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第11回 IoT時代の工場構造・インダストリー4.0の「ダイナミックセル生産方式」のメリット

日本の製造業革新トピックス

富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

2017年02月03日更新

欧州のものづくり大国ドイツが提唱する「インダストリー4.0」構想は、まさに第四次産業革命になり得る可能性を秘めています。
今回は、インダストリー4.0構想の中心的存在である「ダイナミックセル生産」方式がこれまでの生産方式とどのように異なり、どういったメリットがあるのかを見ていきましょう。

大量生産・大量消費時代の代名詞:ライン生産

先に、従来の製造業で多く採用されてきた生産方式について見ていきましょう。
まず大量生産の代名詞ともいえるのが、ライン生産方式です。製品の組立て工程、作業員の配置を一連化(ライン化)させ、ベルトコンベアなどにより流れてくる機械に部品の取り付けや加工を行います。ライン生産方式では、作業員一人一人の仕事は多くとも数点の部品の組み付けだけで、職人的な個人の技量は求められません。まったくの素人であってもしばらくOJTをすればすぐに作業に取り掛かることが可能です。
ライン生産方式を確立させたのは、米自動車メーカーのフォードだといわれています。フォードは1914年にフォード・モデルTの新生産工場でベルトコンベアを初導入し、流れ作業の効率化を図りました。
ライン生産が強みを持つのは、製品の需要量が予測可能で、大量生産に見合うだけのコストメリットがある場合です。また、同じラインで異なる製品を生産する場合、ラインを組み直さなければならないので、ある一定の期間にわたって同じ製品を製造する必要があります。
高度経済成長期からバブル時代の日本のような大量生産・大量消費の時代にはこうした生産方式が大きな成果を挙げましたが、消費者の好みが細分化し、多品種小ロットでの生産が求められるようになると、ライン方式での生産には限界が生じます。

仕様変更や多品種生産への柔軟対応が強み:セル生産

ライン方式とともに多く取り入れられてきたのが、セル生産方式です。流れ作業ではなく、1人から数人の作業員が1つの製品を組み立てます。部品や工具をU字型などに配置したセルと呼ばれるラインで生産することから、セル方式と呼ばれます。
ライン生産方式では、もっとも時間のかかる工程がボトルネックになり、作業員の待ち時間が発生してしまいます。また、分業が複雑になればなるほど、仕掛り在庫が増えて、製品のリードタイムが長くなります。
セル生産方式では、それぞれのセルが独立したラインとみなすことができるため、多品種少量ずつの生産が可能です。また、需要に応じてセルの増減が可能であり、既存設備の手直しも容易です。
また、1つのセル内で組み立てを完結させるため、ライン作業に比べて作業員の責任感もアップし、モチベーションが上がるとされています。
一方、セル生産方式だと、各作業員の担当範囲が広くなるため、作業員の熟練度が商品の質に直結します。教育期間も長くなるので、作業員が頻繁に入れ替わるような環境には向いていません。
1990年代以降、携帯電話やAV機器などモデルチェンジが頻繁で、組み立て作業が大きな比重を占める製品を中心にセル生産方式の導入が進んでおり、最近では自動車の生産などでも取り入れられるようになっています。

ダイナミックセル生産方式は、従来の生産方式のいいとこどり

インダストリー4.0のダイナミックセル生産方式は、従来の生産方式のいいとこどりをして発展させた形態といえます。
ラインを数工程に分類し、それぞれの工程を担当するロボットが、クラウド上にある様々な情報にリアルタイムでアクセスし、その情報に応じて生産していきます。生産ラインの変更がたやすい点は、従来のセル方式から継承した考え方で、製品ごとにデザインなどが異なる場合であっても、大量生産と同様のスピードで生産できるということが強みです。
2015年4月上旬、ドイツのハノーバーで開かれた世界最大級の産業見本市「ハノーバー・メッセ」でシーメンスが展示したダイナミックセル生産方式による香水の製造ラインは、大きな話題を集めました。
ダイナミックセル生産方式の例としては以下のようなものがあります。ラインに車体が流れ、ロボットが加工するという点では従来のライン生産と同じですが、この生産ラインではなんと、車体とロボットが「会話」をして組み立てを行うのです。車体には組み立ての手順や必要な部品を記載したICタグが組み込まれており、車体がロボットに近づくと「ドアが5枚必要です」というように指示を出します。ロボットはその指示に従って作業を進めるのです。

自律的に考え、判断し、生産する究極のスマート工場

インダストリー4.0で究極的に目指すのは、人工知能(AI)IoT(Internet of Things、モノのインターネット)、M2M(Machine to Machine、機械同士の融合)、ビッグデータ等の新技術を活用し、少ないマンパワーで効率的に操業できる「スマート工場」を作り上げることです。
人間の介在なしに、コンピュータが自動的にデータを収集・交換し、判断を下し、行動、生産を行います。人間の決定に従い、決められた製品を機械が自動的に生産していくだけでなく、どんなものを生産するのかまでもコンピュータが自律的に判断していくのが、スマート工場なのです。

著者プロフィール

富士通マーケティング

株式会社富士通マーケティング 製造業サポート推進チーム

20年以上のサポート経験から培ったスキル・ノウハウを基に、富士通マーケティングの先進の製造業サポート推進チームが、日本の製造業の動向や現状の課題を紹介していきます。
基本のQCDや環境、安全など、毎週、旬なトピックスを展開します。

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