2015年04月24日更新

Microsoft Officeで仕事力アップ【Wordで仕事力アップ】 文書のプロパティの確認やPDF変換。社外に提供するデータは注意!

前回のWord編では、レイアウトを整える方法をご紹介しました。これで見栄えのする文書が作成できるようになりました。
第6回は完成したWord文書を、社外の人に提供するときに使う機能をご紹介します。

Word文書を顧客や取引先など社外の人に提供するときには、社内の機密情報や個人情報が含まれていないか、よくチェックしなくてはなりません。情報の管理は、企業の信頼にも係る非常に重要な事項ですので、今回ご紹介するのは社外の人と文書をやり取りする前にぜひ使っていただきたい機能です。

文書から個人情報や隠し文字を削除

Wordで作成した文書を顧客や取引先など社外の人に提供する場合に、文書に機密情報や個人情報などが含まれていないかチェックしていますか?
完成した文書の内容はよく確認していても、画面上に表示されていない文書のプロパティに入力されている内容や、校正中の変更履歴などは、チェックされていないことがあります。
「ドキュメント検査」を行うと、Word文書に個人情報や隠し文字などが含まれていないかチェックして、必要に応じて削除することができます。
例題の文書では、文書にコメントが挿入されています。変更履歴やコメントは、《校閲》タブの《変更履歴》グループの《変更内容の表示》ボタンで表示を切り替えることができます。
変更履歴やコメントが非表示になっているときは、気づかずにそのまま社外の人にデータを提供してしまうことがあります。

Wordの使用方法1

また、例題の文書のプロパティには作成者の名前が入力されています。社外の人にデータを提供するときには個人名は削除します。文書のプロパティは、《ファイル》タブの《情報》をクリックすると確認できます。

Wordの使用方法2

《ファイル》タブの《情報》をクリックします。
《問題のチェック》をクリックし、《ドキュメント検査》をクリックします。

Wordの使用方法3

《ドキュメント検査》ダイアログボックスが表示されます。
すべての項目にチェックが入っていることを確認し、《検査》ボタンをクリックします。
個人情報や隠し文字が含まれている可能性のある項目には、《すべて削除》ボタンが表示されます。
《コメント、変更履歴、バージョン、および注釈》と《ドキュメントのプロパティと個人情報》の《すべて削除》ボタンをクリックし、《閉じる》ボタンをクリックします。

Wordの使用方法4

Wordの使用方法5

文書のプロパティの作成者情報が削除されます。

Wordの使用方法6

ESCキーを押して文書に戻ります。文書に含まれていたコメントが削除されています。
このように社外へのデータは、ドキュメントの検査をしてから提供しましょう。

Wordの使用方法7

パスワードによる文書保護

文書にはパスワードを付けることができます。パスワードを知らないユーザーは文書を開くことができないため、機密性を保つことができます。
《ファイル》タブの《情報》をクリックします。
《文書の保護》をクリックし、《パスワードを使用して暗号化》をクリックします。

Wordの使用方法8

《ドキュメントの暗号化》ダイアログボックスが表示されます。
《パスワード》に設定するパスワードを入力し、《OK》ボタンをクリックします。

  • (注)
    アルファベットで入力する場合は、大文字、小文字が区別されます。注意して入力しましょう。
  • (注)
    入力したパスワードは●で表示されます。

《パスワードの確認》ダイアログボックスが表示されます。
《パスワードの再入力》に再度、設定したパスワードを入力し、《OK》ボタンをクリックします。

Wordの使用方法9

Wordの使用方法10

パスワードが設定され、《文書の保護》で文書を開くためにはパスワードが必要であることが確認できます。設定したパスワードは、文書を保存すると有効になりますので、保存を忘れないようにしましょう。

Wordの使用方法11

PDFファイルに変換

「PDFファイル」とは、パソコンの機種や環境に関わらず、もとのアプリケーションで作成したとおりに正確に表示できるファイル形式です。作成したアプリがなくてもファイルを表示できるので、閲覧用によく利用されています。
社外の人に文書を送信するときに、閲覧することが目的の場合はPDFファイルに変換して提供するとよいでしょう。
Wordでは、保存するときにファイルの形式を指定するだけで簡単にPDFファイルを作成できます。
《ファイル》タブの《エクスポート》をクリックします。
《PDF/XPSドキュメントの作成》をクリックし、《PDF/XPSの作成》をクリックします。

Wordの使用方法12

《PDFまたはXPS形式で発行》ダイアログボックスが表示されます。
PDFファイルを保存する場所を選択し、《発行後にファイルを開く》にチェックを入れて、《発行》ボタンをクリックします。

Wordの使用方法13

PDFファイルが作成され、開かれます。

  • (注)
    PDF ファイルを表示するためのアプリが必要です。

Wordの使用方法14

このように社外の人にデータを提供する場面は非常に多いので、ぜひドキュメント検査や文書保護、PDFファイルに変換する機能をご利用ください。

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

著者プロフィール

富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部

瀬戸 里織(せとさおり) 氏

1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。

瀬戸 里織 氏

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