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Japan

第17回 製造業で開発効率を高める品質・環境マネジメント

日本の製造業革新トピックス

富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

2017年05月12日更新

現代の企業は、生産活動・販売活動を実施し、良質な製品を生み出して経営ミッションを達成すると同時に、社会を構成する一員として、環境マネジメントにも考慮していかなくてはいけません。

環境保全のために投じたコストと効果を数値化して会計的に評価する環境会計

製造業で品質・環境マネジメントの効率を高めるヒントとなる、環境会計の考え方について紹介します。
環境会計の定義として、環境省は「企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組み」と定めています。(同省サイトより)
具体的には、環境保全のために投じたコストと効果を数値化して会計的に評価する手法をいいます。CSR(企業の社会的責任)活動への意識向上とともに、上場企業を中心として「環境報告書」などを作成し、環境に配慮した企業活動を行う動きが広がりました。
環境会計の機能は、内部機能と外部機能に分かれます。まず、内部機能とは企業の環境保全コストの管理や、環境保全対策の費用対効果を明らかにし、経営判断によって適切な環境保全活動への取り組みを促す機能です。
外部機能とは、企業の環境保全への取組みを公開することによって、消費者や取引先、投資家、地域住民、行政といった外部のステークホルダーの意思決定に影響を与える機能です。
外部機能は、ステークホルダーに対する説明責任を果たすと同時に、環境に配慮した事業活動の実施に対する評価にもつながります。

富士通の環境会計:費用・経済効果とも右肩上がり

富士通グループでは、1998年から環境会計を導入し、環境保全活動のコストと効果を数値的に把握することで、環境保全活動の効率を評価し、課題の明確化や共有化を推進しています。
2014年度は、環境保全活動費用が515億円(前年度比+13%)、経済効果が862億円(同+10%)と、費用・経済効果ともに増加となりました。また、設備投資は11億円(同-61%)となりました。費用・経済効果ともに毎年右肩上がりですが、費用に対して効果の上昇幅が大きく、効率が高まっていると推測できます。
具体的な事業として例えば、事業エリア内の大気汚染防止、水質汚濁防止など「公害防止コスト・効果」は、設備投資が3.2億円、費用が47.7億円となりました。対して、経済効果は67.6億円と算出しています。環境保全に寄与する製品・ソリューションの研究開発など「研究開発コスト・効果」は、コストが2,000万円、設備投資が379.1億円に対し、経済効果が655.1億円となっています。このように、環境保全に貢献する製品・ソリューションの研究開発を推進した結果、研究開発費用と経済効果の大きな伸びにつながったと分析されています。
また、富士通ではISO14001に基づき、グループ一体となって環境マネジメントシステムの継続的改善に努めています。

地球にやさしい製品の開発で顧客や社会にメリット

一方、某電子部品・光学機器メーカーでは、2014年に環境保全コストとして216億円を投入しました。そのうち、地球温暖化防止や資源の効率的利用といった改善費用に93.5億円が投じられ、その経済効果は114.3億円となりました。
同社の環境マネジメントでとくに注目したいのが、製品のエネルギー消費削減による電力料金の削減効果です。これは、2014年に販売した電子写真方式の複合機とレーザープリンター(プロダクションプリンターは除く)のエネルギー消費削減量に対し、12円/kWhをかけて算出したデータで、顧客側の経済効果となります。
2014年のデータでは532.6億円にも上っており、環境にやさしい製品を開発することで、顧客や社会に大きく貢献していることがわかります。

品質マネジメントシステム導入のメリット

日本工業標準調査会によると、品質マネジメントシステムとは「品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステム」で、QMS(Quality Management System)とも呼ばれます。
企業がQMSを文書化し、実施・維持するための基準としてISO9001があります。
ISO9001は、製造業だけでなくサービス業などあらゆる業種が対象となります。ISO審査のパイオニアである日本品質保証機構によると、ISO9001を取得するメリットには以下のようなものがあります。

  • 社会的信頼や顧客満足の向上
  • 業務効率の改善や組織体制の強化
  • 継続的な改善による企業価値の向上
  • 海外企業を含む取引要件の達成
  • 企業競争力の強化
  • 法令順守(コンプライアンス)の推進
  • 仕事の見える化による業務継承の円滑化
  • KPI(キーパフォーマンス指標)の管理
  • リスクマネジメント

品質マネジメントの認証取得というと、社内組織の立ち上げやワークフローの作成、社員教育などさまざまな手間やコストがかかり、事業規模の小さい企業ほど導入にハードルを感じるかもしれません。
しかし、品質マネジメントの実施こそが、開発効率の向上や組織の強化につながることがわかるはずです。

著者プロフィール

富士通マーケティング

株式会社富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

20年以上のサポート経験から培ったスキル・ノウハウを基に、富士通マーケティングの先進の製造業サポート推進チームが、日本の製造業の動向や現状の課題を紹介していきます。
基本のQCDや環境、安全など、毎週、旬なトピックスを展開します。

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