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Japan

第27回 製造業の環境改善 効率よく品質向上をするための重要ポイント

日本の製造業革新トピックス

富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

2017年10月27日更新

製造業の基本、P(量的生産性)、Q(品質)、C(原価)、D(納期)、S(安全・衛生)、E(環境)とされています。前回までは、環境会計やISO9000など、CSR(企業の社会的責任)に基づいた企業の環境改善へのアプローチについて紹介しました。今回は、社団法人 中小企業診断協会長野県支部が実施した「中小製造業の現場改善の重要ポイントに関する調査研究」をもとに、社内環境を改善して品質向上するためのヒントを探っていきましょう。

製造業の現場改善ポイントの基本「5S」についておさらい

製造業の現場改善ポイントとしてよく知られるのが「5S」です。言うまでもないことかもしれませんが、念のためおさらいしておきましょう。
以下の5項目の頭文字をとって「5S」と呼びます。

  • 整理・・・捨てる
  • 整頓・・・戻せる
  • 清掃・・・きれいにする
  • 清潔・・・維持する
  • 躾 ・・・守る

5Sの目的は、作業環境を整えることで、製品、社内、従業員の質を向上させることです。
作業導線が確保され、作業ライン全体が見通せることによる在庫の削減、段取時間の短縮、機械の汚れ防止・故障の防止、コスト削減、納期厳守、安全の確保といった直接的な効果のほかに、社員の責任感の向上、組織推進力の向上といった間接的な効果が見込めます。
よくある導入パターンとして、5Sを推進するため、マニュアル作りをしたり現場の監督を行ったりと活動の維持・継続を指導する5S委員会を設立するというものがあります。

伝統的な品質改善活動「QCサークル」、時代とともにあり方も変化

品質改善に向けた企業の活動には、前回までにお伝えしたISO9000や環境会計に代表される品質マネジメントシステムを構築し展開を図っていくトップダウン的な手法と、日本の品質改善活動の中心的な存在として続けられてきたQCサークル活動があります。QCサークル活動は従業員主体の活動になりますので、ボトムアップ型となります。
QCサークルは高度経済成長の頃に盛んに活動されていました。しかし、バブルが崩壊した1990年以降は、製造業でISOの導入が進んだことなどから、活動は下火になりつつあります。また、トヨタの社員が2002年にQC活動中に死亡した件で、当初会社側は「QC活動中の死亡なので労災にあたらない」としており、監督署も同様の判断をしていましたが、法廷の場に解決が持ち込まれ、2007年に名古屋地裁で「QC活動は業務」との判決が下り、労災が認定されるという事例も、QC活動の在り方を変えるきっかけになりました。トヨタも、この一件以降はQC活動に残業代を支払っています。
また、QCサークル活動が成果発表と一体となるケースが増え、スタンドプレー的な活動が多くなったことも、要因のひとつと考えられます。

「見える化」で作業現場を可視化、当事者意識高めて問題解決

最近、現場の環境改善として人気を集めているキーワードが「見える化」です。見える化は作業現場を可視化することで問題の発生の発生に気付きやすくし、解決に導きます。また、従業員すべてに情報を共有することで、当事者意識も高めます。
見える化の基本は上で挙げた5Sですが、そこからさらに一歩進めて、「可視化」を意識します。例えば、モノの置き場や通路を明確にするための「白線表示」、どこに何があるのかを表示する「看板(表示板)」などを立て、作業員だれもが判断基準を共有できるようにします。こうすることで、異常発生時に気付きやすくなります。
さらに、異常が発生したらどうすべきかというルールを策定し、マニュアルを共有します。異常が発生した場合どのようにすべきか、個人が判断して即座に対応できるようになり、「指示待ち」で時間のロスをすることがなくなります。
異常が発生したら、隠ぺいするのではなくなぜ発生したのかを分析し、今後の対応策を共有することも大切です。現場の改善教育を通じて、各自のムダや異常を察知できる能力を養うことが目的です。

現場のIT化はまず、生産管理システム、大手の電子調達対応、事務作業のOA化から

製造効率を高め、品質管理を確実にしていくために、IT化は避けては通れません。昨今の製造業では「ビッグデータ」や「IoT」といったワードがさかんに取り沙汰されていますが、小規模の生産現場ではまず、事務作業のOA化や生産管理システムのパッケージ・ソフト導入、大手企業からの電子商取引(EDI)や調達システムに対応できるような環境から、まずは整えていきましょう。これだけでも、かなり生産効率が改善され、品質も向上するはずです。

製品の品質と製造現場の在り方、従業員のモチベーションには密接な関係

これまで紹介した要素は、基本中の基本にすぎません。企業の環境改善には、上記のほかに、例えば会計的な要素や、生産管理的な要素など、多くの側面が考えられます。
ただし、製品の品質と製造現場の在り方、またそこで働く人々のモチベーションには、まちがいなく密接な関係があります。品質向上に向けて、社内の環境改善にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

富士通マーケティング

株式会社富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

20年以上のサポート経験から培ったスキル・ノウハウを基に、富士通マーケティングの先進の製造業サポート推進チームが、日本の製造業の動向や現状の課題を紹介していきます。
基本のQCDや環境、安全など、毎週、旬なトピックスを展開します。

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