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第07回 終身雇用制度は本当に崩壊する?メリットとリスクを考える

企業力アップのためのお役立ち

丸の内とら 氏

2016年07月01日更新

イメージ 「終身雇用制度の崩壊」について語られることが増えてきましたが、実際のところ、終身雇用制度は「崩壊しつつある」のでしょうか? この記事では終身雇用制度の概要をおさらいした上で、現時点における終身雇用制度の状況について考えてみたいと思います。

そもそも終身雇用制度とは?

はじめに、「終身雇用制度」について簡単におさらいしておきましょう。終身雇用制度とは、企業が従業員を生涯にわたって雇用する制度を指して使われる言葉です。ただし、「制度」という語がついてはいるものの、法律などで明確にルールとして定義されたものではなく、個々の企業が自社の努力目標のような形で取り入れているのが実情です。

日本で終身雇用制度の導入がはじまったのは、1950年頃だと言われています。
当時は景気がよく、右肩上がりの成長を続けていたため、企業は優秀な人材を長く自社に確保しておきたいと考え、よい従業員を獲得するために、ひとつのメリットとして「終身雇用」を打ち出しました。
「うちに入ってくれれば、定年まできちんと雇用させていただきます」と伝えることで、求職者に「安心感」というメリットを提示したわけです。

終身雇用制度のメリットとデメリット

労働者側から見た終身雇用制度の最大のメリットは、前述のように「安定性」にあると言えるでしょう。終身雇用制度がきちんと機能していれば、定年までは安定した収入を得られるという「保証」を得たようなものだからです。

逆に雇用主から見たメリットは、長期的な視点で人材を育成できるということに尽きます。
企業とは結局「人」であり、自社の社風に合った優秀な人材を獲得・育成し続けることは企業の成長に欠かせない活動だと言えます。

また、雇用主側のデメリットとしては、賃金(人件費)の調整が難しくなるということが挙げられるでしょう。
人員を正社員として雇用した場合、仮に業績が悪化したとしても、簡単に解雇できません。また、通常は従業員が高齢になっていくにつれて賃金コストも上昇していきます。

さらに、従業員にとってはメリットでもある「生涯雇用してもらえる」という安心感が仇となり、従業員の質が低下していくというリスクが発生する場合もあります。「多少のことでクビを切られることはない」という一種の甘えから、従業員が成長努力を怠るようになってしまうのです。

終身雇用制度は本当に「崩壊しつつある」のか?

さて、終身雇用制度には賛否両論ありますが、2016年現在、終身雇用制度は機能しているのでしょうか? 結論から言ってしまうと、「崩壊しつつある」というより、多くの企業ですでに「崩壊している」というのが実情のようです。

例えば、就業規則で定年を60歳とうたっているにもかかわらず、業績悪化を受けて雇用を継続できなくなり、早期退職や希望退職を募るケースは年々増加の一途をたどっています。終身雇用制度とは、そもそも「業績が右肩上がりに成長する」ことを前提に考えられたものであり、想定通りに企業が成長していかなければ、現実問題として終身雇用制度を維持し続けることは困難なのです。現在の日本市場は縮小傾向にあり、戦後の経済成長期と同じような成長を見込める企業は決して多いと言えません。

ただし、日本の転職率は欧米に比べると低く、ひとつの企業に長期にわたって勤務し続ける人が多いため、終身雇用制度が完全に崩壊したと言い切れない面があるのも事実です。

激動の時代に企業はどう立ち向かうべきか

このように、現時点では「完全に崩壊した」とも「崩壊してはいない」とも言い切れない曖昧な状況にある終身雇用制度ですが、時代の流れから考えて、崩壊の方向へと舵を切りつつあるのは間違いのないでしょう。
今後、日本のグローバル化が進み、欧米のような雇用制度が日本へ流入してくれば、こうした動きにさらに拍車がかかる可能性もあります。

その一方で、最近の若者は終身雇用を望む傾向が高まりつつあると言います。つまり、日常的にリストラを行うような企業は彼らの目に魅力的に映らず、終身雇用を掲げられない企業は能力ある人材を確保しづらくなるという暗黙のペナルティを課される可能性もあるのです。

このような現状を踏まえ、今後日本企業は、よい人材を獲得しつつ経営効率を維持・向上させていくため、継続的に努力していかなくてはなりません。
こうした取り組みの一例として、「終身雇用を前提とするが、給与はあまり増えない雇用プラン」と「リストラの可能性もあるが高い報酬を狙えるプラン」のように、二本立てで雇用制度を組み立てる方法も模索されています。

いずれにしても、旧来の終身雇用一本槍ではなく、戦略的に自社に合わせた雇用制度を組み立てていく必要に迫られるようになってゆくでしょう。

著者プロフィール

丸の内とら氏

丸の内とら 氏

フリーライター歴20年。IT関連を中心に執筆活動を展開し、20冊を超える著書を出版。
ソフトウェアハウス、独立系SIerを経て、現在はIT系サービス企業の経営戦略部に所属。
マーケティング、プロダクトマネジメント、開発などに幅広く関与しています。
システム開発は上流から下流までほぼ一通り経験しましたが、もっとも得意とするのは品質検証。
「三度の飯よりテストが好き!」で、独学でJSTQBを取得した変わりものでもあります。

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