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第05回 親会社視点で活用できるグループガバナンス機能

製品レビュー 「GLOVIA smart きらら 会計」を使ってみた

仰星マネジメントコンサルティング株式会社
プリンシパル 公認会計士 金子 彰良 氏

2015年07月29日更新

はじめに

これまでクラウド会計システムの利用を検討したいユーザー企業の参考になるよう、筆者の主観でユーザーから見た「GLOVIA smart きらら 会計」の使用感や活用できそうなシーンを解説してきた。そこにおいて想定している企業群は、成長途上にある中堅企業のうち、比較的規模の小さい企業群である。こうした企業群は、上場企業傘下の子会社であることも多い。そこで、最終回の第5回では、親会社から見た子会社の会計システムについて、クラウド会計システムを利用する意義を考えてみたい。  ここ数年でクラウド型のERP(会計システム)の利用が急速に伸びているのには、いくつか理由がある。
まず、利用するユーザー企業からみた場合、従来のスタンドアローンのインストール型パッケージと比較して、例えば、メンテナンスやバージョンアップはベンダーによって一括管理され、常に最新のバージョンを利用することができる「ソフトウェアの保守が不要」というメリットがある。
次に、システムの利用に応じて月額または年額単位で課金されるので「初期費用を抑えて導入することができる」というメリットもある。さらに、ベンダー管理の下、データセンター内のサーバーにデータを保持しているため、「災害時の業務継続・復旧がしやすい」というメリットもあげられる。そして、上記に加えて得られる次の二つのメリットは「親会社視点」でみたときにも、クラウド会計システムならではの導入メリットと考えることができる。

  • データを共有しやすい
  • 高度なスキルを持ったIT要員の確保が不要

「データを共有しやすい」とは、会計システムに登録した情報は、インターネットに接続できる環境があれば、離れた場所からでもリアルタイムにその情報にアクセスすることができるということである。
「高度なスキルを持ったIT要員の確保が不要」とは、前述の「ソフトウェアの保守が不要」に付随するが、自社内に会計システムの運用管理を行う専門的なリソースが不要になるということである。
親会社にとって、グループ経理のガバナンス強化は大きな目標であるが、その手段の一つとして、会計システムの運用についてこれら二つのメリットを活かすことが考えられる。 
それでは、上記を念頭に、「GLOVIA smart きらら 会計」の製品機能に触れながら親会社からみた「GLOVIA smart きらら 会計」の活用についてみていきたい。

「GLOVIA smart きらら 会計」を使ってみた : 『親会社視点で活用できる各種機能』

付箋機能はクラウド環境で強みを発揮する

メリットは、時と場所を選ばずに、子会社経理のサポートを実現できること

親会社では、毎決算期の連結決算のために、子会社から連結処理に必要な様々な情報、いわゆる連結パッケージを入手する。連結パッケージとは、連結決算のために必要となる財務情報等を収集するために、親会社が書式や記載内容について所定のフォーマットを作成し、決算月末ごろに子会社等に配布して、決算の締め切りまでに入手する書類一式のことをいう。その連結パッケージの内容をもとに連結決算を処理するが、子会社の財務諸表数値やグループ会社間取引等の情報について親会社の連結決算担当者から子会社の担当者へ問い合わせをすることも少なくない。連結会計システム上の収集ツールなどを使用することによって、子会社から情報収集するためのリードタイムは短縮されても、その情報に含まれる精度は解決されない。そのため最近では、日常的な子会社の経理業務を親会社がモニタリングする取組みに関心が高まっている。そして、このような親会社にとって、クラウド会計システムが持つ「データを共有しやすい」というメリットは強い味方になる。それは従来であれば、主に決算期ごとにしか子会社の財務諸表数値を確認することが出来なかったのに対して、クラウド環境であれば、いつでもどこでも同じデータを確認することができ、タイムラグは発生しないからである。例えば、クラウドサービスの利用が広がる前は、子会社の経理サポートをするためには、親会社から現地の子会社に人を送り込まないと手厚いサポートをすることが難しかった。それが、子会社へ出向かなくても財務諸表や日々の会計仕訳データを見ることができ、子会社担当者へ修正の指示や確認をすることができる。クラウドを通じて子会社担当者からの質問にも対応することができるため、お互いにとって、訪問する時間を節約することができる。
このように、「データを共有しやすい」というのは、時と場所を選ばずに、日常的に子会社経理のサポートを実現できることを意味する。

