2022年9月9日更新

我が国のDXを支えるトラストサービス  

慶應義塾大学 環境情報学部 教授 博士(工学)
手塚 悟 氏

21世紀になると、我が国においてミレニアムプロジェクトの名のもとにe-Japan(電子政府)構想のデジタル化が起こり、様々な政府・自治体関連の手続きでの電子化が叫ばれました。そのために、政府・自治体システムにおいては、ITを駆使した安心安全なペーパレス環境を実現すること、さらには政府・自治体と住民の間でのオンライン申請等の実現を目指しました。

それから20年ほど経った現在、e-Japan構想のデジタル化がどこまで実現できたかというと、なかなか整備が進まず遅れているのが現状です。デジタル敗戦との言葉も飛び出すような状況であるのは否めない話です。

一方、政府としては昨年の9月にデジタル庁を設立し、一気に我が国のデジタル化を促進するために、様々な施策を始めました。e-Japan構想のデジタル化を黎明期とすれば、デジタル庁設立後のDX(デジタル・トランスフォーメーション)促進のデジタル化は、正に普及期に向けての施策であると考えられます。

そのような我が国の背景において、DXを推進する要の一つとして、単にデジタル化をするのではなく、安心安全なデジタル社会を実現することが必要であり、そのためにはデジタルトラストの概念は大変重要なものであると考えます。このデジタルトラストの中でも、トラストサービスの機能は、その基盤として中心的な役割をするものです。このトラストサービスとは何かについて、ご説明したいと思います。

ここから先の内容については資料をダウンロードしていただき、お読みください。

  1. 紙の世界からデジタルの世界へとは
  2. トラストサービスとは
  3. トラストアンカーとは
  4. DXを支えるトラストサービスとは
  5. トラストサービスの国際相互連携構想
  6. おわりに

我が国のDXを支えるトラストサービス

著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部 教授 博士(工学)
手塚 悟 氏

2009年度より東京工科大学コンピュータサイエンス学部教授,2016年度より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授,2019年9月より慶應義塾大学環境情報学部教授、現在に至る。

2020年度総務省「情報通信月間」総務大臣表彰,2013年度情報セキュリティ文化賞等を受賞,2008年度情報処理学会論文賞,IEEE-IIHMSP2006 Best Paper Award,2004年度情報処理学会論文賞。

個人情報保護委員会委員(国会同意人事), デジタル社会構想会議データ戦略推進WG構成員、データ戦略推進WGの下に設置したトラストを確保したDX推進SWG座長、デジタル・ガバメント閣僚会議データ戦略タスクフォース構成員、データ戦略タスクフォースの下に設置したトラストに関するワーキングチーム主査,総務省トラストサービスに関する研究会座長,総合科学技術・イノベーション会議SIP重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保担当サブプログラムディレクター,サイバーセキュリティ戦略本部重要インフラ専門調査会委員,総務省マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会座長,IT戦略本部電子行政タスクフォース臨時構成員,情報連携基盤技術ワーキンググループ委員,住民基本台帳システム調査委員会委員,電子署名法及び認証業務に関する法律基準等検討ワーキンググループ座長,暗号技術評価委員会(CRYPTREC)委員,暗号技術活用委員会(CRYPTREC)委員等。

デジタルトラスト協議会代表、トラストサービス推進フォーラム代表,日本トラストテクノロジー協議会代表,日本セキュリティ監査協会会長,第5世代モバイル推進フォーラムセキュリティ調査研究委員会委員長、情報ネットワーク法学会理事長,日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事,デジタル・フォレンジック研究会理事,情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会専門委員,日独シンポジウムプログラム委員等。

著書に「Q&Aマイナンバーのセキュリティ対策」清文社,「マイナンバーで広がる電子署名・認証サービス」日経BP社,「日本を強くする企業コード もう一つのマイナンバー『法人番号』とは」日経BP社,「情報セキュリティの基礎」共立出版等。

手塚 悟 氏

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