GTM-MML4VXJ
Skip to main content

富士通マーケティング

English

Japan

  1. ホーム >
  2. ICTのmikata >
  3. コラム >
  4. 第02回 マイナンバー制度、民間企業への影響とメリット

第02回 マイナンバー制度、民間企業への影響とメリット

マイナンバー制度における民間企業の対応に向けた検討ポイントと取組み

都市情報システム研究所長、総務省「電子政府推進員」
茶谷 達雄氏

2015年03月09日更新

マイナンバーはどの分野に利用されるのでしょうか

今後どのような分野に、このマイナンバーが利用されるかを見てみましょう。
番号法では、施行後3年を目途に施行状況を勘案し、個人番号の利用等について国民の理解を得つつ、再検討することとなっています。そのため場合によると、民間の事業分野にも利用の拡大が想定されるのです。
しかし、当面はマイナンバーの利用分野は、社会保障、税、災害対策の3分野に限定され、具体的な事務も法律で決められています。
その主なものは次のとおりです。

  1. 社会保障分野
    • 年金分野では、各種年金の資格取得・確認、給付を受ける際に利用
    • 労働分野では、雇用保険等の資格取得・確認、給付を受ける際に利用。ハローワーク等の事務に利用
    • 福祉・医療・その他の分野では、医療保険等の保険料徴収等の医療保険における手続、福祉分野の給付、生活保護の実施等低所得者対策の事務等に利用
  2. 税分野
    • 税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書等に記載。当局の内部事務等に利用
  3. 災害対策分野
    • 被災者生活再建支援金の支給に関する事務等に利用
    • 被災者台帳の作成に関する事務に利用

その他、地方公共団体で上記に類する事務で、条例により定めた事務に利用されることとなっています。例えば、公営住宅の管理や教育委員会での利用が話題になっています。
以上のとおり、国民の日常生活に密着したものであり、国民一人ひとりがマイナンバーについての理解が求められるところです。

個人番号利用事務実施者と個人番号関係事務実施者の区分け

行政機関や民間企業でのマイナンバーについて、係わり方の違いから、個人番号利用事務実施者と個人番号関係事務実施者と区分して見ることがあります。
個人番号利用事務実施者とは、主に行政機関、地方公共団体、独立行政法人等が相当し、さきにあげた個人番号の利用分野での業務を担当する行政機関等や、その事務の委託を受けた企業をいっています。
また、個人番号関係事務実施者とは、主に民間企業が相当し、従業員のマイナンバーをつけて源泉徴収票や他の法定調書、健保等の資格届等を所管する税務署、市区町村、年金事務所、健康保険組合、ハローワーク等に、提出を担当する企業等やその事務処理の委託を受けた企業を指しています。
結局、マイナンバー制度は、この個人番号利用事務実施者と個人番号関係事務実施者が相互に上手に連携が取られることにより、実現されることとなります。

マイナンバーにより民間企業の事務はどう変わるでしょうか

個人番号関係事務実施者となる民間企業での事務手続は、どのようになるでしょうか。
第1の変化は、税分野の事務です。取扱い件数もまた一番多いものです。まずは、平成29年(2017年)初めに税務署に提出される給与所得の源泉徴収票に、従業員のマイナンバーの記入をする必要があります。また、企業が支払われた報酬・料金・契約金・賞金、不動産の使用料等の支払調書にも、支払われた個人のマイナンバーの記載が求められることになります。
第2の変化は、健康保険、雇用保険、年金等の資格取得届をはじめ諸届についても、マイナンバーの記載が必要になることです。 このために予め従業員等からマイナンバーを収集し、必要なときに利用できるよう保管し、安全に管理しておくことが必要です。
また、情報システムの改修や新機能の付加をすることも、必要になると思われます。併せて、データベースやコンピュータからの出力帳票の様式も、マイナンバーの付加により変更しなければなりません。
これらのことから変化の対象を概括的にいえば、マイナンバーの収集、保管、情報システムの改修、出力帳票の変更等が求められることになるといえます。

