2017年04月12日更新

SCM“人間系業務”にこそ改革の可能性あり!実践事例で解説 第02回 サプライチェーン上の“人間系業務”を効率化する

株式会社フェアウェイソリューションズ 代表取締役社長 殷 烽彦 氏

サプライチェーン上の“人間系業務”

これまで当たり前に“人間にしか出来ない業務”と思われていた仕事が、AIやロボットに取って代わられる時代は、すぐそこまで来ています。
今回は、サプライチェーン上の業務において、効率化から取り残されている“人間系”と呼ばれている業務を、紐解いて行きたいと思います。

Amazon社では、注文後わずか1時間で商品が自宅に届くという、驚異的なスピードの会員向けサービスが行われていることは有名です。一般的に、サプライチェーンに関わる販売、手配、調達、物流などの業務は、効率化が進んでいそうな領域と思われているのではないでしょうか。
けれども実際には、特にBtoBの世界では、驚くほど多くの非定型な“人間系業務”が残っています。

ある企業が注文を受け、商品を出荷納品する場面を想像して下さい。

フルフィルメント(受注手配業務) -注文から納品までの全ての手配を支持する業務

ご覧いただいた通り、実は多くの企業において、これら指示系統の業務は人間判断で行われています。ご担当者があれこれと考えて手配し、その結果(決定事項)をコンピュータに入力しているに過ぎません。

オーダーマネジメントで自動化が可能に

しかし、考えてみれば、これら一連の業務は合理的なルール化と高度なネットワーク化によって、ほぼ自動的な処理が実現できるのです。
基本的には「顧客」、「在庫ポイント」、「サプライヤ(工場または調達先)」のロケーション情報(位置)とロケーション間をつなぐ輸配送スケジュール、そして、各在庫ポイントの未来時間軸の予定在庫情報です。

オーダーフルフィルメント(受注手配)の計算ロジック

サプライチェーンの可視化が進んできた現在、単に見えるだけではなく、「オーダーに対して如何に納品するのが最適か?」を自動判断・処理するオーダーマネジメントという分野が、特に欧米のSCM市場で注目を集めており、日本でもこれから浸透していくと思われます。

フルフィルメント業務のシステム化、その経営的メリット

フルフィルメント業務をシステムで自動化すると、どのような効果があるでしょうか。
まず、注文を受けた時に、従来のように1ヵ所の倉庫の在庫だけを照合するのではなく、複数拠点の在庫、積送中在庫、中間品、入荷予定在庫、更には仕入先のメーカー在庫までも含めて、注文に対応することが出来るようになります。

仕入先在庫を使って納期確約が出来るということは、在庫を極限まで減らせるという大きな意味を持ちます。
「販売拠点に在庫を抱えすぎて困っている」といった課題のある企業は、販売拠点から全流通在庫への引当照合を可能にし、生産拠点と直結する部門横断型のフルフィルメントシステムがあれば、販売拠点の在庫を極小化出来るでしょう。

またスピード面では、ルールに従って人間が順次判断していく場合、その処理速度には限界があります。しかしシステムがルールに従って自動的に処理し、何らかのトラブルがあった時だけ人間が判断するように仕事が変わった時、オーダーの処理速度は飛躍的に上がり、様々な選択肢の中から最適解を瞬時に叩き出すことが出来るようになります。

勿論、業務プロセスの詳細なルール化には、それなりに労力がかかります。しかしそのメリットを鑑みると、「うちの業務は複雑すぎて、システム化(自動化)は無理」と諦める前に、今一度、可能性を検討されては如何でしょうか。

次回は実際にフルフィルメント業務をシステム化し、効率化を図った事例について解説します。

著者プロフィール

株式会社フェアウェイソリューションズ
代表取締役社長

殷 烽彦(いん ほうげん/Fengyan Yin)氏

1987年3月 京都大学工学部情報工学科卒
1989年3月 京都大学工学研究科 情報工学専攻卒
1992年4月 ウッドランド株式会社(現 フューチャーアーキテクト)入社。
PIM、CRM、マルチメディアなど様々な情報システムの設計・開発に従事。
1997年7月 Toona Softs Pty Ltd 入社。φ-Conductorのシステム設計責任者として、日本・オーストラリア両開発チームの指揮を担当 。
2003年4月 株式会社フェアウェイソリューションズ 入社。大手電子部品メーカー・商社などのプロジェクト責任者として導入に携わる。
2005年4月 同社 取締役 就任
2007年4月 同社 代表取締役社長 就任

殷 烽彦(いん ほうげん/Fengyan Yin)氏

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