株式会社京急イーエックスイン 様
バックヤード業務の集約で、お客様サービスに注力できる体制を構築、ホテルチェーンとしての機能を強化し客室稼働率95%を実現
2007年に開業し、宿泊特化型ホテルの運営および管理業務を受託している株式会社 京急イーエックスイン様(以下、同社)。クラウド型ホテルシステム「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart ホテル」の導入で、ホテルチェーンとしての機能をさらに強化し、客室稼働率を向上。同社の取り組みを紹介します。
- 課題各ホテルでは経理などバックヤード業務の負荷が大きく、お客様へのサービスや対応の時間を十分に確保できなかった
- 効果集約できる業務は本部に集約し各ホテルの業務を効率化、お客様へのサービスや対応を行う時間を創出
- 課題各ホテルのシステムが連携されてなく、ホテルチェーン全体の状況を俯瞰的に捉えることができなかった
- 効果共通ホテルシステムで各ホテルを一元管理する基盤を構築、ホテルチェーンとしての機能をより強化
- 課題「選ばれるホテルチェーン」となるため、リピーターを増やすなどの施策が求められていた
- 効果お客様情報を管理・分析できる基盤を構築、会員組織などお客様満足度向上につながる施策を実施できる体制を整備
導入の背景
バックヤード業務の効率化が課題
お客様対応の時間を増やしサービスの質を高める
同社は、羽田・品川エリアを重点に15館のホテルを運営し、客室数は3,000室を超え、延べ宿泊客数では年間約100万人が利用しています。2020年には新たに2館を開業する予定で、運営規模をさらに拡大させています。
現在のホテル業界では、スタッフの人材不足が深刻化しています。同社でも、訪日外国人観光客などビジネス以外の目的で宿泊するお客様が増える中、限られた人数でサービスの質をさらに高めることが課題でした。
同社の本社 管理部 システム担当課長 兼 チェーン事業部 課長の田中 淳一氏は「多くのスタッフが経理業務などのバックヤード業務に時間と手間を取られていました。数字をデータ入力するなどの処理業務も多く、その部分をシステム化することで、スタッフがもっとお客様に目を向けることに注力できるようにしなければと考えていました」と語ります
同社では、ホテルチェーンとしての機能の強化と、各ホテルでお客様満足度の向上のための体制を検討。「まずは、本部に集約する業務と、各ホテルで独自で実施する業務を切り分けて現場の負荷を軽減させること。それによって生み出された新たな時間で、お客様と接する機会を増やし、サービスの質を高め、ホテルチェーン全体としてのお客様満足度の向上につなげたいと考えました」(田中氏)。
導入の経緯
新たなお客様サービスにつながるICTの活用と総合的なサポート力が決め手
同社では、まず、新規開業の「京急 EXイン 浜松町・大門駅前」と「京急 EXイン 羽田・穴守稲荷駅前」に、新たなホテルシステムの導入を検討しました。複数のシステム開発会社からの提案を検討した結果、同社は、富士通マーケティングが提案したクラウド型の「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart ホテル」(以下、GLOVIA smart ホテル)を選定しました。
田中氏は「選定した理由について、将来にわたっての継続的なサポートへの期待と、新しいお客様サービスにつながるICTの活用を提案してくれた点です」と説明します。
「当社に情報システムの担当者は2名しかいません。そのため、システム提供会社からのサポートが重要になります。富士通マーケティングが継続的にサポートし続けてくれるのは、とても安心感がありました」(田中氏)。また、「今後のホテル運営では、お客様情報を蓄積して戦略的に活用することが求められます。各ホテルのお客様情報を蓄積・共有できるなどホテルチェーンとしての機能を強化できることを評価しました」(田中氏)と語ります。
同社 本社 システム担当 主任の武井 麻衣氏は「導入に当たって、富士通マーケティングの担当者はどんな質問にもすぐにメールで答えてくれたり、親身に対応してくれたりと安心できました。こうしたサポート体制は、今後システムを全ホテルへ導入する中で非常に重要だと感じました」と選定の理由を説明します。
導入の効果
業務集約と現場の状況に応じた施策の実施で、開業から3カ月で客室稼働率95%を実現
