2023年03月16日 更新

物流センターが抱える課題とは?
デジタル技術を活用した改善策を紹介  

多くの物流センターが物流量の増加や人手不足などの課題を抱えています。物流センターの課題を解決するためには、どのような改善策があるのでしょうか。この記事では、物流センターが抱える課題に触れたうえで、具体的な改善策や改善事例などを解説します。物流センターをスムーズに運営するために、ぜひ参考にしてください。

物流センターの基本的な機能

物流センターにはさまざまな機能があります。ここでは、物流センターの基本的な機能を解説します。

保管機能

物流センターでは、商品を出荷するまで保管しています。物流センターに輸送されてきた商品をかご車やパレットに移し、フォークリフトで定められた保管棚へ配置するパターンが一般的です。

出荷機能

商品が発注されると、物流センターから出荷するための作業を行います。商品を輸送する手段は、トラック輸送、鉄道輸送、海上輸送、航空貨物輸送などさまざまです。物流センターでは、商品を効率的に輸送できるよう商品や輸送手段を管理しています。

荷役機能

荷役とは、商品の入出庫、検品、仕分け、棚入れ、ピッキングなどのことです。商品を1つずつ扱う必要があるため、規模が大きい物流センターではたくさんの人手がかかります。

包装機能

物流センターでは、商品の包装や梱包にも対応します。商品をピッキングした後、配送先に合わせて梱包します。配送先によって梱包の内容が異なるため、基本的に人の手で作業を進めなければなりません。

流通加工機能

流通加工は、要望に応じて商品を加工することです。たとえば、複数の商品を詰め合わせたりおまけを付けたりする作業が該当します。物流センターで商品を加工すると、出荷先ですぐに販売できます。

物流センターの種類・役割とは

物流センターの種類や役割も複数に分かれています。ここでは、物流センターの種類・役割について解説します。

配送センター

配送センターは、商品の保管や仕分けなどを担う物流拠点のことです。生産者から商品を仕入れたら出荷先を確認して仕分けます。その後、商品を輸送してエリアごとに配送します。

デポ

デポは、配送センターよりも小規模の物流拠点です。エリアごとに配置されており、そこから商品が配送先へ配達されます。配送の頻度が高いため、デポに保管されている在庫の数は少なめです。

DC(ディストリビューションセンター)

DCとは「Distribution Center」の略で、保管している商品を加工して配送先へ届ける拠点です。在庫として商品を保管している期間が長いため、在庫型物流センターと表現される場合もあります。DCでは、商品の検品、保管、加工、出荷を行います。

TC(トランスファーセンター)

TCとは「Transfer Center」の略で、届いた商品を仕分けて配送する拠点です。商品を在庫として保管する期間がないため、通過型センターともよばれています。

PC(プロセスセンター)

PCとは「Process Center」の略で、商品を加工するための拠点です。主に生鮮食品が扱われており、たとえばデザートやサラダなどの商品が作られています。PCを設けるには、高度な加工に対応できる設備が必要です。

物流センターが直面している課題

物流センターはさまざまな課題を抱えています。ここでは、物流センターが具体的にどのような課題に直面しているのかについて解説します。

作業量の増加

Eコマースが多くの人に受け入れられるようになり、物流センターで扱う商品の数が増加しました。新型コロナウイルスの流行後は、その傾向が特に強まっています。物流センターの作業量は従来よりも増え、担当者の負担も大きくなりました。物流センターは多くの業務にスムーズに対応できるようにし、物流を滞らせないようにする必要があります。

人手不足

物流センターの作業量が増加している反面、労働人口の減少により人材の獲得は難しい状況です。そのため、物流センターにおいても、慢性的な人手不足が発生しているところが増えています。その結果として、担当者1人あたりの作業量が多くなったり長時間労働が生じたりしています。労働環境の改善は、物流センターにとって大きな課題の1つです。

業務効率化

物流センターでは、受発注をリアルタイムで把握できていないケースもあります。また、物流センターでの作業を終えたところでキャンセルになるパターンもあるでしょう。無駄な作業が発生すると、その分だけ業務の効率が低下します。作業量の増加や人手不足に対応するには、業務効率化が重要な鍵です。

在庫管理

保管されている在庫数を正確に管理できず、さまざまな課題が生じている物流センターもあります。在庫数を把握できていないと、物流量の増加に適切に対応できません。また、余分な在庫がある場合、商品をなかなか出荷できず損失になる可能性もあります。正確な在庫管理は、利益を最大化するためにも重要なポイントです。

クレーム対応

クレームが多く発生すれば、その分だけ対応にも時間がかかります。顧客対応だけでなく、返品の受け入れや交換商品の発送などの作業も必要だからです。特に、物流のノウハウが乏しい場合や各作業の担当者同士の連携がうまくいっていない場合などは、クレームが発生しやすくなります。

物流センターの課題を改善する方法

物流センターで発生する課題を改善するには、さまざまな方法があります。ここでは、物流センターの課題を改善する方法について解説します。

管理システムの導入

管理システムを導入すれば、物流業務全体を一元管理できます。物流センター内に保管している商品の在庫状況をすべて可視化できるため、在庫の不足や過多の発生を防止できます。業務効率化にもつながり、無駄な作業を発生させずに済むでしょう。また、ヒューマンエラーによるミスの軽減も可能です。

物流センターの自動化

物流センターの業務は自動化が可能です。たとえば、ロボットを導入してピッキング作業や入出庫管理を任せれば、人が対応する必要はありません。業務効率化を実現でき、少ない人数で物流センターを運営できるようになります。各担当者にかかる負担も少なくなります。

アウトソーシング

物流センターの業務は、アウトソーシングも可能です。物流業務を専門に扱っている業者へ外注すれば、責任を持ってそれぞれの作業を進めてもらえます。梱包や発送などの作業は煩雑ですが、業者によっては柔軟に対応してくれます。手間がかかる返品や交換などの作業も効率的に対応できるようになるでしょう。

物流センターの課題改善に向けたデジタル技術活用の事例

物流センターの課題を改善するために、デジタル技術を活用するケースが増えています。ここでは、その事例を3つ紹介します。

WMS(倉庫管理システム)の導入

WMS(倉庫管理システム)を導入すると、物流センターでの業務全般をスムーズに進められるようになります。それまで人が行ってきた作業をシステム化でき、担当者の見落としにより発生するミスを大幅に削減可能です。その結果、無駄な作業を発生させず、物流センター内の業務効率化につながります。

リアルタイムなデータ管理

物流センターの在庫に関するデータを取得すれば、リアルタイムに状況を把握できます。システムによりデータを取得するため、在庫数を正確にチェックできます。従来よりも作業の精度が向上し、業務効率化を期待できるでしょう。データを蓄積して分析すると、在庫の最適化も図れます。

物流情報端末の導入

物流情報端末を活用する場合、各担当者に対して最適なオペレーションを指示できるようになります。無駄な作業を発生させなくて済むため、業務をよりスムーズに進められるでしょう。従来はすべて人が対応していた作業にシステムを導入すると、業務の省人化や無人化にもつながります。

まとめ

物流センターにはさまざまな機能があり、種類や役割も複数に分かれています。人手不足や在庫管理などの課題はまだまだあるものの、デジタル技術を活用した改善策を取り入れることで、円滑な解決が期待できるでしょう。

富士通Japanには、たくさんの企業の経営課題を解決してきたノウハウや業界の最前線で培ったテクノロジーがあります。それぞれの物流センターが抱える課題を解決するための方法についても、幅広い提案が可能です。解決策を掲載した資料も配布しているため、効果的な改善策の実行のヒントとしてぜひ活用してください。

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