東洋クロス株式会社 様
クラウド活用で働き方改革とセキュリティ強化を実現
生地(クロス)や合成皮革、フィルム加工品を扱う東洋クロス株式会社様(以下、同社)。同社では、社内の情報システムとして「まるっと Office 365 」を導入したことで、サーバ管理の負荷軽減、コミュニケーションの情報共有の活性化を実現。その後、上位プランに切り替え、多要素認証によるセキュリティ強化などを実現しました。同社の取り組みを紹介します。
- 課題サーバなどを含めたシステム機器の運用・管理業務の負荷が大きかった
- 効果情報システムをクラウドに移行したことで、管理対象のサーバが4台から2台に減り、管理負荷を軽減できた
- 課題現場での迅速な情報共有やグローバル工場での常時稼働に対応するため、情報システムの24時間稼働が求められていた
- 効果情報システムのクラウドに移行により、万が一の災害時でもシステムの安定稼働を可能にした
- 課題場所やデバイスを問わず安全に情報システムへアクセスできる環境整備のため、セキュリティ対策が求められた
- 効果「Microsoft 365 Business」 に切り替え アップグレードし、多要素認証などの機能によりセキュリティをさらに強化した
導入の背景
情報システムの重要性が高まる中、災害時のBCP対応とセキュリティが課題に
2019年で創業100周年を迎える同社は、出版・文具や印刷をはじめ、衣料・スポーツ、車両・住宅・産業資材と幅広い分野で利用される、クロス、合成皮革、フィルム加工品を扱うコーディングメーカーです。生産技術だけではなく、高い検査技術、そして小さな埃も出さないハイクリーンな生産環境を持っていることが同社の強みです。
同社では近年、電子部品に使われるセラミックコンデンサーのフィルム加工分野で需要が増大し、その生産量が年々拡大してきました。そのため、工場は24時間365日体制で稼働しています。グローバル事業も拡大しており、生産設備の24時間稼働という環境変化に、情報システムも対応する必要性が出てきました。同社の情報システムは以前、大阪市と泉南市にExchangeサーバを各1台ずつ設置し運用していましたが、災害時のBCP(事業継続計画)に懸念がありました。 情報システム部 部長 永吉 秀晃氏は「両方のサーバをリモート監視していましたが、情報システム部の要員も少なかったため負担が大きかったです」と説明します。
また、以前は、夜中にセキュリティパッチをあてExchangeサーバを再起動していましたが、社員から「情報システムを止めないようにして欲しい」という要請が来るようになりました。特にメールシステムがわずか15分でも止まってしまうと、世界各国の拠点や工場からの業務連絡や指示がスムーズにいかず、それが製造工程にも影響を及ぼします。「社内における情報システムの重要性は日ごとに高まり、より安全で安定した稼働が求められていました」(永吉氏)。
もう一つの課題は、業務に利用するモバイル端末のセキュリティ対策です。同社では、働き方改革の一環として、情報共有方法の改善やコミュニケーションの活性化などの必要性を感じていました。そこで営業社員が社外からスマートフォンなどモバイル端末で情報システムにアクセスできるようにしていました。利便性がある一方、外出先から情報システムにアクセスする際の認証の強化などより安全なセキュリティ対策が求められていました。
導入の経緯
多要素認証などセキュリティ強化を目的に「まるっとOffice 365」を上位プランに
同社では、Exchange Server 2013から同2016にアップグレードするタイミングで、クラウドサービスであるOffice 365への移行を検討。クラウド移行に対する不安もあったため、同社の業務やICTへの要望に理解がある富士通マーケティングにサポートを依頼しました。そして、クラウド移行に伴い、ネットワークの高度化を考え、実現方法を検討。2018年4月から移行作業に着手しました。永吉氏は「ハイブリッド構成におけるドメイン・ネーム・サーバのコントロール方法に悩み、その構築に時間がかかりました」と振り返ります。しかし、「富士通マーケティングに根気よくサポートしていただき、試行錯誤しながら移行作業を進めることができました」(永吉氏)。
その過程で同社は、富士通マーケティングが提案した「FUJITSU Enterprise Application AZCLOUD SaaS まるっと Office 365」(以下、まるっと Office 365)を導入。その後、セキュリティのさらなる強化を目的にプランを上位の「Microsoft 365 Business」(以下、Microsoft 365)に切り替えました。永吉氏は「サードパーティー製品でセキュリティを強化するより、『Microsoft 365』へアップグレードする方がワンストップで安心・安全な環境を構築できると考えました」と説明します。
