個別受注生産における生産管理システムの選定ポイント「生産管理の3つの課題とその解決策」 後編

2021年4月22日更新

前回のコラムでは、「一品一様」の作り込みが求められる大型工作機械のような個別受注生産型の組立製造業が、「QCD(Quality:品質・Cost:コスト・Delivery:納期)を高め、維持するための3つの課題について説明しました。それらの課題をハイブリッド型生産管理システムによって、どのように解決できるのでしょうか。後編では、解決方法を具体的に解説します。

生産管理の現場で起きている3つの課題解決

個別受注生産型の組立製造業の現場では、生産効率をいかに高めるかが課題です。部品の共通化によって生産効率を高めたいとは考えても、実際には共通化できる汎用的な部品と、受注生産しなければならない特殊仕様の部品が混在します。そのため、個別受注生産と部品中心生産・見込量産の混在を意識していない既存の生産管理システムでは、課題を解決できないのが実情です。

そこで求められるのがハイブリッド型生産管理システムです。ハイブリッド型生産管理システムならどう解決できるのでしょうか。

注:部品中心生産とは設計を標準化し共通性の高いユニット/部品を見込で生産し在庫しておくことで受注生産のリードタイムを短縮する生産方式。

解決1:複数の生産方式を一元管理して、組立製造業の生産効率を向上

個別受注生産型の組立製造業において、生産管理の現場とシステムの関係に目を向けると、個別受注生産と部品中心生産・見込量産の混在を意識していないシステムを利用している場合、不要な作業や手配遅延が発生し、結果、システム運用・利用が生産効率向上の阻害要因の一つとなります。

具体的に説明します。例えば、生産管理システムの中には特殊仕様品などリピート性のない場合でも部品をマスタ登録しないと使えないものがありますが、個別受注生産では、顧客要件ごとに部品構成が新たに作成されます。また、部品の共通化が進むと、顧客要件ごとに、一部分だけ構成が違うという部品構成も作成されます。
しかし、マスタ登録しないといけないシステムを利用していると、リピート性のない部品や部品構成が一部違う場合でもそれぞれマスタ登録が必要になります。

マスタ登録を待つ間は、共通化した部品も含めて製造、発注などを指示できません。そうした「時間の無駄」を回避するため、「システムではなくEXCELで管理する」など、システム外での運用が発生してしまいます。

これらの問題を「GLOVIA iZ 生産 PRONES GX HYBRID」では、顧客要件ごとの部品構成(以下、製番別手配構成)やリピート性のない品目はマスタ登録せずに運用でき、顧客要件ごとの構成作成と同時に手配作成も実行できます。その一方で、共通化した部品などについては、マスタ登録しておき、製番別構成上に組み込むことにより、発注点などをみて在庫が不足した場合に補充したり、推定在庫を見て予め手配しておいたりすることも可能です。

つまり、共通化した部品は予め在庫として持っておき、それ以外では顧客要件に応じた製造の指示や発注を出せるので、業務に合わせた無理のないシステム運用が可能となり、個別受注生産型の組立製造の生産効率向上に貢献できます。

解決2:「さみだれ手配」で顧客仕様への柔軟な対応と納期遵守を両立

個別受注生産型の組立製造業では、顧客の仕様変更に可能な限り対応し、顧客要望に応えたいという想いと、「それでは納期に間に合わなくなる」といった課題と常に向き合っています。そうした課題を解決するには、仕様が確定したものから順次手配をする「さみだれ手配」にも柔軟に対応できることが大切です。

「GLOVIA iZ 生産 PRONES GX HYBRID」では、設計部門と生産管理部門を結びつけ、「手配してもよい部品」を明確にし、「さみだれ式」に手配できる機能を備えています。特急注文などによる急な計画変更に柔軟に対応できる製番再展開機能や、設計部門で発生した部品表の変更情報を取り込み、発行済みの手配状況を確認し、製造現場へのインパクトを判断できる機能も備えています。

