「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら 人事給与」 導入事例

1955年創立の同社は、60年以上の歴史を誇ります。以前より高知県の農業協同組合（JA）様と連携し、県内約90カ所のJA集出荷場で入力される青果物や切り花などの出荷データを、同社の基幹システムに反映する仕組みを導入。日々変動する出荷量に応じて、素早くトラックを配車するなど、ICTシステムを活用して確実で迅速な輸配送システムを実現してきました。

四国運輸株式会社
取締役
総務部 部長
松本 俊一 氏

同社では、2016年1月からの「マイナンバー制度」の施行に合わせて、従業員のマイナンバーをはじめとする人事・給与情報の安全・確実な管理方法を検討していました。以前より、同社は大型トラックのドライバーなど職種、運ぶ荷物の量や距離などに応じて細分化された給与体系を管理する独自システムを導入。しかし、そのシステムでマイナンバーを管理するにはプログラムを大幅に改修する必要があったのです。

また、従来のシステムでは、例えば年末調整の書式変更、社会保険料の料率改正、新たな従業員評価制度の導入など、給与計算条件が変わるたびに、システム担当者がプログラムを書き換えなくてはなりませんでした。同社の取締役 総務部 部長の松本俊一氏は、「400名を超える従業員のマイナンバーを安全、適切に管理するにはどうすべきか。今後、給与システムを経理など他部門のシステムと連携し、全社的に業務効率を高めるには汎用性の高いシステムに刷新すべきと考えました」と背景を語ります。

同社は、ICTベンダー4社から新たな給与システムについての提案を受け、最終的に富士通マーケティングから提案された「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら 人事給与」の導入を決定しました。選定のポイントについて、同社 総務部 電算課 課長の岡林弘師氏は、「クラウド型で提供されていたこと」をあげています。同社では給与システムの刷新に先立ち、2014年11月に基幹システムをクラウド環境に移行しています。地震や台風といった自然災害に備えるなどの事業継続性の重視を主眼に、「自社にサーバを保有しておくのはリスクがあると判断したため」（松本氏）です。「人事・給与システムもクラウドに移行し、全社のシステム基盤をさらに強固なものにしたいと考えていました。そのためSaaS型で提供されていたことは選定の大きな決め手でした」（岡林氏）。

四国運輸株式会社
総務部 電算課
課長
おかばやし ひろのり
岡林 弘師 氏

あわせて、「富士通マーケティングが、荷物の保管、集荷・輸配送など『物流』をよく理解していたこと」をあげています。「弊社の基幹システムも富士通マーケティングと構築しています。弊社の業務に精通し、『任せられる』という安心感がありました」（岡林氏）。

また、同社では経理部門ですでに財務会計システムとして「GLOVIA smart 会計」を導入し、活用していました。「経理部門とシステム連携を図り、全社的な業務効率向上を考えると『GLOVIA smart きらら 人事給与』が最適だと判断しました」（岡林氏）。

同社では、2015年12月から「GLOVIA smart きらら 人事給与」を運用しています。総務部 総務課 課長 品質環境管理室 課長兼務の戸田学氏は、「2015年12月分の給与計算までは、従来のシステムと並行稼働させて、計算結果に相違がないかを確認しました。問題なく稼働し、とても満足しています」とスムーズに移行できたことを語ります。

四国運輸株式会社
総務部 総務課 課長
品質環境管理室
課長兼務
戸田 学 氏

また、給与システムの標準化が図れたことにも大きな効果を感じています。「これまでは、システムに精通している担当者しか扱うことができず、業務の属人化が懸念されていました。『GLOVIA smart きらら 人事給与』なら操作が分かりやすいので、以前のシステムを操作することができなかった担当者でも扱うことができます。属人化の懸念が改善されたことも大きな導入効果です」（戸田氏）。

一方、マイナンバーの管理・運用については、2016年の夏を目途に社内でマイナンバーの収集方法や本人確認の方法などを確定し、管理・運用を開始する予定です。「独自システムでは、充分なセキュリティを確保した上での管理・運用が困難でした。システムを刷新したことで、安全、適切に管理できる環境を整えることができました。そこに大きな導入効果を感じています」（松本氏）。

同社では、今後、「GLOVIA smart きらら 人事給与」を活用していくことで、さらに導入効果が表れてくると期待しています。例えば、従来のシステムでは、給与計算の月次処理の際に担当者が従業員の年齢と社会保険や介護保険の料率などを確認していました。「GLOVIA smart きらら 人事給与」なら、従業員の年齢に応じた保険料率が自動計算されます。「確認作業自体が不要になり、作業負荷が大きく軽減されます。今後の活用で、その効果がより具体的に表れてくると感じています」（岡林氏）。

また、同社では将来的に、人事・給与システムと、運行管理やドライバーの勤怠管理、給与管理などのデータを連携させることも視野に入れています。例えば、トラックのドライブレコーダーの急ブレーキや急発進のデータと、勤怠管理のデータを連携させれば、安全管理に役立てられます。そのデータをもとに、安全運転のレベルや勤怠情報を人事評価や給与に反映させることも可能になります。「これまでは、給与計算に独自システムを活用していたため、運行管理や勤怠管理などのデータとの連携ができませんでした。汎用性の高いシステムとなったことで、今後、どの荷物を積んだトラックが今、どこを走っているか、そのデータをリアルタイムで把握し、それが給与計算にも自動的に反映されていくような仕組みも構築できるでしょう。今回のシステムの刷新は、全社的なデータ連携の基盤を確立したと捉えています」（松本氏）。より安全で確実な物流サービスを実現する新たなステージへ踏み出したようです。