同社では、今回のホテルシステムの導入で各ホテルが個別に実施している経理業務などを本部に集約し現場の負荷を軽減、同時に各ホテルの情報を一元管理できる基盤を構築しました。本部から各ホテルに現場の意思決定に役立つ情報を迅速に提供でき、現場ではその情報を活用する余力が生まれ、需要動向を見ながら、一日の時間帯によって空室の値段設定を細かく変えたり、キャンペーンを実施したりできるようになりました。「こうした取り組みで、2019年8月に開業した『京急 EXイン 羽田・穴守稲荷駅前』では、開業から3カ月で客室稼働率95%を実現しました」(田中氏)。
同社 運営管理部 運営課 羽田・穴守稲荷駅前フロントの小嶋 潤氏は「近くにある『京急 EXイン 羽田』と、良い意味で競争しながらやっています。ホテルシステムの活用で生み出された時間を使い、お客様のために色々なプランを提案していきたいです」と抱負を語ります。また、他の現場スタッフからも「GLOVIA smart ホテル」の導入効果を語る声が上がっています。同社の運営管理部 運営課 浜松町・大門駅前 主任の北川 ひろみ氏は「シンプルな画面ですが、細かい情報をたくさん確認できます。機能が豊富なので、使い慣れればさらに有効活用できると思います」と語ります。
同社の運営管理部 運営課 浜松町・大門駅前フロントの小林 明日香氏は、「システムの定着化の研修や説明会を開いてくれたので安心しました」と富士通マーケティングのサポート体制を評価。同社では、「GLOVIA smart ホテル」を導入したホテルの従業員同士で使い方に関してサポートするという良い循環が生まれているとのことです。ホテルシステムの導入は、従業員の意識改革にもつながりました。バックヤードの処理をシステムに任せることで、「今まで以上にお客様に目を向け、独自のお客様サービスを提供できる素地ができました」(田中氏)。
今後の展望
より一層のサービス向上のためにICTの活用が重要な役割を担う
同社では、今後、「GLOVIA smart ホテル」のさらなる活用を考えています。例えば、「GLOVIA smart ホテル」のルームステータスの管理機能を活用することで、清掃スタッフを待たせずに部屋の清掃作業に取り掛かることができ、客室の効率的な運用が可能になります。将来的には、自動チェックイン・チェックアウト機を導入し、ルームステータスの管理機能と連携させることでお客様のアーリーチェックインのニーズに対応するなど、「より一層のサービス向上に役立てていく予定です」(田中氏)。
また、「GLOVIA smart ホテル」は他のシステムと柔軟に連携できるので、「今後は予約管理システムなどとの連携でホテルチェーンとしての機能がより強化されると期待しています」(田中氏)。さらに、蓄積されたお客様情報を活用し、ポイント管理システムによる会員組織の新設なども視野に入れています。
将来的なICTの活用について、田中氏と武井氏は次のように語ります。「AI(人工知能)を使った客室稼働率の管理や人員の最適な配置など、ICTの活用が今後、さまざまな局面で重要な役割を担います」(田中氏)。「需要にマッチしたプランや一人ひとりに寄り添ったサービスの提供が可能になると考えております。業務の省力化とそれによって捻出された時間の有効活用に力を入れていきたいと思います」(武井氏)。高いホスピタリティでお客様から「指名されるホテル」へと、次の一歩が踏み出されているようです。
担当営業の声
このたびは「GLOVIA smart ホテル」をご採用いただき、誠にありがとうございます。あわせて「お客様サービスへの注力」に向けた取り組みをサポートできることを大変光栄に存じます。今後とも富士通グループ全体で京急イーエックスイン様のさらなる成長をご支援できるよう関係者一同、取り組んで参ります。
株式会社富士通マーケティング
流通営業本部 情報・サービス統括営業部
情報サービス営業部 小林 彦太
株式会社 京急イーエックスイン 様
所在地 | 神奈川県横浜市西区高島1-2-8(京急グループ本社内) |
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代表者 | 取締役社長 四宮 浩 |
設立 | 2007年7月2日 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 342名(2019年6月現在) |
事業内容 | ビジネスホテルの運営および管理業務の受託 |
ホームページ | https://www.keikyu-exinn.co.jp |
[2020年1月掲載]
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