情報システムの改修等と求められる特定個人情報ファイルの安全管理

マイナンバー制度では、新たに特定個人情報と特定個人情報ファイルという概念を導入しています。
特定個人情報とは、個人番号と個人情報を結び併せて、一つの情報取り扱い単位として用いています。例えば、従来の税の情報項目に個人番号が付加されますと、それが特定個人情報となります。
また、特定個人情報を情報システムファイルに記録した場合、そのファイルを特定個人情報ファイルということにしています。この場合、媒体が同一でなくても、何らかの紐つけで機能的に一つのファイルとして利用されていれば、それらは特定個人情報ファイルとなることに注意する必要があります。
このような特定個人情報ファイルの安全管理は、特に強く求められています。作成をはじめ利用、保管、提供が制限され、特定個人情報の漏えい、滅失等の防止のための安全管理措置が求められているところです。
このようにマイナンバー制度の導入は、情報システムにも大きな影響を受けるのは避けられないところです。

必要な推進体制の整備と従業員への普及啓発

マイナンバー制度が民間企業に円滑に導入されるには、必要な推進体制の整備と、あわせて従業員の方々の理解と協力が不可欠です。
必要な推進体制には、まず、トップマネージメントのマイナンバーに対する理解が大切です。全社をあげて取り組んで行く必要があります。単に、事務的な一部の変更と受け止めるのではなく、必要な人材の手当、事務配分、予算の確保、実現のための工程表等についての理解がなくては進めません。
次に関係する部門が多角的にわたるので、プロジェクトマネージメントによる推進が求められます。その分担する組織の明確化、準備手順、担当者の指名が必要となります。その上で個人番号の収集・保管のあり方、社内規程の策定、関係部門や必要資源の管理、企業内の普及啓発、情報システムの検討等が期待されます。
特に重要なのは従業員の方々へのマイナンバーについての普及啓発です。マイナンバーとは何か、マイナンバーの収集の必要性と利用目的とは、その限定された利用範囲は、特定個人情報とは、マイナンバーと守秘義務とは、罰則とは等について理解が求められるところです。

マイナンバーの導入による民間企業のメリット

民間企業等でのメリットは、今後導入業務が広がることにより、明らかになってくると思われます。現時点では、届出の負担軽減があげられます。検討中の仕組みとして次ぎの例があります。
現在は、源泉徴収票等の法定調書を民間企業から税務署に提出されるのに、それぞれの住所の税務署に郵送されています。これについて地方税ポータルを設置し、民間企業からそこへネットワークをとおして送付しますと、地方税ポータル側で自動的にネットワークにより、各税務署等に配布されるようにしようというものです。これが実現すれば、民間企業の事務負担の軽減は、大きなものがあると思われます。
また、マイナンバー制度の導入を機会に、行政機関等の届の添付書類の削減による負担の軽減、企業の情報セキュリティ対策の向上、事務フローの再構築や分担の適正化、従業員採用時の本人確認の適正化なと、用い方次第でメリットは大きなものが想定されるところです。

著者プロフィール

茶谷 達雄(ちゃや たつお) 氏

都市情報システム研究所長 

茶谷 達雄(ちゃや たつお) 氏

総務省「電子政府推進員」

1949年より東京都職員として勤務。水道局電子計算課長、総務局電子計算課長等を経て、1985年総務局情報システム参事を最後に退職、同年都市情報システム研究所を設立。その後、東京経営短期大学経営情報学科教授、福島大学行政社会学部非常勤講師、日本社会情報学会副会長、東京都町田市情報公開・個人情報保護審議会会長、東京都荒川区情報セキュリティ監査人、等を歴任。
 現在、都市情報システム研究所長、情報システムコンサルタント(日本情報システムユーザー協会認定)、総務省「電子政府推進員」、東京都港区個人情報保護運営審議会会長、東京都杉並区情報公開・個人情報保護審議会 等。

関連情報

お問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-835-554 お客様総合センター

受付時間 9時から17時30分まで
(土日、祝日及び当社指定の休業日を除く)
[注] お問い合わせ内容の正確な把握、およびお客様サービス向上のため、お客様との会話を記録・録音させて頂く場合がありますので、予めご了承ください。