2016年03月15日更新
Microsoft Officeで仕事力アップ【Office2016新機能】 Excel2016の新機能を使いこなそう!
今回のコラムでは、Excel2016の新機能について、ご紹介します。
Excel2016の新機能は3点あります。
1点目に、過去の数値の推移をもとに未来の数値の傾向を予測する「予測シート」を作成できる機能が追加されました。この機能を使うと、新しいシートに未来の予測値が入った表とグラフを作成できます。
2点目に、Excel2016では「サンバースト」「ツリーマップ」「ヒストグラム」「箱ひげ図」「ウォーターフォール」の5つのグラフを新しく作成できるようになりました。用途によって、選べるグラフの幅が広がりました。
3点目に、地域別の人口分布などのグラフを地図上に作成できる「3Dマップ」という機能が追加されました。3Dマップを使うと、地理と数値の大小がどのように関連しているのか分析することができます。
今回は、Excel2016に関する上記3点をご紹介します。
予測シートを使って未来の数値を予測しよう
Excel2016では、予測シートを使って、過去の数値の推移をもとに未来の予測値が入った表とグラフを作成できるようになりました。
商品の出荷数を予測して在庫を管理したり、売上を予測して製造計画を立てたりする場合に、予測シートを活用すると便利です。
予測シートの機能を使って、乗用車の輸出動向を予測しましょう。
表のA列に日付データが入力されていることを確認します。予測シートを作成するときには、日付データとそれに対応する数値データが必要です。
セル範囲【A3:B18】を選択します。
《データ》タブ→《予測》グループの予測シートボタンをクリックします。
《予測ワークシートの作成》ダイアログボックスが表示されます。
折れ線グラフが表示され、過去のデータは青色、未来の予測値はオレンジ色で表されます。
縦棒グラフに変更したい場合は、画面右上の縦棒グラフの作成ボタンをクリックすると、縦棒グラフになります。
《予測終了》のカレンダーボタンをクリックし、左向き三角または右向き三角のボタンでカレンダーを切り替えて「2017/4/1」に設定すると、折れ線グラフの未来予測の終了日付が変更されます。
《オプション》をクリックします。
メニューが展開されます。
《信頼区間》を「60%」に設定し、《作成》をクリックします。
新しいシート「Sheet2」が作成されます。
過去の数値と未来の予測値が入った表と折れ線グラフが作成されていることを確認します。
Excel2016の新しいグラフを作成しよう
Excel2016では、グラフ機能が強化され、「サンバースト」「ツリーマップ」「ヒストグラム」「箱ひげ図」「ウォーターフォール」の5つのグラフを新しく作成できるようになりました。
「サンバースト」は、複数の階層を持つデータの割合をドーナツの輪で表すグラフです。
階層の各レベルが1つのドーナツの輪で表され、最も内側が1階層目になります。地方別の人口比率や部署別の売上金額など、複数の階層があるデータの割合を比較する場合によく使われます。
地方別人口の比率を表す、サンバーストを作成してみましょう。
表のA列に1階層目の項目、B列に2階層目の項目、C列に3階層目の項目、D列に対応する人口がそれぞれ入力されていることを確認します。
セル範囲【A3:D23】を選択します。
《挿入》タブ→《グラフ》グループ右下のグラフの作成ボタンをクリックします。
《グラフの挿入》ダイアログボックスが表示されます。
《すべてのグラフ》タブ→左側の一覧から《サンバースト》を選択します。
右側のエリアで《サンバースト》が選択されていることを確認し、《OK》をクリックします。
サンバーストが作成されます。
サンバースト以外に、新しく作成できるようになったグラフも確認しておきましょう。
- ツリーマップ
「ツリーマップ」は、全体に対する各データの割合を、長方形の面積の大小で表すグラフです。長方形の面積が大きければデータも大きく、長方形の面積が小さければデータも小さいことを意味します。
作物の生産量や商品の販売数などの市場シェアを表現する場合によく使われます。
- ヒストグラム
「ヒストグラム」は、データのばらつきを表すグラフです。データを一定の区間に分け、データの分布状態を棒グラフで表します。
人口や売上などの傾向把握や異常値の発見によく使われます。
- 箱ひげ図
「箱ひげ図」は、データのばらつきを表すグラフです。箱ひげ図で表現される長方形の箱とその上下のひげは次の5つの値を示します。
ヒストグラムと同様、人口や売上などの傾向把握や異常値の発見によく使われます。複数の項目で分析する場合に便利です。
- ウォーターフォール