たとえ、すべての設計が終了していない段階でも、手配してもよい部品を明確化し手配する「さみだれ手配」と、設計変更があった場合の手配への影響を素早く特定できる機能により、顧客仕様を取り込みながらも納期に間に合わせる調整が可能となります。

解決3:リアルタイムに、かつ製番ごとに原価を「見える化」

個別受注生産型の組立製造業では、そもそも個別に設計/生産するためリードタイムが長いことに加えて、仕様変更や機能の追加などによって設計から納品までの製造プロジェクトが長期化しやすい傾向にあります。調達する部品や資材のコストがプロジェクトの期間中に高騰していても、それに気がつかず、原価率の悪化に迅速に対応できないといった課題があります。

「GLOVIA iZ 生産 PRONES GX HYBRID」では、原価の予実管理を徹底し、見積時に想定していた原価を参照しながら、製番別/費目別の実行予算を入力・管理ができます。また、日々の製造情報を入力することで、製番の進捗(製造・購買・外注)にあわせて発生した実績原価の把握と実行予算、想定原価との対比をリアルタイムにできるため、原価の変動に対して原価低減活動を迅速に行うことが可能です。原価の変動を早期に捉え、必要な対策を迅速に打ち出すための機能を備えています。

「GLOVIA iZ 生産 PRONES GX HYBRID」は、多彩なアウトプット機能で分かりやすく原価を「見える化」できます。標準原価との差異や月ごとの実際単価の変動履歴が照会できる機能があるほか、データを指定したかたちに加工して抽出することもできます。製造原価の見えるかを柔軟に行えることで、原価低減の活動に有効活用することが可能です。

組立製造業のQCDを高め維持するハイブリッド型生産管理システム

グローバル化や顧客ニーズの多様化がますます進展する中、個別受注生産型の組立製造業には、ますます「QCD(Quality:品質・Cost:コスト・Delivery:納期)」を高め、維持することが求められています。そのためには、顧客仕様に基づく製品向けの個別受注生産と、標準製品向けの見込量産、標準的な部品の組み合わせで製品のバリエーションに対応する部品中心生産のいずれにも対応可能なハイブリッド型生産管理システムの導入が欠かせません。顧客仕様への柔軟な対応と納期遵守を実現する「さみだれ手配」に対応し、さらに、製造にかかるコストを抑える原価管理の機能を備えたハイブリッド型生産管理システムを導入・活用することで、QCDをさらに高めて維持し、市場における競争優位を確保できるでしょう。

また、ハイブリッド型生産管理システムを選定するときには、機能を満たすだけではなく、システムのベンダーが保守サポートを充実させているかどうかや、組立製造業に精通しているかどうかも重要な要素となります。意図する生産を管理できるシステムであり、かつシステムの維持も負担にならないことがシステム選びのポイントです。

次世代の生産管理システムとは?活用事例

以下のような無料PDFがダウンロードできます。

  1. GLOVIAiZ経営・生産_製造業の経営と生産に関する4つの課題解決適応例
  2. “企業の成長を加速・継続させる生産管理ソリューション”GLOVIAiZ生産の一枚ご紹介資料

著者プロフィール

  • 富士通Japan株式会社
    共通ソリューション開発本部 GLOVIA ERPソリューション事業部 生産管理ビジネス部
    大角 直樹

    富士通ERPシステムであるGLOVIA iZシリーズの開発・拡販に従事。
    1981年、富士通第一システムエンジニアリング入社。以来一貫して生産管理パッケージの企画・開発・適用・拡販に従事。
    2021年より富士通Japan株式会社。現在GLOVIA iZ生産PRONES GX HYBRIDの拡販に従事。

  • 富士通Japan株式会社
    ソリューションビジネス本部 産業ソリューションビジネス統括部 産業第二ソリューションビジネス部
    圓藤 倫久

    富士通ERPシステムであるGLOVIA iZシリーズの開発・拡販に従事。
    製造現場の業務効率化や生産管理システムの効果的な活用法などシステム面から顧客の企業価値を高める活動に注力している。

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