親子会社間で、「GLOVIA smart きらら 会計」の「付箋機能」と「お知らせ通知」を活用する

このような「データを共有しやすい」クラウド会計システムの強みをより活かすのが、「GLOVIA smart きらら 会計」の「付箋機能」である。付箋機能とは、振替伝票やバッチ伝票登録時にメモ情報を貼り付けることができる機能である。付箋は伝票ごと、または仕訳明細ごとに登録することができる。

振替伝票画面-付箋

振替伝票画面-付箋

拡大イメージ

付箋に貼り付けることができるメモ情報は多彩で、7種類から色を選び、タイトルとメモ内容のほか、数値や金額も登録することができる。付箋機能の色分けなど、どのような使い方をするかはユーザーに委ねられているが、確認すべき伝票や意識しておくべき情報に付箋を貼り付けておくことで、後で付箋照会によりすばやく内容を確認することができる。
そして、「データを共有しやすい」という観点で利用したいのが、付箋の「お知らせ通知」機能である。これは、ログインした利用者にお知らせ情報がある場合、ログイン時にポップアップを表示して、お知らせ件数を通知する機能である。付箋を貼り付けるときに、伝票内容を確認してもらいたい担当者を「お知らせ対象者」に設定しておく。

付箋登録画面

付箋登録画面

拡大イメージ

子会社の担当者が会計処理について親会社の担当者へ問合せする、または、反対に、親会社の担当者が日常的な伝票モニタリングの中で子会社の担当者へ内容を照会するなど、付箋機能とお知らせ機能によって、相手方がログインするたびにポップアップメッセージが表示されるので、確認を促し、決算時の作業漏れを防止する効果がある(一度表示されたお知らせ情報は、付箋をはがす、または付箋の設定画面でお知らせ通知を「ログイン時に通知しない」にすることで解除される)。

お知らせメッセージ
お知らせメッセージ

顧問税理士・会計事務所との共有も容易である

この付箋機能とお知らせ通知機能を使ったデータ共有のしくみは、親会社による日常的な子会社サポートでの活用のほか、顧問の税理士・会計事務所との間でも有効なサポートツールとなる。子会社の経理担当者は、経理専任とは限らず、毎年のように追加・変更がある税制や会計基準への対応には不安を持っている。そのようなとき、わからないことがあれば、「GLOVIA smart きらら 会計」上で付箋をつけおき、メッセージを残したり、お知らせ通知を設定したりできる。
顧問税理士・会計事務所の担当者にとっても、事務所で「GLOVIA smart きらら 会計」にログインしたときにメッセージを受け取ることができるので、訪問前に準備をすることや、訪問タイミングを待たずに迅速なサポートが可能となる。電話によるやりとりも、双方で同じ画面を見ながらアドバイスを受けることも可能だ。親会社担当者による、または、顧問税理士・会計事務所によるこうしたサポートは、遠隔地で子会社の経理業務に従事する担当者にとって心強い味方となる。

連結決算で活躍する「複数組織パターン」「内訳管理」機能

連結基礎情報の管理の観点で、「データを共有しやすい」特徴をより一層活かす

子会社では、親会社が連結決算をするために、毎四半期ごとに連結パッケージを作成するが、その元になる情報のいくつかは会計システムでも管理されている。しかし、日常の会計処理においては、連結パッケージの作成まで意識をしていないと、連結パッケージを作成するタイミングでデータの収集に手間取り、例えば、会計システム内の元帳からデータを拾ったり、集計し直したりする必要がある。また、親会社と子会社の間で会計システムの情報を共有することができる場合、親会社担当者が直接子会社の会計システムを照会することで、子会社への問い合わせを減らすことが可能であるが、ここでも日常の会計処理において、連結パッケージの作成まで意識をしていないと、必要なデータの照会が煩雑になる。ここでは、連結基礎情報の管理の観点で、「データを共有しやすい」特徴をより一層活かすために、「GLOVIA smart きらら 会計」の「複数組織パターン」や「内訳管理」の機能を見てみる。

