効果的かつ効率的な病院IT化に向けて ～病院IT化の成功はシステム導入プロセスを理解し実行することがすべて～第01回 病院IT化 成功の鍵 ～プロセスⅠ：
何のためのIT化か、予算決定は？～

株式会社Benett One 代表
米山 正行 氏

はじめまして。この度コラムを書かせていただくことになりました、医療ITコンサルタント・コーディネーターをしております株式会社 Benett One（ベネットワン）代表取締役の米山正行と申します。
医療IT化をスマートに「意味のあるIT導入！メリットあるIT導入！」をモットーに、病院ITシステム化のお手伝いをさせていただいております。
今回は「効果的かつ効率的な病院IT化に向けて」と題して全3回、システム導入が無駄なく、施設にとって意味のあるシステム導入に導くための「プロセス」について、筆者の経験を元に考えを述べさせていただきます。
まず第1回目として「プロセスⅠ：何のためのIT化か、予算決定は？」と題して書かせていただきます。

IT化する意味を明確に

病院のIT化は1970年代のいわゆるレセコンに始まり、PACS・電子カルテと、IT化は着々と進んでいるようにみえます。大規模病院（400床以上）では実際にIT化は進んでいますが、中規模病院（100～399床）や100床以下の病院での普及率はそれほど進んでいない・・・というデータはよく目にすると思います。それはなぜでしょう？

その多くは、莫大な費用とそれに対してのメリットが見つけられないからではないでしょうか？

• 何となく時代の流れだから・・・
• 周りの病院もIT化を始めたから・・・
• ペーパーレスになるから・・・
• 職員からも要望が強いから・・・
• （システム更新の病院では）更新時期が来たから・・・

など

このような考えでIT化を進めることは、病院にITシステムを入れただけになりかねません。
病院経営を考えたとき、病院IT化で莫大な費用と時間を費やした結果、単にIT化しただけとなってしまっては、病院の経営自体を脅かす可能性も否定できません。
これらを防ぐためには、病院IT化のメリットやIT化でもたらされる効果を、しっかりとイメージすることが重要です。
一例ですが、最近筆者が関わった多くの病院では、IT化に向けて望む効果として「働き方改革に向けた業務改善・効率化」という要望が増えています。
こういった期待効果を実現可能なものにするためのプロセスとしては、病院IT化に向けた「目的・目標」を明確にしたシステム導入コンセプトの作成が重要となります。

ここから先の内容については資料をダウンロードしていただき、お読みください。

• 第02回 病院IT化 成功の鍵 ～プロセスⅡ：
  「組織作成・システム選定」について～