2021年6月3日
中国サイバーセキュリティ法と個人情報・データ規制の最新動向
森・濱田松本法律事務所 弁護士 森 規光 氏
1. はじめに
中国では近年、習近平政権の下で打ち出された「総合的国家安全保障観」の下で、国家安全法をはじめとして、国家の安全保障に関する法整備が様々な分野(治安維持、軍事、情報・データ、バイオセキュリティ等)で進められてきています。こうした流れの中で、中国のサイバーセキュリティ分野における基本法として、2017年6月1日からサイバーセキュリティ法が施行されています。このコラムではサイバーセキュリティ法の重要な3つのポイントを解説すると共に、実務的な対応や中国における情報・データに関する規制の最新動向についてご紹介します。
2. サイバーセキュリティ法のポイント
サイバーセキュリティ法の規定内容は多岐にわたりますが、特に重要なポイントは、①ネットワーク運営者の安全保護義務、②データの国内保存義務・国外移転規制、及び③個人情報保護といえます。
①ネットワーク運営者の安全保護義務
まず、「ネットワーク運営者」が何かを把握する必要があります。サイバーセキュリティ法において、ネットワーク運営者とは「ネットワークの所有者・管理者及びネットワークサービスの提供者」と定義されています(法76条3号)。しかし、この定義は広範かつ曖昧で、実務的には、ウェブサイトを通じて販売や顧客向けサービスを提供している会社や社内イントラ等でインターネットを事業活動上利用している会社についても該当し、結果的に、ほとんどの企業が・・・
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- 続きの解説の項目 -
- サイバーセキュリティ法のポイント
- 実務的な対応
- おわりに
著者プロフィール
森・濱田松本法律事務所
弁護士
森 規光(もり のりみつ) 氏
2008年に弁護士登録をして以降、M&A取引、コーポレートガバナンス、コンプライアンスを主な業務としてきている。
2016年から2019年まで上海オフィスにて執務。その後北京オフィスにて執務し、現在に至る。
現在は、中国に進出した日本企業や中国での事業展開を検討している日本企業に対して、中国におけるM&A取引、データセキュリティ、人事労務、法令調査、不正調査等について幅広くサポートしている。
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