複数組織パターンを使ってセグメント情報用に組織体系をもつ

連結決算上開示されるセグメント情報では、子会社は特定のセグメントに包含されることも多いため、セグメント情報用のデータ作成が必要になるケースは少ないかもしれないが、例えば子会社が営む事業の一部が、開示上のセグメント情報において別途把握しなければいけないこともある。この場合、その子会社の組織の中で当該事業を遂行するいくつかの部門を集計して損益を把握・集計する必要があるが、必ずしも組織体系が事業を集計するために設けられているとは限らない。地域別や製品グループ別など、子会社における内部管理は別の組織体系になっている場合もあるからである。そのような場合、会計システム内の組織ツリーで事業別のセグメント情報を取ることができない。このような時に利用できるのが、本連載の第3回で紹介した「複数組織パターン」の機能である。そこでは、子会社の管理会計のしくみとして異なるビューを提供する機能を紹介したが、連結決算のセグメント情報用に組織体系を持つのである。これによって、セグメント情報作成のために別途部門の積み上げ計算をする必要はなく、会計システムから情報を抽出することができる。

内訳管理の基本的な機能を使ってグループ間取引を把握する

連結決算上、グループ内で行った内部取引で、実質的に売上等が発生していない取引については相殺消去することが必要である。これは、グループ間取引を連結決算上のみ「なかったことにする」ことを意味するが、相殺消去するためにはその金額が明確になっている必要がある。親子会社間はもちろん、子会社同士の取引においても、相手先別明細で消去対象となる金額が把握できるようになっていなければならない。このような時に利用することができるのが、「GLOVIA smart きらら 会計」の「内訳管理」機能である。

ここでは、まず「GLOVIA smart きらら 会計」の「内訳管理」機能について補足しておく。「GLOVIA smart きらら 会計」では、勘定科目を詳細に管理するときに、勘定科目単位に補助科目を設定する方法の他、「内訳」という情報を管理することができる。仕訳明細の各行単位に内訳を付すことができるが、振替伝票登録時に使用する内訳はあらかじめ勘定科目マスタで、勘定科目単位あるいは補助科目単位で設定しておく。その際、紐付けることができる内訳には、「部門」「自社銀行」「取引先」の三つの他、ユーザーが任意に定義できる項目として最大99個の内訳項目から選ぶことが可能だ。前者の「部門」「自社銀行」「取引先」の三つは、それぞれ専用のマスタ管理画面があり、後者の任意に設定する内訳は、細分化する「内訳項目」と個々の内訳の値を表す「内訳名称」を設定する登録画面が用意されている。ちなみに、内訳の使い方は主に二つある。
一つは、複数の勘定科目に共通の分析軸のように使用する方法である。極端な例であるが、社員を内訳に設定すれば、社員別の費用管理をすることもできる。補助科目が上位の勘定科目内でしか使用できないことに対して、内訳を利用すると勘定科目をまたがって使用することができる。
もう一つは、補助科目の細目を管理するために使用する方法である。勘定科目と補助科目に加えて、もう一段階詳細に管理したい場合に、補助科目の下位の集計項目として内訳を設定することで実績分析がしやすくなる。例えば、通信費の勘定科目の下に通信手段(固定電話、携帯電話など)ごとに補助科目を設定し、固定電話は事業所ごと、携帯電話は個人ごとに内訳を付して使用することができる。

話を連結決算上のグループ間取引の話に戻す。連結上のグループ間取引を管理するための「内訳管理」機能の使い方であるが、デフォルトで用意されている「取引先」にグループ会社を登録して利用する。通常の外部取引先とはコード範囲を別に分けると管理もしやすい。その上で、個々の振替伝票計上時に内訳でグループ会社を設定しておけば、決算時にグループ会社単位に取引を抽出したり、集計したりすることが容易になる。「内訳管理」機能を使用したグループ間取引の管理には、いくつかバリエーションがあり、デフォルトで用意されている「取引先」を使わずに、ユーザー定義の内訳項目を作り、グループ会社だけを登録するマスタを用意しても良い。グループ会社間の決済について、FBデータの作成を自動化しない運用の場合などはフィットする。この場合、内訳名称にはグループ会社だけ登録されているので、伝票登録時の選択も一覧から探しやすい。さらに、グループ間取引の仕訳を計上する勘定科目については補助科目として分けておき、その補助科目を内訳管理する設定としておけば、データの抽出もスムーズになる。このあたりの設定はグループ会社の数やグループ間取引のボリュームによって検討すれば良い。

