2015年04月06日更新

Microsoft Officeで仕事力アップ【Excelで仕事力アップ】 データベース機能を応用。件数が多くてもすぐに目的のデータを表示!

前回のExcel編では、複数シートを活用した便利な集計機能をご紹介しましたが、ご活用いただけましたか。
第5回は、Excelのデータベースの中から、目的のデータをすぐに確認できるよう、並べ替えたり抽出したりする機能です。基本的な並べ替えや抽出についてはご存知の方も多いと思いますので、今回は一歩進んだ便利な機能をご紹介することにします。

複数キーの並べ替え

例題の表で「定員」が多い順に並べ替えた場合、同じ定員数のデータは1箇所に集まり分類はできますが、同じ定員数のデータはもとの並び順で並んでいます。定員数が同じ場合はさらに「受講者数」が多い順に並べ替えるなど、複数のキーを指定して並べ替えることで確認したいデータをよりわかりやすく表示することができます。
表内のセルをクリックし並べ替えるデータベースを指定した後、《データ》タブの《並べ替えとフィルター》グループの《並べ替え》ボタンをクリックします。

Excelの使用方法1

《並べ替え》ダイアログボックスが表示されます。
(注)ダイアログボックスの背面ではデータベース全体が選択された状態となります。
データベースの先頭行が項目名の場合は、《先頭行をデータの見出しとして使用する》にチェックを入れます。
まずは「最優先されるキー」の設定を行います。
列(項目名)は「定員」、並べ替えのキーは「値」、順序は「降順」を設定します。

Excelの使用方法2

次に「次に優先されるキー」の設定を行います。
《レベルの追加》ボタンをクリックし、列(項目名)は「受講者数」、並べ替えのキーは「値」、順序は「降順」を設定します。
最後に《並べ替え》ダイアログボックスの《OK》ボタンをクリックすれば並べ替えが実行されます。

Excelの使用方法3

これで「定員」の多い順、さらに「定員」が同じ場合は「受講者数」の多い順に並べ替わりました。

  • (注)
    確認できたら「No.」順に並べ替えておきましょう。

Excelの使用方法4

色で並べ替え

セルにフォントの色、塗りつぶしの色が設定されている場合、その色をキーにデータを並べ替えることができます。
「受講率」が100%より大きいセルにはオレンジ色の塗りつぶしが設定されています。このセルが上部にくるよう並べ替えてみましょう。
表内のセルをクリックし、《データ》タブの《並べ替えとフィルター》グループの《並べ替え》ボタンをクリックします。

Excelの使用方法5

《並べ替え》ダイアログボックスが表示されます。
「最優先されるキー」の設定を行います。
列(項目名)は「受講率」、並べ替えのキーは「セルの色」、順序は「オレンジ色」、「上」を設定し、《OK》ボタンをクリックします。

Excelの使用方法6

「受講率」が100%より大きいオレンジ色のセルが上部に並べ替わりました。

  • (注)
    確認できたら「No.」順に並べ替えておきましょう。

Excelの使用方法7

詳細な条件を設定しデータを抽出する

次は詳細な条件を設定してデータを抽出してみましょう。
入力されているデータの種類(文字列、数値、日付)に応じて、「○○という文字を含む」「○○以上、○○以下」「今年」「昨年」など、詳細な条件設定でデータを抽出することができます。
表内のセルをクリックし、《データ》タブの《並べ替えとフィルター》グループの《フィルター》ボタンをクリックします。
データベースの項目名にボタンが表示され、フィルターモードになります。

Excelの使用方法8

テキストフィルターで抽出する

データの種類が文字列の場合は「テキストフィルター」が用意されています。 特定の文字列で始まるデータや特定の文字列を一部に含むデータを抽出できます。 「セミナー名」に「株」が含まれるものを抽出してみましょう。
項目「セミナー名」の下向き三角ボタンをクリックし、《テキストフィルター》をポイント、《指定の値を含む》をクリックします。

Excelの使用方法9

Excelの使用方法10

《オートフィルターオプション》ダイアログボックスが表示されます。
左上のボックスに「株」と入力し、右上のボックスが《を含む》になっていることを確認して、《OK》ボタンをクリックします。
「セミナー名」に「株」が含まれるものが抽出されました。
何件中何件抽出されたかは、画面左下でも確認することができます。

  • (注)
    確認できたら、《データ》タブの《並べ替えとフィルター》グループの《クリア》ボタンをクリックし、条件をクリアしておきましょう。

Excelの使用方法11

日付フィルターで抽出する

データの種類が日付の場合は「日付フィルター」が用意されています。
コンピュータの日付をもとに「今日」や「昨日」、「今年」や「昨年」のようなデータを抽出できます。
また、ある日付からある日付までのように期間を指定して抽出することもできます。 「開催日」が「2013/11/16」から「2013/11/30」までのデータを抽出してみましょう。
項目「開催日」の下向き三角ボタンをクリックし、《日付フィルター》をポイント、《指定の範囲内》をクリックします。

Excelの使用方法12

Excelの使用方法13

《オートフィルターオプション》ダイアログボックスが表示されます。
左上のボックスに《2013/11/16》と入力し、右上のボックスが《以降》になっていることを確認します。
《AND》に●を付けます。左下のボックスに《2013/11/30》と入力し、右下のボックスが《以前》なっていることを確認し、《OK》ボタンをクリックします。
「2013/11/16」から「2013/11/30」までのデータが抽出されました。

Excelの使用方法14

このように条件を工夫することで、単なる昇順・降順の並べ替えや、指定項目と一致するデータの抽出だけではなく、より幅広い条件での並べ替えや抽出を行うことができます。ぜひ試してみてください。

全88ページ、47の小技でスキルアップ!
冊子「実務に役立つMicrosoft Officeで仕事力アップ」

著者プロフィール

富士通エフ・オー・エム株式会社 ソリューション最適化事業本部 ソリューション開発部

瀬戸 里織(せとさおり) 氏

1994年から約20年間において、多くの企業・自治体様向けにExcel、WordなどのOffice系や、業務システムの研修を実施。
基本操作から、業務に即活用できる実績的な操作方法まで広い範囲で、研修カリキュラムを企画。また、その経験を活かし、多くの研修講師を養成した経験あり。
本コラムでは、長年の研修経験やお客様よりいただいたご質問などを基に内容を構成してご紹介しています。

瀬戸 里織 氏

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