「ウォーターフォール」は、データの増減を棒グラフで表します。グラフは値がプラスかマイナスかがわかるように色分けされるので、増減を簡単に把握できます。
在庫や金融資産の推移を表現する場合によく使われます。
3Dマップを使ってグラフを作成しよう
「3Dマップ」を使うと、営業所別の売上実績や地域別の人口分布などのグラフを、地図上に作成します。
地理と数値の大小がどのように関連しているか、視覚的に把握することができます。
主要都市ごとの、1世帯当たりの光熱費の平均支出額を表すグラフを作成してみましょう。
表のA列に都市名が入力されていることを確認します。表に地名が入力されていると、自動的に3Dマップの地名に関連付けられます。
セル範囲【A3:E12】を選択します。
《挿入》タブ→《ツアー》グループの3Dマップボタンをクリックします。
《3D Maps》が起動します。
表のデータを自動的に読み取り、地図上の都市に青い四角が表示されます。
3Dマップを起動すると、ツアーが自動的に作成されます。
「ツアー」とは、3Dマップで作成されるコンテンツをまとめて呼ぶときの名称で、3Dマップを初めて起動すると、新しいツアーが自動的に作成されます。
初期の設定で、ツアー名は「ツアー1」になっています。ツアー名を「光熱費分析」に変更しましょう。
ツアーエディターの「ツアー1」をクリックします。
「光熱費分析」に修正し、Enterを押すと、ツアー名が変更されます。
シーン名を設定します。
ツアーには、あらかじめ1つのシーンが用意されています。
「シーン」とは、データを可視化した地図のことです。1つのツアーに複数のシーンを作成でき、年度ごとや月次ごとのように、時間単位でシーンを作成することで、時系列のデータの変化を確認できます。
初期の設定で、シーン名は「シーン1」になっています。シーン名を「2014年」に変更しましょう。
ツアーエディターの「シーン1」のシーンオプション変更ボタン(歯車の形のボタン)をクリックします。
《シーンのオプション》ダイアログボックスが表示されます。
《シーン名》に「2014年」と入力し、×ボタンをクリックします。
シーン名が変更されます。
レイヤー名を設定します。
シーンには、あらかじめ1つのレイヤーが表示されています。
「レイヤー」とは、地図の外観のことです。1つのシーンに、複数のレイヤーを設定できます。たとえば、グラフの種類を変更したり、視覚化する項目を変更したり、元になるデータは同じでも見せ方を変えて比較できます。
初期の設定で、レイヤー名は「レイヤー1」になっています。レイヤー名を「区分別支出額」に変更しましょう。
レイヤーウィンドウの「レイヤー1」のレイヤー名変更ボタン(えんぴつ形のボタン)をクリックします。
「区分別支出額」に修正し、Enterを押すと、レイヤー名が変更されます。
レイヤーの詳細を設定し、地図上に「区分別支出額」のデータを可視化させましょう。
レイヤーウィンドウの《データ》の積み上げ縦棒の視覚化変更ボタンをクリックし、《場所》の一覧に「都市名」が表示されていることを確認します。
《高さ》の《フィールドの追加》をクリックし、一覧から「都市ガス」を選択します。
《高さ》の一覧に「都市ガス」が追加され、シーンにグラフと凡例が表示されます。
同様に、「プロパンガス」「灯油」「電気」を追加します。
地図上に凡例が重なっているので、凡例のサイズと位置を調整しましょう。
凡例をポイントし、凡例の左上または右下にある○(ハンドル)をドラッグして、凡例のサイズを調整します。
凡例をドラッグして、凡例の位置を調整します。
ナビゲーションボタンを使って、地図上のグラフの傾きや日本地図の位置を調整しましょう。
地図上の上下ボタンをクリックしてグラフの「傾き」を、左右ボタンをクリックしてグラフの「角度」を調整します。
拡大ボタン(+)をクリックして、グラフを拡大します。
3Dマップをドラッグすると、日本地図自体を動かせ、中央に配置できます。
新しいグラフ機能は、視覚に訴え、資料としても見栄えがするものが多いです。最初は使い慣れないかもしれませんが、どのデータにどのグラフが適しているのか、試してみてください。
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著者プロフィール
富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部
瀬戸 里織(せとさおり) 氏
1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。
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