2017年2月15日更新

Microsoft Officeで仕事力アップ【Excelで仕事力アップ】合計したら端数が合わない!?関数を使用して端数を処理しよう!

使用ソフト:Excel2016

Excelで作成した売上表を集計したら、合計値が1円合わない、などのご経験はありませんか?
《ホーム》タブの《数値》グループのボタンを使うと、小数点以下の表示形式を設定できますが、これらはシート上の見た目を調整するだけで、セルに格納されている数値そのものを変更するものではありません。
そのため、シート上に表示されている数値とセルに格納されている数値が一致しないこともあります。
例えば、「1234.56」と入力された数値にカンマを付ける設定をすると、画面上の表示は「1,235」となります。しかし、保存されている数値はあくまでも「1234.56」のため、計算するときは「1234.56」として計算します。
このように、表示上の数値と保存されている数値にズレがあることに気付かずに集計を行うと、端数分合計値が合わない、ということが起こるのです。
そこで今回は、関数を使用して端数の四捨五入、切り上げ、切り捨ての処理を行ってみましょう。

割引金額を小数点以下で四捨五入する

表のデータをもとに割引金額を計算します。割引金額は端数が出ないように四捨五入するROUND関数を使用します。
セル【F5】をダブルクリックします。
入力済みの数式を「=ROUND(D5*E5,0)」と修正します。

セル【F5】をダブルクリックし、入力済みの数式を「=ROUND(D5*E5,0)」と修正

小数点以下が四捨五入されます。
数式をコピーします。セル【F5】を選択し、セル右下の■(フィルハンドル)をダブルクリックします。

セル【F5】をダブルクリックし、セル右下の■(フィルハンドル)をダブルクリック

数式がコピーされ、四捨五入した割引金額が表示されます。

四捨五入した割引金額が表示される

ROUND関数は、2つ目の引数で四捨五入したあとの表示桁数を指定します。
今回は「0」と指定したので、小数点以下の表示のない整数で表示されました。「1」と指定すると、小数点第2位で四捨五入して、小数点第1位まで表示します。

端数を切り上げ、切捨てする

H列の「特売特価(消費税額)」の小数点以下が切り捨てられるように、数式を編集します。
セル【H5】をダブルクリックします。
入力済みの数式を「=ROUNDDOWN(G5*$k$2,0)」に修正します。

セル【H5】をダブルクリックし、入力済みの数式を「=ROUNDDOWN(G5*$k$2,0)」に修正

小数点以下が切り捨てられます。
数式をコピーします。
セル【H5】を選択し、セル右下の■(フィルハンドル)をダブルクリックします。

セル【H5】を選択し、セル右下の■(フィルハンドル)をダブルクリック

「ROUNDDOWN関数」を使うと、指定した桁数で数値を切り捨てることができます。
「ROUNDUP関数」を使うと、指定した桁数で数値を切り上げることができます。

ROUNDUP関数

この例は、15分ごとに100円の利用料金となるようにG列にROUNDUP関数を使用した計算式を入力しています。
15分に満たない場合は切り上げの処理を行い、151分利用の場合は、1100円となります。

「ROUND関数」「ROUNDDOWN関数」「ROUNDUP関数」は同じように使用できますので、作成している表の内容に合わせて活用してみてください。

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

著者プロフィール

富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部

瀬戸 里織(せとさおり) 氏

1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。

瀬戸 里織 氏

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