2022年8月4日更新

キャッシュレスの今を知る 第03回 キャッシュレスを起点としたデジタルマーケティング

富士通Japan株式会社 阿部 美寿々

イメージ

第1回コラムでも事業者側のキャッシュレスニーズの1つとしてご紹介しましたが、キャッシュレスは、単に決済の電子化というだけではなく、デジタルマーケティングツールとしての活用にも期待が持たれております。顧客像や購買動向のデータ化、顧客行動の可視化をすることにより、プロモーションとその効果測定や、商品の企画・開発への活用を期待する企業様が増えています。

さらに昨今、あらゆる業界において、"顧客体験"をより良くしようというアフターデジタルな思考・取り組みが注目されています。今後は、小売業界においても、ユーザビリティやエンターテイメント性等、単なる販売ではない“顧客体験“を求められる時代になってくることが予想されます。
これらの第一歩として、キャッシュレス化は必要不可欠なものとなっています。

キャッシュレスから始めるデジタルマーケティングとは?

キャッシュレス決済を起点に、どんな人が、どんなものを購入したかを把握・分析して、自社販促や商品企画・開発に役立てて、売り上げ拡大を目指していく取り組みです。

【Step1:会員化・データ収集】

キャッシュレス決済は、1人1つのカードやバーコード・QRコードが発行されますので、個人を特定するキーとなります。
さらに、ポイントサービスも合わせて提供することにより、お得感を提供することと引き換えに顧客属性を収集することができます。これにより、自店においてはどのような人物がどの程度の頻度で、いくら消費しているかという、情報を把握することができます。

【Step2:分析(会員の見える化)】

Step1の情報とPOSやオンラインショップの購買データを掛け合わせることで、「どんな人が、どのようなものを購入しているのか」を把握することができます。
このデータは、自社の販促のみならず、メーカーへのデータ提供によって商品の企画・開発にも活用することができます。つまり、今後データビジネスの展開にもつながる貴重なデータとなります。

【Step3:販促活用】

自社の販促にデータを活用する場合は、分析結果をもとに、会員1人1人にリーチできる顧客接点として、スマホアプリの必要性が高まります。顧客属性や購買情報などから、任意の顧客属性にマッチしたPush通知やクーポン配信を行っていきます。顧客にとって、ほしい時にほしい情報が手元に届くことは、満足度の向上につながります。また、より多くのポイントで上位ランクを目指したい、スタンプを貯めて商品を獲得したい、という購買にとどまらない来店動機も併せて醸成する、戦略的な販促に取り組むことも可能です。
このような取り組みを継続的に進めていく事で、自社ファン育成につなげていきます。

キャッシュレスデジマケを実施するうえでよくある問題とその解決策

問題①
キャッシュレス決済やポイントサービスの種類によっては、自社で情報を自由に活用できなかったり、データ提供は有料になったり、というケースがあります。

解決策
自社電子マネー(ハウス電子マネー)・自社ポイントサービスであれば、自社が発行主体となりますので、収集した情報を自社のデータとして自由に活用することができます。


問題②
集めた情報をどのように活用していったらよいかわからない…。

解決策
分析をする目的を明確にすることが重要です。
デジタルマーケティングを目指した分析に取り組む場合、まずは自社のお客様を知っていきましょう。
例えば、「週末にまとめ買いをするファミリー層」、「平日夜の来店をする単身者」等、動向を把握しながら、お客様を様々な分類に分けていきます。
その動向に応じて、スマホアプリ等からお客様が必要としている販促情報をタイムリーにレコメンデーションすることができ、利便性・満足度の向上につながっていきます。
同時に販促効果測定もできるので、お店側は継続的に取り組むことで1つ1つの販促のリーチ率を高めて効率の良いプロモーションサイクルを実現します。


問題③
自社構築しているスマホアプリに決済機能を搭載するには、不正利用対策が不十分なこともあり、不安です。

解決策
近年、電子マネーの不正利用トラブルが多発しており、"販促アプリ"と"決済アプリ"では、求められるセキュリティレベルが異なるので注意が必要です。決済アプリに求められる対応は、キャッシュレス推進協議会や金融庁等、国が定めるセキュリティガイドラインに則って、対策を行っていく必要があります。
さらに近年主流となりつつある、スマホ上でのクレジットチャージや銀行チャージ等を追加搭載していく場合には、より厳しいガイドラインへの準拠が必須となります。
専門性のあるアプリベンダーに開発を委託するとともに、自社でも広く情報収集をし、運用していくことが求められます。

「ValueFrontキャッシュレスソリューション」なら、すべて解決!

ValueFront電子マネーサービス、ValueFrontポイントサービス、ValueFront Analytics(分析)、スマホアプリ「まとめトク!」を活用することで、キャッシュレスを起点としたデジタルマーケティングの実現が可能です。
「ValueFrontキャッシュレスソリューション」の詳細はこちらよりご確認いただけます。是非お気軽にお問合せください。
https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/services/keyword/cashless/

著者プロフィール

富士通Japan株式会社
e-ビジネスサービス統括部 サービスビジネス推進部

阿部 美寿々

学生時代にチアダンス世界大会で優勝。入社後は、富士通アメリカンフットボール部FRONTIERSの連覇をチアリーダーとして支える。
今はスポーツ界からの一線を退き、キャッシュレスサービスを通じて企業の応援を中心に活動。
皆様のビジネスの成功を応援しています。

阿部

ページの先頭へ