2017年01月11日更新

企業力アップのためのお役立ち 第13回 キーポイントは環境づくり!メンタルヘルス問題への対策ポイント3 選

マケナ雅美 氏

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社会的問題として多くの人々から注目を集めている「メンタルヘルス問題」。仕事場では業務内容はもちろん、人間関係でもストレスが発生しやすく、そのストレスといかに上手に付き合っていくかがキーポイントとなっています。そこで今回は仕事場で発生するストレスをどのように解消し、社員のメンタルヘルスへの対策をおこなっていくべきかを、3つのポイントから見ていきましょう。

ストレスがたまりやすい人ってどんな人?

「ストレスはだれでもある」「そんなもの、ためなければいいじゃないか」……このような気持ちで社員のストレスやメンタルヘルスの問題を傍観していては、本当に効果のある対策をおこなうことはできません。まず、人はなぜストレスをためてしまうのか、そしてストレスがたまりやすい人というのはどのような人かを知ることから始めてみましょう。

仕事の責任や多くの人々とともに作業をおこなう環境から、ある程度のストレスを抱えてしまうのは当然のこととも言えます。しかし、その人の性格によって、たまったストレスを家族や友人との食事やおしゃべりで発散できる人もいれば、つい一人で悶々とため込んでしまう人もいます。

一般的にストレスがたまりやすいと考えられているのは「神経質」「こだわり派」「感情を抑え込む派」「気配り屋」などの人々です。会社での日々の業務の中で、自分の周りにストレスがたまりやすい人がいないか注意を払うようにし、ストレスがたまっていそうだな……と思ったら声をかけてみる、人事担当者に相談してみるなど、ちょっとした行動を起こすことで、その人のストレスを取り除く助けとなることができるかもしれません。

助けあえる環境づくりが社員のメンタルヘルスを健全に保つ

先に挙げたように、ストレスがたまっていそうな人がいたらサッと声をかけてもらったり、人事担当者に相談してもらったりするためには、そのような行動が取りやすい環境を会社が用意する必要があります。「仕事が大変なのはみんな同じ……自分のやるべき仕事は社会人なら自己責任でやるのは当然!」と切り捨ててしまっては、個人のストレスレベルが高まるだけでなく、会社の雰囲気自体がギスギスしたものになりかねません。

お互いを信頼して声をかけたり相談したりできない会社において、社員のメンタルを健康的に保たせることは困難を極めます。オープンで健全な職場を築きあげるためには、まずリーダーの立場にいる人々が率先してポジティブな雰囲気作りをおこない、その他の社員がそのあとに続けるような雰囲気を企業全体に広げていく必要があるのです。

食事の重要性を再確認しよう

メンタルヘルスを考える上で、重要なポイントとなるのが「食事」です。「忙しいから今日もお昼を抜いてしまった……」「ああ、今夜も夜中に家に帰ってカップラーメンだな……」そんな栄養バランスの悪い食生活や不規則な食生活は、体の健康だけでなく、実はメンタルヘルスにも大きな影響を与えます。

もちろん社員一人ひとりの食生活を会社が管理することはできません。しかし、時間がないからと糖分の高いお菓子やジャンクフードを食べたり、ストレス発散に多量のお酒を摂取したりする期間が減るように、アドバイスすることは可能です。「お昼の休憩は必ずしっかり取れるようにする」「残業がやむ得ない場合も、晩御飯はきちんと合間に取るようにする」など会社の方針を明らかにし、社員が気兼ねなく食事の時間をもうけることができるようにしましょう。

ストレスはたまって当たり前、という認識を

ストレスはだれでも発生するものですし、それがたまるのもごく自然なことです。ただ、そのストレスが原因でメンタルヘルスに支障が出ないようにするためには、「大人なのだから、ストレスの管理も自己責任……」といった考え方を捨てましょう。会社として大切なのは、いかにストレスがたまりにくい環境を作るか、そしてたまったストレスを解消するはけ口を用意するといった対策をしっかりとおこなっていくことです。

著者プロフィール

マケナ雅美 氏

Texas A&M University、経済学部卒。福岡出身、現テキサス在住。大卒後、化粧品や医薬品の臨床試験を行う米国の会社のアジア部門にて、翻訳・通訳業務、日本やヨーロッパの顧客へのマーケティング業務を主に新しい分野で働く楽しみを覚える。経済のみでなく、テクノロジー、スポーツ、料理、アンティークなど幅広い興味を持つ。

マケナ雅美 氏

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