからない
  • ERPではどの品目が在庫を持ちすぎか熟練者しか見当がつかない

残念ながら標準のERPでは上記の問題に対して全く回答は提示してくれません。いくつか共通する手段(ヒント)としては

  • 部材の出庫をベースとして品目のABC分析を半年または年に1回実施する。A品目(一般的には全体の品目数の15%~20%)に関してはMPS品目あるいはMRP品目あるいは作番品目とする。C品目(品材の品目数の75%~80%)に対しては安全在庫設定品目とする。さらにできればカンバンまたは2-ビン方式で現場、現物運用し管理工数をへらす。(図3)  


図3:購入品目の分類分け

  • 品目ごとに入庫、出庫のトランザクション、在庫の変化同じグラフに表示できるようにする。どのERPからもこのデータはCSVで取り出すことができるのでそれを利用してグラフ化する。
    そうすることによりこの品目の基準在庫が高すぎるのか?MOQが大きすぎるのか?発注タイミングがおかしいのか等が一目で見える。さらにどのような対策をとればよいのかの見当がつく。ちなみに図4のような状態の品目であればMOQを小さくできないかとアドバイスしたところ購買担当者が業者に確認し簡単に金額変更なしに小ロット化ができた。


図4:現状在庫トランザクションと改善後

  • ERPにアドオンまたはカスタマイズで在庫の保持月数を表示する機能を追加し発注へ役立てる。図5の場合この品目はERPでは安全在庫は設定してあるが、上限を設定していないため保持月数の上限を設け在庫が増えすぎないようにすると、なんと90%も在庫を削減できることがわかった。


図5:在庫に上限(保持月数)を設ける

  • 基準在庫設定を1品目ごとに設定する分析の時間はなかなかないため一つの目安として月平均出庫数量の何倍かをとりあえず基準在庫設定値として設定する。例えば1.5~2.0倍ぐらいを初期設定して運用開始し、それでも欠品するようであれば数値を大きく撮り直し何事もなければ設定値を小さくするように運用することで欠品を防ぎ在庫を減らすことができる。

在庫シミューレータ

今回紹介した方法でもある程度は在庫を減らすことはできます。

  • 数万点ある製品、仕掛、部材在庫をそんな細かく分析する時間がない
  • MOQの値のインパクトがわからない
  • バラツキを考慮して基準在庫、MOQを設定しないと欠品起こしてしますか過大在庫になってしまわないか
  • 事前にどの程度合計金額が減るのか増えるのか知りたい

等の心配ごとがあります。

弊社ではこれらの問題を一挙に解決し最適な設定を数万点の品目にわたり設定値を教えてくれ、さらにシミュレーションを実行し欠品おこさず在庫金額合計でどこまで減らせるかを算出するどのERPにも対応できる外付けソフトウエアを開発しました。それにより欠品を起こさす平均20%~30%の金額を削減できることがわかりました。ご興味にある方はお問い合わせください。

著者プロフィール

福岡 博重 氏

フューチャーナレッジコンサルティング株式会社

福岡 博重 氏

フューチャーナレッジコンサルティング株式会社 代表取締役社長

千葉大学工学部(機械)、Case Western Reserve大学院修士(OR,土木)卒。
バーンアジアパシフィック:アジアパシフィック副社長、他多くのビジネスの立上げや海外進出コンサルティング、ERP業務コンサルティング、ビジネス展開における新規立ち上げ支援、セミナー講師としての職務経歴を持つ。特に日本市場におけるERP導入の立役者と言われ多くの企業コンサルタントとして幅広く活躍中。

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