2015年08月12日更新

Microsoft Officeで仕事力アップ【Excelで仕事力アップ】 SUBTOTAL関数を活用。フィルター機能と組み合わせて条件付き集計がすばやくできる!

SUBTOTAL関数を使ったことがありますか?
グループごとの小計、中計と総計を求めるときに、Excelの《データ》タブ→《アウトライン》グループの《小計》ボタンで実行する集計機能を使うとSUBTOTAL関数が自動的に入力され集計されます。このように集計を行う際には、《小計》ボタンを使うのが簡単ですが、SUBTOTAL関数を手入力して集計することもできます。
今回はSUBTOTAL関数を一から入力して行う集計と、SUBTOTAL関数とフィルター機能を組み合わせて使う便利な活用方法についてご紹介します。

SUBTOTAL関数で合計を表示

例題の表を使って、「商品名」別の合計を表示しましょう。
各商品の小計と、全商品の合計を表示するセルにSUBTOTAL関数を入力します。

SUBTOTAL関数で合計を表示1

「携帯電話」の合計を表示しましょう。
SUBTOTAL関数では、次のように引数を指定して入力します。

SUBTOTAL関数で合計を表示2

「携帯電話」の小計を表示するセルを選択し、《関数の挿入》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数で合計を表示3

《関数の挿入》ダイアログボックスが表示されます。
《関数の分類》の下向き三角のボタンをクリックして、一覧から《数学/三角》を選択します。
《関数名》の一覧から《SUBTOTAL》を選択して《OK》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数で合計を表示4

《関数の引数》ダイアログボックスが表示されます。集計方法を指定します。《集計方法》のボックスにカーソルがあることを確認し、今回は合計を求めるので「9」と入力します。
次に《参照1》のボックスをクリックし、「携帯電話」の売上金額が入力されているセル範囲を選択して、《OK》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数で合計を表示5

携帯電話の小計が表示されました。

SUBTOTAL関数で合計を表示6

同様の操作で、続けて「パソコン」「プリンター」の小計を表示します。
《関数の分類》を選択するときに、「最近使った関数」を選択すると直前に使用した関数が表示され、SUBTOTAL関数が見つけやすくなります。

SUBTOTAL関数で合計を表示7

各商品の小計が表示できました。
最後に全商品の合計を表示しましょう。
全商品の合計を求めるセルを選択し、《関数の挿入》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数で合計を表示8

《関数の挿入》ダイアログボックスが表示されます。
《関数の分類》が《最近使った関数》になっていることを確認します。
《関数名》の一覧から《SUBTOTAL》を選択して《OK》ボタンをクリックします。
《集計方法》のボックスにカーソルがあることを確認し、「9」と入力します。
《参照1》のボックスをクリックし、売上金額の行を小計行も含めすべて選択して、《OK》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数で合計を表示9

全商品の合計が表示されました。
SUBTOTAL関数では、SUBTOTAL関数が入力されているセルを無視して集計してくれますので、二重に合計されてしまうことはありません。
SUM関数の場合は、同じ操作を行うと二重に合計されてしまうので、小計のセルのみを範囲選択する必要がありますが、SUBTOTAL関数の場合は気にせず全部の行を範囲選択できるので操作しやすいですね。

SUBTOTAL関数で合計を表示10

いかがでしょうか?このようにSUBTOTAL関数を直接入力して集計ができます。 項目が多い表でアウトラインを作成する場合は、《データ》タブ→《アウトライン》グループの《小計》ボタンを使うなど使い分けができますね。

比較例 《小計》ボタンを使った集計結果

SUBTOTAL関数で合計を表示11

SUBTOTAL関数とフィルターの活用

SUBTOTAL関数とフィルターを組み合わせて活用すると、フィルターによって絞り込み表示された結果のみを合計することができます。
例題の表では、全売上データの「売上数量」と「売上金額」をSUBTOTAL関数で合計しています。
フィルターで条件を設定し、SUBTOTAL関数の結果を確認しましょう。

「売上数量」と「売上金額」のセルをクリックし、数式バーでSUBTOTAL関数が入力されていることを確認します。

SUBTOTAL関数とフィルターの活用1

表内のセルをクリックし、《データ》タブ→《並べ替えとフィルター》グループの《フィルター》ボタンをクリックします。
表の項目名にボタンが表示され、フィルターモードになります。

SUBTOTAL関数とフィルターの活用2

「店舗」を指定してみましょう。
項目「店舗」の下向き三角ボタンをクリックし、表示したい店舗のチェックボックスのみをオンの状態にして《OK》ボタンをクリックします。

SUBTOTAL関数とフィルターの活用3

フィルターにより「店舗」が「青山」のデータが絞り込まれて表示され、SUBTOTAL関数による合計も表示されているデータのみの集計に変更されます。SUM関数による合計の場合は、このようにフィルターの条件に合わせて集計することができませんので状況に応じて使い分けをすると便利ですね。

SUBTOTAL関数とフィルターの活用4

いかがでしたでしょうか?このように、SUBTOTAL関数を使いこなして集計の幅を広げてみてはいかがでしょうか?ぜひ試してみてください。

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

著者プロフィール

富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部

瀬戸 里織(せとさおり) 氏

1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。

瀬戸 里織 氏

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