勘定補助残高照会

勘定補助残高照会

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高度なスキルを持ったIT要員の確保が不要

従来の取組みの問題点

どんなに小さい会社であっても、会計システムを経理担当者のPCにインストールして使用する以上、当該システムの管理責任が発生する。市販パッケージソフトウェアであっても、設定変更などのメンテナンスや法制度改正などに対応するためのバージョンアップは子会社側で実施しなければならない。グループの経理ガバナンスを強化する目的で実施された取組みの一つに、グループ共通の会計システムの導入があげられる。もちろん、単に同じシステムを導入するだけでガバナンスが強化されるということはない。より、具体的には、勘定科目マスタやセグメント管理の方法などをグループで統一したり、導入したERPパッケージが想定する業務プロセスに標準化したりするといった取組みにおいて、共通の会計システムがそれを強力に後押ししたということである。この共通の会計システムを導入することによって、親会社が子会社の会計システムの運用・保守を担うことができ、子会社にシステム管理者を配置する必要がなくなるというメリットがあった。しかし、もともと規模が小さい子会社に、例えば、親会社と同じ大規模ERPシステムの会計モジュールを導入するというのは、上記のような期待ができる反面、ネットワークを構築するための投資や、決して安価とはいえないパッケージのライセンス費用の負担と子会社経理業務に対して“オーバースペック”なシステムの運用という点で、費用対効果が見合わないと聞くこともある。

クラウドサービス普及による質的な変化

子会社に高度なスキルを持ったIT要員の確保が不要というメリットは、上記のように親会社主導で共通の会計システムを導入した場合にも得られるメリットである。しかし、こうした活動はある程度資金余力のある大企業に限られていた側面がある。それが、クラウド型の会計システムサービスが普及した現在では、投資コスト面でのハードルが格段に低くなり、多くの企業で取り組みやすい環境が整っている。親会社の基幹・会計システムは大規模ERPで構築しながら、フロントの事業活動拠点として機能する子会社にはクラウド型の会計システムを展開するアプローチ、いわゆる「2 Tier (2層)」と呼ばれる2段階でグループのシステムを配置する考え方がある。これはシステム導入から運用までを、子会社任せにせず、親会社からの統制を可能とするガバナンスモデルであるが、クラウドサービス普及によってその内容にも変化がでているのである。

まとめ

これまで全5回の製品レビューを通じて、「GLOVIA smart きらら 会計」は成長途上にある中堅企業、その中でも比較的規模が小さい組織体にフィットするということがわかった。また、単独企業で利用する他、上場企業の国内子会社(「GLOVIA smart きらら 会計」では通貨は日本円のみであるため)にも向いていると思った。その理由は、例えば、子会社の経理業務のモニタリングやIT管理責任者の集約したい方針を持つ親会社が、オーバースペックなシステムを押し付けることなく、必要な機能を提供しながらガバナンス強化に繋げることも可能だからである。つねに子会社の経理のデータを確認できるため、属人化された業務とはならずに、万が一の不正を防止することにも繋がる。さらに、業績面でも現状認識が早くなり、経営判断も迅速化するなどの効果を期待することができるだろう。今回の製品レビューが、クラウド会計システムの利用を検討したいユーザー企業の参考となれば幸いである。

ポイント

付箋機能はクラウド環境で強みを発揮する

  • メリットは、時と場所を選ばずに、子会社経理のサポートを実現できること
  • 親子会社間で、「GLOVIA smart きらら 会計」の「付箋機能」と「お知らせ通知」を活用する
  • 顧問税理士・会計事務所との共有も容易である

連結決算で活躍する「複数組織パターン」「内訳管理」機能

  • 連結基礎情報の管理の観点で、「データを共有しやすい」特徴をより一層活かす
  • 複数組織パターンを使ってセグメント情報用に組織体系をもつ
  • 内訳管理の基本的な機能を使ってグループ間取引を把握する

高度なスキルを持ったIT要員の確保が不要

  • 従来の取組みの問題点
  • クラウドサービス普及による質的な変化

(注1)記載されているお役職、製品名等の情報につきましては、2015年4月1日現在のものです。
(注2) 2016年4月22日、GLOVIA smart きらら 会計はGLOVIA きらら 会計にブランド名を変更いたしました。

著者プロフィール

金子 彰良 氏

仰星マネジメントコンサルティング株式会社 プリンシパル

金子 彰良 氏

公認会計士、ITコーディネータ

慶應義塾大学経済学部卒業。大手監査法人系のコンサルティングファームを経て、仰星マネジメントコンサルティング株式会社に所属。
経理・財務分野を主な専門領域とし、決算の早期化や内部統制報告制度への対応、経理シェアードサービスセンター構築の支援に加え、各種ERPパッケージの導入コンサルティングと構築フェーズにおけるプロジェクトリーダーを歴任。
【著書】
・『内部統制評価にみる「重要な欠陥」の判断実務』(共著、中央経済社)
・『阻害要因探しから始める決算早期化のテクニック』(共著、中央経済社)

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