ワークエンゲージメントとは?「経営に与える3つの影響」

2019年11月21日更新

前回コラムでは、「ワークエンゲージメントの意味や定義、3つの尺度(活力・熱意・没頭)」についてご紹介しました。今回は、そのワークエンゲージメントが経営にどのような影響を与えるのか?について解説します。

ワークエンゲージメントが経営に与える3つの影響

近年の働き方改革への注目度の高まりとともに重要度が高まるワークエンゲージメント。それでは、従業員と企業が相思相愛の強固な結びつきを実現するワークエンゲージメントは、経営にどのような影響を与えるのでしょうか。

経営に与える影響1:従業員に選ばれる会社になる

企業にとって最も重要な経営資源は人材です。優秀な人材の確保は企業の競争力を左右し、成長の原動力になります。お金で購入することができる機械設備やITツールも、競争力を左右する重要な要因とはなりますが、そうした設備を使いこなすことができる人材がなければ、何の意味も持ちません。ワークエンゲージメントに適切に取り組むことで、従業員満足は向上し、会社に対する貢献意欲も向上します。人材が流動化する中でも、従業員の定着率を高めて優秀な人材を確保することにつながるはずです。

ワークエンゲージメントの効果を最大化し、従業員に選ばれる会社になるためには、一人ひとりの従業員と向き合い、従業員のニーズに応えていくことが求められます。そのために、重要な役割を果たすのがマネージャー。働く価値観および働き方が多様化する中で、One to Oneミーティング等でチームメーンバーに向き合うことが求められます。従来型の上意下達の指示命令から双方向の対話による課題解決、およびメンバー自らが主体的に考え、行動できるように、伴奏していくことが必要となってきています。また、従業員の側がマネージャーを評価するなど、下からのフィードバックを促してこそ、企業と従業員の良好な関係性を築くことができるのです。

ワークエンゲージメントは、従業員の多様化を促進します。顧客ニーズが多様化する中、ダイバーシティ型の経営も強く求められてきました。ワークエンゲージメントを高めることにより多様な従業員に選択してもらえる会社になることは、ダイバーシティの観点からも重要な要素となります。

経営に与える影響2:会社の業績が向上する

企業にとって最も重要な経営資源である人材活用の有効性を最大化するワークエンゲージメントは、企業の業績に好影響を与えます。「活力・熱意・没頭」という、3つの側面を重視する活動を継続することで、従業は、イキイキと熱意をもって仕事に没頭することができるようになります。生産性が向上するほか、新しいアイデアの創出にも期待が持てるでしょう。

ワークエンゲージメントを高めることは、生産性の向上や競争力の強化を通じて、企業の売上や利益といった収益力の向上をもたらすことに繋がります。品質、納期、価格といった企業の競争力を高めるそれぞれの要素においても、従業員の能力を最大限に発揮することが求められます。AIやRPAを使って、生産性を向上させ、企業の業績を向上させる例も出てきました。それでも、企業に最適なツールを選定し、使いこなすことができるのは従業員です。便利なITツールへの依存度を高めるだけで、従業員との関係性を軽視していては、企業の業績を向上させることは難しいといえるでしょう。

企業が中長期的な成長戦略を描くうえでも、ワークエンゲージメントは欠かせません。変化の速い事業環境においては、従来型のビジネスを継続するだけでは持続的な成長が難しくなってきました。新規事業を企画し、行動に移して新たな事業の柱に成長させるためには、優秀な人材が欠かせません。新規事業の推進に対して興味や喜びを感じて、意欲的に取り組む姿勢も必要になるでしょう。従業員が仕事に熱意をもって、よりよい精神状態で主体的に仕事に打ち込むことができれば、新しい発想やアイデアを事業に結びつけることもできるはずです。

経営に与える影響3:メンタルヘルス改革の実現

企業にとって新たなリスクとして、メンタルヘルス不調が顕在化しています。ストレス社会といわれるまでに現在の働き盛りの労働者の精神状態は疲弊しています。こうした状況を鑑みて、厚生労働省では総合的なメンタルヘルス対策を促進するために、2015年12月からストレスチェック制度の義務化に動いています。人手不足か深刻化し、働き方改革で高い生産性が求められる中、従来は重要視されてこなかった従業員の心の健康は、重大な経営課題となってきました。

ワークエンゲージメントは、メンタルヘルス改革を実行に移すうえでも重要な意味を持ちます。従業員とのコミュニケーションが重視され、定期的に「活力・熱意、・没頭」という視点でエンゲージメントスコアを計測するワークエンゲージメントは、従業員の心の変調に早期に気づくことができます。従業員がメンタルヘルス不調に陥る前に、必要な対策をとることにつなげることができるでしょう。

ワークエンゲージメントは、従業員の気持ちに活力を与え、熱意をもって仕事に没頭する心理的状態を作りやすくなります。メンタルヘルス不調に陥りにくい労働環境を形づくることにつながるはずです。さらにワークエンゲージメントは、一人一人に寄り添って従業員と企業が強固な関係性を構築することを目指します。

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著者プロフィール

富士通Japan株式会社
コーポレート本部 人事部 担当部長 佐山 幸嗣

2014年株式会社富士通マーケティング入社。
入社後、新卒・キャリア採用業務に従事、2018年より人事(労政、制度企画)・ダイバーシティ担当

※本コラム中に記載の部署名、役職は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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