「Microsoft 365」には、多要素認証やデバイス認証、端末管理機能といったモバイル端末を活用する上で必要なセキュリティ機能が備えられています。同社では、モバイル端末からのよりセキュアなアクセスを実現するために、「Microsoft 365」の導入を決定しました。
導入の効果
管理対象サーバが半減し負荷が軽減、社内外のシームレスな情報共有が可能に
「まるっとOffice 365」の導入によって、同社ではさまざまなメリットを享受しています。まず、クラウドシステムにしたことでBCP対策を強化でき、情報システムのさらなる安定稼働を実現。実際、2018年に関西圏が大型台風による被害を受けた際も、同社の情報システムが停止することはありませんでした。以前のシステム構成はExchangeサーバ2台とSQLサーバ1台、基幹業務サーバ1台の計4台となっていましたが、クラウド移行によってExchangeサーバ2台分の管理負荷を軽減。マルウェア対策の品質も向上し、「以前はサードパーティー製品を利用し、自分でフィルターを作成・コントロールしていましたが、その手間も不要になりました」(永吉氏)。システム運用の負荷を軽減できたことで、現場の業務効率を上げるための施策に、より注力できる体制を整備できました。
また、社外のどこにいても社内にいるのと同じように情報システムへのアクセスが可能になったことで、情報共有やコミュニケーションも活性化されました。「社員がSharePoint OnlineやOneDrive for Business Onlineを使いこなし、情報共有の仕組みを自発的に活用しています。モバイル端末を活用する社員も増え、場所に捉われない働き方への変革が進んでいます。今後、Skype for Business OnlineはMicrosoft Teamsにアップグレードし、コミュニケーションの中核ツールとしての活用を検討しています」と永吉氏は導入効果を強調します。
さらに、「Microsoft 365」へアップグレードしたことで、多要素認証など外出先から情報システムにアクセスする際のセキュリティ強化を実現しました。永吉氏は「今回のシステム移行にあたっては苦労した点も多く、単にメールでやり取りするだけでは解決できない問題もありました。そんな中、富士通マーケティングの担当者とは電話で話したり、直接会ったりして課題をクリアしていきました。丁寧にサポートしてくれたのでとても心強かったです」と振り返ります。
今後の展望
「安全で安心して楽しく使えるICT」の構築を
同社では今後、クラウドとオンプレミス環境を並行して活用する「ハイブリッドな情報システムをさらに充実させたい」(永吉氏)と考えています。あわせて、3年前は5台程度だったモバイル端末の利用台数が、現在は20台を超えているなど、社外からアクセスして情報システムを活用する社員も増えてきました。永吉氏は「海外出張をする社員も多いので、今後は、いつでもどこでも安心して情報システムにアクセスできる環境をより整えていきたい」と方向性を示します。「富士通マーケティングには、今後とも良きパートナーとして当社の情報システムをサポートしていただきたい」(永吉氏)。進むべき道筋は明確なようです。
担当営業の声
このたびは弊社のクラウドサービス「まるっと Office 365」を導入いただき、誠にありがとうございます。貴社の創立100周年をお祝い申し上げると同時に、これからも「Best Solution & Best Partner」としてともに成長出来るようご支援させていただきます。
株式会社富士通マーケティング
地域営業本部
関西産業統括営業部
産業第二営業部
信末 裕之
東洋クロス株式会社 様
所在地 | 大阪府泉南市樽井六丁目29-1 |
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代表者 | 代表取締役社長 木野 俊治 |
設立 | 1919年5月14日 |
資本金 | 1億円 |
従業員数 | 約380名 |
事業内容 | 布や紙、不織布、フィルム関連のコーティング品の製造 |
ホームページ | https://www.toyocloth.co.jp/ |
[2019年10月掲載]
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