2019年07月22日更新

これからの介護事業経営 第16回 激変の2019年度実地指導〜「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針」全解説〜

小濱介護経営事務所 代表 小濱 道博 氏

1. 運用指針が発出

2019年5月29日に厚生労働省から通知「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針」が発出された。これによって2019年度からの実地指導が激変する。この運用指針は、実地指導を効率化して年間の指導件数を増やすことが目的である。従来から厚生労働省は自治体に対して、少なくとも指定有効期間である6年内に一度は実地指導を行って、問題ないことを確認してから指定の更新手続を進めるように指導している。しかし、介護事業者の急増によって物理的に困難な状況が続いている。今回の通知は、実地指導の効率的な実施によって、従来は一日作業であった現地指導を半日に短縮して、一日に複数件の実地指導を行うように求めている。

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今後は確実に半日型の実地指導が増加する。ただし、一日型の指導が無くなるわけではない。また、今回の運用指針で示された内容は、指定基準である人員基準、設備基準、運営基準、すなわち厚生省令第37号、第38号、第39 号、第40 号に関するものである。この指針とは別に、介護報酬に関する確認作業は従来通りに行われる。加算などについては、算定要件をしっかりとチェックして遵守する必要がある。

2. 運営指針のポイント

この運用指針のポイントを確認していく。今後の実地指導は、通知の中で示された別紙「標準確認項目」及び「標準確認文書」に基づいて実施される。今回は、訪問介護、通所介護、介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、認知症対応型共同生活介護、介護老人保健施設、訪問看護の7種類のサービスが選択されている。他のサービスについても、この内容を参考にして実地指導に活かすとされた。ここに記載された確認項目と文書以外は、実地指導では見なくても良いとされる。この指針に沿って実地指導を行うことで、一件当たりの所要時間を短縮し、一日に複数件の実施指導を行うことが想定されている。実地指導の頻度は、事業所の指定有効期間に最低でも1回以上は実施することが基本となる。それでも実現できない場合は、過去の実地指導で特に問題がない事業所は集団指導のみとするなどが検討される。同一所在地や近隣に所在する事業所への実地指導は、同日又は連続した日程で行うとした。現地での提供記録等の確認は、原則として利用者3名以内とする。居宅介護支援については、原則として介護支援専門員1人あたり利用者1名~2名の記録等を確認する。確認文書は、原則として実地指導の前年度から直近の一年間とするとされた。

3. 「標準確認項目」及び「標準確認文書」のポイント解説~通所介護~

ここからは、通所介護を例にとって「標準確認項目」及び「標準確認文書」の内容とポイントを確認していく。なお、以下の( )の番号は指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の該当条項である。

(1)人員

① 従業者の員数 (第93条)

「標準確認項目」
・利用者に対し、職員数は適切であるか・必要な専門職が揃っているか・専門職は必要な資格を有しているか
「標準確認文書」
・勤務実績表/タイムカード・勤務体制一覧表・従業員の資格証

【ポイント】
常勤換算職員を含めて、出勤状況の確認として勤務実績表とタイムカードとの突き合わせ作業が行われる。これは規定された数の職員が適正に日々において配置されているかの確認作業である。専門職の職員については資格者証の確認と共に、その兼務状況などにポイントを置いてチェックされる。・・・・・

ここから先の情報については資料をダウンロードしていただき、お読みください。

- 続きのQA解説の項目 -

(1)人員
①従業者の員数 (第93条)
②管理者 (第94条)

(2)設備
①設備及び備品等 (第95条)

(3)運営
①内容及び手続の説明及び同意 (第8条)
②受給資格等の確認 (第11条)


これからの介護事業経営
「介護保険施設等に対する実地指導の 標準化・効率化等の運用指針」全解説

著者プロフィール

小濱介護経営事務所 代表
C-MAS 介護事業経営研究会 最高顧問
C-SR 一般社団法人医療介護経営研究会 専務理事

小濱 道博(こはま みちひろ) 氏

日本全国対応で介護経営支援を手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。
昨年も延20,000人以上の介護事業者を動員。
全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。著書、連載多数。

小濱 道博 氏

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