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Japan

第25回 身近にウェアラブル端末センサーを、ビッグデータ活用で変わる人と製造業の可能性

日本の製造業革新トピックス

富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

2017年09月15日更新

ビッグデータの活用やウエアブル端末、さらにインダストリー4.0やIoT(Internet of Things、モノのインターネット)によって生まれる技術革新などは、製造業において高い関心を集めています。IT調査会社のIDC Japanによると、2015年のIoT関連への年間投資額は6.2兆円。2014年から2020年の年平均成長率(CAGR)は16.9%で、2020年には13.8兆円に伸長する見通しです。また、分野別では1位は組立製造業、2位はプロセス製造業になっています。

製造業で働く人の7割以上がインダストリー4.0およびIoTによる技術革新に関心をもっている

日本能率協会コンサルティングが昨年11月に発表した、製造業向けの「インダストリー4.0およびIoTによる技術革新に対する製造業の関心についてアンケート調査」は、電気機器、機会、化学、輸送用機器、食料品、医薬品、鉄鋼など、製造業でも幅広い業界の133社から回答を集めました。同調査によると、インダストリー4.0やIoTへの関心については「大変関心がある」が44%、「関心がある」が35%となっており、合計すると7割以上が関心をもっていることがわかります。日本能率協会コンサルティングIT経営推進室室長 松本賢治氏は、この結果を「意外だった」とコメントしており、予想以上に日本の製造業での新技術活用への関心が表れた結果となりました。この関心と企業規模や回答者の役職別でソートした場合、企業規模1兆円以上の55%が「関心がある」と回答する一方で、100億円未満は22%にとどまっています。また、執行役員以上の関心は53%と、企業規模が大きいほど、また、高い役職になればなるほど関心が高いことがわかります。

4割近い企業がインダストリー4.0やIoTについてなんらかの取り組みを進めている

また、インダストリー4.0やIoTで先行しているドイツや米国企業の動向について「将来的な脅威と認識している」とした回答は61%で、「脅威に感じている」も18%でした。一方で、「インダストリー4.0やIoTについて、社内で取り組みを始めているか」という問いに対しては、「本格的な取り組みとなっている」が9%、「取り組み始めている」が29%となり、合計で4割近い企業がインダストリー4.0やIoTについて、なんらかの取り組みを進めています。
インダストリー4.0やIoTで先行しているのはドイツや米国企業と言われますが、実を言うと、生産現場の自動化・効率化でトップを走るのは、日本だという見方もあります。人件費の上昇や少子高齢化で国内での労働力確保に課題を抱えてきたわが国では、「インダストリー4.0」構想が登場するずっと前から、官民挙げて製造業の自動化を進めて生産効率を上げてきているからです。ただし、大企業になればなるほど取り組んでいる比率が高く、売上高が100億円未満の企業は89%がまだ取り組んでいないと回答しています。インダストリー4.0やIoTを自社で推進する際の課題として挙がっているのが、「経営効果を明らかにできない」(39%)という点です。IoTを進めるための生産設備のネットワーク化やウエアブル端末の導入には多額の設備投資がかかることから、ステークホルダーの容認を得て、推進することは難しいということでしょう。続いて「協業含め、体制を構築できていない」(30%)、「何に取り組んで良いのか分からない」(20%)が続いています。

回答者の97%がインダストリー4.0やIoTで事業チャンスを期待

「インダストリー4.0やIoTで狙う直接的な効果はどこにあるか」という目的に関し、「生産効率化(コスト)」で53%で最多でした。次いで「売上拡大」(22%)、「開発・生産期間の短縮」(17%)、「品質向上」(9%)の順になっています。また、「インダストリー4.0やIoTによりビジネスチャンスの創造・拡大はあるか」という質問に対しては「大いにある」が19%、「ある」が51%、「若干ある」が27%となり、回答者の97%が何かしらのチャンスにつながるととらえていることがわかります。

ビッグデータの活用で、製造業をサービス業へ

この調査結果でも表れているように、ビッグデータの活用やウエアブル端末を活用した「インダストリー4.0構想」によるスマート・ファクトリーへの取り組みに対して、脅威となると言う意見もありますが、製造業にとって大きな可能性を秘めており、期待を背負っていることは間違いありません。これまでの取り組みとして、生産機械のネットワーク化やビッグデータ解析の導入で、生産ラインから得られるデータの種類や量を増やし、それらを解析することで歩留まりを向上するというものがあります。ビッグデータが活用されるのは、生産ラインだけにとどまりません。ダイキン工業のエアネットIIというサービスでは、ビル用エアコンに取り付けた専用装置によって稼働情報を収集し、クラウド上で分析しています。故障が起こる確率を事前に予測することで、メンテナンスの効率化を実現しました。ユーザーの使っている製品からデータを取得し、顧客の行動や特性に応じたサービスができるようになれば、製造業は製品の製造だけでなく、サービス業に転換させていくことも可能になるのです。

著者プロフィール

富士通マーケティング

株式会社富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

20年以上のサポート経験から培ったスキル・ノウハウを基に、富士通マーケティングの先進の製造業サポート推進チームが、日本の製造業の動向や現状の課題を紹介していきます。
基本のQCDや環境、安全など、毎週、旬なトピックスを展開します。

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