2015年08月05日更新

Microsoft Officeで仕事力アップ 【Excelで仕事力アップ】 IF関数やVLOOKUP関数を活用。正しいデータを自動的に入力、作業効率向上!

Excelで数値を合計するSUM関数や、平均するAVERAGE関数などはよく使いますが、集計を行う以外の関数も活用していますか?
Excelでは集計を行う以外にも、使いこなすと格段に作業効率が向上する関数が搭載されています。
今回は知っていると便利な2つの関数をご紹介します。

条件で判断する「IF関数」

「IF関数」を使うと、指定した条件を満たしている場合と満たしていない場合の結果を表示できます。
例題の社内研修の成績評価を行う表では、社員の得点によって評価をし、結果を表示します。
社内研修の「合計」が140以上であれば「可」、そうでなければ「不可」、という条件に基づいて、評価の列に「可」または「不可」の文字列を表示してみましょう。

社内研修の評価を表示するセルを選択し、《関数の挿入》ボタンをクリックします。

条件で判断する「IF関数」1

《関数の挿入》ダイアログボックスが表示されます。
《関数の分類》の下向き三角のボタンをクリックして、一覧から《論理》を選択します。
《関数名》の一覧から《IF》を選択して《OK》ボタンをクリックします。

条件で判断する「IF関数」2

《関数の引数》ダイアログボックスが表示されます。
《論理式》のボックスにカーソルがあることを確認し、合計得点が入力されているセルをクリックすると《論理式》にセル番地が表示されるので続けて、「>=140」と入力します。

条件で判断する「IF関数」3

次に《真の場合》のボックスをクリックし、「可」と入力します。
続けて《偽の場合》のボックスをクリックし、「不可」と入力し、《OK》ボタンをクリックします。

条件で判断する「IF関数」4

これでIF関数が入力され、1人目の評価が表示されました。
関数を入力したセルの右下の■(フィルハンドル)をダブルクリックします。数式がコピーされ、それぞれの人の評価が表示されます。

条件で判断する「IF関数」5

条件で判断する「IF関数」6

条件が2つの場合

IF関数を組み合わせると、条件を2つ指定することができます。関数の中に関数を組み込むことを、「関数のネスト」といいます。

「合計」が160以上であれば「優」、140以上であれば「可」、それ以外は「不可」、という条件で、「優」、「可」または「不可」の評価を表示してみましょう。
このように表示したい結果が3つあるときは、次のように考えられます。

『「合計」が160以上の場合は「優」、160以上でない場合で「合計」が140以上の場合は「可」、140以上でない場合は「不可」』

入力した関数を変更しましょう。
関数を入力したセルをダブルクリックし、数式を「=IF(E4>=160,”優”,IF(E4>=140,”可”,”不可”))」に修正し、Enterキーを押します。

条件が2つの場合1

これでネストされたIF関数が入力され、1人目の評価が表示されました。
関数を変更したセルの右下の■(フィルハンドル)をダブルクリックします。数式がコピーされ、それぞれの人の評価が表示されます。

条件が2つの場合2

条件が2つの場合3

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」

コードや番号をもとに参照用の表から該当するデータを表示するには、「VLOOKUP関数」を使うと便利です。

例題の社員名簿の表で「所属No.」を入力すると、「所属名」が表示されるようにVLOOKUP関数を入力しましょう。

社内名簿の所属名を表示するセルを選択し、《関数の挿入》ボタンをクリックします。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」1

《関数の挿入》ダイアログボックスが表示されます。
《関数の分類》の下向き三角のボタンをクリックして、一覧から《検索/行列》を選択します。
《関数名》の一覧から《VLOOKUP》を選択して《OK》ボタンをクリックします。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」2

《関数の引数》ダイアログボックスが表示されます。
《検索値》にカーソルがあることを確認し、「所属No.」を入力するセルをクリックします。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」3

次に《範囲》のボックスをクリックし、所属表のデータが入力されているセル範囲を選択します。数式をコピーしたときに参照用のセル範囲を固定させるためにF4キーを押し、セル番地に$を付けた絶対参照にします。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」4

次に《列番号》のボックスをクリックし、「2」と入力します。続けて《検索方法》のボックスをクリックし、完全一致を指定する「FALSE」を入力し、《OK》ボタンをクリックします。
今回のように正しい「所属No.」が入力されたときのみ、所属名を表示する場合は、《検索方法》を「FALSE」にしますが、10以上20未満といった近似値で該当データを表示する場合は、「TRUE」にします。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」5

「所属No.」を入力すると、所属名が表示されるようになりましたが、まだ「所属No.」が入力されていないので、エラー「#N/A」が表示されます。

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」6

データを検索して表示する「VLOOKUP関数」7

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

VLOOKUP関数とIF関数の組み合わせ

「所属No.」を入力すれば、正しく所属名が表示されますが、未入力のときにエラーが表示されてしまうと、何か入力した数式に問題があるように見えてしまいます。
VLOOKUP関数とIF関数を組み合わせて数式を入力すれば、「所属No.」が未入力のときにエラー「#N/A」が表示されないようにすることができます。数式を変更しましょう。

VLOOKUP関数とIF関数の組み合わせ方は次のように考えられます。『「所属No.」が空データであれば、空データを返す。空データでなければ、VLOOKUP関数の計算結果を表示する。』

関数を変更するセルをダブルクリックし、数式を「=IF(C4=””,””,VLOOKUP(C4,$G$4:$H$9,2,FALSE))」に修正し、Enterキーを押します。

VLOOKUP関数とIF関数の組み合わせ 1

これで「所属No.」が入力されていなくてもエラー「#N/A」が表示されなくなりました。
関数を変更したセル右下の■(フィルハンドル)をダブルクリックし、数式をコピーします。
「所属No.」を入力して、「所属名」が表示されることを確認しましょう。

VLOOKUP関数とIF関数の組み合わせ 2

VLOOKUP関数とIF関数の組み合わせ 3

このように数式を使ってデータ判断や、条件に一致するデータを取り出したいときには、関数を利用すると作業は効率化し、正確な結果を導き出せます。ぜひ試してみてください。

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

著者プロフィール

富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部

瀬戸 里織(せとさおり) 氏

1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。

瀬戸 里織 氏

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